マーケティング心理学をご存じでしょうか。マーケティング心理学とは、顧客の心理状態に働きかけるマーケティング戦略の一つであり、マーケティング心理学を学ぶことで顧客の心をつかむことができます。マーケティング心理学を学ぶことができれば、より効果的なマーケティング戦略を実現できるかもしれません。ここでは、顧客の心をつかむマーケティング心理学についてご紹介します。
マーケティング心理学とは?
商品やサービスを提供するとき、どうすれば顧客がスムーズに購買に繋げられるのかが分からないと思うことがあるのではないでしょうか。そのようなときに学んでおきたいのが、マーケティング心理学です。
マーケティング心理学とは、一言で言えば顧客の購買意欲を引き出すための心理メカニズムと言えます。
例えば「先着・限定○○名まで!」という広告を目にしたことがあるのではないでしょうか。もしその商品に興味があった場合「今このタイミングを逃すと手に入らないのでは」「今が購入するチャンスかもしれない」という心理が働くでしょう。
これこそが顧客の心をつかむマーケティング心理学による戦略です。ある意味では顧客の購買意欲を操作しているとも言えますが、マーケティング戦略としてはこれ以上にない方法だと言えます。
マーケティング心理学を実践できるかどうかで利益が左右されると言えるのではないでしょうか。
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マーケティング心理学を活用した戦略を一挙紹介!
マーケティング心理学を活用した戦略は数多く行われています。その戦略性を知ることで、自社でも存分に活用することができる可能性があるのです。ここでは、マーケティング心理学を活用した戦略をご紹介します。
希少性による心理学
希少性とは、上述したように先着・限定といった数量が少ないものに対する希少価値、つまり価値が高くて少ないものにお金を出す心理状態を突いたマーケティング戦略です。
人は先着・限定という言葉に弱いと言われているのは、これらに対する希少性の法則が働いているからだとされています。つまり、数量、期間、特典の限定を活用することで顧客の購買意欲を引き出すことができるのがポイントです。
好意を持つ相手には好意で返す
何かを買うとき、いつも特定の場所で買うようにしているという方も多いのではないでしょうか。基本的に、人は商品を購入する際、商品だけを求めているのであればどこで購入しても同じなはずです。例えば、以下のような心理が働くことがあります。
・あっちの方が性能はいいけど、自分はこっちの方が気に入っている
・少し高くても使い慣れている商品の方が良い
これは商品や購入しているお店・場所に対して好意を持っていることによる心理メカニズムが働いているからです。つまり、ビジネスにおいて、企業側は自社製品を購入してもらうために顧客に好意を持ってもらうことを重要視しています。嫌いな企業よりも好感が持てる企業の方が商品を購入したいと思うでしょう。
バンドワゴン効果
バンドワゴン効果とは、商品やサービスに対して数多くの人が所持していたり利用していたりすると、その価値が高まる現象のことです。つまり、みんなが使っていたり利用していたりするならきっと安全だろうという心理になることから、商品やサービスの購買意欲が高まるマーケティング心理学となっています。
もっと簡単に説明するなら、行列ができるお店、当店No.1の商品など、現在はやっていて人気が高いものにバンドワゴン効果が働きやすくなります。
カリギュラ効果
カリギュラ効果とは、いわゆる「絶対に見ないでください」と言われているのに気になって見てしまうという現象です。人は重要な情報を隠されたり、袋とじがあったり、マル秘と書かれている部分があるなど、何かを隠そうとする意思を暴きたいと考えている傾向にあります。
もちろん誰もがそうなるとは限りませんが、秘密を知って共有したいという人は多いのではないでしょうか。企業側も敢えて重要な情報を隠して発信することによって、顧客の興味を惹くようにしているのです。
フォールス・コンセンサス
フォールス・コンセンサスとは、自分の意見や考えは大多数の人と一緒で一般的なものだと思い込む心理状態のことです。フォールス・コンセンサスを覆すほどの理論的根拠があるのであれば問題はありませんが、そういった資料等がなく十分な情報が得られないときにフォールス・コンセンサス効果が強くなります。
例えば、商品レビューが顕著ですが、自分と同じ意見のレビューがないか調べたときに同意見があった場合に自分の意見が正しいと思うでしょう。企業側が手を加えることはありませんが、フォールス・コンセンサスを狙っている企業は多くあるのではないでしょうか。
シャルパンティエ効果
シャルパンティエ効果とは、視覚的なイメージで例えられた場合に錯覚を起こしてしまう現象です。例えば、東京ドーム何個分、レモン何個分のビタミンCなどと、分かりやすい例えで視覚的なイメージが伝えられると、実際はそこまでイメージするのが難しいはずなのに納得して良いように感じてしまう傾向にあります。
視覚的にイメージしやすいもので例えられると、シャルパンティエ効果が発揮しやすくなります。
吊り橋効果
吊り橋効果とは、危険で困難を共にした人たちが連帯感を持ったことで相手を身近に感じる効果のことです。この吊り橋効果はマーケティング心理学にも応用されるもので、単なる商品紹介ではなく一緒に体験談を掲載することが狙いです。
一緒に体験談を載せることにより、顧客が自分と同じ境遇であることをハッキリ実感してもらうことによって商品の購買意欲を促します。自分自身の経験と重なる体験談は非常に身に染みて実感できるものですし、その商品やサービスさえあれば自分も悩みを解決することができると思うでしょう。
マーケティング心理学を成功させるためのポイント
マーケティング心理学を成功させるためのポイントは、いかに顧客の心をつかめるかどうかです。どんなに効果的なマーケティング心理学だったとしても、顧客の心をつかめなければ意味がありません。
様々なマーケティング心理学がありますが、それらが必ずしも顧客に通じるとは限らないでしょう。ここで重要なのは、忙しい人に対していかにその商品をイメージ付けられるかどうか、記憶してもらえるかどうか、どんな効果が得られるのか分かりやすく伝えられるかどうかです。
長々と伝えるのではなく、いかに端的に伝えられるかどうかが最も大切です。忙しい人に長々と説明している時間はありませんし、短く説明できても内容が分かりにくければ意味がありません。端的にその商品の良さを伝えることを重要視してアピールしましょう。
マーケティング心理学を学んで顧客の心をつかもう!
マーケティング心理学はビジネスにおいて必要不可欠な戦略の一つであり、顧客の心をつかむために是非とも学んでおきたいものです。マーケティング心理学の中には通用しないものもありますが、多くの顧客の心をつかむことができれば業績向上に繋がるでしょう。
顧客の心をつかむためにも、自社でどんなマーケティング心理学を採用すればいいのか、商品の魅力を端的に伝えるためにはどうすればいいのか研究するのがおすすめです。
投稿者プロフィール

- 大学卒業後に出版社に就職して漫画の編集に携わる。
その後、さらに別の出版社を経てラーニングス株式会社に入社。
編集業務に従事している。
社内では『むーさん』の愛称で親しまれ、お父さん的なポジションを務めている。
プライベートでは野球観戦が趣味(広島ファン)で二児の父。