本や電子書籍が出版されるまでの流れや関わる人物は?

本の出版を検討している方の中には、出版するまでの流れや関わる人物を知りたい方もいるでしょう。

本と電子書籍によって、出版までに流れや関わる人物に違いはあるのでしょうか。

 

今回の記事では

  • 本が出版されるまでの流れ
  • 電子書籍の出版の流れ
  • 関わる人物

について紹介します。

 

 

出版 資料

 

本が出版されるまでの流れ

本が出版されるまでには流れがあります。

出版のモデルはいくつかあり、商業出版や自費出版、企業出版などで提供されることがあります。

それぞれの出版方法において、出版までの流れは変わらないため、もし本の作成を考えているなら工程を知っておきましょう。

本が出版されるまでには長い工程があり、1つ1つの工程を丁寧に進める必要があります。

 

企画

本を出版するためには、どんな本を書くのか企画する必要があります。

自分が書きたいものや伝えたいことをしっかり考えなくては、読者に自分の考えが伝わらず本として成立しません。

 

本の企画では主に

  • どんな体験を書くのか
  • どんなアイデアなのか
  • 何を1番読者に感じて欲しいのか

という点を重視します。

自分の書きたいものはメディアや書籍などから考えることができれば、取材や自分の実体験を書き出してみるなどが行えるでしょう。

また、書く内容を考えるときはどんな読書層を意識することも重要です。

読者の関心は年齢や職業などによって変わっているので、どんな読書層をターゲットにするかで、企画内容も合わせる必要があります。

このように、いろいろな点を想定して本の題材を企画しましょう。

 

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出版企画書 企業出版

 

構成

企画できたなら続いて構成に移ります。

もし、自分の書きたいことが決まって良いメッセージ性があったとしても、構成が定まっていないなら伝わらないからです。

構成は主にどのようなタイトルにして、どのように物語を進めていくのか考えます。そして,自分が書く本によって構成は違ってきます。

例えば、小説や自伝であればどの場面を書き起こし、自分が強調したい内容は本の最終ページで結論すべきか、それとも始めに出すべきなのか考える必要があります。

構成は読者が本を読んでいて、違和感なく結論を理解するようにする必要があるため重要な部分です。

そのため、1度構成が完成したとしても、見直して急に話が変わっていないか確認するようにしましょう。

 

執筆

企画が通り、構成も完成したなら内容を執筆していきます。

自分のメッセージが伝わるように、取材した資料などは執筆する前に見返しておくのがいいでしょう。

執筆を始めてから内容に誤りがあることに気付くなら、修正作業が大変です。

そして,執筆するときは読者にイメージが伝わるように起承転結やPREPを押さえておくようにしましょう。

PREP法とは結論、理由、具体例、要点の順序で書くことです。

どの執筆方法も読書が読んでいて内容を理解するために必要なものですが、分かりやすく書くことは自分の裁量にかかっています。

記事執筆した際に内容がしっかり伝わるか確認して行くようにしましょう。

また、その時は脱字誤字もチェックするようにしてください。

 

原稿のデザインワーク

執筆を終えたならデザインワークを行います。

デザインワークはページのレイアウトを決めていく作業であり、本の内容に合わせて字詰めやフォントを検討してイラスト、写真、図表、注釈などをどこに入れるのか決定していきます。

本にイラストを入れることで、文章では分かりにくい部分も読者に内容を伝えやすくすることが可能です。

図表や写真などで丁寧に説明できれば、読者は内容が分からないまま話が進んでいくことを避けることができるため、配置や表現方法をしっかり考える必要があります。

もし、工夫したイラストを導入するならイラストレーターに依頼することも検討すべきです。

その場合は、イラストレーターと打ち合わせてをして、どのようなデデザインを本に載せたいのか、何を引き立てたいのか伝える必要があります。

原稿のデザインワークは本にとって大事な工程なので慎重に進めましょう。

 

入稿

デザインワークを終えたなら入稿を行います。

入稿は原稿を印刷所へ渡すことであり、この原稿を元にして組版を作っていきます。

組版は以前、原稿に沿ってページごとに活字を拾って版を組んでいましたが、今はDTPというコンピューターを使用して文字の割り振りやレイアウトなどを行っていきます。

以前と違ってコンピューターを使用するため、組版はよりクオリティの高い状態で仕上げることができるようになりました。

そして、組版作成の際にはゲラと言われる試し刷りも行います。

ゲラを刷ることでサンプル本のようなものが完成し、実際の本がどのようなものか完成形を想像できます。

入稿はこのように執筆した原稿が実際の本のページとなって印刷されます。

 

