士業の差別化における具体的な方法|顧客獲得で売上アップを目指すには

顧客獲得で売上アップを目指す 士業の差別化における具体的な方法

 

弁護士、司法書士、税理士、行政書士といった士業の方々は顧客から「資格を持ったプロであればどこに依頼しても変わらない」と思われてしまいがちです。

そのため士業の集客において、競合との差別化は大きな課題となっています。

しかし、士業としての仕事の他に差別化のための施策を進めるというのは、時間や労力の問題があり悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では

  • なぜいま、士業の差別化が重要になっているのか
  • 士業の差別化で押さえるべきポイント
  • 士業の差別化で使える具体的な施策

を解説し、具体的にどのような施策で差別化を行っていくべきかというお悩みを解決していきます。

 

結論として、士業の差別化の施策として特におすすめしたいのが「本の出版」です!

記事の後半では、士業の差別化で使う本をさらに効果的なものにするための裏ワザやWEBでの情報発信と出版のどちらに費用をかけるべきかという点についても解説します。

 

【監修者】
 梶田 洋平
 ラーニングス株式会社 代表取締役
大学卒業後は証券会社に入社し、5年弱勤めて退社した後、出版事業を手掛ける会社を起ち上げる。
大学時代からこれまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書・実用書は3,000冊以上。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象に、出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。

 

 

 

出版 資料

 

士業の差別化の重要性

最近では、士業の方が顧客獲得するためには自社の強みを適切に発信し、積極的に競合と差別化を図ることが重要になっています。

 

大手法人で勤務をする勤め人の士業も多くなってきましたが、それでも独立をして個人で仕事をする士業の方々はとても多いです。

特に定年がない仕事でもあるので、ベテランの先生のところへ依頼が集まりやすく、地方でも首都圏であっても新規参入は特別な経験値やコネクションなどがなければ安定した事務所経営はなかなか難しい状態です。

また、これまでは2~3年どこかの法人で働き実務経験をつけてから独立というケースが主流でしたが、最近では数十年勤めてキャリアも人脈も形成された段階で満を持して開業される先生も多くいらっしゃいます。

しかしながら若手の先生方はSNSやYouTubeなどの情報発信に力をいれ、ベテランの先生方が拾えない層への集客に力をいれています。

ですが、大手法人はCMや雑誌など広告に潤沢に資金をかけることができるため、SNSやYouTubeなどは若手の先生方は大手の法人とバッティングしてしまいます。

WEBでの集客も重要と判断した事務所は、コーポレートサイトやメディアを運営し、リスティング広告、口コミ対策、SEO対策などに費用をかける事務所も多いです。

 

また、依頼の内容にも変化があります。

AIの発達により、クラウドサービスや一般人でも解決可能なツールが増えたことで、士業の先生への依頼は人でなければ解決できない問題が多くなってきました。

税理士の先生への依頼を例にすると、これまでは税務・会計処理業務などが主流でしたが、現在は相続に関する相談が増えています。

その影響で、相続業務を売りにする事務所も増え、HPや宣伝では「わかりやすさ・親しみやすさ・寄り添いの姿勢」といったものが重要視されます。

 

まとめると、現在はただ実績があるというだけでは相談者はこないため、本業の有資格者にしかできない業務だけでなく、情報発信、ブランディングなどへの取り組みが案件成約への重要な事項となりました。

 

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そもそも差別化とは?

 

ビジネスマン 電球

 

そもそも差別化とは、自身や事務所の強みをアピールし、顧客が競合ではなく自身を選んでくれるようにする活動を指します。

士業はその業務の内容から、なかなか一般の人にとっては仕事の出来の違いや、先生の選び方などが分かりづらいです。

だからこそ、自身のどのようなスキル、経験が競合と違うのか、自身に依頼するメリットは何かを分けりやすく言語化し、見込み客へ伝える必要があります。

 

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士業が差別化を行うメリット

差別化を行うメリットには、おもに以下の3点が挙げられます。

  • 自社の強みや弱みが明確になる
  • 価格以外の強みを知っているので、価格競争から脱却することができる
  • 確固たる地位の確立ができる

 

差別化戦略により顧客が競合ではなく自社を選んでくれるようにするには、まず自社独自の強みを洗い出す必要があります。

自社がなにに特化していて逆にどんな弱みがあるかを知り、競合との違いを明確にしたうえで、市場におけるポジションを確立させていきましょう。

3C分析で自社の強みを洗い出す

ここでは差別化を行う際に必要となる「3C分析」の方法をご紹介します!

