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顧客の心や行動を理解するマーケティング心理学30選|テクニックを活用場面別に紹介

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マーケティング心理学をご存じでしょうか?

マーケティング心理学とは、顧客の心理状態に働きかけるマーケティング戦略の一つであり、マーケティング心理学を学ぶことで顧客の心をつかむことができます。

マーケティング心理学を学ぶことができれば、より効果的なマーケティング戦略を実現できるかもしれません。

 

ここでは、

  • 人の欲求を刺激する心理学
  • 好意や信頼を抱いてもらうための心理学
  • 注目を集めたい・気を引きたいときに使える心理学
  • 人の選択を助ける心理学
  • 広告やWEBサイトのデザインなどに役立つ心理学
  • その他の知っておきたい心理学

に分けて、ご紹介していきます。

マーケティング心理学と関連して、顧客の行動を理解するために覚えておきたい「購買行動モデル」についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください!

 

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目次

 

 

マーケティング心理学とは?

商品やサービスを提供するとき、どうすれば顧客がスムーズに購買に繋げられるのかが分からないと思うことがあるのではないでしょうか。そのようなときに学んでおきたいのが、マーケティング心理学です。

マーケティング心理学とは、一言で言えば顧客の購買意欲を引き出すための心理メカニズムと言えます。

例えば「先着・限定○○名まで!」という広告を目にしたことがあるのではないでしょうか。もしその商品に興味があった場合「今このタイミングを逃すと手に入らないのでは」「今が購入するチャンスかもしれない」という心理が働くでしょう。

これこそが顧客の心をつかむマーケティング心理学による戦略です。ある意味では顧客の購買意欲を操作しているとも言えますが、マーケティング戦略としてはこれ以上にない方法だと言えます。

マーケティング心理学を実践できるかどうかで利益が左右されると言えるのではないでしょうか。

 

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マーケティング心理学を知っておくことが重要な理由

 

マーケティング心理学の知識を身に着けると、以下のようなメリットがあります。

 

  • 消費者の心理や行動を理解し、効果的な戦略を立てることができる。
  • メッセージや広告を効果的に伝えられるようになる。
  • 競合他社との差別化や競争優位を構築するための手法を知ることができる。
  • 商品開発やプロモーションの成功に役立つ知識を得ることができる。
  • 意思決定において消費者の心理的な側面を考慮し、戦略的な判断ができる。

 

逆に言うと、マーケティング心理学を知らなければ、顧客の気持ちに寄り添った戦略を考えるのは難しいでしょう。

マーケティング心理学はビジネスの成果に大きく影響するため、重要な知識となります。

 

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マーケティング心理学を活用した戦略を一挙紹介【30選】

マーケティング心理学を活用した戦略は数多く行われています。

その戦略性を知ることで、自社でも存分に活用することができる可能性があるのです。ここでは、マーケティング心理学を活用した戦略をご紹介します。

  • 人の欲求を刺激する心理学
  • 好意や信頼を抱いてもらうための心理学
  • 注目を集めたい・気を引きたいときに使える心理学
  • 人の選択を助ける心理学
  • 広告やWEBサイトなどのデザインに役立つ心理学
  • その他の知っておきたい心理学

 

順にご紹介していきます!

 

人の欲求を刺激する心理学

 

希少性の法則

希少性とは、上述したように先着・限定といった数量が少ないものに対する希少価値、つまり価値が高くて少ないものにお金を出す心理状態を突いたマーケティング戦略です。

自分と同じ服を着ている人を見て、その服の希少性が薄れ、以降着たくなくなってしまうという経験をされたことがある方は多いのではないでしょうか。

この心の動きには、希少性の法則が関連しています。

人は先着・限定という言葉に弱いと言われているのは、これらに対する希少性の法則が働いているからだとされています。つまり、数量、期間、特典の限定を活用することで顧客の購買意欲を引き出すことができるのがポイントです。

 

希少性の法則は同じ意味で「スノッブ効果」とも言います。

 

