『相続問題を解決する事業開発の理論と実践 経営学的アプローチによる価値共創事業の創造』(小具龍史・佐藤良久・著)

 

今回は『相続問題を解決する事業開発の理論と実践 経営学的アプローチによる価値共創事業の創造』の著者である佐藤良久さんにお話を伺ってきました。学術書ですが、相続支援事業に関わる方にとって、ビジネスとしてより事業を発展させていく際にどういったことが課題になるのか、経営学というフレームワークを使ってわかりやすく書かれた本です。

「マーケティング出版プラス」だけの特別なインタビューです!

ぜひご覧ください!

佐藤良久

一般社団法人さいたま幸せ相続相談センター 代表理事
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科修士課程修了(MBA)。公認不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、相続診断士。相続と不動産関連事業に精通。GSRコンサルティング株式会社代表取締役、一般社団法人東京都不動産相続センター代表理事、一般社団法人鎌倉生活総合研究所理事等、不動産・相続を手がける複数の企業や団体で要職を務める。

 

聞き手:こんにちは。よろしくお願いいたします。

最初に出版の経緯について教えてください。

 

佐藤さん:私は長年相続支援事業に携わってきた中で様々な本を見てきましたが、なかなか学術的な切り口で相続について書かれている本がありませんでした。経営学というフレームワークを使い、分析をすることで、より具体的でわかりやすい本になるのではと思い、出版をしました。

 

聞き手:執筆期間はどのくらいでしたか?

 

佐藤さん:2年ほどかけました。現状での相続支援事業に関わる問題を分析し、従来の経営学の考えに落とし込んで、そこからブラッシュアップしていく作業を行ったので、時間がかかりました。これまで数冊出版をしてきましたが、一番作るのが大変だった本です。

 

聞き手:この本のターゲットについて教えてください。

 

佐藤さん:2つあります。1つは相続にまつわる事業をゼロから立ち上げる方、そしてもう1つは現在既に相続支援事業に関わっている方です。士業の先生だけでなく、不動産、金融、保険など、相続に関わる全ての方に読んで頂きたいです。

 

聞き手:内容について教えてください。

 

佐藤さん:前半部分は、現在の相続支援事業全体にかかる問題について取り上げました。そして、事業立ち上げに必要な経営学理論等の解説が主になります。図やグラフを用いて解説をしています。後半は実際の事例なども交えながら相続支援事業を行う上で差別化をする際に最も大事になってくる、お客様に対しての「ホスピタリティ」と専門家同士の連携の大切さに重点をおいて書きました。

また、専門性の部分では、士業と言われる専門家はそれぞれにおいて高度な知識を保持していると考えています。

では、その中でどうすれば他と差別化を図り、相続支援事業を安定的に続けていくことが出来るかについてまとめています。

 

聞き手:では、専門性ではレベルの高い位置にいる専門家が他と差別化を図るとき、どこでそれを示せるのでしょうか。

 

佐藤さん:相続支援業務に限っては、お客様や仲間に対するホスピタリティが大切です。

感情面の振れ幅が大きい相続支援業務は、お客様によって提案する内容も落とし込むべき解決策も違ってきます。これから相続支援業務はより多くの方にとって必要とされるものですが、ビジネスとして成功しやすいものかと言われると必ずしもそうではないと考えます。

相続支援業務の一番の特徴としては、一家族に対して1人の専門家がつけばいいということではなく、一家族に対して必要とされている専門家たちが連携をして、その家族の幸せの形を見つけていく必要があるということです。そのため、対お客様だけでなく、専門家同士でもスムーズなコミュニケーションをとることも相続支援業務でビジネスをする上では大切になってきます。

従来の専門性の高さだけでは、お客様からも同業者からも選んではもらえなくなってきています。

なので、この本を読んで、ホスピタリティを念頭に置きながらニーズの把握からどうお客様を獲得して案件化するか、アフターフォローや次の相続で選んでもらえるようなアプローチ方法などを経営学的な視点から学んでいただき、現在ご自身が行っている相続支援業務について考えていただきたいです。

 

聞き手:相続支援に関わる中でコロナ禍の影響はどういったものでしたか?

