企業のブランドイメージの確立というと、多くの場合「競合他社との差別化をして、自社のサービス、商品をより多く売るための手法」と考えられていますが、
実は採用や社内教育にも効果が高いんです!
労働人口不足が叫ばれるなか、より自社に合った優秀な人材を採用し長く働いてもらうためには、企業と従業員の相互理解が必要不可欠です。
今回は
- ブランドイメージとは?ブランディングとの違い
- ブランドイメージを確立させる方法や、確立するメリット
- ブランドイメージを使った採用事例
- 社員にブランドイメージを周知させるための手段
をご紹介していきます。
採用、社内教育、組織づくりを中心に企業のブランドイメージの確立方法を解説していきますので、ぜひ貴社のブランドイメージの確立にお役立てください!
大学時代からこれまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書・実用書は3,000冊以上。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象に、出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。
ブランドイメージとは
ブランドイメージとは、「ある商品銘柄に対して社会や消費者が抱いている印象のこと」です。(出典:デジタル大辞泉)
企業のブランドイメージは、
「○○といえば△△会社」
というように、特定のサービスや商品を利用、購入するのであればあの会社と認知されることだけでなく、
「○○会社は夢のある企業」
「□□会社は人を大事にする企業」
というような、特定の商品、サービスだけでなく、企業全体のイメージのことを指します。
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インナーブランディングについて
企業のブランドイメージを社内に啓蒙することを「インナーブランディング」と言います。
企業理念を浸透させることで判断基準が明確になり、仕事の効率化が実現するだけでなく、
「この会社はなんのために仕事をするのか」
「社会のためにどのような影響を与えていきたいのか」
を自社社員に周知することで、仕事にやりがいが持て、自主的なスキルアップや業務改善、アイデアが生まれて利益に繋がるだけでなく、退職を防ぐことにも繋がります。
また、理念に共感する社員だけが長く働いてくれるので、より強い組織づくりが可能です。
ブランドイメージは社員が抱く自社への印象や、仕事に対するモチベーションにも大きく関わります。
ブランドイメージの確立は、インナーブランディングを向上させる活動のひとつとも言えるでしょう。
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ブランドイメージとブランディングの違い
上記でブランドイメージとは「ある商品銘柄に対して社会や消費者が抱いている印象のこと」(出典:デジタル大辞林)といいましたが、ブランディングはまた別のものになります。
よく聞くブランディングとは、「顧客や社会に対して、企業やサービスに対するブランドイメージを伝える手段」のことを言います。
ブランディングはマーケティング戦略の1つで、よく「ブランディングがしたい」とご相談をいただきますが、そもそものブランドイメージを確立させていなければ、ブランディングはできません。
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ブランドイメージの確立方法 3ステップ
ブランドイメージを採用や社内教育、組織づくりに活かす方法をお伝えする前に、ブランドイメージの確立方法について簡単にご紹介していきます!
ブランドイメージを確立するためには、ブランドが持つ本来の価値を言語化することが重要です。
そのためには
- マーケットの分析(自社や提供するサービスの立ち位置、需要などを把握)
- 誰に何を届けるか
- どう価値をつけるか
を極限までシンプルにする必要があります。
そこから出された答えからもたらされるイメージを言語化することで、ブランドイメージは作られていきます。
事業の特色を知ることも重要で、もし困った時は
「なぜ自分の事業は存続しているのか?」
「何を理由に顧客から選ばれているのか?」
と基本に立ち返って考えてみてください!
ブランドイメージを確立する際は、まずは以下の3ステップで伝えたいイメージを明確にしていきましょう。
① マーケットの分析
マーケットの分析というと、大々的なものに感じてしまいますが、実はとても簡単です!
最も効果的な方法は、
「顧客に自社のどこに惹かれたか」
「自社に今後どのようなことを望むか」
といったことをヒアリングすることです!
また、失注客に対しても、自社に決め手に欠けた部分や、他社に決めた理由などをヒアリングできれば尚良いです!
② ターゲットと提供したい価値を明確にする
マーケットの分析ができれば、そこから誰に何を届けるかが見えてくるかと思います。
自分達の企業が求められているのかを正しく把握し、それが品質良く届ける一番シンプルな方法を模索してみて下さい!
③ 自社独自の価値を付ける
そして最後に価値の付け方です。
競合他社と同じことをしていては選んでもらえません。
企業イメージが良い企業に顧客は案件を依頼したいですし、商品を買いたいと思う物です。
その中でも自社ならではの特別な部分がしっかりと伝わるように、価値を見出す必要があります。
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ブランドイメージの向上で得られるメリット
ブランドイメージの向上を行うと、採用以外にも大きなメリットがあります。
【ブランドイメージ向上で得られるメリット】
- 他社との差別化が図れる
- 売上・利益率アップ
- リピーターがつく
- 質の高い人材が集まる
ブランドイメージにより企業の本幹が固定されるので、社内だけでなく社外の顧客に対してのブランディングにつながるため、他社との差別化が促され、売上や利益率の向上、リピーターがつくことにより長期的な利益を得ることが可能になります。
リピーターの獲得は、ビジネスにおいて重要な課題の一つです。 しかし、どのようにしてリピーターを作り出せば良いのか、多くの経営者様や企業の担当者様が悩んでいることでしょう。 &nbs[…]
そして、業績の良い企業には優秀な人材も集まりやすくなるため、企業として成長したいと考えているならば、ブランドイメージの向上は必要不可欠なんです!