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果とは、商品やサービスに対して数多くの人が所持していたり利用していたりすると、その価値が高まる現象のことです。つまり、みんなが使っていたり利用していたりするならきっと安全だろうという心理になることから、商品やサービスの購買意欲が高まるマーケティング心理学となっています。

もっと簡単に説明するなら、行列ができるお店、当店No.1の商品など、現在はやっていて人気が高いものにバンドワゴン効果が働きやすくなります。

 

ソーシャルプルーフ

ソーシャルプルーフとは、自分が好んだり信頼している集団や人がある行動を取っていることを見て、それに影響を受けて同じ行動を取ろうとする心理現象です。

ソーシャルプルーフのマーケティング活用方法として、インフルエンサーマーケティングが挙げられます。

商材のターゲットに合ったファンを多く持つインフルエンサーに自社商品を紹介してもらうことで、売り上げアップが見込めます。

 

カリギュラ効果

カリギュラ効果とは、いわゆる「絶対に見ないでください」と言われているのに気になって見てしまうという現象です。人は重要な情報を隠されたり、袋とじがあったり、マル秘と書かれている部分があるなど、何かを隠そうとする意思を暴きたいと考えている傾向にあります。

もちろん誰もがそうなるとは限りませんが、秘密を知って共有したいという人は多いのではないでしょうか。企業側も敢えて重要な情報を隠して発信することによって、顧客の興味を惹くようにしているのです。

 

プライミング効果

プライミング効果は、ある刺激や情報が後の行動や判断に無意識に影響を与える現象です。

マーケティングにおいては、消費者の心理状態や意識を特定の方向に誘導するために使用されます。

例えば、テレビでスイーツのCMを見た後になんだか甘いものが食べたくなって、コンビニでスイーツを買うということがあるでしょう。

 

 

好意や信頼を抱いてもらうための心理学

 

ザイオンス効果

ザイオンス効果(単純接触効果)は、興味のない対象に何度も接触することで、評価や興味が向上する現象です。接触回数が増えると警戒心が薄れ、親近感が強まると言えます。

この効果はマーケティングだけでなく、恋愛やプライベートの対人関係でも応用できます。

 

マーケティングでは、営業マンが何度も顧客を訪問し、信頼関係を築いたり、メルマガやブログ、SNSを活用してWeb上で接触回数を増やす方法があります。

こうすることで、顧客とのつながりを強化し、相手の興味を引きやすくなります。

吊り橋効果

吊り橋効果とは、危険で困難を共にした人たちが連帯感を持ったことで相手を身近に感じる効果のことです。

この吊り橋効果はマーケティング心理学にも応用されるもので、単なる商品紹介ではなく一緒に体験談を掲載することが狙いです。

一緒に体験談を載せることにより、顧客が自分と同じ境遇であることをハッキリ実感してもらうことによって商品の購買意欲を促します。自分自身の経験と重なる体験談は非常に身に染みて実感できるものですし、その商品やサービスさえあれば自分も悩みを解決することができると思うでしょう。

 

ネームコーリング効果

ネームコーリング効果とは、自分の名前を呼ばれると無意識に相手に対し好感を持つという心理現象です。

マーケティング活動では、営業などで顧客と対面する際に「○○さん」と積極的に呼ぶことで、自分に対する顧客の関心と愛着を促進することができます。

 

アンダードッグ効果

アンダードッグ効果とは、自分より下の立場にいる人や不利な立場にある人を助けたいと思う心理現象です。

負け犬効果とも呼ばれます。

 

「間違えて商品を発注しすぎてしまいました…ぜひ買いに来てください!」

「観光客が減って旅館が廃業寸前に追い込まれています…しかし、この旅館や地域には魅力がたくさんありますので、ぜひ足を運んでください!」

 

など言われると、興味を持つでしょう。これはアンダードッグ効果によるものです。

 

アンダードッグ効果の逆の心理効果として、前述した多くの人から支持されているモノに惹かれる「バンドワゴン効果」があります。

 

