ブランド戦略の立て方、実践方法を解説!ブランディングを成功・失敗事例から学ぼう【12選】

 

競合他社との差別化を図り、自社の市場でのポジションを確立することで顧客に選ばれる企業になりたいと考えたときは「ブランディング戦略」が必須になります。

この記事では

  • ブランディング戦略とは?目的や重要性
  • ブランディング戦略の作り方
  • ブランディングのための具体的な施策やアイデア
  • 企業のブランディング成功・失敗事例【全12選】


を徹底解説していきます。

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【監修者】
 梶田 洋平
 ラーニングス株式会社 代表取締役
大学卒業後は証券会社に入社し、5年弱勤めて退社した後、出版事業を手掛ける会社を起ち上げる。
大学時代からこれまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書・実用書は3,000冊以上。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象に、出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。

 

目次

 

 

ブランディング戦略の定義と目的

ブランディング戦略とは、企業や商品、サービスなどのブランド価値を高めるための戦略のことを指します。

ブランディング戦略は、製品やサービスを顧客に訴求するための、ブランドのイメージを明確にし、顧客の心に深く刻み込むことを目的としています。

ブランディング戦略を行うことにより、消費者からの認知度や信頼度を高め、競合他社と差別化することができます。

たとえば、自分が好きなアパレルブランドを思い浮かべてみましょう。

そのブランドは、商品のデザインや価格、店舗の雰囲気やスタッフの接客など、独自の特徴を持っていると思いませんか?

これらは、ブランドが明確なアイデンティティを持ち、消費者にアピールするための戦略的な施策によって作り上げられています。

ブランディング戦略では、広告やPR活動などを通じて、消費者に対して「自分たちのブランドはこんな特徴がある」というメッセージを伝えることが重要です。

 

ちなみに「ブランド」の語源は、古ノルド語で焼き印を表わす「Brandr」です。

当時は自分の家畜と近所の人の家畜を区別するために、動物に焼き印を付けていたそうです。

そう考えると、「ブランド」は”他社と区別するためのもの”と考えることができます。

 

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ブランディングの種類

一言で「ブランディング」といっても、ブランディングする対象により目的や方法が異なります。

以下で、代表的なブランディングをご紹介します。

 

● 企業ブランディング:会社全体のイメージや価値を顧客や従業員に伝え、信頼を得たり差別化を図ったりする。

 

● 製品ブランディング:商品ごとに持つ特徴や魅力をアピールすることで、顧客に訴求する。

 

● サービスブランディング:提供するサービスの特徴や魅力をアピールすることで、顧客に訴求する。サービスによる体験の向上を図り顧客の満足度アップを目指す。

 

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● 地域ブランディング:地域の特色や魅力を活かして、地域活性化を目指す。

 

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● セルフブランディング:個人が自分の個性やスキルを強化し、自己アピールを高めてキャリアや社会的地位の向上を目指す。

 

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ブランディングとマーケティングの違い

 

ブランディングはブランドの価値やイメージを構築することを目的とするのに対し、マーケティングは商品やサービスを市場に販売することを目的としています。

以下に、それぞれの目的・役割・おもな施策における違いをまとめました。

ブランディング マーケティング
目的 企業や商品の価値観やイメージを消費者に認知させ、長期的な信頼と愛着を築く 商品やサービスが売れる仕組みをつくり、企業や商品の売り上げを最大化する
おもな施策 広告やロゴ、パッケージデザイン、ブランドストーリー、ブランドアイデンティティの確立など 商品やサービスの開発、プロモーション、価格設定、販売チャネルの選定など
役割 企業や商品のブランド価値を高め、長期的な競争優位を築く 企業や商品の売り上げを最大化する
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ブランディング戦略とブランディングの違い

ブランディング戦略は「ブランドを最大限に活用するための計画や戦略を立てること」に焦点を当てているのに対し、ブランディングは「ブランドを形成し、ブランド価値を最大化すること」を目標にします。

