本が出版されるまでの流れをすべて公開

本が出版されるまでの流れをすべて公開!作業別にかかる期間

本が出版されるまで

 

本が出版されるまでには、企画の立案から執筆、編集、ページレイアウト、印刷まで、多くの人がさまざまな作業を行わなければなりません。

 

今回は

  • 本が書店に並ぶまでの経路
  • 本が出版されるまでの流れと作業別にかかる期間の目安
  • 電子書籍の場合の出版までの流れ

などを説明していきます。

 

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出版 資料

 

本が出版されるまでの流れ

さっそく今回の本題である「本が出版するまでの流れ」について、それぞれの作業でかかる期間の目安も合わせて解説していきます。

出版までのおおまかな流れは、以下のようになります。

本の出版までの流れ

 

  1. 「下準備」= 本の内容についてや構成案の提示
  2. 「原稿作成」=取材~執筆・編集作業
  3. 「制作」=ページレイアウトや校正
  4. 「発行」=印刷会社へ入稿~見本完成・販売

 

順に解説していきます。

 

① 「下準備」の期間=本の内容についてや構成案の提示

本を書き始めるにあたり、どのようなストーリーにするのか、その組み立て方や展開方法についてなど、まずは本の企画案と構成案を作る下準備を行います。

この下準備にかかる期間の目安は、2週間〜1ヶ月程度です。

企画案と構成案が出版社から採用されることで、執筆や取材に取り掛かることができます。

企画案、構成案それぞれの一般的な作り方は下記の通りです。

 

本の企画案の作り方

はじめに、本の企画案を作成していきます。
これは本のコンセプトを作成するためのとても重要な工程です。

企画案はA4サイズ一枚程度のボリュームで作成します。

どんなジャンルの本を書きたいのか、書店のどの棚に置かれるのかなど、イメージしている内容をわかりやすく具体的に記していきます。

また、この企画案を作成しているタイミングで読者ターゲットを決めておくことも大切です。
ターゲットとする性別や年代、職業など、細かく記載してください。

本の企画案は、これから本を制作していく過程の中で最も重要なポイントとなります。出版社側がイメージしやすいように、わかりやすく具体的に記載しましょう。

この企画案の作成にかかる期間の目安は、2週間程度です。

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構成案の作り方

本の企画案で制作する本のコンセプトと具体的な読者ターゲットを決めたら、本の骨組みとなる構成案を作ります。

構成案の作り方の順序としては、大きな骨組みを作ってから細かい骨組みを作っていきます。

まずは各章のタイトルと内容を決めます。
書籍内容によって変わりますが、ほとんどの場合5〜8章で構成されます。
それぞれの内容を大まかに決めましょう。

大きな骨組みができたら、さらに細かい部分の骨組みを作っていきます。
具体的には、それぞれの章に入る見出しの作成作業です。
各章の見出しを10個ずつ作りましょう。

また、このタイミングで文章のテイストも決めておきます。
若い年代の人をターゲットにする場合は読みやすい文章に、専門的な内容の本を作る場合にはかしこまった固めの文章にするなど、ターゲットに合わせた文章のテイストにします。

企画案の作成にかかる期間の目安も、2週間程度です。

 

② 「原稿作成」の期間=取材~執筆・編集作業

企画案が採用されたら本格的に取材や執筆、編集など、原稿の作成をしていきます。

執筆を自分で行う場合にはすぐに執筆作業に入りますが、ライターを起用する場合には編集者とライターよる取材作業もあります。

執筆が完了したら誤字脱字の確認や訂正などの編集作業を行います。

それぞれの詳細は、下記の通りです。

 

取材・執筆について

提案した企画案と構成案が完成したら、それらをもとに実際に文章を執筆していきます。
執筆をライターに依頼する場合には、構成に沿ってインタビュー取材を行います。

取材内容により変わりますが、取材時間は1本につき1時間半〜2時間程度です。
5〜6回程度取材を重ねていきますが、取材の間が空かないように、なるべくスケジュールを詰めて立てます。

