自社の経営戦略で自費出版をしたとき、著者は費用対効果を得られるのか?

自社の経営戦略で自費出版 著者は費用対効果を得られるのか?

 

今回は、企業が出版にコストを払った場合、本当に費用対効果を得られるのかについてまとめました。

  • そもそも印税ってどのくらいもらえるの?
  • コスト回収の手段はどんなものがあるの?
  • 費用対効果を得るために抑えておきたい3つのポイント

 

実際に出版社に相談しないとわからない、出版費用回収の情報が知れるのはここだけです。

なかなか企業出版を行っている出版社しか知り得ないお話も詳細に書きましたので、ぜひチェックしてください!

 

【監修者】
 梶田 洋平
 ラーニングス株式会社 代表取締役
大学卒業後は証券会社に入社し、5年弱勤めて退社した後、出版事業を手掛ける会社を起ち上げる。
大学時代からこれまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書・実用書は3,000冊以上。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象に、出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。

 

 

出版 資料

 

印税で費用回収はできない

 

本を出す!というと

「ベストセラーになれば印税で暮らしていけるんだ!」
「印税が入るから定期収入になる!」

と思われる方も多いですが、それは間違いです。

日本の出版業界の市場規模は、全盛期の90年代と比べて目に見えて縮小しています。

書店の数は半分になり、そもそも本を買う人自体が減っているのです。

そのため、出版業界は斜陽産業とも呼ばれています。

書籍の多くがデジタル対応をはじめ、新刊、既刊、コミック、雑誌、新書、文庫などの関係なく書店で本を購入する人は減ってきました。

そんな状況なので、印税でまとまった額が貰える時代はすでに終わっています。

 

ですが、本の持つ「社会的影響力」「情報の信用性」はまだまだ高く、ブランディングの手段の1つとして検討される方は多いです。

 

印税率

「印税」という言葉はよく聞くと思いますが、実際どのような仕組みかご存じですか?

印税とは通称で、正式名称を「著作権使用料」と言います。

販売額の●●%(契約によって異なる)が著者へと支払われるんです。

出版者と著者との契約によって多少の差が出てきますが、5~15%の印税率がオーソドックスな範囲になります。

現在は紙の書籍だけでなく電子書籍での出版もあるので、より印税率の変動は大きいです。

 

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紙と電子どちらが印税率が高いの?

多くの場合、印刷代や倉庫代など流通までのコストがかからない電子書籍のほうが、紙の書籍よりも印税率が高いケースが多いです。

電子書籍は出版社を通さず、著者自身で出版することも可能となっており、その場合の印税率は60~70%になるケースもあります。

 

ただ、クオリティ面を考えると、やはり校正や編集などプロの目、手が入るほうが企業としても安心なのではないでしょうか?

企業の経営戦略の一環で出版をしたい場合は、自費出版、商業出版といったワードではなく、「企業出版」と検索をするのがおすすめです!

ビジネス書専門で、なおかつ企業と本を作っている「企業出版専門」の出版社がヒットしますので、ぜひ一度検索してみてください!

 

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kindle 出版 儲かる

 

書籍の売り上げを多く貰う方法

 

書店 売上

 

ここまで印税について、また印税で儲けることは難しい、ということをお話ししてきました。

では出版をした際、印税で儲ける以外に企業に利益が多く入ってくる出版方法はないのでしょうか?

 

実は、多くの企業にあてはまる方法ではないのですが、実は1つだけあります。

あまり知られていない方法なので、この記事を見た方はラッキーです!!

 

それではとっておきの方法をご紹介していきます!

 

これから書いていく方法は

  1. 多くの人の目に留まり、なおかつネット検索での上位を狙っていく
  2. 書籍販売で利益を最大限に自社にもってくる

ことが可能です。

再三申し上げますが、全ての企業にあてはまるやり方ではないので、ご承知おきください。

 

具体的な出版方法 AmazonPODでの出版と印刷製本を自社販路を使って流通させる

書籍を作る際、書店に並べる方法、電子書籍以外にも出版の方法があることをご存じでしょうか?

実は、Amazon POD(プリントオンデマンド)という出版方法があります。

これはデータをAmazonへ入稿し、お客様が注文をしたらAmazonの印刷機で1冊ずつ印刷製本配送をされるサービスです。

絶版がなく、なおかつ通常の商品と同じスピード感でお客様の元に届けられるので、普段書店へ足を運ばない人に対してもアピールが可能です。

特に、AmazonはGoogle検索に強く、タイトルや著者名に自社名や代表者名をいれておけば、コーポレートサイトとの相乗効果は無限大です。

 

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POD(プリント・オン・デマンド)出版なら誰でもアマゾンで紙の書籍を販売できる

 

AmazonのPODは以前はAmazonと取引ができる出版社を通さないと出版ができませんでしたが、現在は個人でも出版が可能になっています。

ただ、リソースが限られている企業であれば、原稿の作成や編集、入稿まで一気通貫でサポートをしてくれる出版社に依頼をするのが最善です。

どのように出版をするかは企業の選択に委ねますが、もししっかりと費用回収を見込んで出版をするならば、出版社を利用することをおすすめします。

 

そして、同時にAmazon PODで売る書籍を印刷製本しましょう。

ISBNの別取得が必要ですが、PODと別価格をつけることができます。

 

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通常の印税が支払われるケースでは、本の販売代金から印刷代、流通代、倉庫代などが引かれ、出版社の取り分がひかれていきます。

しかし、印刷製本した本を自社の販路を使って流通させれば、限りなくコストを抑えて販売利益を自社に持ってくることができるんです!