 

ブランディングは、消費者にブランド価値を伝えるための戦略の一部であり

  • ブランド名
  • ロゴ
  • キャッチコピー
  • イメージカラー
  • デザイン

などの要素を組み合わせて、消費者にブランドイメージを形成するための戦略です。

 

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ブランド価値とは

「ブランド価値」とは、あるブランドが持つ独自の価値のことです。

消費者に与える印象やそのブランドが持つ特徴、知名度などが含まれます。

ブランド価値が高いと、競合他社との差別化ができ、消費者にとって魅力的な存在となります。

 

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ブランディング戦略の重要性

日本の企業は、自社のブランド価値や魅力などを伝えることが苦手であると言われています。

しかし、グローバル化やニーズや購入方法の多様化が進む昨今は「モノが売れない時代」と言われており、そんな市場で「選ばれる企業」になるためには、他社との差別化戦略が必須です。

ブランディング戦略は、消費者からの認知度や信頼度を高め、他社との差別化を図ることを目的としていますので、昨今の日本では特に重要なものとなっているのです。

 

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ブランディング戦略のメリット


ブランディング戦略を行うことで、以下のような効果を得られることが期待できます。

 

  • 競合優位性の獲得
  • ブランドイメージ・顧客ロイヤルティの向上
  • 商品やサービスを値上げできる可能性がある
  • 新規顧客獲得
  • 従業員のモチベーション向上

 

ブランディング戦略を行うことで、競合他社との差別化を図り、自社ブランドをより鮮明にすることができます。

また、ブランドイメージを向上させ、消費者にとって魅力的なブランドとなることができます。

これにより、長期的な顧客ロイヤルティを構築しリピーターの獲得に繋がるでしょう。

ブランドの価値を高めることができると、製品やサービスに高い価格をつけても選ばれるようになり、収益の増加につながる可能性があります。

 

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ブランディングのやり方・戦略作りの流れ【5ステップ】

 

ブランディング戦略は、一般的に以下の5つの工程で進められます。

 

  1. 分析と調査を行う
  2. ターゲットを決定
  3. コンセプトを決定
  4. 浸透させたいブランドイメージを明確にする
  5. 広告・宣伝をする

 

まずは市場調査でターゲットを洗い出し、ニーズを分析していきます。

 

それに合わせて、自社のビジョンやミッション、ブランドの目的やブランドの価値観を設定します。これにより、ブランドの方向性を明確にし、戦略の基盤を作ります。

 

ブランドイメージは、目的やターゲットに合わせて適切な要素を選択することが重要です。

 

ブランド名やロゴ、カラーコード、フォント、イメージ画像、コンセプトなどの要素を統合し、一貫性のあるブランドイメージを確立します。

最後の工程として広告・宣伝をする際は、ターゲット層を明確にし、そのニーズや好みに合わせたアプローチしましょう。

具体的には、ターゲット層に合わせた言葉遣いや広告の媒体選定、商品・サービスの開発などを行います。

重要なのは、ブランディング戦略は上記の工程を一通り行ったら終わりというわけではないです。

定期的にブランディング戦略の効果を測定し、戦略の評価と改善を行います。

消費者調査や市場動向の分析を通じて、ターゲット層の変化に合わせた戦略の修正を行うことが必要です。

 

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ブランディング戦略立案のためのフレームワーク


ブランディング戦略を立案する際は、以下の有名なワークフレームを用いることで効率的に進めることができます。

 

● SWOT分析

 

自社の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、市場の機会(Opportunities)、脅威(Threats)を分析することで内部環境と外部環境を把握し、企業が成功するための戦略を立てるためのフレームワークです。

 

● PEST分析

 

政治(Political)、経済(Economic)、社会(Social)、技術(Technological)の4つの要素を分析することで、企業がビジネスを展開させるにあたって外的環境を把握します。

 

