本業での稼ぎが心もとないという場合、副業したいと考える人も多いのではないでしょうか。
「自費出版」は、印税という形で収入が得られる魅力的な副業です。
しかし、会社勤めを本業にする人の中には、就業規則により副業が禁止されているケースもあるでしょう。
また、就業規則に定めはないけれど本当にやって良いのか分からない、と悩んでいる方もいるかもしれません。
今回は、副業禁止の企業で自費出版が問題になるのかについて解説します。
副業の「定義」は実にあいまい
本業とは別に収入を得ることを「副業」と呼びます。
副業には数多くの種類がありますが、どこからどこまで副業と呼ぶのか、法的な定義は決まっていないのです。
そのため、自費出版が問題ないかと聞かれると、実に曖昧であると答えるしかありません。
すなわち、就業規則により副業が禁止されている企業でも、自費出版が副業に該当するかは企業側の判断に委ねられるというわけです。
自分の本を出版したい!と思った時、気になってくるのは「どれくらい費用がかかるか?」という点ではないでしょうか。 また、副業として本を出版したいと考えた際は、 「出版費用は経費として計上できるか?」 […]
企業が副業を規制する法律は存在しない?
副業の「定義」があいまいなことを逆手にとると、民間企業では法律上の副業禁止の規定は存在しないということになります。
企業側がどのような判断を下すかは不明ですが、法律的な縛りはないのです。
そのため、兼業禁止の企業で副業が発覚した場合でも、一部の例外を除いて罰せられるという事態には至らないでしょう。
これは万が一の事態に備え、覚えておくことをおすすめします。
また、就業中の労働者には職務専念義務が課せられますが、これは就業時間内でのこと。
時間外のプライベートな時間を副業に当てることは、問題がないと言えます。
念のため本業として働く企業の就業規則を確認しておきましょう。
公務員は副業禁止、または申請が必要な場合も
民間企業では法的な縛りがないとはいえ、公務員の場合は状況が異なります。
副業が不可能な公務員も存在すれば、可能な公務員も存在します。
また、2018年の「働き方改革」により、公務員の副業も認められやすくなりました。
公に禁止と定められている場合でも、事前に申請することで可能になるケースもあります。
公務員だから無理だろうと自費出版などの副業を諦めかけている人は、一度確認してみることをおすすめします。
民間企業が副業を禁止する理由
なぜ多くの民間企業が副業を禁止しているのでしょうか。
その最たるところは、
- 会社の企業秩序を乱す
- 労務の提供に支障をきたす恐れがある
の2点に集約されています。
会社の企業秩序を乱す
例えば、自費出版物の中で、会社で得た独自のノウハウ・機密事項を無断で他所に漏洩するとします。
これが相談なしに、自身の独断と偏見で強行したのであれば法的措置を取られるでしょう。
また、仮に自費出版物が大ヒットして大きな収入に繋がったとします。
それらが社内で広まると、他の社員の気が削がれ業務が疎かになってしまう場合もあるかもしれません。
このように、企業秩序を乱すと受け止められてしまいかねないのです。
労務の提供に支障をきたす恐れがある
文字通り、副業が労務の提供に支障をきたすケースです。
自費出版の本を深夜遅くまで執筆して、体調を崩したり、寝不足で使い物にならなくなったりすることなどを指します。
自分の好きなことであるのならば熱中してしまう気持ちも分かります。
しかし、ほどほどに留め、普段と変わらず業務をこなせるコンディションを整えておくのが賢明です。
つまり、これら2点をクリアしていれば、企業側としての問題は無いに等しいと言えます。
自費出版の副業を認めてくれる可能性が高くなるでしょう。
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会社員でも可能な副業の種類
可能・不可能が明確に決まっていないとはいえ、会社員がすべての副業に向いているとは言えません。
生活時間を圧迫しやすい労働のアルバイトは体力面も含め、避けるのが無難でしょう。
では、会社員でも可能な副業とはどのようなものになるでしょうか。自費出版も含め以下で詳しく説明していきます。
①不動産賃貸業
元手の資金が多くある方や、不動産の知識がある方におすすめなのが「不動産賃貸業」。
アパートやマンション・一軒家を購入・所有し、それを他者に貸して、毎月の家賃を収入として得る方法です。
貸し出す棟数・部屋数に制限はありますが、一軒家は5棟以下、マンション・アパートの場合10室以下なら副業と見なされない可能性が高くなります。