返報性の原理

返報性の原理は、他人から受け取った恩恵やサービスに対して、何らかの形でお返しをするという心理的な傾向を指します。

返報性の原理はポジティブなものだけでなく、敵意のようなネガティブな感情にも働きます。

返報性の原則には、以下の4種類があります。

 

  • 好意の返報性
  • 敵意の返報性
  • 譲歩の返報性
  • 自己開示の返報性

 

この原理を利用したマーケティング戦略としては、無料のサンプル提供や特典の贈呈が挙げられます。例えば、ある企業が無料の試供品を配布することで、消費者は「お返ししないと」という気持ちからその商品を購入しやすくなる傾向があります。

 

類似性の法則

人は自分との共通点や似たような興味を持つ他の人に、好意的に接する傾向があります。

例えば同年代で合ったり、同じ趣味を持っていたり、出身地や住んでいるところが一緒だったりなどです。

活用例として、営業や商談の際に顧客との共通点を話に出すことで、話が円滑に進みやすくなる場合があります。

 

ウィンザー効果

ウィンザー効果とは、当事者の発信よりも第三者による発信のほうが信憑性があると感じる心理現象です。

 

マーケティングでは、販売元の発信よりも購入者のレビューやSNS・ブログでの口コミなどのほうが信用される傾向にあります。

インフルエンサーに商品を提供して、正直に紹介してもらうのもよいでしょう。

 

ただし、消費者には企業からの提供だということを隠したうえでインフルエンサー等を使って訴求する「ステルスマーケティング」は、消費者に不信感を抱かせることがありますので、行わないようにしてください。

 

両面提示

両面提示とは、商品やサービスの利点だけでなく欠点やデメリットも同時に提示することで、顧客や消費者が「この人(企業)は誠実で信頼できる」と感じてくれる効果です。

マーケティングでは、顧客に対して率直に商品の利点と欠点を伝えることで信頼性を高め、説明に説得力も加えることもでき、消費者の意思決定をサポートします。

 

ハロー効果

ハロー効果は、「目立つ特徴から連想されるイメージを、他のすべての面にも当てはめてしまう」心理です。

たとえば、「背が高い人は頼りがいがあり仕事ができる」と感じることがあります。

実際は背が高いからと言って仕事ができるとは限りませんが、このようにある特徴から連想される典型的なイメージに、他のすべての印象が左右されることがよくあるのです。

 

企業のマーケティングでは、広告に有名人を起用することで商品や会社にもその有名人のイメージが引き継がれることがあります。

 

注目を集めたい・気を引きたいときに使える心理学

カクテルパーティー効果

カクテルパーティー効果とは、大勢の人が集まる賑やかな場所で自分の名前や自分に関係が深い単語、関心がある話が聞こえると、それに気づく現象を指します。

マーケティングにおいては、顧客に向けた広告やメールのタイトルに個人の名前を入れたり、ターゲット層に人気がある芸能人をPRに起用したりすることで、その顧客の関心を引き付けることができます。

 

バーナム効果

バーナム効果はだれにでも当てはまるようなことを言っているのに、自分にだけ当てはまり「自分の考えを当てられた」「悩みを分かってくれた」と感じる心理効果です。

 

よくある例として、占い師に「あなたは悩んでいますね」と言った際に「当てられた!」と感じる人も多いですが、占いに行きたいと考える多くの人は悩みを抱えていたり選択に迷っていることが多いです。

マーケティングでバーナム効果を利用するなら、マットレスの広告に「寝ても疲れが取れず悩んでいませんか?」のようなコピーを入れることができます。

カラーバス効果

意識することで自分に関係する情報が目に留まりやすくなる現象を、カラーバス効果といいます。

マーケティングに活用する際は、CMなどで「50代からのお肌に」といって年代で引き付けたり、家族構成や住んでいる場所で絞ったりしたコピーを使って、ターゲットに「これは私に必要な情報かも」と思わせることがポイントです。

 