● 3C分析

顧客(Customer)、競合(Competitor)、企業(Company)の3つの要素から環境を分析し、競合優位性を確保するための戦略を考えます。

 

● 4P分析(マーケティング・ミックス)

商品(Product)、価格(Price)、プロモーション(Promotion)、流通場所(Place)の4つの要素を分析する手法です。

上記は、マーケティングのワークフレームとしても活用されています。

 

こちらの記事ではそれぞれについてより詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください↓

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ブランディング戦略の立案における重要なポイント

 

つづいて、ブランディング戦略を成功させるために押さえるべきポイントは以下の通りです。

 

  • ブランディングの目的を明確にする
  • ターゲット層を明確にする
  • ブランドイメージを統一する
  • 一貫性のあるブランド体験を提供する
  • 誰でもわかりやすい言葉で伝える
  • 製品開発の背景や商品の必要性を明らかにする
  • ターゲット層を常に意識する
  • 顧客の声に耳を傾け、改善する

 

ブランディング戦略は、新規顧客獲得、既存顧客の維持、競合他社との差別化など、自社の目的に合った施策を打つことで、イメージしていた効果が得られます

 

また、ターゲットの属性や行動特性、ニーズなどを明確にし、その顧客層に合ったブランディング戦略を策定する必要があります。

ターゲットに自社独自の魅力を感じてもらうには、一貫性のあるブランド体験を提供することが重要です。
商品やサービスの品質やデザイン、カスタマーサポートなど、すべての接点でブランドの価値を体現するようにできるようにしましょう。


そして、ブランディング戦略の成功を測るために、ブランドの評価を行い、必要に応じて改善を加えることが必要であり、そのためには顧客アンケートなどを行い、顧客の声に耳を傾けることが大切です。

 

ブランディングのための具体的な施策やアイデア


ブランディングのための具体的な施策には、以下のようなものがあります。

 

  • キャンペーンの実施
  • コラボレーションの推進
  • オンライン活動の強化
  • 社員教育の強化
  • パッケージデザインやネーミングの改善
  • サステナビリティの取り組み
  • 書籍の出版や出版記念イベントの開催

 

順に、特徴やメリット・デメリットをまとめていきます!

 

キャンペーンの実施

一定期間商品やサービスを特別価格で提供する、プレゼントキャンペーンを実施するなど、さまざまな手法を用いて消費者にアプローチすることでブランド認知度を高めます

キャンペーンを実施するメリットは、消費者に商品やサービスの魅力を訴求でき購買意欲を刺激することができる点や、話題性があるキャンペーンを展開することでブランド知名度を高めることができる点です。

デメリットとしては予算がかかる場合があり、キャンペーンによる効果が長続きしない場合があることや、キャンペーンが失敗すると、ブランドイメージに悪影響を与える可能性があることが挙げられます。

 

コラボレーションの推進

他の企業やアーティスト、インフルエンサーなどとのコラボレーションを実施し、新たな商品やサービスを展開することでターゲットにアプローチします。

コラボレーションのメリットとしては、相手企業やアーティストのファン層にブランド認知度を高めることができ、新たな顧客を獲得できる点です。

一方のデメリットは、相手企業との合意が難しい場合や、コラボ商品の完成度が低い場合がある点です。

また、自社ブランドのイメージを損なうようなコラボレーションを行ってしまう可能性もありますので、コラボレーションする相手を検討する際は慎重にならなくてはいけません。

 

オンライン活動の強化

WebサイトやSNS、ECサイトなどを活用した情報発信や販売促進活動を強化することでも、インターネット上でのブランド認知度を高めることができます。

インターネットを利用したブランディン施策では、世界中の人々にアプローチできるため、市場の拡大が期待できます。

また、コンテンツを簡単に更新できるため、最新情報をいち早く伝えることが可能です。

デメリットとしては、インターネット上での情報は、情報量が膨大であるため、消費者にアプローチするためには差別化が必要だという点です。

 

