【弁理士/自費出版】講座・講演会に活用できる本作り

今回は「歴史と経済に学ぶ経営のための知的財産権 コロナ不況を克服するカギは何か」を出版されました、弁理士・工学博士の鈴木壯兵衞さんにお話を伺いしました。

鈴木さんは今回で5冊目の本を出版されました。

特許出願の手続きをお手伝いする弁理士というお仕事をしている鈴木さんですが、それだけにとどまらず、青森県民を対象に「特許チャレンジ講座」という、青森県の発明者が自ら特許を出願するスキルを養成するという趣旨の講座にも尽力しています。

そんな講座をする際には大量の資料が必要だと言います。

講座でも活用できるような「特許出願」についての説明から「なぜ特許を出願することが大切なのか」を歴史・経済の観点から紐解く内容の本を出版されました。

鈴木さんは実際に出版された本を講座でも活用したりと、自身の活動に生かしています。

そんな既に5冊も出版されている鈴木さんに、現在のお仕事の様子から今回の本の特徴、反省点、活用方法などについてインタビューしてきました!

 

鈴木壯兵衞(すずきそうべえ)
静岡大学工学部電子工学科卒業後1978年に東北大学大学院工学研究科博士課程修了。その後20年間半導体の研究開発に携わる。2013年~2017年に日本弁理士会東北支部幹事。2014年には弘前大学の横に「そうべえ国際特許事務所」を開設。外国出願を含み、東京で1000件以上の特許出願したグローバルな実績を生かし、出願を支援。最先端の研究者であった技術的理解力をベースとし、国際的な特許出願や商標出願等ができるように中小企業等を支援する。

 

聞き手:本日はよろしくお願いいたします。

鈴木さん:よろしくお願いいたします。

 

聞き手:では早速ですが、鈴木さんのお仕事内容からお聞きしてもよろしいでしょうか。

鈴木さん:はい、私は弁理士をしています。

弁理士は、特許や商標に関して、特許庁に対する手続きの代理等のお手伝いをするのが主な仕事です。

 

聞き手:企業から「これについて特許を取りたいんですけど」といったお願いに対して、その手続きを代理でしてあげるということですね。

今回「知的財産権」についての本を出版されましたが、この本の作成についてのアイディアというものは、前々からあったのでしょうか。

鈴木さん:実は私が青森県に提案して始まったのですが、私は青森県民を対象に「特許チャレンジ講座」というものをやっております。

そもそもなぜ私が青森県の方に行ったかというと、私が行った2010年の頃青森県の特許出願件数が日本で1番少なかった為、青森県知事が日本弁理士会に青森県の知財を活性化して欲しいという要請をしました。

そこで日本弁理士会が部屋代だけ負担する形式で、青森市に会設事務所を作ってくれまして、そこで青森県の特許を盛んにするために行きました。

青森県の特許出願件数が少ないというのは費用の問題があります。

通常、弁理士に特許出願を依頼すると30万~50万円ほど手数料がかかります。

素人が、自分で特許出願をするとなると、そのプロセスがとてもややこしいです。

「特許チャレンジ講座」では、自分で特許出願をするためのプロセスと、その肝を学べる機会を設けようということで始めました。

出版した本では8年間毎年続けてきた講座の内容の前段の部分をまとめました。

後段の部分は既に3冊の本になっています。

また一昨年、或る高専の方から知財についての講師をやってくれないかという依頼が来ました。

その際に使う教材が少なくとも1コマ100枚以上あり、受講生が200人いるということで、それを毎回、印刷して受講生に配れますかとお聞きしたところ、断られてしまいました。

 

聞き手:確かにそれはちょっと厚いですもんね(笑)。

鈴木さん:そうなんですよ(笑)。

パワーポイントの方にスライドとしてまとめてあったベースは元々ありました。

それを高専から要請された15回の講義のシラバスの内容に合わせるように15章に編集しなおし、15章の内容を慌てて4か月ほどで文章にまとめて、今回ラーニングスさんに依頼したわけでした。

 

聞き手:なるほど! 確かにパワーポイントというものは、口頭で説明する時に使うものなので、ほぼ文章なんてありませんもんね。

きっと大変な作業でしたよね。しかし4か月でまとめあげたのは凄いですよね!

