今回は『図解 仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』を出版した、トレスペクト教育研究所代表の宇都出雅巳(うつでまさみ)さんにお話を伺ってきました!
「マーケティング出版プラス」だけの特別なインタビューです。
ぜひご覧ください!
宇都出雅巳(うつで まさみ) トレスペクト教育研究所代表、現在は監査法人勤務(公認会計士試験合格者) 1967年生まれ。東京大学経済学部卒業後、出版社、コンサルティング会社に勤務する。 高確率セールストレーナー、コーチ養成機関・CTIジャパンリーダーを務める。 |
聞き手:こんにちは。まずは宇都出さんの経歴と現在のお仕事について教えてもらえますか?
宇都出氏:私は大学卒業後、いくつかの企業経験を経て、2002年に独立し、トレスペクト経営教育研究所を設立しました。
「トレスペクト」とは「トラスト(信頼)」と「リスペクト(尊敬)」を組み合わせた造語です。「信頼」と「尊敬」に基づく関係、組織、社会の実現させたいという願いを込めました。
研究を始めたきっかけは私が子どもの頃から悩まされてきた「吃音(どもり)」。この「吃音」を高校生のとき、ある心と身体に関する一冊の本との出会いによって克服できたことです。
この経験から「本」の可能性に気づき、「心」と「身体の不思議な関係に魅せられた私は、もっと本を読みたくて「速読」を、「心」と「身体」の仕組みを知りたくて「心理学」を研究しはじめたのです。
その研究をメールマガジンやブログで発信するなかで、出版、さらには講座、セミナーの機会も多くいただけるようになりました。
書籍はこれまでに20冊以上の出版していますが、これまでは速読やコミュニケーションに関する本がほとんどでした。本書もそうですが、最近は近年は脳科学や心理学、認知科学などの知見を積極的に取り入れ、さまざな観点、切り口からの執筆も行っています。
シンプルで、ある意味、「身も蓋もない」話が多いのですが、非常に本質的で、かつ大変実用的だとのお言葉も多数いただいております。
本書に引き寄せて言いますと、ワーキングメモリや潜在記憶等の認知科学を基礎として、記憶のメカニズムを理解し、その限界をあらかじめ知っておくことで体得できれば、仕事や勉強、さらには人生全体にも役立ちます。
聞き手:さまざまな努力と研究を積み重ねていらっしゃるのですね。研究分野も多く、私としても興味深いものが多いです。今回、書籍を出版しようと思ったきっかけは何ですか?
宇都出氏:この本は2016年に単行本で出版しており、さらに2019年に図解で分かりやすくした本書を出版しました。まず、この本のベースとなった単行本を出したきっかけをお話しますね。
私は今まで「速読」の実践研究を行うなかで、本当の「速読」の効果を検証するための対象として「試験勉強」に着目しました。試験勉強では「記憶する」ことも重要なので、「速読」だけでなく、さらに「記憶術」も実践研究を進めていきました。
その中で、「速読」、「勉強」において、「記憶」が大きな役割を占めていることに気づいたのです。
一方、私は大学時代からさまざまな「心理学」、さらにはその実践である「心理療法」の本を読んだり、実際にワークショップにも参加してきました。その中で、「聴く」ことをはじめとする「コーチング」、さらには「コミュニケーション」を実践研究していたのですが、ここでも「記憶」が大きな役割を果たすことに気づきました。
この気づきを通して、「記憶」を軸に、「読む」という情報処理と「聴く」というコミュニケーションを統一的に学んでもらう研修を行うようになってきました。
そして、この「記憶」を軸にした書籍を出版したいと思うようになったのです。
このことに興味を持っていただいた出版社の編集者と、本の切り口を考えるなかで、編集者の方から出てきたキーワードが「仕事のミス」というものでした。私の速読や試験勉強、さらには心理学、コミュニケーションといった幅広いテーマをカバーし、しかも、多くの人が興味を持ってもらえるテーマとして、「仕事のミスがなくなる頭の使い方」という企画が生まれたのです。
それまで、仕事のミスや失敗に対しての対処法などの本は何冊か出版されていましたが、具体的なノウハウ、コツを解説した本が多く、脳科学や認知科学の視点から、ミスが生まれる本質的要因から解き明かし、対処法を解説した本はありませんでした。
そこで、改めて、ノーベル経済学賞受賞者の心理学者・行動経済学者であるダニエル・カーネマンの著書『ファスト・アンド・スロー』をはじめ、認知科学を改めて勉強し、その知見を取り入れることで、これまでにない本が出来上がりました。
聞き手:なるほど。宇都出さんがこれまで研究されていた、さまざまなことが「記憶」、さらには「仕事のミス」を軸として、1冊の本にまとまったというわけですね。本当に素晴らしいです!