バーダー・マインホフ現象

バーダー・マインホフ現象は、新たに知った(認識した)モノや言葉などを、知ってからよく目や耳にすると感じるようになる心理効果です。

 

マーケティングにおいては、潜在顧客がオンライン広告で製品を初めて目にした際に、潜在顧客の自社の製品に対する関心が高まり、日常生活で関連する情報をより意識するようになることが考えられます。

その後は自社はこの関心の高まりを活用し、ウェブサイトなどに潜在顧客にメールマガジンの受信登録を促すポップアップやバナー広告を表示します。

その後は効果的なマーケティング用メールやSNSキャンペーンを用意し、潜在顧客に送信することで、自社の製品の購入を促しましょう。

潜在顧客はメールやSNSキャンペーンを通じて再び自社の製品に接することで、バーダー・マインホフ現象がさらに強化され、自社の製品に対する興味が高まります。

 

感覚マーケティング

感覚マーケティングとは、五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)を刺激して消費者に自社の商品やサービスを訴求するマーケティング手法です。

製品や店舗のデザイン、パッケージ、広告の音楽や言葉遣い、香りなどを工夫し、消費者の感情を呼び起こすことで、商品やサービスの印象を強めることができます。

体験型イベントやセミナーなどもおすすめです。

 

 

人の選択を助ける心理学

損失回避の法則

損失回避の法則とは、人は得をすることよりも損失を回避できる選択をする傾向にあるという心理現象です。

 

マーケティングでは、特典や割引の提供を強調するよりも、失うことから避けるメッセージを強調することで、顧客の関心を引き付けることができます。

例えば期間限定セールに対し、人は「この時を逃すと損をする」と感じて購入する可能性が高まるということがあります。

 

アンカリング効果

アンカリング効果は、最初に提示された情報(アンカー)が人々の判断や意思決定に影響を与える現象です。

例えば、ある店舗が「通常価格は1,000円ですが、特別価格で500円」と表示して商品を販売する場合、消費者は最初に提示された通常価格である1,000円をアンカーとして、500円が非常にお得な価格と感じる傾向があります。

その結果、商品を購入しやすくなります。

※価格表示にアンカリング効果を活用するときには1点注意が必要です。詳細は「二重価格表示(消費者庁)」をご確認ください。

 

おとり効果

おとり効果とは、消費者が2つ以上の選択肢で迷っている場合に、魅力が明らかに劣るもう1つの選択肢(おとり)を提示することで、最初の2つの選択肢のいずれかを選びやすくなる心理効果です。

 

映画のチケット販売を例に考えてみましょう。

ある映画館が、2つの料金プランを提供しています。

 

  • 通常の映画鑑賞券:1,500円
  • プレミアム映画鑑賞券:2,500円(プレミアム席、ドリンク・ポップコーン付き)

 

この場合、多くの消費者は迷うかもしれません。

そこで、映画館はおとり効果を活用して、次のような第3の選択肢を提示します。

 

  • バリューセット映画鑑賞券:2,200円(通常席+ポップコーン付き)

 

この「バリューセット映画鑑賞チケット」は、プレミアムチケットに比べると特典が少なく、通常チケットに比べると価格が高くなっています。

結果として、多くの消費者は価格が安い「通常の映画鑑賞券」か特典が十分な「プレミアム映画鑑賞券」のどちらかを選ぶ傾向が高まります。

 

松竹梅の法則(ゴルディロックス効果)

松竹梅の法則とは、選択肢が3つ提供された場合に、中間の選択肢が最も好まれる心理現象です。

マーケティングでは、顧客に選択肢を提供する際に、中間のオプションを目立たせることで、顧客の選択を誘導することができます。

 

 

広告やWEBサイトなどのデザインに役立つ心理学

色彩心理学

色彩心理学は、色が人々の感情や行動に与える影響を研究する心理学の分野です。

マーケティングにおいては、色を使ったブランドや商品のイメージ作りに活用されます。

 