鈴木さん:いやあ大変でしたね。

慌ててまとめたので、後から見ると不備もたくさん見当たりました。

あと今1番失敗したかなと思うのは、索引を付けなかったことですかね。

学校の教科書となると、索引をしっかりつけるべきだったと反省しています。

また目次に関してですが、各章には目次をふっていたのですが、細目のところには目次をふっていなかったので、学生がこの本を使って勉強をする際に、調べにくいものとなってしまったので、そこが少し教科書としては残念だったかなと思います。

 

聞き手:なるほど。反省点は多少あるということですね。

鈴木さん:そうですね、今回は本当に時間がなかったので、もう少し時間がある状況でできていればなと感じます。

しかし高専の学生だけでなく、一般の方にも読んで貰いたいという意図もありましたので、そういう意味からいうと高専の学生が勉強するような索引がなくても、一般の方が勉強できる内容にはなったかなと思います。

 

聞き手:なるほど! 実際本を出版した後は、高専以外の学生にも読んで貰える作品になったということですね。

鈴木さん:そうですね。

また今回の本の特徴として「知的財産権がなぜ必要なのか」ということを、経済学、また歴史から紐解いていくところから始まりますが、こういった本は今までの知的財産権についての本には無いんです。

一般的に知的財産権の本というのは、法律のことしか教えてくれないので、そこが今回の本は特徴的な部分かなと思います。

 

聞き手:「なぜ知的財産が必要なのか」という根本的なところから簡単に説明したとうわけですね。

鈴木さん:はい。恐らく「なぜ知的財産が必要なのか」という質問に経済学から説明できるような弁理士は、中々いないと思います。

なので、その疑問が学べるというところが、今回の本の1番のポイントかなと思います。

 

聞き手:そうですよね! 一般的に弁理士というのは、「さあ特許を取るぞ」となって、発明者から依頼が来た後に、どう動くか考える方ですもんね。

鈴木さん:その通りです。やはり「特許チャレンジ講座」というものをやっていて、「特許を取ることは大切ですよ」と訴えても、なぜ特許を出願しなくてはいけないのかという疑問が飛んできます。

ある会社の社長さんが、「特許出願をするお金があるなら、そのお金を従業員のお給料に回した方がいい」、と言われていました。

その社長さんに、「特許を取得した方が、収益が上がりますよ」ということを説明するのは、時間がかる大変な作業でした。

しかし、特許取得に踏み込んだ後、その社長さんから喜びの声が上がったのです。

なので、やはり「なぜ特許取得が大切なのか」について、深く踏み込んで説明しているのが、今回の私の本の最大の特徴だと思います!

 

聞き手:そうですね、今回の本のタイトルにも「歴史と経済学から学ぶ」という言葉が入っていますもんね!

鈴木さん:うなんです! 特許というのは、特許を取ること自体が最終的な目的ではないんです。

特許を取った後にどうやって自分の経営に活かすかが重要になってくるんです。

しかし特許を取ったら、それだけでお金が自動的に入ってくると勘違いしている方が多いです。

「経営とは何か」また「取得した特許を経営にどう活用するのか」、「特許取得は手段にしかすぎない」ということを学べる本も実は少ないのですが、今回出版した本ではそういったことにも踏み込んで書いています。

従って今回こんな分厚い本が完成してしまいました

 

 

聞き手:るほど! 他の本とはちょっと違った視点から書いたということですね。

今ではSNSなど発信方法はたくさんありますが、なぜ今回「本の出版」という方法を選ばれたのでしょうか。

鈴木さん:今回で5冊の本の出版となります。

 

聞き手:ということは「本を書く」というのは一つ鈴木さんの中でやり続けていることということでしょうか。

鈴木さん:そうですね。

特許とは何かが分かっていない方がたくさんおり、日本人の中で特許出願の必要性に対する意識がまだ低いので、特許出願する意識を持たせる啓発活動の一環として本を書くことを行っている感じです。

また「特許チャレンジ講座」でも自分の本を使って行ったり、仕事の依頼に来るお客様に対しても自分が出版した本を紹介したりなんかもして、本を活用しています。

 

聞き手:なるほど。実際にご自身の本を活用されているわけですね。それはいいですね!