この本の内容を簡単に紹介してもらってもいいですか?
宇都出氏:この本はミスを起こす脳のメカニズムである2つの記憶の働き、「ワーキングメモリ」と「潜在記憶」を解説し、それを踏まえたミスのなくし方を紹介しています。ミスの根本原因を押さえているので、どんな仕事のどんなミスにも応用がきくのが特徴です。
すぐに新しい情報を記憶するけれども、その容量が少ない「ワーキングメモリ」、勝手に関連する記憶を思い出して理解を助けてくれるけれど、誤解も生みだす「潜在記憶」。この2つの記憶の働きを知ることで、多くのミスを防げるようになるでしょう。
一方で、見開き2ページで完結する構成になっているので、見出しをパラパラと眺めて、気になるところから読んで気軽に活用していただければと思っています。
聞き手:脳のメカニズムから体系的にミスを理解し、なくすことも学べるし、ノウハウ本のようにすぐに活用することもできるんですね。図解だけでなく、いろいろな工夫が凝らされていますね!
この本はどんな人に読んで欲しいと思いますか?
宇都出氏:新社会人や若手の方によく読んでもらっているようですが、管理職の方にも「なぜメモをとるのが重要か、こうやって説明すればいいんですね」という感想をいただくことも多いです。
人材育成という意味でも、上司やマネージャークラスの人、管理職、経営者が読むことは重要な本だと思っています。部下や後輩に次はどうすればよいのかを指導していく上でも、その方向性を示してくれる本でもあります。
また、本の内容から言うと、前半に取り上げているメモリーミス(ど忘れ)、アテンションミス(見落とし)は若手の方、後半に取り上げているコミュニケーションミス(聞き間違い)、ジャッジメントミス(勘違い)はベテランの方、さらには経営者に役立つものなっています。
なので、仕事をしているすべての人に読んでもらいたいですね。
ミスをなくす方法自体は特に目新しいことではなく、仕事の経験が豊富な方にとっては、ビジネスの基本中の基本とも言える当たり前のことが多いでしょう。
しかし、そのメカニズムを知ることで、ミスをなくし、さらには仕事の生産性が大きく向上します。
聞き手:今後、書きたい本の内容や、発信していきたい内容はありますか?
宇都出氏:昨年秋に『武器になる読書術』という本を出版しました。これは本を速く深く読む方法をワーキングメモリや潜在記憶などの脳のメカニズムから解説した本です。
仕事にしても勉強にしても読書にしても、すべてのことに「脳」がかかわってきますし、そこでは「ワーキングメモリ」「潜在記憶」という働きを活用しています。
この働きを知っているか知らないか、有効活用しているかしていないかで、生み出す結果に大きな差が生じるので、すべての人の常識になるよう発信していきたいです。
ぜひ、本を読んでもらって、まずはご自身が「ワーキングメモリ」「潜在記憶」の働きについて知るとともに、周りの人にそのことをどんどん伝えてもらいたいです。
それによって、あなたも周りの人の仕事がうまくいき、人生も豊かになると思いますので。
聞き手:私自身もさっそく活用し、周りに伝えていきたいと思います。本日はありがとうございました!
『図解 仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』(宇都出雅巳・著) 仕事のミスや失敗はなくそうと思えば、なくせるものだと知っていましたか?自分でコントロールできたら、素晴らしいですよね! 今まで仕事のミスについて、誰も語ってこなかった、脳科学、心理学、認知科学などの観点からズバッと切り込んでいる1冊です。きっと、あなたの仕事のバイブルとして加えて頂けるはずです! Amazon URL: |
投稿者プロフィール
- 学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。
出版をもっと身近に感じてもらうために、自分の家族や友達にも読んでもらえるような、分かりやすく丁寧な記事づくりを心掛けています。
これからも有益な記事を日々発信できるよう、尽力していきます!
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