kindleとは、アマゾンの電子書籍サービスの名称です。電子書籍は紙の本と異なり、在庫を持たずに世界中の人に届けることができます。
kindleを使うことで個人でも無料で電子書籍の販売を開始することができ、より手軽に出版できるようになりました。
しかし、kindleで出版する電子書籍は、制作方法も紙の本とは異なり、著者自身で行うには少し難しい点などもあります。
今回は
- kindleで出版する際にかかる費用
- kindleで出版するためにはどうしたら良いのか
- kindleで出版する印税などのメリット
について詳しくご紹介します。
【結論】kindle本の出版は儲かるのか
この記事でお伝えしたい結論をまとめます。
- 電子書籍の販売を誰でも無料で始めることができるため初期費用が少ない
- kindleの印税率は35%、または70%と紙の本と比べて高い
- 印税で生活できるくらいの金額をkindle出版で稼ぐのは難しい
- 月3万円程度ならば現実的にkindle出版で稼ぐことが可能
以下の項目でkindle出版の始め方や、印税の仕組みなどについて詳しく解説していきます。
kindle出版は無料ではじめられる
kindle出版のためのKDPへの登録や利用料は全て無料です。
本が売れた場合は売上の一部が手数料や配信料として引かれますが、もし売れなかったとしても手数料などは1円も発生しないので安心です。
電子書籍は在庫を持つ必要もないので、本のデータさえあれば、固定費は一切かかることなく販売し続けることができます。
著者自身が時間と労力をかけることができ、スキルもある場合は費用を一切かけずに電子書籍を出版することも可能ということになります。
ただし、クオリティが高い表紙画像の作成や細かいデータの設定などが必要な場合は、プロのデザイナーや出版代行業者に外注したほうがよいでしょう。
プロに仕事を依頼する際は、外注費用がかかることになります。
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kindleで本を出版するために準備するべきもの
kindleで出版するためには、主に以下の3つを準備する必要があります。
- KDPへの登録
- 本の原稿データ
- 本の表紙データ
それぞれについて詳しく解説します。
KDPへの登録
kindleで電子書籍を出版するためには、Kindleダイレクト・パブリッシング(KDP)というアマゾンのサービスへの登録が必要です。
KDPアカウントの作成に、費用はかかりません。
アマゾンアカウントをすでに持っておりサインインできる場合は、アマゾンアカウントを使ってKDPにログインすることができます。
KDPには、本のデータだけでなく、出版元の情報や振込先の銀行口座情報などを入力する必要があります。
本の原稿データ
kindleで出版するためには、KDP上に出版する書籍の原稿データをアップロードします。
KDPが推奨しているデータ形式は、ワード形式とEPUB形式のみですが、サポートしているデータ形式は、HTML、MOBI、RTF、TXT、PDFと様々です。
本の表紙データ
kindleで出版するためには、KDPに原稿のデータとは別に表紙の画像データもアップロードする必要があります。
表紙の画像データの大きさは 1,000 × 625ピクセル以上、最大サイズは 10,000 × 10,000 ピクセルとなっています。
表紙データは購入以前のページやリンクを貼った時のアイキャッチ画像などにも常に表示されるため、電子書籍においてとても重要です。
kindleに対応した本の制作〜出版方法と出版代行について
kindleで出版するための原稿データは、ワード形式、PDF、TXTなどと様々な形式がサポートされています。
メモ帳で書いただけの原稿を出版することも可能です。
しかし、メモ帳では目次すら付けることができないという問題があります。
適切なフォーマットで出版したい場合は、KDPも推奨しているEPUB形式のデータを用意することがオススメです。
なぜなら、EPUBとは電子書籍のために作られた形式だからです。
初心者には難しい?HTMLで書かれたEPUB形式とは?
