広報担当者が本を出そうと意気込んでいても、肝心の社長が首を縦に振らないことは多々ありますよね。
今回は多くの経営者の本を出してきた出版社、ラーニングス株式会社のノウハウを余すことなくお伝えしていきたいと思います!
社長を口説くために必要な材料もまとめていますので、ぜひご覧ください!
大学時代からこれまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書・実用書は3,000冊以上。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象に、出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。
どんな社長の本出したいですか?
書店に行くと、多くの経営者の本が出ていますよね。
自伝だったり、経営のノウハウや考え方などテーマは様々です。
とくに、経営者となる人は経歴がユニークだったり、発想が独特、強いリーダーシップがあり、困難も笑って乗り越える底力があります。
人の10倍働くことが苦ではない、平社員からするとスーパーマンみたいな存在です!
広報担当者の方は所属している会社もそうですし、社員、代表、社内文化を愛している方が多いと思います。
Webメディアだけでは伝わり切らない魅力もまだまだあり、それを一気に本で出したい!と考えているのではないでしょうか?
広報の仕事をしていると、様々なメディア媒体は身近なもので、広報同士の繋がりから出版もより身近なものかもしれません。
出版業界出身の広報さんも多いですよね!
しかし、経営者にとって出版は
「なんだか大変そうなこと」
「費用かけて良い本が本当に作れるの?」
「自分が出してもなー」
などなどあまり乗り気にはならないケースが多々あります。
広報さんが頑張って説得しても、
「今そこにリソースを割かなくても」
「今じゃないけどゆくゆくは考えるよ」
といった答えが多くはありませんか?
今回はそんな社長に対して、本の魅力をしっかりと伝えて、首を縦にふってもらうためのノウハウをご紹介していきます!
本を出したい! その思いを具現化するために大事なこと
ビジネスは思いだけでなく、合理性も問われるものです。
社長自身が本を出したい! と思うならつゆしらず、説得しなければならないとなると、広報さん自身が出版について、本をどのように使うかなどを考えて説明できるようにしておく必要があります。
選んだ出版社の人も打ち合わせなどで力になってくれますが、一緒にいる広報さんの力が必要になる部分も多いです!
ここでは、社長を説得する際に抑えておきたい説明のポイントをまとめていきます。
①どうやって本を作るのか
そもそも、本を作ると言っても、どのように作るかを知っておきましょう!
大きく2種類の出版方法があります。
1つは商業出版です。
こちらは著者(企業側)の費用負担が発生せず、すべて出版社持ちで本を出すことが可能となります。
これだけ聞くと、「めっちゃいいじゃん!」と思うかもしれませんが、いくつか問題点があります。
まず、内容が出版社側の意見が通りやすいという点です。
なぜかというと、費用を持ち出しで出版社側が本を作るわけなので、「売れる本」にする必要があります。
もし社長がここはあまり出したくないと思っても、出版社側からは反対の意見がかえってくるかもしれません。
費用負担がない分、本の内容が自分の出したい内容とは異なる場合もあるので、注意が必要です。
もう1つが自費出版です。
こちらは、著者(企業側)が費用を出版社に払って出版をする方法です。
費用負担がありますが、内容は自由に書けます。
ただ、注意したいのが、今の時代は印税での費用回収が難しくなってきています。
なので、本をただ出すだけではなく、本を出した後に営業や社員教育で実際に使っていく方法を模索する必要があります。
※商業と自費どっちがいいの?
商業にも商業の良さ、自費にも自費の良さがあると考えています。
その時々で自社にとって最適な方法を選ぶことをおすすめします。
また、たまに「自費だからはずかしい」という意見もありますが、そんなことはありません。
もちろん、出版社側から声がかかるというステータスは気になる部分ですが、それよりもどれだけ良い本が作れるかのほうが重要です。
商業出版をしたとしても、中身が伴っていなければ恥ずかしい思いをしてしまいますよね?
いい本をつくるためには何が最善かをよく考えてみてください!
あとは、直接出版社に聞いてしまってもいいかもしれません。
出版は長いプロジェクトとなるので、できるだけ成約前から出版社とコミュニケーションをとり、対応が丁寧なところを選ぶことをおすすめします。
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②出版社の選び方
社長が出す本は「ビジネス書」に分類されます。
まずは、「ビジネス書 出版社」で検索してみましょう。
すると、多くの出版社がヒットするはずです。
先ほど説明した、商業出版、自費出版と出てくるかと思いますが、その中に「企業出版」と出てくる出版社も多いのではないでしょうか?