校正・校閲

入稿を終えて、ゲラによるサンプル本ができたなら校正と校閲です。

校正と校閲は同じ作業のように思えますが、行う内容に違いが生じます。

校正は文章の内容ではなくてゲラで印刷されている文字を1つずつ見つけることです。

ゲラによっては印刷の際に文字が滲んでしまうなどでミスが生じることもあるため、製作上の問題は無いか確認していきます。

そして、赤字照合と言われる作業も行われますが、これは校正の際に指摘した修正内容が反映されているのか確認します。

一方、校閲は原稿の脱字誤字や内容の事実確認を行う作業です。

人名や土地の名前、歴史的な事実などに間違いはなく、数字や文献などで内容が裏付けされているのか確認します。

間違いがあれば本として大問題になるため、校閲の作業はかなり徹底にする必要があるでしょう。

校正と校閲の作業では、著者自身ができた作品に目を通して内容に間違いがないか確認します。

そして、編集者も原稿のチェックを行いますが、並行して専門家による校正・校閲も行い、ミスや間違いがないか徹底的にチェックします。

校正と校閲は本の信頼を得るための大事な工程です。

 

校了

ゲラによる校正と校閲を終えたなら校了となります。

校了は製本用の原稿が完成したことになり、印刷できる状態になることです。

執筆した原稿は最終的に校了できなければ印刷することができません。

校了できていないということは原稿や製本上に問題がある状態になっているので、その状態で印刷してしまうと本のクレームや再出版することになるため、莫大な費用がかかってしまいます。

本を出版する流れの中で急いで出版したい場合も、校了が出るまでは待つ必要があり、後で手直しをして余計な手間をかけさせないようにします。

校了は通常なら即日〜2日程度で行えますが、本のページ数によって日数がかかる場合もあるため、出版までのスケジュールを確認しておきましょう。

 

再入校・印刷

校了を終えた後は編集者が原稿を印刷所へ持って行き再入稿です。

印刷所で原稿が刷られていきますが、まずは印刷用のプレートを作成します。

プレートの作成によりページの順番に狂いは無いか、ページ抜けがされていないかチェックすることができ、本として印刷可能な状態なのか確認できます。

もし、チェックしてページ抜けや順番が狂っているなら、正しく修正して再度プレート確認しましょう。

印刷して問題ない状態になれば印刷を開始していきます。

執筆された原稿は枚数分印刷されていくので、後は刷り終わるのを待つのみです。

ちなみに、表紙やカバーなどは別途色校正を行ってから印刷されます。

表紙・カバーは色付きのものとなり、白黒の原稿とは違います。

自分のイメージに合った色彩となっているのか、イラストなども問題ないか確認してから印刷なので覚えておきましょう。

 

製本

印刷所で全て刷り上がることができれば、製本の作業に取り掛かります。

製本はまず刷本と呼ばれる用紙と表紙、カバー帯などが製本所へ回されます。

刷本が製本所に来たなら折り機にかけてどんどん折りたたんでいき、折本の完成です。

折本にした後はページ順になるようにセットして重ねていきます。

そして、この後に並製本や上製本などの本の仕様に応じて表紙付け機、裁断機などにかけられて本の原型が完成します。

このような工程を経て本の原型が完成されるため、印刷した後も本の原型にするまではかなり時間がかかることが分かるでしょう。

本の発行部数によっては、原型を作るのに時間がよりかかります。

本の原型ができればカバーや帯などを機械にかけて完成です。

 

発売

製本が完了されれば完成した本が自分の手元に送られてきます。

完成した本を見て自分の作品通りの出来か一応確認しておきましょう。

そして、完成した本は出版社にも届けられ、取次会社に渡り発売する手続きを行います。

その後は全国の書店に流通ネットワークを経て配本されていきます。

自分が執筆した本が並び適正価格で発売され、お客様に購入されていく流れです。

本出版の契約内容によっては広告出稿やWebプロモーションが展開されることもあり、自分の本が書店以外に並ぶこともあるでしょう。

このように本は発売されるまで、いろいろな工程を経ています。

それぞれの工程を丁寧に行うことが発売までスムーズに行くことになるため、明記しておきましょう。

 

電子書籍が出版されるまでの流れ

本は印刷されて出版して発売される工程となっていますが、今ではインターネットの普及により電子書籍で出版されることもあります。

電子書籍の出版の場合は印刷する本の出版とは違う流れとなっているため工程を覚えておく必要があるでしょう。

 