取材が完了したら、執筆作業に入ります。

なお、ライターを起用せず自身で執筆する場合には取材作業は行わず、すぐに執筆作業に入ります。
原稿の執筆と共に編集者による編集作業も進めます。

取材から執筆、編集開始までにかかる期間は、3ヶ月程度です。

 

素材選定や編集作業

ライターによる執筆と共に編集作業も並行して行います。

編集作業とは、出来上がった文章の誤字脱字や表現を修正しつつ、書籍企画の現場指揮も行う作業のことです。

現場の指揮には、執筆や編集内容に応じて補足取材を依頼することなども含まれます。

この編集作業のタイミングで、掲載する図表や写真のなどの素材の選定、点数を決めておきます。

ライターと編集者が入校日までに何度も原稿のチェックを共に行い、文章を完成させていきます。
編集作業にかかる目安は3週間程度です。

 

 

③ 「制作」期間=ページレイアウトや校正

原稿が完成したら、正式にタイトルとコピー案を決めたり、デザイン案を選んでいく「制作」期間に入ります。

この作業では、原稿の内容に合ったタイトルやデザインを選ぶことが重要になります。

制作期間にかかる期間の目安は2ヶ月程度です。

それぞれの詳細は、下記の通りです。

 

タイトル・コピー案を決定

下準備の構成案作成のタイミングで、仮タイトルではなく正式なタイトルとコピー案を決定します。

完成した原稿の内容と照らし合わせ、その本に合った案を出し、決定していきます。

タイトルや帯のキャッチコピーは、実際に書店に並んだときに、どの層に向けた本なのかがわかるようなものを付けましょう。

また、これと並行して校正作業も行います。
校正作業では、ページレイアウトされた原稿や図表の確認を行い、必要に応じて修正していきます。

以上2つの作業にかかる期間の目安は、2〜3週間程度です。

 

書籍にあったデザイン案を決定

タイトルやキャッチコピーが決まったら、最後に内容に合ったデザインを決めていきます。

文字量が変わるだけでデザインが大きく変わってくるため、文章や文字量が全て確定したこのタイミングでデザインを決めます。

デザインの理想案がある場合には、写真などを資料として用意しておくことでイメージが伝わりやすいでしょう。

複数のデザイン案から、デザインと中身が合っているかの照らし合わせなどを行い、最終的なデザインが決定します。

 

④ 「発行」期間=印刷会社へ入稿~見本完成・販売

文章、タイトル、キャッチコピー、デザインが全て完成したら、最終チェックを行います。

修正箇所などが無いことを確認した後、本が完成したことを意味する「校了」をし、印刷会社へ入稿します。

入稿が完了してから印刷・製本が行われ、校了から約1週間程度で見本が完成します。

お客様への納品や出版取次を経由して書店での販売までには、見本の完成から10日ほどかかります。

入稿から見本の完成、販売までの発行期間にかかる目安は2週間〜1ヶ月程度です。

 

印刷の種類

書籍は、主に以下の印刷方法で印刷します。

  • オフセット印刷
  • オンデマンド印刷(プリントオンデマンド)

オフセット印刷は4色(CMYK)ごとに製版する代表的な印刷方法です。

オフセット印刷は色の彩度の質が高く、また大量印刷が可能なため低コストでできる点がメリットです。

書籍の印刷はもちろん、ポスターやチラシなどさまざまな用途に利用されています。
一方のオンデマンド印刷(プリントオンデマンド)は、パソコンで作成したデータをダイレクトに印刷する方法です。
製版の必要がなく、印刷時間を短縮することが可能です。

オンデマンド印刷は少量の印刷物に適した印刷方法で、1部からでも印刷が可能であるため、在庫を抱える心配がありません。

通販サイトAmazonは、2011年4月から「アマゾンPOD(プリントオンデマンド)」というサービスを提供しており、Amazon経由で1冊から本を作ることが可能になっています。