「企業出版」とは、企業のブランディングやマーケティングの手段に本を使うことを想定して出版をする専門的なサービスのことです。
本を作ることがゴールではなく、作った本を企業のビジネスにどう活かすかに重点を置きます。
ビジネス書専門でやってきたからこそ培った、ノウハウに自信のある出版社が「企業出版」をやっています。
また、広報さんにとっても、社長にとっても嬉しいのが、「企業出版」は企業の担当者の負担を限りなく減らすためのフローが組まれているところです。
そのため、出版社主導で動いていくので、最低限の作業だけで済むのが特徴です。
広報さんの一番大きな仕事は「社長を説得すること」になりますが、出版社側に事情を伝えたら説明資料や出版社側からの社長への説明など、柔軟に対応してくれます。広報さんが1人で悩まずになんでも相談してみてください!
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③どんな出版の方法かを理解しよう
出版にも色々あります。
書店に並べるもの、ネットだけで流通させるもの、電子書籍、流通はさせずに自社で活用するもの・・・。
社長に提案する際には、まずはどこに本が並ぶかを抑えましょう。
そして、プロモーションをかけるなら、書店であれば買取方式で面陳保障があったり、ネットなら広告をかけたりとその本にあった方法があります。
広報さん自身で調べたり、もしくは出版社に何ができるかを聞いて説明のために概要をまとめた資料の作成を依頼してしまってもいいかもしれません。
④本の作りかたを理解しよう
経営者の本となると、社長には本の内容をインタビューして原稿をライターが書くことがほとんどです。
ですが、本の内容やターゲットの設定、表紙のデザインなど本を作るまでに数々のプロセスがあります。
各出版社がプロセスをまとめた資料を持っているので、目を通し、必要であれば説明をしてもらうことが大事です。
特に、原稿の修正回数や表紙のデザイン、イラストや図の作成、写真を何枚入れられるか、作る書籍はモノクロかカラーか、といった細かい部分も確認をしておくと安心です。
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早速問い合わせをしよう!
最低限の情報は把握いただけたかと思います!
ここからは実際に出版社への問い合わせをはじめましょう。
問い合わせをする際に大事なことは、
「なぜ本を作りたいと思ったか」
「どんな本が作りたいか」
を出版社に伝えられるようにしておくことです。
そもそもの動機が分からないと出版社側も本の企画や戦略がたてづらいので、最低限はっきりとさせておいていただけると助かります。
そしたら、1社だけでなく数社へ問い合わせをしてみてください。
同じようなサービスだと思っても、実際の担当者の方との相性や連絡の頻度、コミュニケーションが円滑にとれるかなどは数をこなさないとわからない部分もあります。
繰り返しますが、本を作るためには半年はかかります。
その間のあなたの負担をできるだけ軽減させるためにも担当者は大事です!
いつ社長に打診しよう?
出版者への問い合わせをし、準備を始めたものの、肝心の社長にどのタイミングで話をしようか悩みますよね。
ラーニングスからのアドバイスとしては
まず、問い合わせをし始めた段階で、「社長の本を出したいと思って情報収集しています」と軽くジャブをうって反応を確認。
その時の社長の反応や伝えてきた言葉をしっかりと覚えておいてください。
そして、何社か問い合わせをすると、本の企画書の素案が各出版社分集まることと思います。
そしたら、企画書の内容をチェックして必要部分は出版社からの説明を受けましょう。
そして「これだ」と思った案があれば、一度社長に見せてみてください。
そのときは、「お話しした出版社の方から企画をいただいているんですが、目を通していただけませんか?」と伝えてみましょう。
少し興味を示してくれた場合は
「費用は?」
「どうやって進めるの?」
などの回答が出るはずです。
そこであらかじめインプットしておいた説明と、
「〇月〇日○○時から出版社にこの企画の説明を受けてきます。社長のスケジュール空いていらっしゃいますのでご同席されますか?」
と打診してみてください。
社長のスケジュールがわかるならあえて空いているところを狙って、出版社との打ち合わせを事前にセッティングしておいてもいいでしょう。
よくご存じだと思いますが、経営者は相談されるよりも、決定の判断だけを伝えられるほうが好きです。
あらかじめ進めてしまって、最後の決定だけ委ねてみましょう。
もし断られても、どこがネックかをヒアリングしてみてください。
それを出版社側に伝えて、解決策を聞いてみてください!
社長に首を縦に振らせるために必要なこと3選!
さあ、ここからが本題です!
社長はなかなか首を縦に振らない!でもどうしても説得をしたい!
忙しくて捕まらないし、あまり話も聞いて貰えない!
こういったことでお困りではありませんか?
大丈夫です!
これから話す3つのことを意識して伝えれば、状況は前身していきます!
社長に出版に乗り気になってもらう方法3つはこちらです!