社員教育の強化

社員の教育・研修を行い、ブランド理念や企業文化を浸透させることで、社員がブランド価値を共有することができるようにすることを「インナーブランディング」と呼びます。

インナーブランディングのメリットは、社員がブランド価値を共有し、ブランド理念に共感することで、顧客との接点での顧客満足度向上が期待できる点です。

また、社員の士気やモチベーション向上につながることも期待できます。

デメリットとしては社員教育には多くのコストがかかる場合があり、教育内容が浸透しない場合もあるということが挙げられます。

社員間での意見の違いが生じる場合もありますので、インナーブランディングは社員の意見も尊重しつつ進める必要があります。

 

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パッケージデザインやネーミングの改善

商品パッケージのデザインやネーミングを改善し商品のアピール力を高めることも、ブランディング施策として効果的です。

パッケージやネーミングを改善すると、商品のブランドイメージ向上や消費者の購買意欲の喚起、競合他社との差別化につながることが期待できます。

デメリットとしては、改善するにはコストや時間がかかること、既存顧客への訴求力が低下する可能性がある点が挙げられます。

 

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サステナビリティの取り組み

環境に配慮した取り組みや社会的責任を果たす取り組みを強化し、ブランド価値を高めようとする企業も増えています。

サステナビリティの取り組みのメリットは、社会的意識の高い顧客からの支持を得られることが期待できる点です。

デメリットとしては、コストがかかる場合があり、効果が直接的に表れにくい場合もあるという点があります。

 

書籍の出版や出版記念イベントの開催

自社のストーリーやビジョン、培ってきたノウハウを書籍にまとめ出版記念イベントなどでPRすることでブランド認知度を向上するというのも、ブランディング戦略として有効です。

書籍でブランドのストーリーやビジョンを伝えることで、消費者との共感を得ることができ、ノウハウをまとめることで信頼度アップにもつながります。

 

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出版やイベントが成功すればメディア露出も期待できるでしょう。

デメリットとしてはコストがかかる点や、効果が直接的に表れにくい場合がある点があります。

企業がブランディングやマーケティングのために出版するなら、企業出版を専門としている出版社に依頼することで費用対効果を得られやすくなるでしょう。

 

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ブランディング戦略の成功・失敗事例

ここから、企業のブランディングの成功事例と失敗事例をいくつか紹介します。

 

成功事例【9選】

 

企業によるブランディング戦略の成功事例を、9つご紹介します。

 

トヨタ自動車


日本最大手のの自動車メーカー『トヨタ自動車』は、高品質で信頼性が高い自動車の製造に定評があります。

トヨタ自動車がブランディングに成功した要因は、以下のようなものがあります。

  • 品質・信頼性の確立
  • 環境貢献に積極的な姿勢
  • 積極的なマーケティング戦略の実行

トヨタ自動車は、長年にわたって高品質で信頼性が高い自動車を製造してきました。

 

特に、独自の「トヨタ生産方式」による製造により、生産効率の向上や不良品の削減などが実現され、高品質で信頼性のある自動車の製造に成功しました。

 

また、環境負荷の削減やエコカーの開発など環境貢献にも積極的な姿勢を見せており、トヨタのブランドイメージの向上につながっています。

トヨタ自動車は、広告や販促活動などのマーケティング戦略を積極的に実施し、ブランドイメージの向上に取り組んできました。

モータースポーツへの参戦や、先進技術の導入なども、トヨタのブランドイメージ向上に寄与しています。

 

ユニクロ

衣料品や小物などの製造・販売を手掛ける『ユニクロ』は、品質・デザイン性・価格のバランスが良く、世界中で多くのファンを獲得しています。

ユニクロがブランディングに成功した要因は、以下のようなものがあります。

  • 高品質・高機能の製品を提供
  • ベーシックなデザインで汎用性の高い商品を展開
  • 製造コストを抑え低価格での商品提供に成功
  • 社員教育や店舗環境の整備で接客サービスを向上