例えば、青色は安心感や信頼性を連想させるため、銀行や保険会社のロゴやウェブサイトによく使用されます。

また、赤色は情熱や刺激を連想させるため、飲食業界やセールスイベントなどで利用されることがあります。

 

フィッツの法則

フィッツの法則とは人間の行動をモデル化した理論であり、WEBサイトやメルマガのデザインに活用することができます。

フィッツの法則を活用することで、よりユーザーが操作しやすくコンバージョンを取りやすいサイトやメールをつくることができます。

 

その他の知っておきたい心理学

好意を持つ相手には好意で返す

何かを買うとき、いつも特定の場所で買うようにしているという方も多いのではないでしょうか。

基本的に、人は商品を購入する際、商品だけを求めているのであればどこで購入しても同じなはずです。

例えば、以下のような心理が働くことがあります。

  • あっちの方が性能はいいけど、自分はこっちの方が気に入っている
  • 少し高くても使い慣れている商品の方が良い

これは商品や購入しているお店・場所に対して好意を持っていることによる心理メカニズムが働いているからです。

つまり、ビジネスにおいて、企業側は自社製品を購入してもらうために顧客に好意を持ってもらうことを重要視しています。

嫌いな企業よりも好感が持てる企業の方が商品を購入したいと思うでしょう。

 

フォールス・コンセンサス

フォールス・コンセンサスとは、自分の意見や考えは大多数の人と一緒で一般的なものだと思い込む心理状態のことです。

フォールス・コンセンサスを覆すほどの理論的根拠があるのであれば問題はありませんが、そういった資料等がなく十分な情報が得られないときにフォールス・コンセンサス効果が強くなります。

例えば、商品レビューが顕著ですが、自分と同じ意見のレビューがないか調べたときに同意見があった場合に自分の意見が正しいと思うでしょう。

企業側が手を加えることはありませんが、フォールス・コンセンサスを狙っている企業は多くあるのではないでしょうか。

 

シャルパンティエ効果

シャルパンティエ効果とは、視覚的なイメージで例えられた場合に錯覚を起こしてしまう現象です。

例えば、東京ドーム何個分、レモン何個分のビタミンCなどと、分かりやすい例えで視覚的なイメージが伝えられると、実際はそこまでイメージするのが難しいはずなのに納得して良いように感じてしまう傾向にあります。

視覚的にイメージしやすいもので例えられると、シャルパンティエ効果が発揮しやすくなります。

 

フットインザドア・テクニック

フットインザドア・テクニックとは、小さな要請や依頼に対して応じることで、その後に大きな要請にも応じやすくなる心理現象です。

マーケティングでは、最初に顧客に少しの協力をお願いし、その後に本格的な購入や登録を促すことで、顧客の了解を得やすくします。

 

オペラント条件付け

オペラント条件付けは、ある行動を行った際の報酬や罰を受けて次回から行動をとるようになることを指します。

マーケティングでは、報酬や特典を使って消費者の望む行動を促進する手法として応用されます。

 

例えば、ある会員制のアプリがポイントを付与し、ポイントを貯めることで割引や特典を提供する場合、消費者はポイントを貯める行動を増やし、忠誠心を高めることが期待できます。

 

マーケティング心理学を成功させるためのポイント

 

マーケティング心理学を成功させるためのポイントは、いかに顧客の心をつかめるかどうかです。

どんなに効果的なマーケティング心理学だったとしても、顧客の心をつかめなければ意味がありません。

様々なマーケティング心理学がありますが、それらが必ずしも顧客に通じるとは限らないでしょう。

ここで重要なのは、忙しい人に対していかにその商品をイメージ付けられるかどうか、記憶してもらえるかどうか、どんな効果が得られるのか分かりやすく伝えられるかどうかです。

長々と伝えるのではなく、端的に伝えられるかどうかが最も大切です。

忙しい人に長々と説明している時間はありませんし、短く説明できても内容が分かりにくければ意味がありません。端的にその商品の良さを伝えることを重要視してアピールしましょう。

