今回は「会社を潰さないための SML Sunday Management List」を出版されました、サンライトコンサルティング代表の梶田貴俊さんにお話を伺いしてきました。
梶田さんは36歳の時に従業員120名ほどの専門商社の取締役に就任しましたが、その1年後にリーマンショックに見舞われました。
その際に同じ釜のご飯を食べてきた社員を解雇する苦しみや、去っていく社員の後ろ姿を見送る辛い経験をしました。
その経験から「いつかやり直したい」「本当の意味で豊かな会社作りを実現したい」と思うようになり、会社経営から学んだこと、自身の失敗から得た教訓をたくさんの企業、ビジネスパーソンに伝えていきたいと考え、今ではセミナーや研修の講師をしています。
そんな梶田さんだからこそ伝えられる、中小企業のリーダー達に向けた本を自費出版しました。
今回は本を出版しようと決意した理由から、実際に本の制作をしてみて大変だった点、出版した本のこれらの活用方法、これから本の出版を考えている人に向けたアドバイスなどを根掘り葉掘りインタビューしました!
著者情報
梶田貴俊(かじた たかとし)
新卒で外資系商業施設における店舗マネジメントなどを経験。その後通信機器ベンチャー商社に入社。
そこで営業及び営業マネージャーとして、同社の全国拠店展開やトップシェアに貢献する。2009年以降、リーマンショックに伴う同社の事業再生計画の策定と実行を担う。代表取締役として、同社のV字回復に貢献。2012年株式会社ジェイックに入社し、自らの中小企業経営の経験を活かし、年間2500名以上ものビジネスマンを対象に、様々な研修やセミナーを実施。
セミナーでの学びがその場限りで終わってしまうのはもったいない
聞き手:本日はよろしくお願い致します。
梶田さん:よろしくお願い致します。
聞き手:実際に手に取ってみて、出版した本はどうですか?
梶田さん:いや~表紙が素晴らしいですよね! とにかく色使いがとても素敵です。
また字も大きくて見やすくて、分かりやすいなと思いました。
聞き手:わ! ありがとうございます。
では早速ですが、梶田さんのお仕事についてお伺いしてもよろしいでしょうか。
梶田さん:はい、基本的には事業会社に所属していて、セミナーや研修講師のお仕事をしています。
聞き手:なるほど、お仕事の内容柄、本の出版とは相性が良いという印象を受けます。
梶田さん:そうですね。普段はビジネスパーソン向けに、ビジネスが上手くいくためのセミナー研修の提供を意識しています。
しかし、そういったセミナーや研修の難点として、その場かぎりでその学びが終わってしまうということが挙げられるかなと思いました。
せっかくなにか学んでも、その場限りで過ぎ去ってしまうこともあると思うんです。
質の高いセミナーや研修が溢れているのに、それがその場限りで終わってしまうのはもったいないと思い、いつでも人々が手に取って学べるようにと思ったのが、今回本を出版しようと決意した動機になりました。
聞き手: なるほど! 本を出版することで、研修自体をずっと価値のあるものにしていくということでしょうか。
梶田さん:そうですね、また実際日本に何百万社という会社がありますが、こういったセミナーなどを受けられるのって、意欲の高い会社さんや、収益が上がっている会社さんなど、ほんの一部の方のみだと思います。
普段セミナーなどを受けられない方にも、少しでも日々の仕事が楽しくなるお手伝いがしたいと思い、出版に踏み切りました。
聞き手:なるほど、先ほどターゲットは「ビジネスパーソン」とおっしゃったのですが、基本的には経営者に向けたものでしょうか。
梶田さん:そうですね、基本的には中小企業の経営者の方々、またその近くにおられる幹部と呼ばれるような方々をメインターゲットにしています。
なぜ今回そんな方々をメインにターゲットにしたかというと、私も前職で小さな会社の役員をやっておりましたが、その時にリーマンショックに直面してしまい、会社が潰れかけてしまいました。
その際、会社ってこんな簡単に潰れてしまうんだなと感じ、様々なことを考えるきっかけになりました。
今振り返ると辛い経験であり、学ぶことも多かったです。あの頃の自分自身に「もっとこうすれば、もう少し上手くいくよ」と伝えたいことがたくさんあります。
傷つく必要の無い人たちが傷つかずに済むような、他のやり方があったなと反省しています。
聞き手:なるほど、そんな経験から読者のターゲットを絞ったのですね。
本の執筆にあたって工夫した点・苦労した点
聞き手:本の話になりますが、今まで梶田さんはブログなどはやっていたみたいですが、本の出版は初めてですよね!
