本の作成を考えているなら「どれくらいの出版費用がかかるのだろう?」と疑問を感じることもあるでしょう。
本を出版しようと思うなら当然費用が必要です。
そのため、出費を計算してどう判断すべきか考える必要があります。
本の出版の際は
- 費用の内訳
- 種類と費用
- 出版のポイント
について考えることが大事です。
本記事では上記についてそれぞれ紹介します。
本の出版にかかる費用の内訳は?
本の出版は当然ながら費用がかかります。
本の出版費用を計算していないと、自分の予想金額を超えてしまい、大きな負担がかかってしまうことがあります。
そのため、本の出版の費用内訳を確認しましょう。
内訳は
- 企画費
- 人件費
- デザイン費
- 校正と校閲
- 印刷費
があります。
それぞれの費用がどれくらいかかるのか内容を紹介しましょう。
企画費
企画費は本のテーマや内容を決める際にかかる費用です。
本を作成していく際はまずテーマや内容を決めなくてはいけません。
企画する際に取材が必要であれば、その分の費用がかかります。
また、記載する内容を確認するため現地に赴くなら交通費や宿泊費も必要であり、専門家の方に相談するなら相談料がかかることもあるでしょう。
企画費は自分の書く内容によって費用負担が変わります。
証拠や裏付けが必要なほど企画費は大きくなると覚えておきましょう。
人件費
人件費は本の執筆を始め、出版に関わる全ての人にかかる費用です。
本を完成させるためには自分1人だけではできず、編集者や校正者、またデザイナーやライターなどいろいろな人と協力して行います。
本を作成するには編集者が必要ですが、1人に付き約30〜50万円ほどが必要と言われています。
編集者だけでなくライターやデザイナーなども付けるなら、その分出費がかかるので、本1つを完成させるために執筆者にかかる人件費は数十万円になると考えられるでしょう。
デザイン費
デザイン費は名前の通り、本のデザインをする際にかかる費用です。
デザイン費は大きく分けるとハードとソフトデザインに分かれており、どちらを選択するかによって費用が変わります。
本の表紙にかかるデザインは約10万円前後と言われており、中身のデザインなら範囲によりますが4〜8万円ほどになります。
本に画像やイラストを多く載せ、プロのデザイナーに依頼するなら費用はより加算されることが予想されます。
校正・校閲費
本は校正と校閲が必要です。
校正と校閲は文章に間違った表現や脱字誤字が無いか確認することであり、ページ数が多いほど確認作業時間が長くなります。
校正と校閲は執筆者や編集者だけではなく、専門家に依頼する必要があるため、校正・校閲費用は事前に準備しておくことが大事です。
校正と校閲は1冊につき大体5〜10万円ほどですが、チェックする細かさによって費用は変わってきます。
簡単な文法チェックだけであれば1万円ほどの費用で済む場合もあります。
印刷費
本を出版する際は印刷費もかかります。
印刷費は用紙の大きさや材質によって費用変わってくるため、選択することが大事です。
例えば、本に独自性を持たせるために特殊な用紙を使用するなら、通用よりも高い費用になるでしょう。
また、ビジネス書や小説では、それぞれ使用する用紙やカバー違うため、書くジャンルによって印刷費が大きくなることもあります。
発行部数も印刷費に関わってくるため、事前に費用計算してから印刷を依頼するようにしましょう。
本の出版の種類とそれぞれの費用
本を出版するためには費用がかかりますが、出版する方法によって出費が違ってきます。
出版する方法は複数あるため、自分の要望に適したやり方も良いですが、費用を計算しておくのがおすすめです。
本の出版は
- 自費出版
- 商業出版
- 企業出版
- 共同出版
- 電子出版
の方法があります。
それぞれの費用について確認してから選択してください。
自費出版
自費出版とは名前の通り著者が自分で費用を出して本を出版することです。
本の制作にかかる全ての費用を自分で出すため、上記で紹介した企画費、人件費、デザイン費、校正と校閲費、印刷費などを合わせると150〜300万円ほどの大きな出費になるでしょう。
自費出版となると費用負担が大きくなるので、出版方法としてはあまり利用されません。
そのため、本を制作したくても出版会社と契約することができなかった際の最終手段として自費出版は選択することが多いです。
しかし、自費出版の場合は全ての費用負担を自分で賄うため、出版された本の売上は全て自分の収益となります。
