本を出版する方法といえば、出版社が費用を負担する「商業出版」をイメージする人が多いでしょう。
しかし、著者自身で出版費用を全額負担して本を出版する「自費出版」という選択肢もあります。
自費出版にはメリットが多いですが、デメリットも存在するため、慎重に検討しなければいけません。
そこで本記事では
- 自費出版の概要
- 自費出版のメリット・デメリット
- 起こり得るトラブル
について解説します。
デメリットを理解した上で、自分に向いているかどうか判断してください。
自費出版とは
「自費出版」というのは、著者が出版費用を負担して書籍を出版する方法のことです。
一方、出版社が費用を負担して書籍を出版する方法のことを、「商業出版」といいます。
自分で出版費用を負担するということは、出版に関する自分の希望がかなり通りやすいということです。
そのため、自分の書きたい内容の本を比較的自由に書けます。
希望が通るのは本文だけではなく、装丁やデザインなども自分で自由に決められます。
また、自費出版の場合は売れる見込みに関わらず、料金を支払うことで出版できるのです。
通常、商業出版では売れそうな本でなければ出版できません。
したがって、どうにかして著書を世に送り出したい著者にとっては、メリットの多い方法だといえるでしょう。
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自費出版のデメリット
様々な面で著者の希望が通りやすい自費出版ですが、いくつかのデメリットもあります。
したがって、必ずしも自費出版が適しているとは言えません。
メリットとデメリットを比較して、リスクを理解した上で出版方法を決めましょう。
費用負担が大きい
自費出版と商業出版の大きな相違点は、費用が発生することです。また、その費用は決して安くはありません。自費出版にかかる費用の相場は、文字だけの200ページくらいの書籍で、約100万円です。
出版社によって相場はそれほど変わらず、どの会社でもおおよそ100万円以上はかかるでしょう。
自費出版を考える時に、費用の問題は避けて通れません。大きな費用をかけてでも自分の本を出版したいという、強い決意が求められるでしょう。
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内容によってはクレームが入ることもある
本文を自由に決められることが自費出版のメリットですが、もちろん何を書いてもいいわけではありません。出版前には出版社のチェックが入ります。それゆえ、何らかの問題がある書籍が、そのまま世に出ることは少ないでしょう。
しかし、書籍の内容によっては、稀に第三者からのクレームが入るケースがあります。本を出版するということは、誰に読まれるか分からないということです。
リスクを理解した上で、内容が一般常識からかけ離れすぎないように注意しましょう。
利益を得るまで時間がかかる
自費出版を行う目的はさまざまで、人によって異なるでしょう。
中には、利益を出すことを求めている方もいます。
しかし、自費出版で利益を出すことは簡単ではなく、デメリットの1つだといえます。
自費出版の場合、何もしなければ誰もその本の存在を知りません。
商業出版とは違って、著者が自ら宣伝しなければいけません。
自費出版は、料金さえ支払えば誰でも簡単に本を出せる方法ですが、その先が難しいのです。
また、より多くの人の目に留まるためには、書店で販売してもらう必要もあるでしょう。
しかし、書店に置いてもらうのは非常にハードルが高く、かなり難しいです。
したがって、あらゆる方法で宣伝を行い、まずは知ってもらうことから始める必要があります。
たとえば、自分のブログやSNSなどを活用して、地道に宣伝活動する方法が考えられるでしょう。
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自費出版のメリット
自費出版のメリットには、主に以下の3つがあります。
- 実績がなくても誰でも出版できる
- 内容や装丁など著者が自由に決められる
- 販売経路を自分で選べ、出版後も著者が自由に活用できる
商業出版では書籍の所有権は出版社側にありますが、著者が費用を負担する自費出版では所有権は著者側が持つことになります。
そのため著者が書籍の内容や販路、活用方法も自由に決めることができ、書籍を利用したマーケティング・ブランディングにも役立てることができます。
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自費出版で起こりうるトラブル
自費出版では、自分で本を書いて出版するからこそ、様々なトラブルが発生する可能性があります。
したがって、以下のようなポイントに注意しながら、出版することが重要です。
悪徳業者に引っかかる
自費出版したいと思っている人が、特に気をつけなければいけないのが、出版社の選択です。
多くの出版社は信頼できますが、中には悪徳業者が紛れ込んでいる可能性があります。
自費出版をしたい人をターゲットにして、甘い話を持ちかけ高額な契約を結ばせるのです。
また、共同出版を持ちかけて、高額な契約金を取るケースもあるでしょう。
したがって、出版社と契約するときには、時間をかけて慎重に判断してください。
たとえば不要なオプションを付けたり、必要以上に著者を褒めたりするような業者は怪しいといえます。
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執筆目的を失った書籍の在庫が余る
自費出版の場合は、本を出版する前に目的を明確にしておくことをおすすめします。
たとえば、身の回りの友人や家族に読んでもらうことを目的とするのであれば、部数は少なくても問題ありません。