- なぜ本を出すほうがいいのか
- 費用対効果を明確にする
- 本を出した後のビジョンを伝える
1つずつ説明していきますね。
なぜ本を出すほうがいいのか
まず「なぜ本を出すほうがいいのか」、メリットを明確にしてください。
ただ
「社長のこれまでの経歴がすごいから!」
「みんな知りたいと思って!」
と伝えてはいけません。
なぜかというと、費用をかける意味が見いだせないからです。
望ましい伝え方として、例えば
「社長の創業の想いや苦労、現在の会社のビジョンの浸透のために、長い目で見たら書籍という見える形であるほうが、より共感してくれる仲間が増えて強い会社になります」
といった形でしょうか?
なぜ社長の本を作りたいと思ったかを明確に、社長にとって、会社にとってどんなメリットがあるかを伝えると聞く耳をもってくれる可能性が高いです
費用対効果を明確にする
本を出すメリットだけでなく、具体的な数字で費用対効果を説明できるとよりいいです。
例えば、
「書籍を作るのに200万円かかります。ですが、優秀な人材を毎年1人獲得できて、自社に定着し、活躍してくれたら費用対効果は高いです。
メディアやHPなどもありますが、そこだけでは伝わりきらない社長、自社の魅力や、共感度を高めるためにも本は必要です。」
と伝えてみてはいかがでしょうか?
「今の若い子は本読まないでしょ」と言われるかもしれませんが、もし志望度が高い場合は絶対にそこの社長の本は目を通しますし、それができないのであれば、そこまで期待できる人材ではないのかもしれません。
このように、リターンを明確化することで、社長の説得が上手くいくケースが多いです。
本を出した後のビジョンを伝える
ただ記念に本を出すだけで、出版費用を出してくれる会社はなかなかありません。
しっかりと、本を使ってどのようなことがしたいかを明確にしておくといいでしょう。
例えば、採用活動に使うのであれば、有力な候補者へ送る、社員教育で自社のビジョンを共有する、展示会やイベントなどで配布する、といったことが予想されます。
その際は合わせて効果も説明してください。
本の魅力は、情報がしっかりと詰まっているので、読み手に共感してもらいやすいところです。
「なぜ本でなければいけないのか」をはっきりすることが大事です。
また、ここで書いたものは、自身では伝えづらかったら出版社側に聞いてしまっても大丈夫です。
企業出版をしているところは、こういった社長への説得に慣れています。
一番承諾がもらいやすい伝え方を教えてくれるので、ぜひ相談してみてください!
経営者の中には集客やブランディングといった経営課題を抱えている方も多いのではないでしょうか。 そういった経営課題を解決するために「本の出版」の手段に踏み切る経営者の方も増えてきました。 消費者の方に正しく企業のことをアピ[…]
経営者が本を出版することによる「セルフブランディング」はビジネス上で有利に働く場合が多いです。
セルフブランディングについてはこちらの記事で解説しています↓
SNSやブログといった情報発信の場が普及するにつれて、個人のブランディングが注目されるようになりました。 数多くのWebメディアの中で、埋もれないように存在価値をアピールする必要が出てきたからです。 […]
一人で抱え込まないのが大切
色々と書いてきましたが、忙しい広報担当者さんが本づくりのために割ける時間も限られていることと思います。
社長と話す際に最低限出版に関して説明する知識は必要ですが、具体的な説明は出版社側が直接社長にしてくれます。
要点を明確にしたペラ1をもらってもいいですし、とにかく自分の要望をはっきりと伝えることが大切です!
出版社側もそのほうがサポ―トがしやすいので、遠慮せずに、まずは伝えてみてください!
ラーニングスでは無料個別相談も受け付けておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
ご相談はこちら。
ラーニングスのHPはこちら。
まとめ
今回は、「うちの社長本だしたらいいのに」とお考えの広報担当者さんに向けて、出版の基礎知識や社長の説得方法についてまとめました。
この記事が少しでも広報担当者さんの負担軽減に繋がるとうれしいです。
そして、出版についてもっと詳しく聞きたいと思ったら、ぜひ勇気を出して出版社へ問い合わせてみてくださいね!
出版社と一緒に良い本を作りましょう!
投稿者プロフィール
- ラーニングス株式会社
アドバイザー/ブックライティングサービス『ひよどり』サービス運営統括責任者
大学時代は近世文学を専攻。 日本語教師の資格を持つ。
200名以上の経営者、士業の専門家へのインタビュー経験があり、Webメディアを中心に記事を執筆。
書籍の企画~出版を行うだけでなく、出版記念のウェビナー等、イベントの企画運営も行う。
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