実は弊社でもブランドイメージを確立したことによって、採用、社員の定着、利益向上に効果がありました。
以下で弊社の事例をご紹介します!
【事例紹介】ラーニングスのブランドイメージ
ここでは例として、当WEBメディアを運営する出版社ラーニングス株式会社のブランドイメージをご紹介します!
ラーニングスのブランドイメージとして掲げているキャッチコピーは、以下の文言です。
ラーニングスでは、お客様の企業の売上アップを本で実現するべく、戦略を立案して伴走支援する会社として日々本づくりをしています。
出版者は日本に2907社(2021年版)あるといわれており、その中でもビジネス書を専門としている出版社は数多くあります。
そして、「企業出版」(自費出版の1つで、企業の利益向上のために書籍をつくる出版方法)を行っている会社も多々あります。
企業出版ができる出版社について、詳しくはこちらの記事でご紹介しています↓
企業出版とは法人が出版社に対して書籍の流通を依頼し、出版費用を法人側が負担するスタイルです。 書籍を通じて商品・サービスのPRやブランドイメージの発信を行えば、ほかの媒体を使うよりもはるかに長期的な集客効果[…]
その中でラーニングスは、特に売上を上げるための書籍を作ることを得意としていて、著者様からもその効果を実感していただけてリピートに繋がっている実績があります。
2年ほど前まではマーケティング出版としていましたが、昨今の需要を鑑みて現在のBtoBの売上アップを共に考える、企業のための出版社とイメージを刷新しました。
ブランドイメージをどのように活かしていくか
ブランドイメージができたら、それをどのように採用、社内教育、組織づくりに活かしていくか、気になりますよね?
ブランドイメージができると、それに合わせてサービスの指針、セールスの際のポイントなども見えてくるはずです。
また、それに加えてミッション、ビジョン、バリューなどが固まってくるかと思います。
採用面でいうと、現在の求職者の動向をみるに、条件重視ではなく、それよりも働きがい、やりがい、自分がその会社に入ってどんなスキルが身につくのか、経験ができるのかを重視する人が増えてきました。
また、ワーケーションや在宅勤務、フレックスタイムなど働き方の自由度も一つの判断基準となっています。
その発信のために、ブランドイメージを伝えることが採用ではとても大切です。
ブランドイメージをもとにどんな人材が欲しいかを明確にし、その人事にダイレクトにアタックできるよう採用戦略をたてることで、効率的に自社にとって質の高い人材を採用することに繋がります。
ブランドイメージ確立により適した人材を獲得した例
ブランドイメージを発信することにより、自社の価値感や理念に共感するやる気のある若手社員を獲得することができます。
ここでは、ベンチャー出版社ラーニングスのブランドイメージの採用への活用事例をご紹介します。
現在ラーニングスで一番若い社員Aが入社した時のお話です。
当時ラーニングスでは企業のサービスとして「マーケティング出版」を押し出しており、ブランドのキャッチコピーとしては「出版の明日を創る!」と掲げていました。
ラーニングスが採用で求めていたのは、以下の人材です。
- ただ本が作りたいと考えている人ではなく、ビジネスに活かす本を作ることがしたい人
- なんでも挑戦する意欲のある人
- ビジネスに関心があり情報を収集・編集して発信できる能力がある人
- 短時間で成果を出せる人
ラーニングスでは長時間労働ではなく、10時~17時(実働6時間、休憩1時間)の短時間で成果を出すことを重視しており、8時間分の仕事をいかに6時間以内で終わらせられるかを求められます。
その理由として、会社以外でもインプットの時間を増やすことで、仕事中の高いパフォーマンス発揮を求めているからです。
一方、求職者側の若手社員Aは、以下の希望を持って仕事探しをしていました。
- 仕事の幅に制限がないこと
- ビジネスの現場に立てること
- 業務時間で無駄な時間を過ごしたくない
サービス面でいうと、ただ本を作って出版するのではなく、著者のビジネスの利益向上の手段の1つが本であり、自分達はそのために全力でサポ―トするというところに若手社員もやりがいを感じ、入社へと繋がりました。
また、ラーニングス側が社員Aを採用した決め手は、応募時点で全てのサービス資料のダウンロード、メルマガの登録を行い、ラーニングス代表の梶田が書いた書籍、これまでの事業を全て調べ上げ、どの部分が共感できるか、ラーニングスでどのようなキャリアを実現したいかを明確にしてきたところです。
社会人2年目、接客業からの転職ということもありデスクワークやビジネスの現場が未経験の社員Aでしたが、スポンジのように様々なことを吸収し、入社半年で新規事業を任せられるほどに成長しました。
また、その社員が入ったことでこれまでのラーニングスでは実現できなかった様々なビジネス展開(セミナーの開催やインターン、メディア運営など)が可能になりました。