梶田さん:そうなんです、実は「本を出版する」ということは私の昔からの夢でもあったんです。
本を出すということは、大袈裟かもしれませんが私の生きた証、日々感じていることや、考えを残すことに繋がるのかなと感じました。
また一昨年父を亡くしたことも、今回本を出版する決意をした大きな理由でもあります。
父の最期の姿を目の当たりにしたことで、「人はいつ死んでしまうか分からない」ということを、痛感しました。
そんな中で、自分自身もいつ亡くなってしまうか分からないので、書籍という形で、自分の中にある何かしらの思いや考えを自分の子供たちや、自分の周りにいてくれる人たちに残したいと考えました。
聞き手:前から多少考えていたんですね! ということは、普段から伝えたいことを、書き留めていたりしていたのでしょうか。
梶田さん:いいえ。正直に言うと、本を書くぞ! と決意するまでは、頭の中でどんな内容の本を書こうとか、構成も全く考えていなかったんです。
聞き手:なるほど、そうなると本の執筆を始めた頃は、大変だったのではないでしょうか。
梶田さん:ははは。そうですね! 良い点と悪い点が1つずつありました。
まず良かった点は、普段私がしているセミナーや研修の仕事での内容が自然と自分の中に蓄積していたったことですね。
いざ「本を書くぞ!」となってからセミナーなどで使う言葉や内容、セミナーを行うために読んだ他の本の中にあったいいなと思った言葉などを付箋に書き出すようになりました。
聞き手:お! それはこれから本を出版したいと考えている方にとって参考になるお話ですね。
梶田さん:はい! ぜひこれは参考にして欲しいです。
私の場合ですと大きめのホワイトボードを購入して、本の内容になるようなキーワードを書き出した付箋をそこに貼っていきました。
その中ででグループを作り、本の構成なども組み立てていきました。
聞き手:そのやり方は、これからどんな本を出版しようか考えている方たちにとっては、とても参考になるやり方ですね。
梶田さん:はい、一方で難点だったことは、時間の確保ですね。
休日に本をコツコツ書き進めるスタイルで行っていたのですが、休日でも仕事が入ってしまうこともあるので、同じペースで書き進められないところが、難しかったです。
まとまった休みが取れた時に、バーっと書いたりしましたが、そのやり方ですと前回書いた内容忘れていたり、矛盾点が出てきてしまうこともありました。
毎回、前回の内容を振り返らなければならず、書き出すスピードがどうしても遅くなってしまいました。
聞き手:なるほど、やはりお仕事をしながら、毎日コツコツ書き進めるのって大変ですもんね。
梶田さん:そうですね、しかしもし次に書く機会があれば、1日30分でいいので、必ず原稿を見るという作業を行いたいです。
例え書けなくても、毎日原稿を見るということに意味があると思います。
そうすることで、毎回書き始めるまでの時間を短縮できたはずと反省しています。
聞き手:書き出すまでのエンジンがかかるのに時間がかかってしまうことを、防いでくれるということですね!
また今回本の出版にあたって学ぶこともあったとか。
梶田さん:本を執筆するにあたって、やはり本というものは残るものですから、曖昧な知識は書けないという意識が強く芽生えました。
例えば普段のセミナーですと、その場で言葉は流れてしまうので、「○○○年に○○○さんはこんなことを言っていたみたいです」とか、曖昧な表現を使えていましたが、本に書くとなると、それが本当に正しい情報なのか出典元の本を読み返したり調べる必要がありました。
そのおかげで、自分自身にとっての再確認・再勉強となりました。
聞き手:初めから勉強するぞというより、気づいたら自然と勉強になっていたという形ですね。
出版後の本の活用方法
聞き手:まだ本を出版してから間もないとは思うのですが、これからご自身の本をどう活用していきたいと考えていますか。
梶田さん:そうですね、今回出版した本は、自分が過去に経験したことを一通り詰め込んだものになっていますので、その本の内容に沿ってそれをさらに深堀っていきながら、セミナーで紹介できるなと感じています。
またもっと本の内容を簡単にマニュアル形式で落とし込んで、提供させていただいたりしたいなと思います。
聞き手:たしかに! 本の活躍には幅がありそうですね。
何か本を出版する前と後で、「本の出版」についての印象は変わりましたでしょうか。
梶田さん:そうですね~。
本を出版する前は、もっと本の執筆作業は大変かなと予想していたのですが、もちろん先ほど話したように執筆のための時間の確保は大変だったのですが、執筆自体はとても楽しかったです。
もしかしたら、本業よりも楽しいかもなんて感じたり・・・(笑)。
また日々、自分で書く内容に動機づけられていました。
過去のことも振り返りながら、あの時あんなことがあったなと物思いにふけったり、明日からも頑張ろうと思えたり、自分自身の本が自分にパワーをくれました。
聞き手:今回ビジネス書を書かれたわけですが、他に書くジャンルの候補などあったのでしょうか。
