自費出版の増刷時にかかる費用や工程

自分の書きたい内容で書籍を出版できる自費出版。

自伝やビジネス書を制作する際にもたびたび使われる印刷形態ですが、執筆から製本まで著者の思い通りに仕様を選べる自由度の高さが最大の特徴です。

発行部数も自分で決めることが可能ですが、一般的な商業出版と同じように増刷を行う場合はどのような流れになるのでしょうか。

今回は、自費出版で増刷をする際にかかる費用や、増刷までの行程について詳しくご紹介します。

 

自費出版とは

自費出版とは、本を制作したいと考えた著者が自ら経済的なコストを負担して書籍を出版するという出版形態です。

一般的な商業出版では本の売上を重視するため必ずしも内容が作者の希望通りにならない可能性もありますが、大きな手直しが入ることなく作者が執筆した内容をそのまま本にできる自由度の高さが自費出版の特徴です。

制作した本を全国的に流通させるのは難しく、商業出版された本ほど多くの部数を販売できるわけではないものの、自費出版を扱う出版社の中には流通・販売に強い点を売りにした会社も存在します。

出版された本の売れ行きが順調なため再び印刷・製本されることを表す際には「増刷」と「重版」という言葉が使用されます。

現代の日本ではほぼ意味の変わらない言葉として用いられていますが、これらの言葉は本来それぞれ微妙に異なる状況を意味しています。

ここで、「増刷」と「重版」の違いについて説明します。

増刷=同じ内容のものを再度印刷すること

「増刷」とは、初版とまったく同じ内容の文面を再度印刷することを表す言葉です。

昔は活版印刷と呼ばれる細かい活字をひとつひとつ拾って文面を作る方法が使われており、いくつもの活字を組み合わせた板のことを「版」と呼んでいました。

現代では製本作業をデジタルで行うようになりましたが、最初に出版された原稿のバージョンは今でも初版と言われています。

一度出版された本がよく売れた結果在庫が不足した時、初版と同じ内容で書籍を印刷し直すことを増刷といい、増刷された本の奥付には以下のように記載されます。

初版 第二刷 ○○年○月○日発行

同じ内容を再印刷することになるため、前回入稿したデータとまったく同じものをもう一度入稿する必要があります。

重版=一部修正・加筆を行い印刷すること

一方「重版」は初版に加筆修正したうえで再び製版し、印刷することを指しています。

パソコンなどで作業を行う現代では修正も容易ですが、かつては一度組んだ版を作り直さなければならなかったため、文字通り「版を重ねる」ということになりました。

追記部分があったり、一部の内容を変更する場合には重版することになり、奥付には以下のように表記されます。

初版  第一刷 ○○年○月○日発行

第二版 第一刷 ○○年○月○日発行

重版は増刷とは異なり内容の一部が変更されるため、最初に入稿したものとは違う内容の原稿データを入稿します。

増刷、重版ともことなる「改訂版」

出版した本に大々的な加筆修正して全体の内容を見直し、再び発行した場合は「改訂版」と呼ばれます。

製本した書籍にISBNコードを付ける場合、初版と改訂版では異なるISBNコードが付くことになるため注意しましょう。

この場合、タイトルと本文がともに変更された新たな原稿データを入稿します。

 

自費出版にかかる一般的な費用

自費出版を試みる際に必要となる費用はさまざまな要素の組み合わせによって決定され、個々のケースで条件が異なっているため、平均的な相場を「およそ○○万円くらい」と説明するのは困難です。

制作に要される費用に限らず出版部数や流通規模によっても大きな違いが出てくるため、自費出版にかかるコストは100万円~1,000万円程度と上下の幅がきわめて広くなっており、条件に応じて大きな差が見られる結果となっています。

費用を左右する要素

同じ自費出版と言っても、製本する際の仕様や部数など、制作にかかる費用は細かな要素に伴って大きく変動します。ここで、自費出版の際にコストを左右する要素についていくつか紹介します。