 

3C分析とは、

  • 市場分析
  • 競合分析
  • 自社分析

の3つの分析をすることです。

3C分析

 

Customer、Competitor、Companyの頭文字Cをとって3C分析と言われています。

 

市場分析についてですが、まず見込み顧客のニーズを分析していきます。

市場規模や流行、顧客の年齢や性別などをデータ化します。

 

次に競合分析ですが、競合各社の業界シェアや戦略、資金力などを調査し自社と比較します。

 

最後に自社分析ですが、商品やサービス、サービスに対するリソース、シェア率などを分析します。

 

3つの視点から多角的に自社やサービスを分析することで、独自の強みを洗い出すことが可能です!

 

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士業の差別化で押さえるべきポイント

士業の差別化で押さえるべきポイントは、時代や市場ニーズに合わせて積極的に動くことです。

 

自社の強みを洗い出せても、積極的に見込み客に発信をしていかなければ差別化にはなりません。

ネット社会となったことで、情報発信の方法は多岐にわたり、媒体ごとの特性や得られる効果も違ってきます。

最初から全てやろうとすると大変ですので、少しずつ自身にあった方法を模索してみてください!

 

情報発信の方法で手軽にできるのは、TwitterやFacebookなどSNSの更新です。

多くの士業の方が既に実践されているかと思います。

ただ、これはSNSで興味付けをして、コーポレートサイトへ導線を持ってくる手段ですので、コーポレートサイトのお知らせ欄や情報がしっかりと分かりやすくあることが前提となります。

コーポレートサイトが分かりづらかったりするとそこで見込み客が離れる原因となりますので、ご注意ください。

 

専門性を伝えるならば、ブログでの情報発信やセミナーの開催、書籍の出版なども効果があります。

ブログで長文での情報発信ができていれば出版社の目にもとまりやすく、またセミナーで話す内容のネタもたまります。

短い文章よりも長い文章、長い時間手間暇がかかるものですが、信頼度のアップは各段に実現できます!

 

最近はYouTubeやTiktok、インスタなどでの動画、画像を使った配信も人気ですが、士業のブランディングの観点からいうと内容や魅せ方を間違えてしまわないように注意が必要です。

再生回数を狙うとどうしてもキャッチ―になりすぎてしまい、逆に権威性や信頼度を損なう可能性もあります。

情報発信をする媒体、方法によって士業の先生のイメージが大きく変わってきますので、色々と比較して検討してみてください!

士業の差別化で使える具体的な施策

士業の差別化で使える具体的な施策は、以下の通りです。

  • コーポレートサイトの作成
  • Youtubeなど動画配信
  • セミナーの実施
  • 書籍出版

順に詳しく解説します!

コーポレートサイトの作成

お問い合わせへ繋げるために必須なのが事務所のサイト、「コーポレートサイト」の作成です。

情報発信を行う際の一番の核になるので、わかりやすさ、見やすさ、他社との差別化がなされている必要があります。

ブログや事例、メディアを別で運営する際はインターネットブラウザで上位表示させるための「SEO対策」が重要になってきます。

また、見込み客はGoogle検索などでの口コミも参考にしますので、悪い口コミの対策も必要です。

士業専門でホームページを制作してくれるサービスもありますので、より効果のあるサイトを作成したいと考えた際は検討してみてください。

Youtubeなど動画配信

Youtubeは、SNSのなかでも年齢性別問わず幅広い層に見られている動画配信サイトです。

動画での情報発信をするメリットは

  • テキストよりも伝えられる情報量が多い
  • インパクトがあり見た人の記憶に残る

という点があります。

ただし、動画配信によりマーケティング効果が得られるかは、発信者のトークスキルが大きく関わってきます。

再生回数を重要視すると威厳がなくなる可能性もあるので、魅せ方を工夫する必要もありでしょう。

セミナーの実施

セミナーやZOOMを使ったオンラインセミナー(ウェビナー)を実施するのも、士業の差別化施策としておすすめです。

セミナーを開催することによって信頼度アップなどに繋がり、集客や直接のお問い合わせに繋げることができる可能性があります。

ただし、セミナーを開催することで新規顧客を獲得できるか否かは、主催者のトークスキルやコンテンツ力、集客力の有無が関わります。

 

