認知度と知名度の違いとは? 企業や商品を知ってもらうために重要なこと

 

自社や自社商品(サービス)の認知度をいかに上げるかは、多くの企業にとって共通の課題です。

また、有名企業や商品のように自社の商品やサービスの知名度を上げたいという思いも皆持っていると言えます。

「認知度」と「知名度」は、当然のように使っている言葉ですが、意味や違いは正確に理解しているでしょうか。

 

今回は、認知度と知名度の意味の違いや、認知度を上げるための具体的な流れを解説します。

ぜひ、着実に行動に落とし込んでいきましょう。

 

 

 

認知度と知名度の違いとは何か

まずは、企業や商品における「認知度」と「知名度」の違いを見ていきましょう。

 

「認知度」とは、対象の企業が何をしている会社か、どんな商品を販売していて、どのように活用されているかなどが世間に知られている度合いのことを言います。

つまり「認知度が高い」状態とは、企業や取扱商品に対して一定の理解を得られている状態を指します。

 

一方「知名度」は、対象となる企業や取扱商品の名称を知られている度合いです。

「名前は聞いたことあるが、どんな企業(商品・サービス)かはよく知らない」という場合は、知名度は高いけれど認知度は低い状態と言えます。

 

 

ブランディングで大事な4つのポイント

知名度が高いだけでは、自社にとって優良な見込み顧客に認知されるかはわかりません。

そのため、企業は自らブランディング戦略を計画し、自社のイメージや企業理念を伝えていくことが重要です。

 

ブランディングで意識すべき点はいくつかありますが、特に重要なポイントは以下の4つに集約されます。

 

強みを見つける

自社と自社商品の「強み」を明確にしましょう。

他社に負けない要素や独自の要素を見つけることで、セールスポイントの強化、競合他社との比較、見込み顧客のニーズとのすり合わせが可能になります。

 

すでに競合他社のほうがシェアや認知度が高い場合、そのまま強みを発信しても効果は薄いかもしれません。

その場合はアピールする場所を関連分野にずらす、他社ではできないアピール方法を探すなどをして差別化を図りましょう。

 

ターゲットを明確にする

強みを見つけたら、次に「ターゲット」を設定します。ターゲットとは見込み顧客のことです。

どんな人物(企業)か、どんな悩みを抱えているかを、既存顧客の特徴などから具体的な像をイメージにしてリストアップします。

 

ターゲットを明確にすることは非常に重要です。

強みとターゲットがしっかり一致すれば、世間の知名度は低くても業界内認知度でトップに躍り出る可能性があります。

 

目的を決める

続いて「目的」の設定です。

企業の強みをターゲットにアピールした結果、「何を得たいのか?」を明確にすることで方向性を定めます。

 

具体的な目的の例は以下の通りです。

 

・業界内でのシェアを拡大したい

・上場して新規分野にも事業展開したい

・優秀な人材を集めたい

・長期的かつ安定的な顧客を開拓したい

 

このように、認知度が向上すると売上に影響するだけでなく、高い認知度を元にさらなるステップへ事業を拡大できます。

また、事前に認知度向上の定義を決めておくことで、具体的な数値目標にも落とし込みやすくなるのです。

 

特に企業内では部署や立場の違いからも様々な意見が出てしまうため、すり合わせておかないと足並みを揃えることができません。

情報共有の観点からも、共通認識を設定しておくことが有効です。

 

長期的に取り組む

認知度を上げる活動は短期では終わりません。

大規模なキャンペーンやセールを行って一時的に知名度が上がったとしても、永続的な効果までは得られないからです。

 

企業や商品のイメージを永続的に世間に持ってもらうためには、地道かつ長期的な取り組みが必須です。

認知度の上がり具合や競合他社の動きによっても取るべき戦略は変わるため、コツコツ取り組みながらも柔軟な対応が必要となります。

 

 

認知度向上のための9ステップ

認知度向上の手段としては、広告、自社サイトやオウンドメディアでの周知、プレスリリース、本、メルマガ、SNSの更新など様々な方法が考えられます。

 

これらの手段からどれを選ぶとより効果的かを事前に絞り込んでおきましょう。

ターゲットのニーズに沿った戦略を取ることで、効果的に響かせることができます。

 

ここでは、認知度向上を図るステップを9つの段階に分けてご紹介します。

 

自社および自社商品の強みを明確にする

営業や宣伝活動を行う際は、知名度を上げることや有名になることに意識が向きがちになります。

しかし、知名度だけで取引先を選ぶ企業はありません。

 

