ブランディングには付加価値をつけられるかが鍵

最近はサイトやSNSなどのWebメディアを通じて、商品の情報を集めやすい時代になっています。

そのため、顧客は自ら商品を比較し、複数の判断基準で購入を検討するようになりました。

商品の質を高めたり、広報活動をして商品名・サービス名を広めるだけでは、ライバルの提供する商品に埋もれてしまいます。

そこで大切になってくるのがブランディングです。

ブランド化に成功すれば商品が埋もれなくなり、同じ商品でも好意的に受け取ってもらえるようになります。

この記事では、ブランディングを成功させる鍵となるブランドの付加価値について解説していきます。

 

 

 

ブランディングの基本

ブランドの付加価値について述べる前に、そもそもブランドとはどんなものなのか、ブランド化にはどんなメリットがあるのかを簡単にご紹介します。

ブランディングとは

ブランドを作るための活動をブランディングと呼びます。

ブランドと聞くと、どんなものをイメージするでしょうか。

高級ファッションブランドやAppleなど、大手のサービスをイメージするかたが多いかもしれません。

しかし、ブランドは大手企業だけのものではありません。

消費者が何らかの商品を買おうとした際に、商品を想起させ、購入を検討してもらえたらブランディングは成功しています。

ブランドとは商品やサービスに対する信頼です。大手に限らず、ビジネス全般においてブランディングが重要になります。

 

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ブランディングは人間に置き換えて理解する

ブランド価値を深く理解するため、ブランド価値を人間に置き換えて考えてみましょう。

我々が人間に対して価値を感じるとき、複数の要素を評価して価値を判断しています。

学歴や職業、年収などの数値で表すことのできるものや、見た目の良さや声の良さといった好みによって左右されるものまで様々です。

ここで注目すべきは、同じ職業、同じ年収の人が2人いた場合の評価です。

この情報だけでは2人の優劣を判断できません。ここで付加価値を追加してみましょう。

2人のうち1人がお年寄りを助けているところを目撃しました。

この場合、お年寄りを助けた人のほうに「人助けをする人」というブランドが作られます。

本来は2人とも人助けをするタイプの人間かもしれません。

しかし、たまたま片方の人助けを見てしまうと、片方だけがブランディングされるわけです。

このように、ブランドは付加価値を見せることで作られます。

付加価値を作った上で、それをわかりやすいように消費者に見せていきましょう。

 

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ブランディングのメリット

ブランディングをすることで複数の効果が得られます。

具体的に見ていきましょう。

他社と差別化できる

1つは他社との差別化です。同じような価格帯・同じような機能のライバル商品があったとき、信頼感・安心感の高い商品が選ばれやすくなります。

ブランディングをして信頼を構築することでライバル商品に打ち勝つという戦略が取れます。

 

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利益率を高く設定できる

ブランディングの2つ目の効果は、高い利益率を設定できるようになる点です。

ブランディングに成功しているAppleなどは、高額商品を定期的にリリースしています。

しかし、Appleブランドに信頼が蓄積されているため、高額であっても購入しやすい環境を作り出せています。

消費者に認知される

ブランディングの3つ目の効果は、消費者に認知されるようになることです。

商品やサービスが消費者に浸透していると「このジャンルならこの商品を選ぼう」というように、無条件で購入候補に挙がってきます。

例としては、安いお菓子の購入がわかりやすいです。「50円以下のお菓子を買ってきてください」と頼まれたとき、うまい棒やチロルチョコといった商品名が真っ先に浮かぶ人も多いはずです。

ブランディングで商品名を浸透させることで、購入されるチャンスを増やすことができます。

 

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付加価値の種類

付加価値という言葉は主に2つの意味で使われます。

1つは、売上高から原材料費・燃料費などを引いた金額のことです。

もう1つは、商品やサービスに追加された独自性のある価値のことです。

付加価値によるブランディングといった場合は、後者の意味合いで付加価値という言葉が使われています。

ブランディングのための付加価値を考える前に、付加価値の種類を2つ紹介します。

感覚的な価値

感覚的な価値とは、人間の喜怒哀楽に寄り添った価値のことです。

楽しい、感動する、カワイイなど、気持ちの揺れ動きがポイントになります。

有名なのがビジュアル面を重視したスイーツやドリンクです。

商品の味そのものではなく、見た目を改良していくことで写真映えするような付加価値がつけられています。

オシャレなカフェのように、場所を提供する際にもビジュアルによって価値が高めることができます。

また、感覚的な価値を持つ商品はSNSやブログなどのWebメディアで拡散されやすいため、ブームを生み出しやすいと言えます。

利用するときの価値

利用するときの価値とは、商品の使い勝手を改善していく中で生まれる価値のことです。

多くの商品は利便性を追求して作られますが、利便性を一般化しているため、すべての人が100%満足する商品にはなりません。

そこで付加価値を付けていきます。ターゲットを絞り込み、特定に層にだけマッチする利用価値を高めるわけです。

たとえば、お年寄りに向けた家電製品などが例に挙がります。

家電製品はAIの搭載などで多機能化していますが、お年寄りにとっては使い方が難しく感じる場合があります。

そこで逆に、機能を削ぎ落とします。これにより、ターゲット層を絞り込んだシンプルという付加価値が付けられます。

 

スーリーで付加価値を付ける

現代はインターネットの普及により情報伝達が高速化し、テクノロジーの進化によって製造プロセスも短縮できるようになりました。

そのため、オリジナリティのある商品やサービスを提供しても、すぐに類似商品が登場してしまいます。

そのような環境でブランドに付加価値をつけられるのがストーリーです。

ストーリーで付加価値を創造する例をいくつか紹介します。

文豪が愛用したペン

万年筆の価格はピンキリです。ワンコインで買えるものもあれば、1本で5万円以上の値段がついているものもあります。

万年筆を売るとき、有名人が愛用したというストーリーがついていると、それが付加価値となります。

機能性ではなく、商品の裏側にあるストーリーによって価値が変動します。

駅のお弁当で体験を売る

駅弁が有名になっている場所では、短い停車時間でもお弁当購入に行列ができます。

駅弁は値段が高く設定されているにも関わらず、なぜか特定の駅でだけお弁当に人が集まります。

これは明らかにお弁当そのものの価値ではなく、お弁当に追加された付加価値に人気が集まっている状態と言えます。

消費者が買っているのは、有名な駅弁を食べたという体験です。

体験という付加価値がついているため、高い金額を支払ってでもそのお弁当を食べたいと思うわけです。

このように、ストーリーは商品に付加されるだけでなく、消費者の体験として消費者自身が作り出す場合もあるのです。

 

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独自の付加価値でブランディングを進めよう

ブランドは商品やサービスに対する信頼であり、マーケティングにおいて重要な役割があります。

他社との差別化や利益率の向上、消費者に認知されるなど、ブランディングのメリットは複数あります。

ブランディングをする上では付加価値が鍵になります。付加価値は商品やサービスの独自性が生み出す価値のことです。

ストーリーを使って付加価値を付けることでスムーズにブランディングを進められるでしょう。

独自の付加価値によって、ブランディングを進めていきましょう。

 

投稿者プロフィール

マーケティング出版プラス編集部
学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。

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