ブランディング戦略とは? 具体的な方法と成功事例

企業が消費者にブランドを広く認知させ、売上を伸ばすために必要なのがブランディング戦略です。しかし、具体的な方法が分からない、どのように始めたらいいのか迷っているという方もいるでしょう。そこで今回は、ブランディング戦略の概要や具体的な方法、成功事例などを解説します。成功事例から学ぶことによって、ブランディング戦略を成功させましょう。

 

 

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ブランディング戦略とは

ブランディング戦略とは「自社のブランドがどのようなイメージを持たれたいか」という目標を決め、その目標を達成するための戦略を立てることです。

新たなブランドを作った段階では、ブランドに対するイメージが出来上がっていません。そこで、「お洒落」「格好いい」「先進的」などのイメージを作り上げるために、さまざまな要素を組み合わせていきます。

ブランディング戦略には、広告やブランド名、広告に採用するタレントやパッケージデザインなど、あらゆる要素が関係しているのです。

 

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ブランディング戦略のメリット

では、ブランディング戦略の実践によって、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、具体的なメリットを4つご紹介します。

認知度が高まる

顧客に商品やサービスを利用してもらうためには、ブランドを知ってもらうことが必要です。誰も知らないブランドは、誰も利用できません。しかし、名前だけを知ってもらうだけでは、不十分です。

自社のブランドの強みや特徴、具体的な商品のイメージなどを浸透させて認知度を高めることで、商品やサービスの利用者の増加が期待できるでしょう。

他社との差別化が実現できる

ブランディング戦略によって明確なブランドイメージを確立することで、他社との差別化が実現できます。同じような内容・価格の商品を展開している競合他社があったとしても、消費者が自社ブランドについて深く認知していれば、競争に勝つことができるでしょう。商品やサービスそのものでの差別化が難しくなっているからこそ、ブランディング戦略が重要なのです。

価格を高く設定できる

ブランディングに成功したブランドの場合、多少価格を上げても消費者はあまり離れません。たとえば、iPhoneを想像してみてください。iPhoneは他社のスマートフォンよりも安い製品ではありませんが、新たなモデルが発売されると行列ができるほど人気です。これは、Appleがブランディング戦略によって、多くの顧客を獲得していることが理由の1つだと言えます。

また、価格を下げなくても顧客が離れないため、激しい価格競争に巻き込まれないこともメリットです。

顧客のロイヤリティにつながる

ブランドとの結びつきや忠誠などを示すロイヤリティ。ブランドに対する信頼性や安心感などの良い印象は、顧客のロイヤリティにつながります。その結果、商品やサービスへのリピート率が向上するでしょう。

それだけでなく、顧客が他の人に勧めてくれる、価格が上がっても購入を継続してもらえる、といった効果も期待できます。

5ステップで実践するブランディング戦略

多くのメリットがあるブランディング戦略ですが、具体的にどのように進めたらいいのか分からない方もいるでしょう。ブランディング戦略には、効果的な順番があるのです。ここからは、ブランディング戦略の具体的な方法を5ステップで解説します。

①分析と調査を行う

まずは、ブランドの現状を分析する必要があります。市場での立ち位置や消費者が持つイメージ、認知度や競合ブランドとの相違点などを洗い出しましょう。そうすれば、ブランドの強みと弱みが明確になります。

また、過去にどのような戦略を行ったのかを振り返ることも大切です。その結果、どのような結果が得られたのかをふまえて、今後のブランディング戦略の準備をしていくことが求められます。

さらに、市場調査も重要です。今あるブランドの商品やサービスが、どの年齢・性別・職業の顧客に購入されているのかを調査してください。

②ターゲットを明確化する

続いて、ブランドの顧客となるターゲットを明確化しましょう。市場調査を活用しながら、どのような顧客を中心として訴求していくのかを決める必要があります。ターゲットを絞る過程は、ブランディング戦略において非常に重要であるため、見極めは慎重に行ってください。

③コンセプトを決める

ターゲット層を明確化したら、どのようなブランドを目指すのか、コンセプトを決めます。消費者に持たれたいイメージやブランドのアイデンティティ、ブランドの目的などを定めて、コンセプトを設計するのです。