ごく稀に自費出版されたものが大ヒットして映画化というようなときがありますが、その際は大きな収入となり何千万もの大金が手に入ることもあるでしょう。
そのため、著者の中には一発の当たりを狙って自費出版を考える人もいますが、自費出版はリスクが高い方法です。
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商業出版
商業出版は出版社が編集、校正、印刷、流通のコストを負担して行う形態です。
出版する際は商業出版として本を発売することが多く、スタンダードな形態と覚えておきましょう。
商業出版の場合は本の出版に関わる全てのことを準備して費用も負担してくれるため、自分で専門ライターを付けるなど特別なこと以外に、著者が出版の際にかかる費用負担はほとんどありません。
自分が書いた本が評価されて文芸賞や受賞作の書籍化をする際も、出版会社が費用を負担して計画してくれるため,費用だけでなく自分の手間もほとんどかかりません。
本の出版に関しては工程があるため、執筆しながら発売の準備をするのは大きな時間と手間がかかります。
商業出版だと手間のかかる作業負担が無いので、多くの著者が選択する出版方法と分かるでしょう。
ただ、出版者の力を借りているため、本の売上は一部出版者に支払われます。
自費出版の収入と比較すると、著者は全ての売上を得られないことを覚えておきましょう。
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企業出版
企業出版とは書籍を通じて企業イメージを正しく伝えて、顧客や求職者をファンとして定着させることです。
企業出版の場合は企業が本で利益を出す目的で制作されるため、企業側が自社の利益が出そうな本を製作できる出版会社を選びます。
商業出版の場合は著者を出版会社が選択しますが、企業出版の場合は企業が出版会社を選択する構図となっているのがポイントです。
そのため、書籍の制作にかかる費用や販売にかかる費用も企業側が負担してくれます。
企業出版の場合は成果が求められるため、出版会社は慎重に選択しなくてはいけません。
企業出版は相場として200〜1,000万円ほどの費用がかかり、プロモーションコストなどを含めると2,000万円以上の出費がかかることもあります。
そのため、成果が出なければ企業側の損失が大きくなるからです。
企業出版の実績がある出版会社を選択することが多いですが、企業の系統や目的によっては実績関係なく会社を選ぶことも必要でしょう。
共同出版
共同出版は、商業出版と自費出版の中間に位置する方法です。
協力出版と呼ばれることもありますが、これは費用負担を著者側と出版社で分け合って本を発売させる方法です。
出版社と著者の費用負担の割合は双方で相談して決定することができ、公平に折半することもできれば出版社側が費用負担を大きくさせる、または著者側が負担を大きくさせることも可能です。
そして、共同出版を選択するのは、主に著者側の意向を認めてもらうためです。
商業出版の場合は出版会社の意向が強くなるため、自分の好きな作品を作ることが難しい場合があります。
しかし、自分の意向を通すために自費出版もできない場合は、共同出版として一部の費用負担を担い、自分の意見を通した製作を行えるように考えます。
著者がどこまで費用負担できるかによって、出版する作品の意向を通しやすくなるため、自分の出費を計算する必要があるでしょう。
実態は9割以上を著者に負担される出版者が多いようです。
電子出版
電子出版は電子版として本を発売することです。
出版というと紙で行うイメージが強いですが、今ではインターネットの普及により、本も電子化できるようになっています。
電子出版は紙のように印刷代などが必要では無いので費用を大幅に削減して出版することが可能です。
執筆から構校正と校閲、デザイン全てを自分で行うなら費用がほぼ無料で行うことができます。
費用がかかったとしても、表紙のデザインやストアの基準に合わせたファイルの制作のみなら1〜3万円ほどで出版できるため、少しでも本を執筆することに関心があるなら始めてみることができます。
ただ、電子出版の場合は印刷版と比べると費用負担は少ないですが、審査を通過する必要があります。
審査はしっかり本として発売できるものか審議されるため、内容に誤りがあったなら本としての体裁がないため発売できません。
また、販売価格の設定も自分で行わなくてはいけないため、相場などを把握して適正価格で販売することも重要です。
本の出版で失敗しない出版社選びの仕方
本の出版をする際は費用の計算も大事ですが、出版社の選択をしっかり行うことも重要です。