※書籍の販売価格から印刷代と送料をひいた分が企業の取り分になるため、通常の印税より実入りが大きいです。
ただ、この場合印税は発生しません。

 

ここまで読んだら、なぜあまりこの方法が知られていないかもうお気づきですよね?

そう、この方法のミソは

  • どれだけ印刷代が安い印刷所を見つけらるか
  • 書籍を流通させるための自社ECサイトをもっているか

なんです。

 

もちろん、店舗をお持ちで、自社で売ることも可能です。(クリニックや飲食店、小売業など)

ただ、書店に並べたいと考えているなら、それは取次という出版社と書店を繋ぐ会社を通さないと難しいので、これはあくまで書店には並べず、自社で最大限に書籍の販売利益を得る方法となります。

 

取次や本の書店流通の仕組みについてはこちらの記事でまとめています↓

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書店

 

どれだけ出版費用や印刷代がかかるかは、上記の方法をやってみたいと出版社に伝えたうえで費用感を聞いてみてください!

 

出版社を選ぶ際のポイントとしては、どれだけ融通が利くかです!

たとえば、自社が懇意にしている印刷所との相見積もりがとりたい、データ形式の変更に対応してくれるか、などを判断材料にしてみてください!

 

 

ビジネスとして出版を考える際に抑えておきたい3つのポイント

 

上記の方法は自社ECサイトや店舗を持っている企業におすすめの方法でしたが、いわゆる無形商材を扱う企業が費用対効果を最大限実感できる出版方法も知りたいですよね!?

 

そのためには、下記3つのポイントをまずは抑える必要があります。

 

  • なぜ出すか
  • ターゲットは誰か
  • 出版費用と自社サービスがペイできるか

 

これからお話しする方法は販売部数を増やす方法ではなく、あくまでも書籍を自社サービス受注の手段の1つとして使い、自社サービスの売り上げで出版費用をペイするやり方です。

 

そのためには、まず出版の目的を明確化し、ターゲットも絞り込みます

できるだけ長期的な目線で考える必要があり、今後受注を増やしたいサービスや自社の方向性を支える武器が欲しいのか、「なんで出版をしたいのか」を決めていきます。

またそのサービスやこれから縁を増やしたい人は誰かを決めれば、自ずと本のターゲットが決まります。

 

例えば、営業コンサルタントがセミナーを受注するために、自身の経験や具体的なノウハウを伝える本を経営者向けに出すとします。

セミナーの内容の詳細は変わっていくかと思いますが、フィーが高い大人数での社内研修や継続的な顧問契約を狙うなら、ある程度社員規模や売り上げがあり営業力を強化したいと考えている企業があてはまるでしょう。

 

そして、一番重要なのが、出版費用がちゃんとペイできるかについてです。

出版にコストをかけた成果をどう評価するかも難しいですよね。

ですが、しっかりと事前に確証が持てる状態にしておく必要があります。

 

例えば、出版費用が100万円だとします。

大人数のセミナーが1回300万円であれば、本を1冊出して1件セミナーを受注すればペイできておつりもきますよね?

一方、セミナー費用が1回20万円であれば5件セミナーを受注しなくてはいけないので、なかなか費用対効果を感じづらいことがわかります。

 

つまり、無形商材を扱う企業が出版を考える際は、しっかりと費用回収ができる道筋があるかが大事な部分になってくるんです。

 

企業出版の考え方

費用対効果 企業出版

 

費用対効果を考えて出版を、というと、なかなか難しそうで手を出しにくいですよね?

でも安心してください!

今は費用対効果を実感できる出版サービスが多くあります。

その名も「企業出版」です!

 

主にビジネス書を専門に作ってきた出版社が、現在は企業向けの出版サービスも提供しています。

各出版社が持っているノウハウを使い、企業が訴求したいターゲットにダイレクトに本を届けることが出来るよう、本の中身だけでなく、戦略プランも立案しています。

本をただ作るだけでなく、どう使うか、プロモーションや新サービスの提案など、自信を持ってしのぎを削っているんです!

また、企業出版であれば、取材したデータを基にライターが原稿を書きます。

自分で書く必要がないんです!