原稿を自ら執筆するか否か

自費出版の場合内容にこだわりがあるという方は原稿を自分で手がけることが一般的ですが、プロのライターに執筆を依頼するかで大きく異なります。

すべて自分で執筆した場合コストはかかりませんが、ライターに依頼する場合は原稿料が発生します。

また、本文にイラストや写真を挿入したいという場合は画像をイラストレーターに依頼するかどうかも考える必要があります。

本のサイズやカラー、写真の有無など仕様の違い

ページ数が多いほど印刷費用がかかるなど、書籍自体の仕様によってもコストは変動します。

本のサイズである判型をどうするか、表紙はハードカバーかソフトカバーかなど、製本の際に選べる項目は多岐にわたります。

また、写真やイラストの有無はもちろん、エンボス加工などの特殊加工、本文を印刷する際のカラーなどにこだわった場合も料金は高くなります。

発行部数

四六判など、オーソドックスな判型の書籍の発行部数は1,000部程度からが一般的とされていますが、新書版の場合2,000部程度から発行するのが基本となっていることに注意しましょう。

自費出版の場合は全国的な流通を目的としていない場合もあるため、私家版として少ない単位での製本を希望する方も多いかもしれません。

私家版を作りたい方は、10冊からの製本に対応した出版社を探すのがおすすめです。

用紙の種類

製本の際に使用する用紙の種類も料金を左右する要因です。

作りたい書籍が小説である場合は本文が文字のみであるため、印刷する用紙は上質紙で問題ありません。

しかしイラストや写真の掲載を考えている場合、用紙によってインクの乗りや発色に差が出てくるため、画像を綺麗に印刷するのに適した用紙を選ばなければなりません。

また、紙の品質にこだわりたいという場合にも料金は高くなります。

印刷会社や流通の有無

印刷にあたってどの印刷会社を選ぶかによっても費用は異なります。

印刷会社は出版社から指定がある場合がほとんどで、自分で選ぶことはまずないため、出版社を選ぶ際に印刷費を比較するのがおすすめです。

また、流通規模によってもコストに大きく差が出ます。

書店と特約店契約を結んでいる出版社では、自費出版の本も商業出版の本と同様店頭に並びやすくなっていますが、書店での流通を希望しない場合は私家版での出版を選択することも可能です。

 

増刷の費用は初版の9割かかるといわれている

増刷の際にかかる費用は初版を出版する時の9割程度であると言われています。

あくまでも初版の費用がひとつの基準となるため、「自費出版の増刷にはこの程度の費用がかかる」と言えるほどはっきりとした相場は決まっていません。

同じ内容のデータを入稿して印刷すると言ってもそこまでコストが少なくなるわけではないことを頭に入れておきましょう。

 

自費出版の一般的な工程

ここで、自費出版する場合の出版までの行程について解説します。

まずは自費出版を取り扱っている出版社の中から自分の要望に適した会社を選び、相談・問い合わせの後に見積もりを算出します。

納得のいく内容であれば契約し、編集作業に移っていきます。制作の後は印刷・製本を行い、納品するという流れが一般的です。

先程説明したように増刷では初版と同じデータを印刷するため、出版までの行程を再び繰り返すことになります。

増刷をスムーズに行うには、この行程をよく理解しておくことが重要です。

 

増刷は書籍が売れている証拠

新たに費用はかかりますが、増刷が必要になるのは書籍が売れていることの証拠です。

執筆やデザインなど、自分で直接制作に携わる機会が多い自費出版では、自分の作った本が売れることが特に嬉しく感じられるかもしれません。

増刷を行う場合も初版を出版した時と同じ作業を行うことになるため、出版までの流れや制作にかかるコストを左右する要因を把握し、希望通りの本を制作しましょう。

投稿者プロフィール

マーケティング出版プラス編集部
マーケティング出版プラス編集部
学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。

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