 

顧客心理を理解するには「購買行動モデル」も大切

 

消費者が商品の存在を知って購買にいたるまでには一連のプロセスがあり、そのプロセスをマーケティング用語として「購買行動モデル」と呼びます。

購買行動モデルを知ったうえでマーケティング戦略を考えることで、消費者の心理段階に合わせた販売戦略が可能です。

 ここでは代表的な購買行動モデルである「AIDMA」と「AISAS」をご紹介します。

 

AIDMA(アイドマ)の法則

AIDMAの法則は、アメリカのサミュエル・ローランド・ホール氏が1920年代に提唱した購買行動モデルです。このモデルは、消費者の心理的プロセスを表すために、AIDMAという頭文字を組み合わせています。

 

  • AIDMAとは次のような意味です。
  • A…認知・注意(Attention):消費者が商品を認識し、注意を向ける段階。
  • I…興味・関心(Interest):消費者が商品に興味を持ち、関心を抱く段階。
  • D…欲求(Desire):消費者が商品に対する欲求を感じる段階。
  • M…記憶(Memory):消費者が商品について記憶し、思い出す段階。
  • A…行動(Action):消費者が商品を実際に購入する行動を起こす段階。

 

AIDMA

 

消費者は商品を購入するまでに、これらの5つの段階を経ることになります。

それぞれの段階では消費者の心理状況が異なるため、マーケティング戦略も段階ごとに異なる必要があります。

 

AISAS(アイサス)の法則

 

AIDMAの法則は長らくマーケティングの基本とされてきましたが、インターネット社会の到来により新しい購買行動モデルが登場しました。

この新しいモデルが、日本の大手広告会社・電通が2005年に提唱した「AISASの法則」です。

AISASの法則はインターネット時代のマーケティングに特化しており、AIDMAとは異なるプロセスを示しています。

 

  • A…認知・注意(Attention):消費者が商品を認識し、注意を向ける段階。
  • I…興味・関心(Interest):消費者が商品に興味を持ち、関心を抱く段階。
  • S…検索(Search):消費者がインターネットを使って商品について検索する段階。
  • A…行動(Action):消費者が商品を実際に購入する行動を起こす段階。
  • S…共有(Share):消費者がSNS等を使い、他の人と商品について情報を共有する段階。

 

AISAS

 

AISASの法則では、消費者は商品を「認知」し、「興味」を持つ段階まではAIDMAと同じですが、その後は「検索」を経て「行動」に移り、最後は「共有」の段階になります。

インターネットの普及により、消費者は宣伝だけでなく、自ら情報を検索して商品について調べることができるようになり、さらに他の人と情報を共有する役割も担うようになりました。

この変化に合わせてAISASの法則が提唱され、インターネット時代のマーケティング手法として代表的な存在となっています。

 

マーケティング心理学の知識を学ぶことと同じように、購買行動モデルについて学ぶことがマーケティング活動を有利にします。

購買行動モデルは上記でご紹介した2つ以外にも多くあります。

以下の記事で他のモデルについても詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

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マーケティング心理学を学んで顧客の心をつかもう!

マーケティング心理学はビジネスにおいて必要不可欠な戦略の一つであり、顧客の心をつかむために是非とも学んでおきたいものです。

マーケティング心理学の中には通用しないものもありますが、多くの顧客の心をつかむことができれば業績向上に繋がるでしょう。

顧客の心をつかむためにも、自社でどんなマーケティング心理学を採用すればいいのか、商品の魅力を端的に伝えるためにはどうすればいいのか研究するのがおすすめです。

 

 

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投稿者プロフィール

下村(むーさん)
下村(むーさん)
大学卒業後に出版社に就職して漫画の編集に携わる。
その後、さらに別の出版社を経てラーニングス株式会社に入社。
編集業務に従事している。

社内では『むーさん』の愛称で親しまれ、お父さん的なポジションを務めている。

プライベートでは野球観戦が趣味(広島ファン)で二児の父。
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