電子書籍の場合は

  • 企画をして本の伝えたい内容を決める
  • 本の構成を考える
  • 文章を執筆する
  • 原稿のデザインワークを考える
  • 入稿する
  • 校正と校閲を行って間違いやミスが無いか確認する

という部分までは同じ工程となっています。

 

ただ、本の出版はここから印刷するための準備に入りますが、電子書籍の場合は

  • コンテンツをテキストファイルで作成
  • 見出しや段落、字下げ、リンクの指定
  • 電子書籍専用のフォーマットを使用して変換する
  • 表紙の画像を作成する
  • 価格設定を行う
  • 専門サイトに公開申請を行う
  • オンラインで販売を開始する

という流れです。

 

電子書籍は印象所を通さず、全てインターネットで発売まで行うことができるので、直ぐに流通させることができます。

ただ、電子書籍の場合はイラストや図表などのデザインワークの微調整が難しいので、洗練された仕上がりにするのが困難です。

個人のみで作成するのは専門スキルが必要な場合もあるでしょう。

 

本が出版されるまでに関わる人物は?

本の出版までには多くの工程があるため、自分1人で行うのではく複数人と一緒に作業することが多いです。

そのため、本が出版されるまでに「どんな人が関わるの?」と疑問を感じることもあるでしょう。

 

本が出版されるまでに関わる人物は

  • 編集者
  • ライター
  • 校正、校閲者
  • デザイナー

などがいます。

 

それぞれが本の出版にどのように関わってくるのか、内容を紹介しましょう。

 

編集者

本の出版に関わっているのは編集者です。

編集者は原稿に最初に目を通す人であり、著者の意見や要望をヒアリングしながら、どんな本を出版したいのか具現化してくれます。

自分の伝えたい思いを上手く言葉にできなくても、編集者が意図を汲み取って適切なアドバイスをしてくれるので、悩んでいるなら質問してみるのもいいでしょう。

また、書籍の出版に関しても企画の検討や発行部数の打ち合わせを行い、どのように発売していくのか戦力も考えてくれます。

入稿の手続きや原稿のチェックなど著者と大きく関わる人物です。

 

ライター

本の執筆量や納期の関係によっては自分1人で書くのが難しいことがあります。

その際はライターを起用して執筆をサポートしてもらうこともあります。

ライターが複数人いることで執筆作業スピード速くなり、よりスムーズに原稿を仕上げていくことが期待できるでしょう。

また、自分では執筆が難しい部分も専門のライターに任せるなら、順調に本の原稿を完成させることが可能です。

 

校正・校閲者

校正と校閲者は完成した原稿の本文内容のチェックを行う人です。

校正と校閲者はチェックのプロフェッショナルであり、元原稿と印刷物を照合して間違いを見つけることはもちろん、事実関係や社会理念などの点で問題が無いのかも確認します。

著者自身も原稿に間違いはないか入念にチェックしますが、見落としてしまう可能性もあるでしょう。

校正と校閲者に原稿を見てもらえるならプロの目で見てもらえるため、内容に安心感を抱くことができるでしょう。

 

デザイナー

本を出版するときは原稿以外に表紙やイラストなども必要です。

自分でイラストや図表を挿入するのは難しい場合があるため、デザイナーに依頼してデザイン作りをしてもらいます。

デザイナーは本の表紙やカバー、帯、見返しなど書籍の外装を自分の要望通りに設計してくれます。

作品のイメージに合ったデザインとするために、デザイナーのプロの視点からアドバイスもしてくれるので、よりイメージ通りの外装にすることが可能です。

出版は見た目も大事なので、デザイナーも大事な人物です。

 

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まとめ

本の出版の流れについて内容を紹介してきました。

本を出版するためには、いろいろな工程と流れがあるため、しっかり把握しておくことが大事です。

本の出版の流れが分かれば、発売までにどれくらいの時間がかかるのか確認することが可能です。

本の出版は印刷だけでなく電子書籍で行うこともできます。

本の出版を検討している方は、自分がどのように出版したいのか計画して編集者やライター、デザイナーと相談し、校正と校閲者に内容を確認してもらうようにしましょう。

 

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投稿者プロフィール

マーケティング出版プラス編集部
マーケティング出版プラス編集部
学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。

出版をもっと身近に感じてもらうために、自分の家族や友達にも読んでもらえるような、分かりやすく丁寧な記事づくりを心掛けています。

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