ユニクロは、高品質・高機能でありながらリーズナブルな価格、汎用性の高いデザインでありながら、親しみやすく、ファッション性も高い商品を揃えたことで顧客のニーズを満たしています。

 

野村総合研究所(NRI)

ビジネスコンサルティングやシステム開発、情報セキュリティなどの分野で事業展開しているBtoB企業「野村総合研究所」は、ブランドイメージを確立するために行っている施策には以下のものがあります。

  • 専門性の高いサービス提供
  • 経験豊富なコンサルタントの採用
  • マーケティング活動の実施

野村総合研究所が長年にわたり高度な専門知識と技術力を蓄積し、顧客のニーズに合わせたサービス提供を行ってきたことは、顧客からの信頼を得る上で重要な要素です。

経験豊富なコンサルタントを採用することでも、顧客ニーズに応えることを目指しています。

また、野村総合研究所はマーケティング活動を積極的に実施し、自社のサービスや技術力をアピールしています。

コンサルタントの能力や専門知識の高さ、そしてそれを発信するマーケティングにより、市場からの認知度を高めることができ、ブランドイメージの確立につながっているのです。

 

日本航空株式会社

日本航空株式会社(JAL)は、社内向け動画を活用したインナーブランディングに成功しています。

経営陣や上層部からのメッセージをビジュアルや音声を活かした動画で効果的に社員に伝えることで、経営陣の意図や方針をより深く理解することが可能となりました。

また、動画は一方的な情報伝達だけでなく、社員からのフィードバックや意見の共有を促進し、社員間のコミュニケーションを活発化させました。

JALは「Qumu」という動画配信プラットフォームを活用して、随時更新されるコンテンツを通じ意見交換やアイデアの共有を行っています。

インナーブランディングに対する取り組みの結果、JALは社員の結束力や働きやすさを向上させ、外部へのサービスの提供にもプラスの影響を与えることに成功したと言われています。

参考:V-CUBE

JALが活用している動画配信プラットフォーム:「Qumu

 

王子ホールディングス株式会社

王子ホールディングス株式会社から販売されている保湿ティッシュ、元々は『モイスチャーティッシュ』という名前でしたが、改名して『鼻セレブ』となりました。

同時にデザインも一新され、商品の売上は約4倍にまで増加しました。

 

成功の要因は、「鼻に使える」「高級感がある」という商品の詳細が一目で伝わるネーミングです。

この効果的なブランディングにより、鼻セレブは2020年の日本ネーミング大賞を受賞しています。

 

商品やサービスのネーミングがブランディングに大きな影響を与えるということが分かる事例です。

 

Apple

アメリカのテクノロジー企業でAppleの企業・製品ブランディングは、創業者スティーブ・ジョブズの『ストーリー戦略』が成功の鍵でした。

2007年の初代Phone発売スピーチでは、スティーブ・ジョブズが情熱を込めて新しいタッチパネル仕様の携帯電話を紹介し、常識を覆す革新性を見事なストーリーを添えてアピールしました。

また、彼自身の人生の成功と挫折をクローズアップすることで消費者から共感を呼び、Appleの人気に拍車をかけることになりました。

現在、Appleは製品の機能だけでなく、ステータスとしての価値を持ち、世界中で愛されるブランドに成長しています。

 

ルイ・ヴィトン

世界的に有名なブランド、ルイ・ヴィトンは、1912年のタイタニック号の悲劇にまつわるシンボリックストーリーが有名です。

 

タイタニック号の沈没の際、乗客が持っていたルイ・ヴィトンのトランクが彼らの命を助けたという伝説が広まりました。

真偽のほどは不明ですがこの物語により、ルイ・ヴィトンは豪華客船の乗客や富裕層に高い信頼を得る旅の道具としてのブランディングが成功しました。

 

この印象的な物語は、ルイ・ヴィトンの高い技術と品質を象徴し、長く語り継がれる要因となっています。

 