ただ、し以下の項目に当てはまる場合は、問題になるケースもあるため注意が必要です。
- 年間で500万円以上の収入に到達
- 不動産の管理を自身で行う
特に後者は結局、建物の手入れに労力を費やしてしまう事態も考えられます。
不動産の管理は不動産管理会社に委託すると良いでしょう。
②株式投資、資産運用、FXなど
近年話題の株式投資・資産運用・FXも、おすすめの副業です。
近年はアプリでの管理・購入が可能なものもあり、手軽に始めやすいメリットもあります。
ただし、夢中になりすぎて就業中・休憩中まで株価の上下が気になったり、寝る間も惜しんで傾向を観察したりといった罠にはまりかねません。
このような事態を防ぎたい方には、投資信託もおすすめです。手数料は少々かかりますが、就業中に作業が伴う恐れもありません。
また、株の売買する際には株の種類にも気を配りましょう。
万が一、本業の会社と関係性がある株だった場合、インサイダー取引と見なされる可能性もあります。
③家業の手伝い
家業の手伝いも副業の1種と言えます。
直接的な収入には繋がらないため、企業側にバレても大きな問題となるケースは多くありません。
事前に企業側に伝えておいても、一部の内容を除き許可が得られるケースがほとんどでしょう。
とはいえ、農業などの体力仕事である場合、体調管理や怪我には十分注意して臨みましょう。
④ネットビジネス
フリマアプリなどで中古販売の経験がある方はネットビジネスもおすすめです。
可能な副業の1つですが、慎重に見極めなければいけないのが販売する商品についてです。
中には法律で禁止されている商品もあり、それらを扱ったとなると大問題です。
また、発覚した際に企業秩序を乱すような商品も避けた方が無難です。
もちろん、取引が気になって就業に支障をきたすのもNG。
ネット販売のノウハウをある程度備えている人が選ぶと良い副業と言えるでしょう。
⑤本などの自費出版
日頃から文章になじみがある方には「自費出版」が向いています。
もちろん、これまで述べてきたように公的・企業秩序を乱すような内容を執筆するのは問題です。
また、執筆業で体調に差し障るといった事態も避けたいところ。
これらを除き、一度出版してしまえば「印税」という形で収入が得られます。
まとまった時間が取りにくい企業勤めの人には役立つ副業です。
また、本を書きあげることで得られるノウハウもあるでしょう。
書きたい内容を深掘りしていく段階で、ある分野の知識が増えることになります。そのノウハウが本業にも役立つ可能性もあるため、ぜひ前向きに検討しましょう。
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副業でいくら稼いでも問題ない?
実際に自費出版の副業をすると決めた時、どの程度稼いで良いのか気になる人も多いでしょう。
これまで述べてきたことと同じく、法的にはいくら稼いでも問題はありません。
ただし、売上が20万円を超える場合は注意が必要です。出版費用も関わってくるため、以下で解説します。
(利益額)50万円-(出版経費)40万円=(売上)10万円
この場合、利益が50万円あったとしても、経費が40万円かかっているため、売上は10万円となります。
もし、トータルで20万円の売上があった場合、確定申告が必要です。
副業を企業に公表せずに行っていた場合には、確定申告の際に問題が発生する可能性も少なくありません。
いろいろな出版方法で書籍は出版することができますが、その中で企業出版を選択する会社も多いでしょう。 企業出版は従業員のモチベーションアップや人材確保などの経営課題解決のために出版社と書籍を制作していき、費用は会社側が全額負担します。 […]
まとめ
今回は、副業禁止の企業で自費出版を行っても問題はないのか解説しました。
法的な決まりはないとはいえ、後々トラブルに合いたくないのなら、事前に企業側に一言伝えておくのが無難でしょう。
安全策を取りながら、ぜひ自費出版の夢を叶えましょう。
投稿者プロフィール

- 学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。
出版をもっと身近に感じてもらうために、自分の家族や友達にも読んでもらえるような、分かりやすく丁寧な記事づくりを心掛けています。
これからも有益な記事を日々発信できるよう、尽力していきます!
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