このように、ブランドイメージとして明確な理念やキャッチコピーを掲げ、ミッション・ビジョン・バリューなどと合わせて会社ホームページなどに掲載したり、サービス資料やメルマガ、社長が出した書籍などで自社が持つ独自の価値を発信し続けることで、自社の方針に合った社員を獲得することができるのです。
ブランドイメージの浸透方法
ブランドイメージの浸透には、社長や一緒に働く社員でつくった「本」を活用するのが有効です。
採用した人材が入社したあと、定着し活躍するためには、最初に持った企業へのイメージを保ち続ける必要があります。
せっかく優秀な人材を雇ったにもかかわらず、働いていく中で
「イメージと違う」
「実情を見てしまうとやりがいを感じなくなった」
とその人が感じてしまえば、退職が近づいてしまいます。
ブランドイメージの確立とは、特定の一社員に向けたものではなく、会社で働く人たち全員に周知され、日常的に意識して仕事が進まなくては効果を発揮しません。
つまり、社内教育、組織づくりを成功させるためにはブランドイメージは必要不可欠なのです。
しかし、ブランドイメージの周知は一筋縄ではいきません。
最初からブランドイメージをもとに採用活動をして共感した仲間ばかりであれば問題ありませんが、途中からブランドイメージが確立されていく場合、それ以前に入社した人たちへの浸透というのは困難を極めます。
朝礼や会議などで伝えても本質まではなかなか伝えることが難しく、口頭であれば伝える人物によって聞き手の受け取り方も変わってしまうため、一定水準での周知がしづらい現状があります。
そのため、本気でブランドイメージを社内に啓蒙したい、より強い組織を作りたいと考えている企業は「本」を使って、採用から社内教育までを行っているんです!
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本を読む人が減っている今、本を作る企業が多い理由
本が売れない、本を読まない人が多いというのは、みなさんご存じの通りですが、だからこそあえて本が持つ効果が最大現発揮されているという実情があります。
そもそも、採用時に本当に入りたい企業の本であれば、その企業が出している本は必ず隅から隅まで目を通しますし、その会社の力になりたいと思って働いているならばしっかりと読んで内容を頭にいれます。
ただの人員補充の採用やマニュアル作業ではなく、優秀な人材に最大限に能力を発揮してもらいたいと考えているのであれば、なおさら候補者のふるいわけにもなるので、本を使うことがおすすめです。
ブランドイメージの確立と本の活用により、採用後での社員と企業のミスマッチや離職を防ぐことができます。
また、本は社会的信用度が高く、出すだけでブランディングになるというのも大きなメリットです。
5万字程度に伝えたいことをまとめられるので、ポスターやホームページ以上に啓蒙することができます。
また、企業出版といって、企業の課題解決に本を作るサービスも増えており、人に対する問題解決の手段として出版を希望する企業がとても多いんです!
ノウハウが蓄積されている出版社にぜひお問い合わせください!
ラーニングスへのお問い合わせはこちら。
まとめ
- ブランドイメージを確立させるには ①マーケティングの分析 ②誰に何を届けるか ③自社独自の価値を付けることによる差別化 を検討する3ステップが必須
- ブランドイメージの確立は特に社員教育や採用に効果があり、自社に共感するやる気のある社員の獲得につながる
- 社員にブランドイメージを周知させるためには、自社で本を出すのが効果的
今回は企業がブランドイメージを確立することがなぜ採用や社員教育、組織づくりに効果が高いかについて解説しました!
企業出版の他にも、より実践的に社内で使うことができる「ビジョンブック」というものもあります。
ビジョンブックに関してはこちらの記事やサービス資料で詳しく解説しているので、社内教育や経営理念の浸透方法に悩む経営者様や担当者様は、ぜひ合わせてご覧ください↓
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ビジョンブックプロジェクト
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- 今、“ヒト”の課題を解決するビジョンブックが人気
- 経営理念の浸透、業績アップに効果的なビジョンブックの作り方
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投稿者プロフィール
- ラーニングス株式会社
アドバイザー/ブックライティングサービス『ひよどり』サービス運営統括責任者
大学時代は近世文学を専攻。 日本語教師の資格を持つ。
200名以上の経営者、士業の専門家へのインタビュー経験があり、Webメディアを中心に記事を執筆。
書籍の企画~出版を行うだけでなく、出版記念のウェビナー等、イベントの企画運営も行う。
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