忙しい経営者、担当者の負担を限りなく減らして出版を可能にするところも企業出版の魅力の1つです。

 

企業出版とはなにか

あらためて、ここでは「企業出版」とはなにかを説明していきます。

その名の通り、企業が出版をする際に専門的にサポートする出版サービスが「企業出版」です。

そして、企業が出版にコストをかける部分もポイントです。

簡単に言うと、企業出版は自費出版の中のサービスの1つです。

 

出版には大きく2種類の方法があります。

1つは「商業出版」もう1つが「自費出版」です。

どちらもメリット、デメリットがあります。

 

出版方法メリットデメリット
商業出版費用負担が発生しない出版社の意向に沿った、売れる書籍にするための内容を求められる場合がある
自費出版自由な内容が書ける(公序良俗に反さない範囲です)費用負担がある

 

昨今、出版をするなら商業出版を目指せ! という声も大きくなってきましたが、自費出版であっても売れる本は売れますし、自社ビジネスに直結して効果を感じやすいのはやはり自費出版だと考えます。

 

どうしても自費出版のイメージが、個人の著者が自分のことを発信する、創作物を出すというものですが、現在は出版業界もどれだけ著者に「出版して良かった!」と感じてもらえるかを第一に日々本づくりに取り組んでいます。

では、企業が「出版して良かった!」と感じる点はどこでしょうか?

それは、コストをかけた以上に自社に利益があった場合です。

広告と違って正確な数字が出にくい部分も多いですが、本を失注客に渡したら受注できた、営業で新規の顧客に渡したら受注できた、といった実感が持てるところが企業出版の効果といえるでしょう。

 

※補足
企業出版というのは、あくまでも出版サービスの1つで、書籍のジャンルではありません。
発売される際はビジネス書として発売されます。

 

 

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どのように出版社は本を使って売り上げをアップさせる戦略を立てるか

 

企業出版を謳っている出版社は共通して、まずどのように本を使っていくかを徹底的に検証していきます。

そもそも、書籍を作ることがクライアントにとって正しい判断なのか、広告のほうが効果が高いことが分かれば素直に伝えますし、なぜ書籍化に向かないかの説明もします。

この企業が出版をした場合、しっかりと効果を実感していただけるかどうかを考えます。

 

また営業時に何がネックになっているのかも重要視しています。

そもそもの知名度の問題なのか、サービスがわかりづらいのか、実績が少なく信頼度が足りていないのか、決断の決め手に何が足りないのかを見つけて、それを補完する内容を考えるからです。

 

企業が本を出すとなると、多くが経営者のブランディングや自社ノウハウの発信と思われがちで、「うちなんかが出しても他にも同じような本が沢山あるのに意味ないんじゃないか」というお声もあるでしょう。

しかし、企業出版では明確化されたターゲットに訴求する書籍を作っていくので、いわゆる同業他社が先に本を出していたとしても、別角度からのアプローチとなります。

つまり、各出版社が持っているこれまでの経験、ノウハウと実際の市場を分析した上で、その企業にとって最適な本を使った売り上げアップの道筋をたてていくのが企業出版の戦略です。

企画提案は無料で行っている出版社もありますので、ぜひお問い合わせください。

 

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企業出版に向いている企業、商品、サービス

企業出版に向いている企業は、toBの企業です。

正直に言うと、toCであれば広告にコストをかけたほうが効果が高いかと思います。

商品説明をわざわざ書籍でする必要はありません。
パンフレットやメディアでの発信で十分です。

わざわざ1冊の書籍でなくても、有名雑誌の掲載を狙うほうがよっぽど効果が期待できます。

もちろん、ブランディングの一環として本を買うことが多いターゲットがいればその限りではありません。

そして、企業出版に向いている商品・サービスは、無形商材と呼ばれるセールス時にまだ形のない商品です。
人材、教育、金融商品、保険、コンサルティング、広告、ソフトウェアなどが該当します。

もちろん、企業出版を行っている出版社も該当します。

商品、サービスの価値を成約前に顧客に実感してもらい辛いと感じているものであれば、十二分に企業出版の効果を期待できます。

 

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まとめ

  • 現状、印税での費用回収はむずかしい
  • 自社ECなどを持っていれば、印刷代を引いた額以外での利益回収が可能な方法がある
  • 企業の売り上げを上げることに特化した出版方法「企業出版」が圧倒的に効果を感じやすい

今回は企業が出版をして費用対効果を実感できる方法は何があるかについて説明をしました。

 

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投稿者プロフィール

南川 佳世
ラーニングス株式会社
アドバイザー/ブックライティングサービス『ひよどり』サービス運営統括責任者

大学時代は近世文学を専攻。 日本語教師の資格を持つ。

200名以上の経営者、士業の専門家へのインタビュー経験があり、Webメディアを中心に記事を執筆。
書籍の企画~出版を行うだけでなく、出版記念のウェビナー等、イベントの企画運営も行う。

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