出版社によって費用負担や環境は違います。
中には著者への費用負担を大きくするような悪質な会社もあるため、しっかりポイントを掴んで選択する必要があります。
選択のポイントは
- 専門性の高いライターや編集者がいるか
- 出版の目的に即した企画を提案できるか
- 独自の販売力を持っているか
という点です。
それぞれ解説します。
専門性の高いライターや編集者がいるか
1つ目は専門性の高いライターや編集者がいるのか確認しましょう。
自分で本の内容を執筆していくことは重要ですが、1人では作成に行き詰まってしまうこともあるでしょう。
もし、執筆が進まないなら出版への期間が伸びていき、スムーズに発売ができません。
出版社と契約すれば編集者が付き、相談することでアドバイスを得て執筆を進めていくことが可能です。
ただし、編集者も専門的な知識やノウハウが無いなら、内容がまとまらず結局執筆が進まない、または自分の表現したい本とならない事があります。
編集者は出版社の公式サイトなどを確認すると情報が載せられているため、執筆する本の専門性に合っているのか確認できます。
また、ライターに関しても同じです。
執筆の際はライターを起用することもありますが、スキルやノウハウに関して専門性が無いなら,適切なサポートをしてもらうことができません。
まずは、編集者とライターが自分の執筆をサポートしてもらえる出版社なのか調査するようにしましょう。
出版の目的に即した企画を提案できるか
出版社を選択するときは、出版の目的に即した企画を提案できるのかも大事です。
本を出版する際著者は自分の内容をしっかり表現したいはずです。
出版社は編集者やライターなどを備えており、専門的な意見から執筆の内容や取り組み方をアドバイスして、クオリティを向上してもらうことは期待できます。
ただし、出版の目的は本の内容だけでなく、販売方法などのプロモーションなどにもこだわる人もいるでしょう。
自分の本の内容が良くても多くの人にアピールできなければ、売上が伸びず価値が出ません。
本は多くの人に知ってもらうことが重要なので、出版する際にどのような企画でアピールするのか確認しておくようにしましょう。
自分にアイデアがあれば、実現する方法について質問してみることができます。
また、方法のノウハウがある出版社であれば自分の理想のアピールについて適切にアドバイスもしてもらえます。
どんな出版社が本の企画力を持っているのかサイトや知人などを通して調査するようにしましょう。
独自の販売力を持っているか
独自の販売力を持っているのか確認することも重要です。
販売力のある出版会社なら、自分の作品をしっかり売上につながるように取り組んでくれます。
商業出版であっても自分の作品が売れなければ収入を得ることができないため、販売力は大事な選択です。
そして、出版会社によって販売力には違いがあります。
販売力は契約している書店の数もありますが、今までどれだけヒットした作品を販売しているかによってある程度理解することが可能です。
契約書店数が多いなら、それだけ多くの人に知ってもらえるため、売上も上がることが期待できます。
また、ヒット作品になると映画やドラマ、アニメなどで活用されるため、より売上を伸ばすことができます。
ヒット作品を多く輩出している出版会社なら、契約や手続きもスムーズに行い、収入の割合も適正に処置してくれるので、収入確保がしやすいです。
出版会社に持ち込みをした際に、どのような独自の販売力を持っているのか質問してみるのがおすすめです。
まとめ
本の出版費用について内容を紹介してきました。
本を出版するためには、いろいろな費用がかかるので、まずはしっかり計算しておくことが大事です。
そして、出版方法によって自分が負担する出費も違ってきます。
商業出版であれば自分で費用負担しなくて済むので、この方法を選択するのがおすすめです。
出版会社もいろいろあるため、自分の本を適正に販売してくれる所を見極めるようにしましょう。
このようにポイントを押さえて本の出版を行うようにしてください。
投稿者プロフィール
- 学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。
出版をもっと身近に感じてもらうために、自分の家族や友達にも読んでもらえるような、分かりやすく丁寧な記事づくりを心掛けています。
これからも有益な記事を日々発信できるよう、尽力していきます!
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