しかし、印税を得たい、書店に並べたいといった目的があるならば、人々の目に留まるようにデザインを工夫する必要があります。
もちろん内容についても、読者がお金を払って購入したいと思えるようなクオリティが求められます。
目的を見失うと在庫が多く余る可能性があるため、注意してください。
出来上がりの完成度が低いケース
自費出版で多いトラブルは、本の出来上がりと費用に関するものです。
たとえば手を抜いた校正作業を行うと、誤字脱字があるまま本が完成してクオリティが下がります。
また、印刷がかすれていたり、ページが抜け落ちていたりするケースもあるでしょう。
したがって、出来上がりの完成度が低くならないように、原稿作成から校正、印刷製本に至るまで丁寧に確認してください。
なお、不具合が見つかったらすぐに出版社に連絡しましょう。
世の中に出回っている本は、大きく「商業出版」と「自費出版」の2つに分類されます。 「商業出版」とは、出版社が費用を負担して出版する形態のことです。 一方「自費出版」とは、著者自身が費用を負担して出版する方法のことです。 […]
自費出版が向いている人
自費出版は全ての人に向いているわけではなく、以下のような思いを持っている人に向いています。
自分にとって自費出版が最適な方法なのか、十分に考えてから決定してください。
希望通りの本を執筆したい人
自費出版の最大のメリットともいえるのが、自分が希望する本を出版できることです。
最低限の手直しはありますが、自分の文章ではなくなるような修正はほとんど入りません。
それゆえ、自らの個性のある文体のままで、人々に伝えたい内容を執筆できるのです。
したがって自費出版は、自分が執筆した原稿をそのまま出版したいと思っている人に向いています。
その分自分の責任は大きくなりますが、本を出すということに挑戦したい人には大きなチャンスだといえます。
ただし、差別的な内容や反社会的な内容は出版できないため、注意しましょう。
経験を積みたい人
自分が書いた本を世に出すことは、誰でもできることではありません。
たしかに、料金を支払えば自費出版はできますが、それほどの覚悟や勇気がある人はそれほどいません。
周りの人との会話で「本を出版した」と言うと、本の内容や規模は分からなくても、「凄い」と思う人は多く存在します。
それゆえ、本を出版したという経験そのものがステータスになりますし、様々な場面で役立つでしょう。
発行部数などに関わらず、経験を積むことが大切なのです。
慎重に考えることは大切ですが、思い切って一歩踏み出す勇気も必要です。
出版業界に足跡を残したい人
本を出版することは、後世にその本を残すことが可能ということです。
本以外でもインターネット上でブログを執筆したりして、文章を世に残すことはできます。
しかし、ネットと本はジャンルが全く違うため、本を出版すること自体に意味があるのです。
自費出版で出した本が売れるかどうかは分かりませんし、書店に置いてもらうことすら難しいケースが多いようです。
けれども、何らかのきっかけで注目を浴びる可能性もゼロではありません。
出版業界に足跡を残したい人には、自費出版が向いているでしょう。
自費出版を成功させるコツ
自費出版を成功させるためのコツとしては、以下の2つが挙げられます。
- 出版するタイミングを考える
- 目を引くタイトルにする
タイムリーな内容にすることや興味をそそるタイトルの本にすることで、出版した本を多くの人の目にとめることができます。
今日「本を出版してみたい」という方も増えています。 本を出版するには主に出版社に費用を負担してもらい出版する「商業出版」という方法があります。 しかし商業出版は出版社の厳しい審査を[…]
また、自費出版の本を書店の店頭に並べてもらうことは難しいことが多いですが、話題のジャンルやテーマを扱うことで書店においてもらいやすくなるというメリットもあります。
自分で書きあげた本をたくさんの人に読んで欲しい、そんな思いで自費出版する人も少なくないのではないでしょうか。 自叙伝や体験談であっても、本を一冊仕上げるためには膨大な時間を費やします。 苦労して書いた本を、本屋に置いても[…]
【まとめ】自費出版する前にデメリットを理解しよう
【自費出版のメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
・実績がなくても誰でも出版できる ・内容や装丁など著者が自由に決められる ・販売経路を自分で選べる ・出版後も著者が自由に活用できる |
・費用負担が大きい ・内容によってはクレームが入ることもある ・利益を得るまで時間がかかる ・在庫が余ったり完成度が低くなるというトラブルが起こることも |
費用さえ工面できれば、自費出版すること自体のハードルは低くありません。
だからといって適当に本を書くと、在庫が余る恐れがあります。
さらに、急いで出版しようとして悪徳業者に引っかかることや、クオリティが著しく低くなることが考えられます。
したがって、自費出版する前には、メリットだけでなくデメリットも理解しましょう。
そうすることで、トラブルを避けてクオリティの高い本を出版できます。
投稿者プロフィール
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学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。
出版をもっと身近に感じてもらうために、自分の家族や友達にも読んでもらえるような、分かりやすく丁寧な記事づくりを心掛けています。
これからも有益な記事を日々発信できるよう、尽力していきます!
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