せっかく自費出版したのに、その本が売れないのはなぜなのでしょうか。
きちんとわかりやすい企画書も練って、読者の感情を揺さぶるような内容も入れて、専門分野に特化したものにしたのに…。
原因が思いつかない!
そんな時は、もっと根本的原因があるかもしれません。
今回はその原因を追求すべく、自費出版の本が売れない理由を考えていきます。すでに出版している方も、これから本を出す予定の方も、ぜひ参考にしてください。
売れることに固執しない
自費出版した本が売れないのは、理想と違って苦しいかもしれませんが、そう感じるのは利益を求めてしまうからという理由が一番大きいと言えます。
自由に作品を出版できるのは利点ではありますが、売れることを目標にしているとそれが達成できない時には「せっかくの努力が報われない!」と感じることも。売れることに固執してしまうと、成功と感じるまでの道のりは長くなってしまいがちです。
自費出版でも商業出版のように利益を求めてしまう
そもそも自費出版は、商業出版ほどたくさん売れるものではないということは周知の事実です。
そのため、売上を上げることを念頭に置いた自費出版では利益を感じづらくなってしまい、結果として売れないという認識に陥ってしまいます。
本を出すことで一定の利益を求めるのであれば、自費出版ではハードルが高いと言えるでしょう。
自費出版をして成功した、満足したと感じる人の多くは利益にこだわっていません。
少しでも利益になればもちろん嬉しいものですが、それよりも、読者のためになっているかどうかが大事だったり、自分の書きたいことを書いたものが書籍化したことに喜びや価値を見出す人が多いのです。
このことからも、やはり、売れることに固執しないことが大事と言えます。
自費出版は他の出版方法よりもお金がかかる
自費出版で売上を上げることで、できれば出版にかかった費用分は回収したいと考えるのは普通のことだと思います。ですが、実際のところ自費出版は他の出版方法よりもお金がかかります。
商業出版では多くの場合、費用は出版社が負担してくれます。著者が制作費などを支払うことは一般的ではなく、逆に原稿料や印税が入ってきたりします。
一方、自費出版はその名の通り費用を負担するのは自分自身であり、こだわりがあるのであればかなりの予算が必要です。
例えば表紙のデザインや挿絵が欲しいという場合には、誰かに依頼してデザイン料を支払わなければいけないのです。
自費出版の書籍は、書店に並ぶことがほぼない
自費出版の本は、書店に並ぶことはほとんどありません。一般的に、書店に置かれているのは商業出版の本になります。
なかには自費出版した本が書店に置かれるケースもありますが、出版社の契約しているいくつかの書店に置かれるだけの場合がほとんどで、そこで実際にその本が売れるのも珍しいことと言えるでしょう。
これだけ本を売ることは難しく、商業出版の本でさえ1週間経って売れないと問屋に返品されることがあります。
自費出版した本には編集者がついていないことも多いので、書店が積極的に置いてくれることは少なく、読者まで届く道のりが長いのです。
実際、広く読者に届いて欲しいと願う人は、SNS駆使したり講演会をしたりと自分の力で売る方法をとることが多いようです。
自費出版にはメリットもある
自費出版が商業出版と比べて売れづらいのは事実ではありますが、著者の書きたいことを好きなだけ書けたり、後世に残すことができるという点は大きなメリットです。
以下に、自費出版の主なメリットを挙げていきます。
書きたいことを好きなだけ書ける
自費出版は、自分が書きたいと思ったことを好きなだけ書けます。
編集者にもっとこうした方が良いというダメ出しをされてしまったり、内容を変えられたり手を加えられたりすることなく、自由に思うがままに本を執筆できます。
何を書くのか、どう書くのか、それすら自分で決められるのですから満足度が非常に高いでしょう。
一方、売上などの利益を追求した場合には、ある程度の戦略が必要となります。
似たジャンルで売れている本との差別化を意識したり、他の本を超える知識量を書かなければと焦る必要などもありません。その点では、自費出版は気楽に挑戦できるものとも言えます。
後世に残り、自分自身へのステータスへと変換される
自分の書いた本は後世にも残ることを考えると、売上関係なく偉大なことをしていると思えるのではないでしょうか。
自分自身へのステータスにもなるので、書き上げた後には自信が生まれます。
本を書いたことが自分にとってプラスに働く場合もあります。例えば、就職をする際や仕事でそのことをアピールすることもできます。
何かをやり遂げたこと自体が、自分の力や人生の糧となるのです。
自費出版を成功させるには、タイトル選びやデザインには力を入れよう
自費出版を成功させるためには、タイトル選びやデザインにも力を入れるのが重要です。
執筆内容がとても価値あるものだとしても、実際に本を手に取る人がいなければせっかくの素晴らしい内容も埋もれてしまいます。
人は本の中身を見る前に、タイトルに引き付けられます。無名の著者なら特にそうでしょう。
そのため、目に留まりやすく惹きつけられるタイトルにすることがとても大切なのです。
また、本を手に取るきっかけは、表紙のデザインだったりもします。
デザインが魅力的であれば、その本を手に取りたいという願望は大きくなります。
イラストレーターが本の表紙のイラストを描くことは珍しいことではありません。ご自身の知り合いや、好きなイラストレーターへ声をかけてみるのも一つの方法です。
何のために本を出したいのか
お金を稼ぐことを目的で本を作るのも良いですが、今まで説明してきた通り、自費出版の本は売れづらいのが現実です。
まず、ご自身が本を出版したい一番の理由は売上を上げるためなのかどうかを考えてみてはどうでしょう。
自費出版で重要なのは、自分がどれだけ納得できるかです。
必ずしも利益を追求するべきではないことがわかれば、あとはそれ以外に何を求めるかを考えてみましょう。
ある人は、自費出版できたことそのものに誇りを感じるでしょう。
またある人は、自分が将来その本を見返すために自費出版に踏み切り、それで満足したりします。
誰かに読んでもらうだめではなく、将来自分が読むための自分への贈り物として本を作るのです。そうすることで当時の自分が何を感じ、どう動いていたのかを読み取ることができます。
もちろん自分だけでなく、自分の子供や孫に将来その本を見せるのを夢として、自費出版に挑む人もいます。
つまり、自費出版をして納得できるかどうかは自分次第なのです。
まとめ
自費出版した本が売れないことは珍しいことではありません。
そもそも自費出版は売ろうと思って始めるものではないケースがほとんどなのです。
売上という利益以外に本の出版に自分自身が何を求めるのか、それをじっくり考えながら出版準備を進めましょう。
投稿者プロフィール
- 学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。
出版をもっと身近に感じてもらうために、自分の家族や友達にも読んでもらえるような、分かりやすく丁寧な記事づくりを心掛けています。
これからも有益な記事を日々発信できるよう、尽力していきます!
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