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本の出版

最近では、自社の集客や信頼度アップ、売上アップのために本を出版する企業が増えています。

本を出版することにより信頼度の獲得、専門性の誇示が可能です。

特に士業は、マーケティングにおいて本との相性がいいと言われています。

つづいての見出しでは、士業と出版の関係や出版により得られる効果についてご紹介していきます。

 

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士業と本は相性がいい

本棚

 

士業は、昔から本との相性が良いものとされています

なぜなら、本は社会的信用度が高く、それだけに本を出せば権威性を示すことに繋がるからです。

出版後に効果を感じ、1冊だけでなく数冊出す先生も多くいらっしゃいます。

士業の仕事を依頼してもらう際、なによりも依頼人に信頼してもらうことが重要です。

 

特に多くの人からすると士業の先生への相談はなかなかハードルが高いものとなっていて、やはり親しみやすく情報が多い先生へ依頼しがちな傾向が見受けられます。

また、若い世代の依頼者よりも、中高年~ご年配の方々からのご相談の割合が圧倒的に多いため、WEBよりも本のほうが営業ツールとして本を使う場合、案件成約への効果はとても高いです。

 

信頼度や権威性が重要な士業の世界で仕事をするためには、先生自身や事務所のブランディングが何よりも大切です

 

【士業の出版 成功事例】

著者様にインタビューさせていただいた記事はこちら↓

 

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なぜ士業はこぞって同じような内容の本を出すのか

士業の先生が出した本は多くあり、集客目的とした本の場合、専門的な知識のない方が読むことを前提としているため、内容は基本的なものが多くなっています

 

特に、相続関係の書籍であれば、相続とはなにかといったそもそもの部分から税理士の選び方、必要な書類一覧、気を付けるべきこと、生前の対策にいたるまで、広く浅くを意識した本であふれています。

 

よく士業の先生からいただくご意見として

「もうその内容の本は世の中に多くでまわっているし、わざわざ自分があらためて書く内容ではない」

「もっと専門性の高い本が出したい」

というものがあります。

 

では、ずばりなぜ同じような内容の本をつくるかというと、士業で有名な先生=本を出しているという一般的なイメージが強く、1冊あるだけでお客様からの反応が違うからです!

 

一般の人からみれば、本を出していない先生よりも本を出している先生のほうが信頼でき、安心して相談をすることができます。

多くの先生が出していると、「この先生はなぜ出さないんだろう?」と疑問に思い、それがひっかかって問い合わせにいかないケースもあります。

 

専門性の高い本を出す先生も多くいらっしゃいますが、それは依頼の案件の内容や依頼人が一般の皆様ではなく、経営者や富裕層、特殊案件だからです。

 

もちろん、高難度の案件を専門で請け負っている場合であれば、一般的な本よりも専門的な書籍を出すほうが効果があります。

あくまでも一般の方々からのご依頼が多い士業の先生の集客においては、基本的な情報をまとめた本が効果的です。

本を使った差別化で使える3つの裏ワザ

では、基本的な情報を広く浅くまとめた本にする場合、既にある書籍との差別化をどのようにすればいいか気になりますよね?

いくつかコツがあるので、ご紹介していきます!

 

  • ストーリー仕立てにする
  • 「○○の方向け!」と特定の読者をターゲットにする
  • 士業の先生自身をキャラクター化して登場させる

 

●ストーリー仕立てにする

よくある内容だと感じる一番の決定打は、記載内容が説明チックになっていることです。

もちろん、説明や概要だけ掴みたいという読者にとっては最適ですが、差別化を意識するならば、ストーリーを仕立てて、物語の中で説明や注意事項などを明記していくことをおすすめします。

特に、説明書きや文字が多い本を読むこと自体が負担だと考える人に向けては、イラストや写真を多めにしたり、漫画をいれたりすると尚いいです。

 

●「○○の方向け!」と特定の読者をターゲットにする

広く浅くといっても、あまりにも浅すぎて基本知識だけになってしまうと、逆に「この先生は実力があるのかしら?」と誤解を産みかねません。

その場合は、特定の読者をターゲットにして内容を考えてみてください!

