自分で本を出版する準備を進める中で、ISBN(アイエスビーエヌ)という単語を目にしたことがある方も多いでしょう。
ISBNとは一体何なのか。この記事で詳しく解説していきます。
この記事を読むと
- ISBNの意味
- ISBNを入手するまでの流れ
- あなた自身がISBNを取得するべきかどうか
について知ることが出来ます。
ISBNとは
ISBNの意味や取得することで可能になること、また、JANコードとの違いなどを以下に説明します。
ISBNの意味
ISBNコードとは書籍を特定するための13ケタのコードのことで、International Standard Book Number(国際標準図書番号)の略です。
ISBNコードは書籍のタイトルごとに決まっています。
そのため、世界中を探しても、同じISBNコードが印刷された書籍はありません。
こちらの写真はあるビジネス書のISBNコードです。
コードにはそれぞれ役割があり、コードを読み取ることで仕分けができるようになっています。
具体的なコードの見方ですが、ハイフンごとに役割が区切られています。
例)ISBN①-②-③-④-⑤
①接頭番号
書籍を表すコードで、日本の場合は”978”と決まっています。
②国番号
書籍を出版する国を表した数字です。
日本の国番号は”4”になっています。
③出版者番号
出版者や出版社ごとに決まっているコードで、個人でも入手できます。
④書籍番号
書籍のタイトルごとに決まっている固有番号のことです。
⑤チェックデジット
前のISBNコードに誤りがないかどうかをチェックするためのコードのことです。
この5つの役目を持ったコードを使うことで、書籍の識別が可能になります。
ISBNコード取得にかかる費用や、Amazonで書籍を出版する場合のISBNコードについての解説はこちらの記事が参考になります↓
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ISBNの歴史
はじまりは1965年、イギリスの大学でSBN (Standard Book Number) という書籍を管理するためのナンバーが開発されたことでした。
開発の背景にはコンピューターの普及により、書籍を統一的に管理する仕組みが必要となったことがあります。
翌年イギリス国内での使用がスタートしたSBNは、1967年に国際規格のISBNとなり、1970年に国際規格標準化機構で採用されました。
日本国内では1981年から、ISBNコードの利用がスタートしたようです。
もともとISBNは10桁で成り立つコードでしたが、数字の組み合わせの枯渇により、2007年以降は10桁から13桁へと改定されています。
ISBNの検索方法
ISBNの調べ方には、以下の3通りあります。
- 書籍の裏表紙で確認する
- 書籍の奥付のページで確認する
- 出版社のサイトで検索する
①書籍の裏表紙で確認する
多くの場合、書籍の裏表紙の上部にISBNが印字されていますので、そちらを確認します。
②書籍の奥付のページで確認する
書籍の奥付は、書籍の最後のページにあります。
奥付にもISBNコードが記載されています。
②出版社のサイトやAmazonで検索する
本が手元にない場合は、本のタイトルや出版社がわかっていれば出版社のサイトでの書籍検索でISBNを調べることが可能です。
また、Amazonで販売されている書籍であればタイトルを検索をすることでISBNコードを知ることができます。
Amazonの商品ページ↓
ISBN-10は10桁のコード、ISBN-13は「978」がついた13桁のコードを表しています。
ISBNを取得することでできること
基本的に書店に本を流通させたい場合、ISBNコードを取得する必要があります。
書籍にISBNコードがないと、その書籍の所在地や在庫を把握するために大きな手間がかかります。
ISBNコードがあることで、簡単に書籍情報を調べることができるのです。
このため、書籍を出版して書店に置いて欲しい場合には、ISBNコードを取得することが必須です。
一方、ISBNコードがなくても個人で書籍を売ることは可能です。
ISBNコードを取得しないことで出版者側の手間や費用も減ります。
実際に日本図書コード管理センターでISBNを取得すると、8000円程度の費用が掛かります。
以上のことから、書店での流通を考えていない方は、ISBNコードを取得する必要はありません。
反対に気軽に本を出版して書店に流通させたい人は、出版社にISBNコードの取得を依頼すると良いでしょう。
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書籍JANコードとの違い
書籍にはISBNコードに加えて、書籍JANコードというものも付いています。
書籍JANコードとは本を特定するためのバーコードです。
本の裏表紙に印刷されています。
このコードがあることで在庫管理がしやすくなるため、自費出版の場合は書店に自分の本を置いてもらいやすくなります。
また、商業出版の場合は売り上げを管理する為に必須になります。
その他の書籍コード
書籍には、ISBNや書籍JANコード以外にも本を管理するためのコードが付けられています。
Cコード
書籍の裏表紙などには「Cコード」と呼ばれるCの後に続く4桁の数字も記載されています。
Cコードは「分類コード」とも呼ばれ、その名の通り書籍を分類するためにあります。
4桁ある数字の1桁目が販売対象、2桁目が発行形態、3・4桁目が内容を表しており、書籍の分類などに使われます。
ISSNコード
ISSN (International Standard Serial Number) は、逐次刊行物に表記されるコードです。
逐次刊行物とは、毎号同じタイトルで発行され終わりを定めずに継続して発行される学会誌、雑誌、新聞、年鑑などのことを言います。
ISSNの登録は無料で、国立国会図書館がISSN日本センターとして管理を行っています。
オンラインの刊行物にもISSNは付与されています。
参考:国立国会図書館
ISBNを取得する方法
個人がISBNコードを取得するためには、何をすれば良いのでしょうか。
ISBNコードは、日本図書コード管理センターに発行を申請することで取得することが出来ます。
申請から取得までの流れは、以下の通りです。
- 日本図書コード管理センターのWebページでメールアドレスを登録
- 送られてきた認証コードをホームページに入力、必要事項を入力して送信
- 管理センターからの確認の電話をうける
- メールで送られてきたURLから、登録手数料を決済する
- 登録票一式が郵送されてくる
- 受領票をメールで返送
ISBNを取得したい人は日本図書コード管理センターのサイトにアクセスし、ホーム画面の「ISBNと書籍JAN コードについて」から「申請の流れ」をクリックすることで最新の情報を確認できます。
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まとめ
- ISBNコードが書籍を特定するためのコード
- 書店で本を流通させるにはISBNコードが必要不可欠
- ISBNコードの取得は日本図書コード管理センターのサイトから申請が可能
ISBNは個人での取得も可能ですが、出版社に代行してもらうこともできます。
ISBNコードを取得して書店流通されたい方や自費出版をお考えの方は、お気軽に弊社ラーニングスまでお問い合わせください。
お問い合わせはこちら。
投稿者プロフィール

- 学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。
出版をもっと身近に感じてもらうために、自分の家族や友達にも読んでもらえるような、分かりやすく丁寧な記事づくりを心掛けています。
これからも有益な記事を日々発信できるよう、尽力していきます!
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