この内容の量を実際に口頭で説明するとなると大変ですもんね。

しかし本を作成しておけば後は、その本をお渡しするだけで済むことですからね。

ある意味鈴木さんのお仕事をやりやすくするための一つの手段と言えますね。

鈴木さん:まさにそうですね。

この本はただの特許の法律的な解説書ではなくて、特許の重要性だったり、特許を経営上どう生かすかだったりを説いた本にしました。

 

聞き手:本を出版することだけがゴールではなくて、実際にどう実務に活かすかまで考えていたということですね!

既に本を5冊も出版されているので慣れているかとは思うのですが、いつも本を書く際に苦労される点などございますでしょうか。

鈴木さん:そうですね~毎回本を書く目的によっても苦労する点は変わってきますが、やはり誤字脱字に気を付けることですかね。

今回の出版では特に時間がなかったので、大変でした。

 

聞き手:これからも本を出版するご予定などはございますでしょうか。

鈴木さん:はい、実は今2つ頭の中に既に構成があります。

 

聞き手:お! それもまた時期が来たらといったところでしょうか!

鈴木さん:そうですね、今は事前の準備として資料などを集めているところです。

 

聞き手:これだけの情報量の本を作成するとなると、やはり自前の準備が必要になってきますもんね。

鈴木さん:そうですね、また色々と準備が整い次第本を書きたいなと思っております。

 

聞き手:では最後の質問になるのですが、私どものお客様でも講演会などをしている方で、本を出版してみたいと考えている方も多くいるのですが、そういった方々に本を出版する際の注意点やアドバイスなどはございますでしょうか。

鈴木さん:単純に講演会や教科書で使われるような本を作成したいなら、パワーポイントで制作したものをそのまま本として形にするのも、一つの手だとは思います。

あとは最近ですと活字が好きではなくても、漫画なら読めるという方も多くいるので、図やイラストを多く活用して分かりやすくまとめるのも一つの手かなとは思います。

私の場合ですとどうしても内容が難しいことなので、どうしたら一般の方にも興味を持ってもらえるか、どんな表現で書いたらいいかが課題です。

やはり講座をする度に資料を作って配布していたら、その講座を受けた方がその資料を失くしてしまえば終わりですが、本にすればずっと形として残るものなのでこれまで本を出版してよかったなと思います。

 

聞き手:今回はお忙しい中、お時間ありがとうございました!

鈴木さん:こちらこそありがとうございました!

 

聞き手プロフィール:梶田洋平

出版ベンチャー企業「ラーニングス株式会社」の代表取締役。大学卒業後は証券会社に入社し、2つの支店で法人、リテールの営業活動に尽力。5年弱勤めて退社した後、出版事業を手掛ける会社を起ち上げる。これまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書は3000冊以上。『出版を変える、出版で変える』を合言葉に、はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象とした事業を展開。出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。好きな本の分野は経営者の自叙伝やマーケティング、経営に関する実用書。愛知県名古屋市出身。趣味は読書とスポーツ観戦。

 

 

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投稿者プロフィール

久保木 彩子
久保木 彩子
新卒で羽田空港で働いた後、卒業旅行で興味を持ったバンコクへ移住しホテル勤務。
2年半のバンコク生活を終えて帰国した後、Webライターとして活動中。

【一言あいさつ】
将来は自分の書いた文章で、たくさんの人をHAPPYにできる人になりたいです!!
好きなことは絵を描くこと、代々木公園をお散歩すること、散歩している犬を触ることです♡
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