取引先として選ばれるには、まず自社と自社商品の強みを明確にすることが重要です。

後でターゲットにとってのベネフィット(利益)を言語化・視覚化するためにも必要となるでしょう。

顧客のニーズをリストアップする

強みやベネフィットは、顧客のニーズによって決まります。

そのため、顧客のニーズを探るべく、どんな悩みを抱えているか、自社に何を解決してほしいかを顧客の立場から想定して20~30個ほどリストアップしましょう。

 

可能であれば既存顧客に直接ヒアリングできるとベストです。

既存顧客は自社の魅力をすでに認識しており、自社商品を通じて悩みを解決した実績もあるからです。

 

ヒアリングができない場合でも、顧客の要望はインターネットのキーワード検索の結果から推測できます。

企業の担当者も、悩みの解決法を調べる際はインターネットを活用するからです。

「○○したい」などのキーワードに実際の商品名や部品名を組み合わせて検索すれば、顧客が何に悩んでいるかが推測できます。

 

顧客にとってのベネフィットを見つける

ターゲットのベネフィットを見つけるには、まずターゲット像を具体的にイメージしましょう。

例えばどのような企業で働き、どのような案件に携わっているか、どんな悩みで立ち止まっているかを細かく設定します。

 

悩んでいる人を想定することで、どんな提案をすれば解決策になるかという推論が立てられます。

この解決策こそが、顧客のベネフィットになるのです。

 

競合他社を洗い出す

自社の強みやターゲットが明確になっても、競合他社にターゲットを奪われては意味がありません。

そこで、競合他社をリストアップし、自社と徹底的に比較してみましょう。

 

競合他社と比較して自社はどの位置にいるか、優位な点はどこか、競合の強みは何か、対抗手段はあるかを探っていきます。

 

比較対象は普段競合している企業だけではありません。

ネット上でキーワード検索をした際に上位表示される企業も対象ですので、漏らさずリストアップしましょう。

 

コンテンツシートにまとめる

これまで作成したステップを、コンテンツシートに案としてまとめます。悩んでいるターゲットに、自社のベネフィットを伝えて解決に導くストーリーです。

競合他社との比較や差別化する手段を書き込んだシートを作成し、可視化していきます。

 

可視化する手段は文章のみ、画像つき、動画、PDF、パンフレットなど複数あるため、その中で最もターゲットに響きそうな手段を選びましょう。

複数のコンテンツを作成して、段階ごとに使い分ける方法も有効です。

 

潜在顧客との接点をリストアップする

次にターゲットに届ける手段をリストアップしていきます。

ターゲットとの接点、つまり接触する方法を具体的なアプローチに落とし込む段階です。

 

実際に営業をかける場合であれば電話、メールなどでコンタクトを取ります。

直接会うことができる場合は名刺、パンフレットなどの紙媒体の資料、サンプル品を手渡す方法も可能です。

ターゲットからの連絡をインターネット上で待つ場合は、自社サイト・ブログでの周知、SNS、検索結果連動型広告、バナー広告、動画広告などでアピールする方法があります。

 

アクションマップを作る

自社の強みを、どの接点を通じてどのコンテンツで伝えるかをアクションマップにまとめます。

アクションを起こした結果、自社に対してどのような印象を抱くか、どんな反応が得られそうかもイメージしましょう。

 

コンテンツの作成には予算がかかるので、状況によって再投資するかどうかの判断も必要になります。

そのため、判断基準をあらかじめ決めておくと良いでしょう。

 

実際にアクションを起こす

アクションマップに沿って、実際にターゲットへアプローチしましょう。

可能な限りコンテンツによる露出を増やすことが重要です。

 

動画広告からメルマガに登録を促し、メルマガにはPDF特典をつけます。

長期登録者にはさらなる特典をつけるなど、ステップごとに手段を変えながら悩み解決の方法をアピールし続けると長期的に印象に残ります。

 

 

KPIを軸にしながらPDCAを回す

アクションマップはただ実行するのではなく、結果を重要業績評価指標(KPI)に反映し続けましょう。

成果を確認しながら進めることで、コンテンツやステップごとの反応や改善点が可視化されます。

 

PDCA 〔Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を回しながら効果検証を繰り返し、目標達成までの期間を少しでも縮めていきましょう。

 

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まとめ

認知度と知名度の違い、認知度を高めていくステップをお伝えしてきました。

なかでも重要な点は、「自社の強みをターゲットのベネフィットとして伝える」ことです。

 

知名度を高める手段ばかり取ってしまうと、ターゲットのベネフィットになっているか、という視点が抜け落ちる可能性があります。

そうなると興味を持ってもらうどころか、悪印象を持ってしまうかもしれません。

ターゲットにベネフィットを提供することで、お互いに得をする関係を維持していけることが理想です。

好印象を意識して、永続的な関係を築いていきましょう。

 

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