「Electronics Publication」の略であるEPUBとは、国際電子出版フォーラムが策定した電子書籍のための規格です。
拡張子は「.epub」ですが、これはHTML形式を圧縮したものなので、内容はHTMLによって書かれています。
ツールを活用することで、HTMLがわからない方でもある程度であれば、EPUBのデータを編集することができます。
しかし、細かいデザイン設定などを行いたい場合は、Webサイト制作に使われている言語であるHTMLとCSSの知識が必要となります。
EPUB形式のデータを自分で作る方法
EPUB形式のデータの作成方法は複数ありますが、「でんでんコンバーター」という無料のオンラインツールが有名です。
でんでんコンバーターのサイト上に、テキストファイルや画像ファイルをアップロードすると自動でEPUB形式のファイルに変換してくれます。
また、Sigilというネットワーク接続なしで使えるEPUB編集ソフトもあります。
Sigilは公式サイトから無料でダウンロードすることができ、EPUB形式のデータをHTMLとCSSを使って自由に編集作業をすることができます。
書籍データを公開し、アマゾンの審査を受ける
出版に必要なデータをKDPに登録後、「kindle本を出版」というボタンを押すと全ての準備が完了です。
しかし、すぐにアマゾン上のストアで売れるわけではありません。
アマゾンの審査が行われ、審査を通過した場合のみ出版できます。
アマゾンのkindle本は、審査が完了し、購入可能になるまでに最大72時間かかります。
電子書籍出版の際に出版会社への依頼をオススメする理由
kindleを使った電子書籍出版は、メモ帳で書いたテキストデータのみでも出版することができます。
しかも、無料で誰でも気軽に出版することができます。
そのため、日々たくさんの方々がkindle上で新刊を発表されています。
出版すること自体はとても簡単ですが、素人が適当に作って出版した本はなかなか読者がつかず売れません。
無料のツールを使用して、デザインを変更することも可能ですが、それなりの時間と技術が必要です。
紙の本と同様に、kindleの出版も出版社に代行してもらうことが可能です。
出版社に自費出版を依頼するのは高額だから避けたいという方も多いかもしれませんが、紙の本と比較すると、kindle出版の費用はかなり抑えることができます。
kindle出版の印税率と条件について解説
kindle出版は他の出版方法に比べ、在庫を持つ必要もなくリスクゼロで始めることができ、条件によっては多くの印税が著者に入ります。
kindleの印税率は35%または70%
kindleで本が売れた場合、条件によって一定の手数料が引かれ、残った分が印税収入として振り込まれます。
印税率は35%または70%のいずれかです。
70%の印税をもらうための条件は、250円以上1250円以下の価格に設定する必要があります。
35%の印税の場合、販売価格は99円以上2万円以下で設定可能です。
また、70%の印税を得るためには、KDPセレクトに登録する必要があります。
印税率70%の条件であるKDPセレクトとは?
KDPセレクトとはkindleのプログラムであり、登録することで制限もありますが、様々なメリットもあります。
KDPセレクトの登録条件は、電子書籍の販売がアマゾンのみになる点です。
登録すると、月額制の読み放題サービスであるKindle Unlimitedの対象とすることが可能になり、無料で読まれても、読まれたページ数に応じて収益が入ります。(読まれたページ数 × 約0.5円)
また、KDPセレクトに登録することで、期間限定で割引セールや無料キャンペーンを実施することが可能になります。
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売れるkindle本にする5つのポイント
ここまでに、kindle出版の基礎知識や仕組み、印税率について解説してきました。
最後に売れるkindle本にするポイントを5つお伝えします。
- 売れている本や話題作のジャンルやタイトル、表紙デザインを参考にする
- 価格を250~1250円にし、印税を70%にする
- Kindle Unlimitedに対応させる
- 割引セールや無料キャンペーンを活用してファンを作る
- 自分のkindle本をアフィリエイトで売る
いま話題になっているジャンルの本を出すというのは、効果的な手段です。
また、売れている本のタイトルやデザインを参考にして、より多くの人の目を引く表紙を作りましょう。
印税率を70%にするためには、kindle本の価格を250円~1250円にする必要があります。
Kindle本の売上は月額読み放題サービスのKindle Unlimitedによるところが大きいため、特別な事情がなければ必ずKindle Unlimitedに対応させるようにしましょう。
KDPセレクトに登録することでKindle Unlimitedを対応させることができるのはもちろん、割引セールや無料キャンペーンも実施できるようになりますので、ぜひ上手く活用してファンの獲得を目指してください。
また、自分のkindle本をアフィリエイトリンクを通して販売することにより、本の印税に加えてアフィリエイト収入を得ることができるようになるのでおすすめです。
まとめ
現在アマゾンkindleでは、電子書籍の販売を誰でも無料で手軽に始めることができます。
必要な原稿データはメモ帳で作ることも可能ですが、目次も付けてフォーマットも整えたデータを作りたい場合は、EPUB形式での作成がオススメです。
EPUB形式でのデータ作成は、ツールや知識も必要なので初心者にはあまりオススメではありません。
kindleは収益性も高く、リスクなく高い印税を得ることができます。
しかし、手軽であることから多くの本がkindleには出版されており、無名の著者が書いた本を販売するのは困難であることは知っておいたほうがよいでしょう。
投稿者プロフィール

- 学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。
出版をもっと身近に感じてもらうために、自分の家族や友達にも読んでもらえるような、分かりやすく丁寧な記事づくりを心掛けています。
これからも有益な記事を日々発信できるよう、尽力していきます!
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