【財務責任者の自費出版事例】会社員時代から起業・独立に備えて本を出版したらかなり苦労した話

今回「2回の倒産を経験した経理・財務責任者が教える成長期の経営者が知っておくべき―会社を破綻させないための財務ファースト経営」を出版されました、赤塚伸二さんにお話をお伺いしてきました。

赤塚さんは25歳の時に会計事務所に入所し、約10年間実務経験をした後に、その経験を活かすため35歳の時に建設会社へ入社し経理・財務責任者として勤務していました。

しかし、当時は金融機関による貸し渋りにより資金繰りに悪戦苦闘の連続で、その結果不運にもその会社が倒産してしまう経験をしたそうです。

それから10年後には2回目の倒産にも遭遇したとのこと!

そんな苦しい経験や何十年と「経理・財務」といった経営者に近い立場で責任者として仕事をしてきた中で、数々の経営者の方達を見て学んできたことがたくさんあるとのことです。

経営者の方には「従業員の人生を背負っているということを自覚して欲しい」、「このような考え方で会社を経営していては会社を倒産させてしまう」ということを経験してきた事例から伝えたいという熱い想いから、還暦を目前のタイミングの今、本の出版に踏み切りました!

そんな赤塚さんには本を書く上で大変だった点、反省点また普段活用している「ブログ」と「本」の違いを感じた点などについてお聞きしました。

またこれから本を出版してみたいと考えている方に向けて、アドバイスとメッセージもいただいたので最後までお読みください。

赤塚伸二(あかつかしんじ)
25歳の時に会計事務所に入所。それから10年間数件の会計事務所で実務を経験する。35歳の時に会計事務所での経験を活かすため、建設会社へ入社し経理・財務責任者として勤務。その2年後に資金繰りに苦しみ不運にも会社が倒産。その後約1年間長い失業状態を経験する。就職難と経済的にも苦しい状態になったため、実務経験がある会計事務所の職務に再び戻り仕事をしながら再就職活動をし、そこから数か所の会社で経理・財務責任者として勤務をし経営苦をサポートするが、平成20年には2回目の倒産を経験、現在はその後入社した中小企業で経理・財務責任者として勤務。

聞き手:本日はお忙しい中、インタビューのお時間誠にありがとうございます。

では早速ですが、赤塚さんの現在のお仕事と職務経歴についてお伺いしてもよろしいでしょうか?

赤塚さん:現在は製造業のメーカーで経理・財務の責任者として働いております。

それまでの経歴としては、学生の頃から24歳までアルバイトをしていましたが、25歳から10年ほど会計事務所で税務の実務経験を積みながら簿記の勉強や税理士の資格取得の為の勉強をしていました。

35歳になった時に税理士になるのは難しいと判断をし、会計事務所の待遇はびっくりするほど悪く一人暮らしの私は生活も困窮してきたので、これまでの経験を活かそうと考え、老舗の建設会社に入社して経理・財務の責任者的なポジションと待遇で働いていましたが、その会社が不運にも倒産してしまう経験をしました。

これが一度目の倒産経験になります。

それからも紆余曲折があり、その後数社で経理・財務の責任者での仕事を続けて約20年以上経ちますが、その中で平成20年には、社長が業界大手の会社へ会社を売却するというM&Aによる2回目の倒産を経験、大手企業の社員が押し寄せ、社員を威嚇して追い出しにかかりました。

この会社の売却により社員は全員解雇になりました。

経営者が自己中心的及び私利私欲な身勝手な行動に出たために、従業員が犠牲になったということです。

この行動により約100名の失業者を出したことになります。

ある意味、会社が資金難で倒産するよりこの方が残酷に感じます。

社員も経営者を見極めなくてはということを、この件で学びました。

正確には私は資金を管理していましたので、半年くらいは大手企業の人に業務を引き継ぎ、それから退職することになりましたが・・・・そこから数か月後、現在勤務する会社に入り今に至っています。

こう振り返ると会計事務所での勤務を除くとほぼ職種は変えず経理・財務の仕事一本で実務経験を積み、幅広い業種の経理・財務担当者として会計処理及び資金管理に従事してきたことになりますね。

聞き手:正にそうですね。

ブログのタイトル及び屋号として「あなたの財務部長」と名乗られている通り、経理・財務の業務に赤塚さんの仕事人生をかけていますね。

赤塚さん:はい僕自身、長年経理・財務で経営者をサポートしてきた中で「財務ファースト」というものを破綻させない会社へ経営改革するための大きなテーマとして掲げておりまして、会社を経営していく中で利益や売上が伸びても最終的に手元のキャッシュが残るようなしくみがなくては意味がなく、利益・売上が伸びればキャッシュが増えるわけではないことを重視した考え方です。

この「財務ファースト」の考えの土台となるキャッシュフローの考え方を「あなたの財務部長」として周知してもらおうというコンセプトです。

しかし、経営者の多くの方々の考え方は財務思考(キャッシュベース)で経営計画を立てられている方が少なく、このキャッシュフローに関する会計リテラシーを向上させることと、経営者の誤ったマインドを変革させること、そして何が経営計画で重要かを考えさせるためにまずはブログを開設しました。

聞き手:将来的には、そういった財務の仕事で独立する予定ですか?