ニベア花王

ニベアは世界187カ国で販売されているスキンケアクリームで、国内ではニベアの日本法人「ニベア花王」によって販売されています。

 

ニベアの場合、強いブランドイメージやデザイン、社内への企業理念の浸透がブランディング成功の要因となりました。

ニベアのキャッチコピーである

肌がふれあう。ただそれだけで、人は人をあたためることができる。まもることができる。一生の素肌に。あなたに。

引用:花王

は、深い愛情を表現し、多くの人々の共感を得ています。

また、青い缶や白いロゴは一目でニベアを連想させ、ブランドの一貫性と認識度を高めました。

ニベアはインナーブランディングも行き届いており、従業員が「ブランドを守り育てる」という共通の想いを持っていることで、企業や製品の一貫したブランドイメージが作ることに成功しています。

 

株式会社U-LABO

成功事例として最後に、弊社ラーニングスから出版された株式会社U-LABOの事例をご紹介します。

株式会社U-LABOでは、カリフォルニア大学(UC)をはじめとするアメリカ名門大学への編入サポートを事業としています。

留学支援という競争の激しい市場で差別化を図るため、U-LABOはカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)への留学に特化した書籍『『UCLA に留学したいと思ったら読む本: ~カリフォルニア大学に編入・合格する方法~』を出版しました。

本では著者自身に興味を持ってもらえるようなコンテンツも盛り込むことで親近感、共感を読者にもってもらうことに成功しています。

 

加えて読者の知りたい情報をまとめることで、企業とサービスへの信頼を獲得し、出版直後からUCLAに留学を考える方々からの問い合わせが殺到したそうです。

ブランディングやマーケティングのための情報発信においてターゲットを的確に絞り、需要に寄り添うことが重要であるということがわかる成功事例です。

 

株式会社U-LABO代表、小泉涼輔さんへのインタビューはこちら↓

 

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失敗事例

企業のブランディング戦略の失敗事例を、3つご紹介します。

ロゴデザイン変更に失敗した大手衣料品店

ある大手衣料服チェーン店は、「進化し続けるブランド」であることをアピールするため、大幅なロゴデザインの変更を行いました。

しかし、新たなロゴは顧客に受け入れられずSNS上で批判が殺到し、結局ロゴは変更の2日後に元のデザインへと戻されることになりました。

新たな価値を提供することを市場へ発信する際は、既存顧客のニーズに合わなくなることも想定しなくてはなりません。

このような大きな反感を買わないために、ロゴデザインを変更する際は元のデザインから徐々に変えていくという方法が取られることもあります。

 

CMで大炎上した高級ファッションブランド

あるイタリアの高級ファッションブランドは、中国人モデルを起用したプロモーション動画を公開しましたが、その内容が不適切であるとして炎上してしまいました。

動画は、中国人女性が箸を使ってピザやパスタなどのイタリア料理を食べるのに苦戦するというもので、この内容が中国の人々からは人種差別や女性差別であると受け取られたのです。

このブランドは他にもアジア差別ととられるような情報を発信し、多くの炎上騒ぎにより中国の市場から撤退しました。

これは極端な例ですが、自社のブランディング戦略で情報発信をする際はその内容により傷つく人がいないか、モラルが欠けた過剰な表現になっていないか、社内の多くの人の目で確認することが重要です。

 

価格設定に失敗した大手国内電機メーカー

ある大手国内電機メーカーは、2003年に高級AV機器ブランドをリリースしましたが、商品開発において高級ブランド化にこだわりすぎたため、消費者のニーズや価値観に沿わず失敗に終わりました。

また、この高級AV機器は購入後に不具合も多く、これは製造過程での処理の不足に起因していたそうです。

結局、高級AV機器ブランドはたったの2年で開発停止となりました。

この電機メーカーの失敗の原因には

  • 顧客のニーズに沿わない商品を開発してしまったこと
  • 商品の品質が伴っていなかったこと


が挙げられます。

ブランディング戦略を行う際は、認知度アップやブランドイメージの向上のための施策に気が取られがちですが、顧客のニーズに合った価格帯や品質の商品を提供することも重視しつづけなければなりません。