例えば、女性向け、高所得者向け、といったものです。著者となる士業の先生が得意としている分野とその理想の顧客イメージに沿った本であればあるほど、効果を発揮します。

 

●士業の先生自身をキャラクター化して登場させる

人柄や依頼人と先生の相性で案件成約が決まる場合、先生自身を覚えてもらい、親しみを持ってもらう必要があります。

そのため、先生自身にキャッチコピーをつけて、キャラクター化し、それを書籍内で活用していきましょう!

そうすることで○○の先生だ!と印象づけられますし、一般的に見て敷居が高く親しみにくい存在の士業の先生が、こんなにも身近な人なんだ!と思ってもらうことで、そもそもの相談件数も大幅にアップさせることができます!

商業出版がしたいのに、なぜ自費出版の営業しかこないのか

本

 

士業の先生の中には出版社側から執筆を依頼される商業出版で本を出している先生もいらっしゃいます。

できることなら商業出版がしたいですよね。

 

ただ、商業出版は出版社側が費用を持ち出すため、必ず売れる本である必要があります。

そこには先生のネームバリューや特別な実績、メディア受けなど様々なことが考慮されて声がかかるんです!

また、内容も読者の目を引くものである必要があるので、先生の自由に書くことはできません。

 

つまり、出版社にとってメリットの大きい先生が商業出版の著者として選ばれるんです!

 

判断の基準として紹介もありますし、どれだけ情報発信に熱心か、これまでに本は出したことがあるのか?といったところを見ます。

本の売れ行きがよければ出版社側から商業出版の声はかかりやすくなるので、まずは自費出版で本をつくられることをおすすめします!

WEBと本どちらに費用をかけるべきか

ここまで、士業の先生が作る書籍について書いてきましたが、「そうは言ってもWEB広告のほうが効果あるのでは?」と思われるかもしれません。

 

もちろん、WEB広告で効果が出るものもありますし、集客につなげることは可能です!

しかし、自分が望む顧客、理解して心を開いて相談してくれる顧客であるかは未知数です。

本の良いところとして、情報量が多く1冊しっかり読んでから相談を持ち掛ける依頼人は、前提の基礎知識もしっかりあり、相談事項も明確であることが多くなる点があります

 

特に、士業の先生へ相談する前に「私のこの悩みはどの士業の先生に相談すればいいのだろうか?」という悩みは多くの方が持たれています。

士業の先生も、事前知識のない方へ時間をかけて1から説明をするのはやはり大変ですし、依頼人にとっても負担になります。

 

例えば、問い合わせ時や面談の際に

「私がこの案件について書いた本なので、よかったら読んでください」

と本を渡せば多くの依頼人はそれに目を通します。

 

そして、その次の面談からは依頼人も知識があるからか「わからないことがわからない」状態ではなくなります。

1度信用を勝ち取ればそこから長いお付き合いが可能なので、書籍はやはり有効な集客の手段です。

 

最適解はWEB広告も書籍も両輪でまわすことで得られる相乗効果が狙うことですが、そこまで資金余裕がない場合は、依頼を受けたい顧客層や案件が獲得できる確率の高い方を優先してください!

 

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まとめ

  • 最近は士業でもただ実績があるというだけでは依頼はこないため、自社の強みを明確にし差別化施策へ取り組むことが必須となっている
  • 士業の差別化で押さえるべきポイントは、「時代や市場ニーズに合わせて積極的に動くこと」
  • 士業の差別化で使える具体的な施策しては、コーポレートサイトの作成・Youtubeなど動画配信・セミナーの実施・本の出版が挙げられる

 

最近では、多くの士業の先生が依頼人からの信頼を得て案件成約へとつなげるために本を作っています!

 

また、集客にはWEB広告と書籍の両輪での戦略が効果的です!

 

 

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投稿者プロフィール

南川 佳世
ラーニングス株式会社
アドバイザー/ブックライティングサービス『ひよどり』サービス運営統括責任者

大学時代は近世文学を専攻。 日本語教師の資格を持つ。

200名以上の経営者、士業の専門家へのインタビュー経験があり、Webメディアを中心に記事を執筆。
書籍の企画~出版を行うだけでなく、出版記念のウェビナー等、イベントの企画運営も行う。

プロフィール詳細はこちら
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