ただし、現状とかけ離れたイメージを目標とする場合は難度が上がるでしょう。例えば「安い」というイメージが定着しているブランドに「高級感」というイメージを持たせることは難しいでしょう。

④ブランドイメージを具体化する

コンセプトが決まれば、それをどのように表現するのかを考えます。ブランドロゴやデザイン、キャッチコピーなどを活用して具体化していくのです。

この際には、ルールをしっかり定めておくことをおすすめします。たとえば、ロゴの使い道や他の商品とのコラボレーションなどのルールを決めることで、ブランドイメージを守ることができるのです。

⑤宣伝する

ブランドイメージを定着させるためには、第一に知ってもらうことが重要です。「抽象的ブランドメディア」と「可視的ブランドメディア」を活用して、広く宣伝していきましょう。

抽象的ブランドメディアとは、キャッチコピーやロゴのことです。ブランドアイデンティティを表現するもので、時代に応じて変化させることがあります。

可視的ブランドメディアとは広告やCMなどを指し、抽象的ブランドメディアを伝えるための手法です。テレビやネットで広告を流したり、雑誌などの媒体で宣伝したりすることが例として挙げられます。

ターゲット層やブランドイメージによって、最適な宣伝方法は異なるでしょう。宣伝方法も、ブランドコンセプトと合わせて工夫することが大切です。

ブランディング戦略の成功事例3つ

効果的なブランディング戦略によって成功している企業は多数存在します。成功事例から、戦略の立て方や宣伝方法などについて学びましょう。ここからは、ブランディング戦略の成功事例を3つご紹介します。

ハズキルーペ

ハズキルーペは、メガネタイプの拡大鏡を扱うブランドです。拡大鏡が必要なのは、主に高齢世代ですが、ハズキルーペはテレビCMで武井咲さんや小泉孝太郎さんなどの若い世代を起用しました。そうすることで大きなインパクトを与えて、比較的若い世代にも顧客層が広がったのです。

また、スマートフォンの普及によって若者の視力が低下していると言われていることから、若者への訴求は効果的だと言えます。石坂浩二さんや舘ひろしさんといった有名タレントも出演させることで、幅広い年齢層へのブランディング戦略が効果的に行われたと言えるでしょう。

タニタ

調理器具や体温計、血圧計などの販売を行っているタニタは、健康器具だけでなく健康づくりそのものにも着手するようになりました。最初は、栄養が豊富で低カロリーな食事を提供している社員食堂をアピールし、注目を集めました。

その後、社員食堂のレシピを書籍化すると大ヒット。現在は、全国に「タニタ食堂」を展開するまでに成長しています。

スーパーホテル

創業時から、低価格を売りとして評判となっていたスーパーホテル。2001年からは、エコやサービスの質の高さなどを掲げて、従来のビジネスホテルのイメージからの脱却を目指していました。
しかし「スーパーホテルは安い」というイメージがなかなか払拭されず、新たなブランドイメージは定着していませんでした。

そこで、観光客や若年層、女性などの顧客をターゲットとして、健康志向の朝食やITの活用、天然素材を使った客室などをアピール。キャッチコピーやロゴなども一新することで、新たなターゲット層にも受け入れられやすくなりました。

まとめ

ブランディング戦略を実践することで、多くの消費者にブランドの特徴や強みなどを知ってもらえます。それだけでなく、他社との差別化が実現したり、価格競争を避けたりすることも可能です。企業にとってブランディング戦略を実践することには多くのメリットがあります。ぜひ積極的にブランディング戦略を立てて実践していきましょう。

 

 

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投稿者プロフィール

下村(むーさん)
下村(むーさん)
大学卒業後に出版社に就職して漫画の編集に携わる。
その後、さらに別の出版社を経てラーニングス株式会社に入社。
編集業務に従事している。

社内では『むーさん』の愛称で親しまれ、お父さん的なポジションを務めている。

プライベートでは野球観戦が趣味(広島ファン)で二児の父。
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