 

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ブランディング戦略の効果測定の重要性

ブランディング戦略は「顧客のなかのイメージを変える活動」であるため、その成果をデータで表すのが難しいものです。

しかし、ブランディング戦略の効果測定は、自社のブランド価値や競合優位性、マーケティング施策の効果などを測定するための重要なプロセスとなります。

効果測定により、自社の競争力を維持し、市場で成功するための施策を立てることができるのです。

ブランディング戦略の効果測定を行う具体的なメリットとしては

 

  • ターゲットの理解
  • ブランド価値の向上
  • ROI ※ の最適化
  • 競合優位性の確保

などが挙げられます。

 

※ ROI=投資利益率。企業が行った投資に対して、得られた利益の割合を示す指標。

ブランディング戦略の効果測定方法

ブランディング戦略をより効果的にしていくには、効果測定によるフィードバックが必須です。

以下に、ブランディング戦略の効果測定で見るべき項目を挙げます。

 

認知度の測定

ブランドの知名度や認知度を調査することにより、消費者にどの程度浸透しているかを確認できます。

評価の指標としては、以下のものを使うことができます。

 

  • アンケート調査でのブランド知名度や認知度の割合やスコア
  • ウェブサイトのアクセス数・クリック数・ページビュー数
  • 広告の露出回数やクリック率

 

購買意向の測定

ブランドのイメージや広告効果により、消費者の購買意向が変化することがあります。

評価の指標としては、以下のものを使うことができます。

 

  • アンケート調査での購買意向(DWB※)や検討度合いの割合やスコア
  • 販売データの分析での売上高や販売数、再購入率

 

※ DWB(Definitely Would Buy)は、アンケート調査での商品やサービスの購入意向を測定する指標です。DWBは、ブランドの購買意向や商品の魅力度を測定するための指標として使用されます。

ブランド価値の測定

ブランド価値は、ブランドイメージや消費者からの評価によって形成されます。

評価の指標としては、以下のものを使うことができます。

 

  • ブランド評価の尺度である「ブランドエクイティ」の分析
  • ブランドイメージに関するアンケート調査の結果
  • 競合他社との比較によるブランド価値の位置づけ

 

ブランドロイヤルティの測定

ブランドロイヤルティは、消費者がブランドに対してどの程度愛着や忠誠心を持っているかを示します。

評価の指標としては、以下のものを使うことができます。

 

  • リピート購入率や顧客満足度のアンケート調査結果
  • ファンや口コミによる推奨度合い(NPS※)の割合やスコア
  • 販売促進活動への参加率やブランド関連イベントへの参加率

 

 

※ NPS(Net Promoter Score)は、顧客が企業やブランドを推奨するかどうかを尋ねるアンケート調査に基づく指標で、推奨する顧客の割合から批判的な顧客の割合を引いたスコアです。

NPSは、ブランドの顧客ロイヤルティや口コミの強さを測定するための指標として使用されます。

DWBやNPSをKPI(重要業績評価指標=企業や組織が自らの業績を評価するために設定する数値や指標のこと)として設定することで、わかりやすい目標とすることができます。

 

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まとめ

  • ブランディング戦略は、企業・商品・サービスなどのブランド価値を高めるための戦略
  • ブランディング戦略を作る際は 分析調査→ターゲット選定→コンセプト決定→ブランドイメージ決定→広告宣伝 というプロセスで進めていく
  • ブランディングのための具体的な施策としては、キャンペーンの実施・デザインやネーミングの改善・書籍の出版や出版記念イベントの開催 といったものがある

ブランディング戦略を成功させるためには、顧客のニーズを正確に把握し、独自性のあるブランドイメージを構築することが必要です。

 

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