赤塚さん:はい、上手くいけばコンサルタントというよりかは経理・財務の重要性を知識のない方たちを集めて、自分の持っている知識や過去の事例に基づいた経験から、経営計画の役に立つような勉強会といった形で学んでいただけるような場をつくる仕事が出来ればと考えております。

そして、学んだことを自社の経営戦略に落とし込んで頂き、今回のコロナ禍のような不測の事態にも対応できる余裕資金となるキャッシュを残す為のノウハウとそのためのしくみづくりを伝授していきたいです。

聞き手:お仕事について詳しく教えてくださりありがとうございます!

ではさっそく出版した本についてお聞きしたいのですが、今回赤塚さんはどのような本を出版されましたでしょうか?

赤塚さん:私は今まで仕事をしてきた中で様々な経営者の方を見てきましたし、また私自身本のタイトルにもあるように過去に2回の経営破綻を経験しまして、その中で経営者のどのような考え方が経営破綻、会社の倒産に繋がってしまうのかを目の当たりにしてきました。

そして、その際に学んだ経験や知識を活かして「これから会社を経営したい」と考えている方や、今、波に乗っている会社の経営者の方に「こんな考え方が危険!」ということをリアルに語る本です。

聞き手:先ほど将来的には独立したいとおっしゃっていましたが、今回本を出版されました意図としては、そこも見据えているのでしょうか?

赤塚さん:そうですね! どうしても経営者の方の中には売上や利益至上主義という経営戦略の考え方をする人が多いですが、これはとても危険な考えで、将来は私が1番大事にしている「財務ファースト」というキャッシュ第一主義の経営戦略の考え方を浸透させていくお仕事がしたいです。

そのための第一段階としてまず本を出版することにしたのです。

聞き手:そうなるとかなり想いが詰まった本が完成したのではないでしょうか?

赤塚さん:はい、自分が大事にしている考え方をぎゅっとまとめた本ができたなと感じております。

聞き手:実際に本を書いてみていかがでしたか、大変でしたか?

赤塚さん:いや~大変でしたね。

私ご迷惑をおかけしていなかったでしょうか(笑)。

本を書く前に伝えたいことを決め、書くことのテーマを3つ、4つ絞ってからそのテーマに沿って書き始めました。

しかし話が膨らみすぎてしまってついつい話が脱線してしまったり、自分が意図していないことを書いてしまったりしてしまいました。

そこからまた軌道修正して、書き直してを繰り返す作業が大変でしたね。

聞き手:なるほど! 確かに本というのは多少話が脱線してしまうくらいが面白いセミナーと比べて、あれもこれも色々な話を入れすぎてしまうと、まとまりのない何を伝えたいのかよく分からないものになってしまう可能性があります。

そうなってくると読者との距離感も開いていってしまうので、そこのバランスが難しいポイントにもなってきますよね。

しかし書きながら、最後のほうは割とスラスラ書けたのではないでしょうか?

赤塚さん:はい、本を書き進めながら、自分の中にある考えや伝えたいことも整理され明確になってきたので、その伝えたい想いのゴールに向かって書き始めよりもスラスラとペンが進みました。

聞き手:書きながら赤塚さん自身も自分の考えや想いを再確認できたわけですね!

また書きながら、赤塚さんの書く能力も上がっていったのではないでしょうか。

赤塚さん:いや~私自身自分に文筆の力があるとは思えません。

ですから編集者の方にもご迷惑をおかけしたのではと思っております。

聞き手:自分には文筆の力は無いとご謙遜されていますが、そうなってくると今回本の出版を踏み切ったことはかなり勇気のいることだったのではないでしょうか?

赤塚さん:そうですね、しかし伝えたい想いが大きかったですし、現役でバリバリ働いていた時に経験した波乱万丈な社会経験を、私の社会人としての自叙伝的に還暦を目前としている今このタイミングでまとめて形として残さなくては! という使命感がありましたので、その気持ちだけで本の出版を決意しました。

聞き手:赤塚さんは今までブログをやっておりましたが「本」というのはまたブログとは違いましたか?