 

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そもそも「出版」とは

そもそも出版とは、「文章などを印刷して世の中に広く行き渡らせること」です。

本の出版と聞くと、文章を印刷している書籍はもちろん、図や写真などを組み合わせて印刷したものを紙媒体で販売することも「出版」と言います。

 

主な出版方法

主な本の出版方法は以下の2種類です。

  • 商業出版
  • 自費出版

「商業出版」では、全ての費用を出版社が負担します。

費用を負担してもらえるメリットから、全国の書店に流通してもらえるという大きな魅力がありますが、売り上げや印税を目的として本を出版するため、売れる見込みのあるものしか扱ってくれません。

商業出版での出版ができるのは、限られたほんの一部の方のみです。
本の内容やデザインの決定権は費用を支払っている出版社側にあり、売れるための本を作るため著者の希望が通りにくいというデメリットもあります。

一方の自費出版」とは、著者自身がすべての費用を負担する出版方法です。

自費出版は商業出版と違い、費用さえ自分で準備すれば、誰でも本を出版でき、「著書の作りたい本を作る」ことに重きをおくので、自由度高く本を作れることがメリットです。

「有名人じゃないけど本を出版してみたい」「自由に本を作りたい」という方には自費出版がおすすめです。

 

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本が書店に並ぶまでの経路

 

本は以下の経路を経て、書店に並べられます。

 

印刷会社 取次店 消費者 出版社 製本会社 書店

 

  1. 出版社
  2. 印刷会社
  3. 製本会社
  4. 販売会社(取次店)
  5. 書店

 

本は他の商品と違い、返品可能である特殊な商品です。

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出版後の広告・宣伝方法について

 

時間をかけて作った本が書店に並び人目に触れる機会を得ても、広告・宣伝をしなければ売り上げは伸びません。

以下に著者自身と出版社のそれぞれが行う、宣伝方法をまとめました。

【著者自身で行う宣伝方法】

  • 講演会や自身の店などで直接販売する
  • イベントや展示などに応募する
  • SNSやホームページでネット販売する
  • 書店やカフェなどの店舗に営業する

 

【出版社を通す宣伝方法】

  • SNSやインターネット検索などデジタルマーケティングを使った販売
  • 新聞・雑誌などのメディアでの宣伝

 

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電子書籍の出版までの流れ

 

電子書籍の場合の出版までのおおまかな流れは、以下の通りです。

 

  1. 原稿の執筆をテキストファイルにて作成
  2. デザインや本の内容に合わせた調整作業
  3. 校正・校閲の作業
  4. 価格の設定~電子書籍サービスへの公開申請

 

電子書籍での出版は

  • 印刷費用がかからない
  • 在庫を抱える心配がない

というメリットがあります。

 

データの作成などを自力で行えば、ほぼ無料で出版することもできるため、価格面でのメリットも大きいです。

 

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まとめ

 

紙の本が出版されるまでの流れかかる時間の目安
下準備2週間~1カ月
原稿作成3~4カ月
制作2カ月
発行2週間~1カ月

 

一冊の本が完成するまでには多くの過程があり、それぞれの過程で多くの人が関わり、多くの時間がかかります。

今回ご紹介した本が完成するまでの作業過程の他にも、新聞広告やセミナーイベントなど、発売するにあたりさまざまなプロモーションを行う場合もあります。

なお、執筆と編集作業やタイトル・コピー案の決定と校正作業は同時進行するケースがほとんどです
の分タイトなスケジュールで進行を行わなければなりません。

今回ご紹介した期間はあくまでも目安です。
進行状況などにより大きく変わることもあることを把握しておきましょう。

 

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投稿者プロフィール

マーケティング出版プラス編集部
マーケティング出版プラス編集部
学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。

出版をもっと身近に感じてもらうために、自分の家族や友達にも読んでもらえるような、分かりやすく丁寧な記事づくりを心掛けています。

これからも有益な記事を日々発信できるよう、尽力していきます!
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