 

佐藤さん:相続は亡くなった方のこれまでの人生を振り返るものでもあり、対面でないと難しいと感じることも多いです。特に、相続人の方はご年配の方が多いので、スマホやパソコンが必ずしも不便なく使えるとは限りません。電話での対応もしますが、お相手の表情がわからないため、必要な質問事項も聞きづらいといったことがありました。

 

聞き手:『相続問題を解決する事業開発の理論と実践 経営学的アプローチによる価値共創事業の創造』を読む方にはどんなことを考えて欲しいですか?

 

佐藤さん:そうですね。この本は理論についても書かせて頂いているため簡単には読みにくいというお声もいただきますが、読者の方が大きく考え方を変えるきっかけになると嬉しいです。少し大きく出ましたが、相続は先ほども申し上げました通り、専門家1人が全ての業務をこなせるか、というとそうではありません。

ご年配の方やお仕事をされている方が悲しみを抱えている中で何人もの専門家の元へ行き、同じような説明を毎回するのは負担がかかります。そのため、現在は相続のワンストップサービスが注目されています。ただでさえ大切な方を亡くされて精神的負担が大きい中で追い打ちをかけるようなことは決してしてはいけないことであり、物理的にも感情的にも負担を減らすことは相続支援業務では必須のサービスです。カウンセリングをする必要があるのではなく、気持ちに寄り添い、悲しみを受け止めて、お客様の幸せの為に最善の仕事ができる人が相続支援業務では求められています。

 

聞き手:よく「士業の先生に相談するのはハードルが高い」という声を聞きますが、それについてはどう受け止めていらっしゃいますか?

 

佐藤さん:お客様のことを思ったら、早めに相談してもらったほうができる対策も増えるので、我々は気軽にいつでも相談できる相手でいる必要があります。

ですが、まだまだ専門家へのイメージが変わっていないので、この本を読まれた専門家の方には、ビジネスとして相続支援業務を考えたときにお客様に対して親身になって接することがどれだけ大切であるかを考えていただいて、業界全体がもっとお客様の近くにいけるようにしたいと思っています。

 

聞き手:最後に『相続問題を解決する事業開発の理論と実践 経営学的アプローチによる価値共創事業の創造』を読まれる方へメッセージをお願いします。

 

佐藤さん:人口動態を見ても、相続支援事業は社会から求められるものだと思います。現場でも年々人手が足りないと感じることもあります。私は10年以上相続支援業務に携わり、やりがいを感じてきました。

相続は仕事としても、自分事としても中々経験することは少ないですし、知識や経験を知り得る機会が無い中で、この本が相続について何か考える、実践するきっかけになると嬉しいです。

また、読んで終わりでなく、この考えに共感していただけたなら、ぜひ一緒にお仕事がしたいと思っています。お互いに仕事をしていく中で高めあい、業界のレベルを上げていくことができれば嬉しいです。

 

聞き手:相続が今後より私達にとって身近になったとき、専門家に気軽に相談できる環境になっているといいですね。

本日はありがとうございました。

 

佐藤さん:こちらこそありがとうございました。

 

 

 

 

『相続問題を解決する事業開発の理論と実践:経営学的アプローチによる価値共創事業の創造』

https://www.amazon.co.jp/dp/4762030333

相続問題を解決する事業(相続支援事業)をゼロから立ち上げる方法、相続事案の案件化の理論と実践方法について、経営学の諸理論を活用して体系的に整理・解説。
「相続支援事業をめぐる概況」、「相続支援事業の立ち上げ方」、「相続支援業務の案件化と進め方」の3部構成となっており、相続支援現場の第一線で活躍する士業者による職業ケース、実際の事例を基に構成されたケーススタディを収録。段階的に知識を身に付け、実践できる力を養うことを目指す。
相続の専門家を目指す初学者や実務家(司法書士・税理士・弁護士・公認会計士・不動産鑑定士・行政書士・宅地建物取引士等の士業、不動産事業者、保険事業者、金融関連事業者、その他関連業務を行う企業の方)に役立つ1冊。

 

投稿者プロフィール

マーケティング出版プラス編集部
マーケティング出版プラス編集部
学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。

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