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本の出版で得られる印税の具体的な金額!印税収入で生活できるのか?

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今の時代、自分の好きなことを仕事にする人が増えてきました。

文章を書くことが好きな人なら本を出版できないかと考えたことがあるかもしれませんが、そこで気になってくるのは出版で得られる印税の金額でしょう。

 

この記事では

  • そもそも印税とは
  • 自費出版と商業出版の違いと、支払われる印税の金額
  • 出版は赤字になるか?印税で生活することは可能か?

について、解説していきます。

 

【監修者】
 梶田 洋平
 ラーニングス株式会社 代表取締役
大学卒業後は証券会社に入社し、5年弱勤めて退社した後、出版事業を手掛ける会社を起ち上げる。
大学時代からこれまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書・実用書は3,000冊以上。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象に、出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。

 

 

 

印税とは

印税とは、本を書いた著作権者に対して出版する権利を持つ会社が支払うお金のことです。

いくら本の内容を考え出したのが自分であっても、作ったものを販売する権利は出版社がもっているので、販売金額すべてが著者に入るわけではありません

また、出版には自費出版や商業出版といった種類がありますが、どの出版方法で本を出すかによっても印税の金額は変わってきます。

 

印税の仕組み

印税の計算方法は

本の定価 × 売れた本の部数 × 印税率 × 消費税

で算出できます。

 

本の定価はページ数や製本費、宣伝費などが考慮されて計算されます。

また、印税率は一定ではなく作家の知名度によって様々です。

 

印税に影響する「部数」の考え方

印税を算出する際の要素、「部数」に関しては2パターンの数え方があります。

  • 実売方式
  • 発行部数方式

実売方式

実売方式とは、売れた本の数だけ印税が支払われるパターンです。

実売方式では半年や1年といったスパンで契約することが多く、その期間に売れた冊数の印税が支払われます。

印税が減る印象を持つかもしれませんが、多めに部数を刷ることができて出版自体のハードルを下げる効果があると言われています。

 

発行部数方式

発行した本の数だけ印税が入る仕組みです。

本の売り上げに関わりなく印税が受け取れるので、あまり販売が見込めない著者にとって有利な条件になります。

 

【結論】本の出版でもらえる印税の金額

出版には、おもに「自費出版」「商業出版」といった形態があります。

 

 商業出版自費出版
費用出版社が負担著者自身が負担
目的本の売上と印税個人の作品づくり
著作権出版側著者側

 

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出版形態によって、売り上げに対する印税の比率は変わってきます。

  • 商業出版の印税は5~10%ほど
  • 自費出版の印税は数%~20%以上も。相場は10%程度

 

以下に、印税額の例を計算してみます。

【商業出版の場合】※発行部数の相場は3,000部

印税10%で1,500円の本を3,000部売った場合

1,500円 × 10% × 3,000冊 = 印税450,000円

 

【自費出版】※発行部数の相場は500部

印税10%で1,500円の本を500冊売った場合

1,500円 × 10% × 500冊 = 印税75,000円
本の売上金額から出版のために支払った費用を差し引いた金額が著者の利益

 

商業出版の印税はだいたい5~10%

商業出版の場合、印税率は5~10%というところが多いようです。

商業出版とは、出版社側が出版に関係する費用をすべて負担して本を売り出す方法のことです。

印税は著者と出版社の話し合いにより決めるものですが、知名度によってある程度決まっています。

なぜなら、知名度によって見込まれる販売部数も変わるからです。

あくまでも目安ですが、実績のない初心者作家なら3%程度、ある程度の実績がある人は5%前後、大物作家や有名人になると最高10%の印税が入ります。

印税率は法律でルールが定められているわけではありませんが、10%を超えることはほぼ無いと言っても過言ではありません。

とはいえ、印税率だけが収入の目安にはならないということも覚えておきましょう。

実売方式なのか発行部数方式なのかや、実売方式でも初版保証(売れなかった場合でも最低限の印税を保証してくれるシステム)の有り無しなどの契約条件によって、実際に手にできる金額は大きく変わってきます。

ただし、知名度があって本も売れる可能性が高い人ほど印税率も高くなり、収入も増えるであろうことは確かです。

自費出版の印税は数%~20%以上も

自費出版の場合は、数パーセントから20%以上の印税をもらえます。一般的には10%程度が相場です。

例えば1,500円の本で10%印税の場合は、1冊売れると150円になります。

100冊売れて15,000円、1000冊売れて150,000円の印税収入となりますが、最初にかかるコストを考慮すると自費出版において、印税で利益を得ることは難しいと言わざるを得ないでしょう。

まとまった冊数を製本して自身で販売する際には、本の売上金額から必要経費を差し引いた残りの金額が実際の自分の利益ということになります。

 

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印税生活は可能か?

ここで、印税だけで生活したい場合、何冊の本を売らなければならないか計算してみましょう。

 

年間の生活費として、300万円の印税が欲しいとします。

販売する本が一冊1,000円で印税率が10%と仮定すると、以下の式で売らなければならない冊数を計算できます。

300万円 ÷ (1,000円 × 10%) = 3万冊

 

300万円稼ぐためには、3万冊売らなければなりません

 

実際には、本の執筆や出版には多くの経費が掛かってきますので、300万円の印税を得るには、毎年3万部以上売らなければならなくなります。

本が売れないと言われる昨今、これはかなりハードルが高いと言えるでしょう。

 

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自費出版は赤字になる?