赤塚さん:ブログでは自分の周りで起こったことを面白おかしくかいたり、たまには愚痴っぽく書いたりと、割となんでも書きたいことを自由度高く書いてきました。

しかし「本」というのはやはりテーマが決まっているので、そこからズレすぎないように書くのが1番大変でしたね。

聞き手:確かにブログですとその一つの記事さえ完結してればいいですけど、本となると全体を通して完結しなければならないので、そこが大きく違いますよね。

今回赤塚さんが書かれました本は、過去の赤塚さん自身のことも多く書かれていますが、そのへんの点で苦労したことはございましたでしょうか?

赤塚さん:そうですね、しかし私自身過去に会社が倒産してしまった経験から、会社が倒産してしまうとこんなに大変なことがあるということ、抱えている従業員の人生をこんなにも変えてしまうということを知ってもらいたかったですし、何より経営者の方には「従業員の人生を背負っている」という自覚をしっかり持ってもらうために自分の過去を思い切ってさらけ出しました。

聞き手:伝えたい想いを明確に伝えるための手段として「自分の過去をさらけ出す」ということに踏み切ったのですね!

今回本を出版して、反省点はございましたでしょうか?

赤塚さん:少し専門用語を多く使いすぎてしまったかなという反省点があります。

したがって財務や会計について全く知識のない方が読むには、難しすぎた内容になってしまったかなと反省しております。

また、財務や経理の考え方や知識と一言で言いましても、世の中には会社もたくさんあり、あまりにも多岐にわたってしまうので、どこまで書いたらいいのかの線引きをするのが今回難しかったです。

聞き手:さらに読むターゲットを絞っておけば良かったというところでしょうか。

赤塚さん:まさにそうですね! どんな業者の経営者に向けた本かまで絞った方が、より深く分かりやすく書けたのではないかなと思います。

たとえば、長期請負工事で手形取引が主の建設業や、前受取引が主のエステサロンのような特殊な業界の会計処理に関しては、サービス業の経営者には縁遠く話が分かりずらいと思いますから。

聞き手:読者のターゲットをより狭く絞った方がより一層、伝わりやすく書けるということですね。

この反省点は次、本を書きたいと思っている方の参考になると思います!

では最後の質問になるのですが、これから本を出版してみたいと考えている方にアドバイスやメッセージがあればお願いしたいです。

赤塚さん:自分の持っている知識を中心に書くよりかは、自分が経験してきたことを中心にして書いた方が説得力が上がり、読者にも想いや考えが伝わると思います!

例えば私ですと過去に失敗した経験から学んだことや、実際に見てきた経営者にはこんな方がいたよという事例だったり、そこから自分が実践してきたことなど、自分の見てきたことやリアルな経験を主体に書くことが読者の興味を引くポイントかなと思います。

聞き手:「誰が書いてもいい本」ではなく「あなただからこそ書ける本」を目指すべきということですね。

赤塚さん:そうですね、自分の尊敬している先輩から実際に現場で学んだことや、逆にこんなパワハラな上司がいましたとか、自分の身に起こったリアルな経験こそに読者の読みたいことが詰まっているような気がします。

読んでいて「そうそう!」「あるある!」「いるいる!」と共感してもらえるのがいいと思います。

反面教師で辛く嫌な体験から逆に学んだことでもいいかもしれません。こんな社会人(上司)にはなってはいけない的な事柄とかですね。

ちなみに私はほとんどこれです。相手は上司ではなく経営者ですが。

聞き手:これから本を書いてみたいという方に、今いただいたメッセージを届けていきたいと思います。

将来的には会社経営をしたいと考えている方を集めて、経理や財務の知識を高める勉強ができる場を開きたいとおっしゃっていましたが、実際に今ブログもやられて本までも出版したので、かなりそのやりたいことへと繋がっているよう感じます!

これからも赤塚さんのご活躍に期待しております!

では本日はインタビューのお時間、誠にありがとうございました。

赤塚さん:こちらこそありがとうございました。

聞き手プロフィール:梶田洋平

出版ベンチャー企業「ラーニングス株式会社」の代表取締役。大学卒業後は証券会社に入社し、2つの支店で法人、リテールの営業活動に尽力。5年弱勤めて退社した後、出版事業を手掛ける会社を起ち上げる。これまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書は3000冊以上。『出版を変える、出版で変える』を合言葉に、はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象とした事業を展開。出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。好きな本の分野は経営者の自叙伝やマーケティング、経営に関する実用書。愛知県名古屋市出身。趣味は読書とスポーツ観戦。

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投稿者プロフィール

久保木 彩子
久保木 彩子
新卒で羽田空港で働いた後、卒業旅行で興味を持ったバンコクへ移住しホテル勤務。
2年半のバンコク生活を終えて帰国した後、Webライターとして活動中。

【一言あいさつ】
将来は自分の書いた文章で、たくさんの人をHAPPYにできる人になりたいです!!
好きなことは絵を描くこと、代々木公園をお散歩すること、散歩している犬を触ることです♡
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