梶田さん:そうですね、今回他にもいくつか構想はあったのですが、何かプロジェクトが上手くいくための秘訣というかいわゆる「How to本」って世の中にたくさん溢れているので、自分が書く意味はないかなと感じました。
世の中には良い話や事例がたくさんあるので、それを知るだけでも誰かの活力になると信じています。
それらの話をたくさん知るには、それだけたくさんの本を読む必要がありますよね。
それでは大変なので、それらの良い話や事例を1冊に詰め込んだような本を作りたいと思い、今回はこのような本を制作しました。
今後の展望
聞き手:これから2冊目、3冊目の本を出版するご予定はありますでしょうか。
梶田さん:そうですね、、、。正直な話今は書きあげてしまって、抜け殻のような状態になっております(笑)。
しかし、今私がやっているコンサル業界に師匠のような存在の方がいるのですが、その方に今回出版した本をお渡しして、褒め言葉はいらないのでとにかくダメ出しをくださいとお願いしましたところ、「もっと梶田(著者)の強みを生かした本を出すべき」というお言葉お頂きました。
本のターゲットは中小企業のリーダーに向けた本でしたが、実際に本の内容を見てみると、実際に梶田が貢献できるターゲットは、若者なんじゃないかとご指摘を受けました。
本の中での口調や、語っている内容はもっと未来を背負った若者に向けたものになってもいいという印象を受けたそうです。
たしかに普段のセミナーでも若者に向けて指導をすることが多いので、読者のペルソナを若者にシフトしてもいいのかもしれないと思いました。
また最近ですとコロナ禍で、大学生も大学に行けなかったり、新入社員が同期と触れ合えなかったり、先輩上司と上手くコミュニケーションが取れない状況が続いているので、そんな若者達を元気づけられるような、機会が作れたらなと思います。
聞き手:たしかに! 最近ですと新入社員の研修ができないために、新入社員研修本みたいなものの需要が高まってきているみたいですもんね。
梶田さん:そうですね。ビジネスマナーとかももちろん大事なのですが、それよりは「どのように働いたら人生がもっと豊かになるのか」といったビジネスマインドを指南できるような本を書いてみたいです。
聞き手:では最後に、これから本を書いてみたいけど自分には書けないと思っている方々にメッセージを頂いてもよろしいでしょうか。
梶田さん:そうですね! 書くことが何も無いという人はいないと思います。絶対どんな人にも書くことはあります。
例えば、私自身も今回の本の中で書いたのですが、何か感動した映画があったりしたらそのことについて書いてみたりとか。
それは別に映画の内容を書くというわけではなくて、なぜ自分はそれに感動したのか、そのような感情になるいきさつはそれぞれの人生があるはずなので、それをそのまま自分の言葉でまずは書き出してみることが大事だと思います!
そうすることで、絶対に共感する人がいると思います。
なんとなく書きたいことがあってもなかなか書き始められないという方は、まずは私が実践したように、本の内容となるキーワードを付箋に書き出してみてください。
この方法は本当におすすめですよ!
聞き手:そうですね! まずは付箋に書き出してみるところからですね!
今回のインタビューはこれで以上になります。お時間頂き誠にありがとうございました。
梶田さん:こちらこそ、ありがとうございました!
聞き手プロフィール:
出版ベンチャー企業「ラーニングス株式会社」の代表取締役。大学卒業後は証券会社に入社し、2つの支店で法人、リテールの営業活動に尽力。5年弱勤めて退社した後、出版事業を手掛ける会社を起ち上げる。これまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書は3000冊以上。『出版を変える、出版で変える』を合言葉に、はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象とした事業を展開。出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。好きな本の分野は経営者の自叙伝やマーケティング、経営に関する実用書。愛知県名古屋市出身。趣味は読書とスポーツ観戦。
知識0から本を出版する方法7step
これから出版に取り組むかどうかを検討している方に向けて、出版までの手順を解説します!
- 『出版の力』を知ろう
- どのような目的で出版するかを決めよう
- 出版方法を決めよう etc.
投稿者プロフィール
- 新卒で羽田空港で働いた後、卒業旅行で興味を持ったバンコクへ移住しホテル勤務。
2年半のバンコク生活を終えて帰国した後、Webライターとして活動中。
【一言あいさつ】
将来は自分の書いた文章で、たくさんの人をHAPPYにできる人になりたいです!!
好きなことは絵を描くこと、代々木公園をお散歩すること、散歩している犬を触ることです♡
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