自費出版では、赤字になってしまう場合も多いです。

 

その原因としては、

  • 出版までに多額の費用がかかる
  • 売れない可能性が高い

という点が挙げられます。

 

自費出版では売り上げによる利益ではなく、作品が完成するまでのサポートに対し著者が支払う費用を目的としている出版社が多いです。

赤字になった場合費用のマイナス分を著者が負担しなければならないため、出版前に冷静に自費出版をすべきか検討することが大切です。

 

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本を出版する方法

商業出版と自費出版の違いを理解した上で自費出版したいと考えた場合、本の出版までにどのような手順を踏めばいいのでしょうか。

 

本の出版方法

本の出版までの流れ

 

自費出版という言葉からすると、一から十まですべて自分でしなければいけないイメージを持つかもしれません。

しかし、執筆から本の流通までのすべての工程を自分一人でするというのは現実的ではありません。

費用面の負担は自分一人にかかりますが、作業面では誰かのサポートがどうしても必要になります。

 

ですから、まずは自費出版を扱っている出版社に依頼しましょう
出版社が販売までの道のりをサポートしてくれるので、専門知識がなくても安心です。

出版社によっては本のカバーや表紙などの装丁を行ってくれたり、ISBNという図書コードをつけてくれたりするところもあります

ISBNコードつけることによって自分が本を出版したことの公的な証明にもなりますし、流通や売上管理にも役立ちます。

 

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出版社によって自費負担の割合やサポートの範囲が異なるので、事前にチェックしておくようにしましょう。

 

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本の執筆方法

本を出版するにしても、人によって目的が異なります。文章を書くことが好きな人なら自分で執筆して問題ありません。

しかし、専門的な知識や情報を提供したい、例えばビジネスのブランディング(商品やサービスについて明確なイメージを持ってもらうこと)を目的として出版を考えている場合は、自分で書くというのは難しいかもしれません。

そういう場合はプロのライターに執筆をお願いするという方法もあります。特にビジネス書などはライターが執筆を担当している場合が多いのです。

プロのライターは文章を書くことを仕事としていますから、語彙力、文章力、表現力の高さが安定しています。どれだけ価値の高い知識を持っていたとしても、それが読者に伝わらなければ意味がありません。

プロのライターに依頼すれば、完成度の高いものが短時間で出来上がることになり、出版までのプロセスを効率的に行えます。

 

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本を出版するのにかかる費用と期間

出版までの費用は本のデザイン、発行部数、製本サイズなどによって大きく変わります。

そのため、本を出版する目的や自分が出せる予算をしっかり決めておく必要があります。

例を挙げると、自分の趣味の範囲で書店に流通させないものを出版する場合は数十万ほどの費用で済みます。

しかし、書店にも流通させてできるだけ多くの人に販売したいと考えている場合にはもっと高くつきます。

大手の出版社になると1,000万円ほどかかるところもあるようです。ライターなど外部に委託するかどうかや編集、校正をどこまでしてもらうかによってもコストに差が出てきます。

また、出版までの期間も様々です。自分の執筆ペースや、ライターの能力によって執筆に必要な時間は変わります。

出版の大まかな流れとしては、

ヒアリング>提案・見積>契約>打ち合わせ・執筆>出版

の順になります。

その中でも執筆に一番時間がかかるので、出版までの期間は執筆スピードによって決まるとも言えます。

 

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本を出版する「印税以外の」メリット

商業出版は実績がないと、売り上げに結びつかないため出版自体が難しいとされています。

どれだけ自分で素晴らしいと感じる企画を持ち込んだとしても、最終的に判断するのは出版社です。

 

出版社もボランティアではありませんから売れる本を作る必要があります。

そのため、内容も制限されてしまうことが少なくないのです。

著者が伝えたいことではなく売れるために必要な内容が優先されるため、著者にとっては納得できないこともあるかもしれません。

 

それに対し、自費出版では内容の制限がかかることはないので自分の納得のいく形で出版ができます。

ビジネスを目的とする場合にも、本業の邪魔をすることなく出版ができて、ブランディングや見込み顧客の獲得にもつながるというメリットがあります。

 

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まとめ

  • 印税とは、本を書いた著者に対して出版社が支払うお金のこと
  • 商業出版の印税は売り上げの5~10%ほど、自費出版の印税は数%~20%以上で相場は10%程度
  • 印税で生活するためには、たくさん著書を売り続けなければならないためかなりハードルが高い

 

結論としては、自費出版では費用を著者が負担し、売り上げではなく作品づくりを目的とするため赤字になる場合があります。

しかし、電子書籍やプリントオンデマンドという印刷方法を選ぶことで出版費用を押さえることが可能ですので、自費出版をしたいと考えている方は、ぜひ合わせて検討していただきたいと思います!

 

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学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。

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