中小企業のブランディング戦略 効果的な進め方と成功事例

 

経営が傾いていた大企業の大胆な路線変更による復活劇。

ブランディング戦略によって大躍進を遂げる姿は、この日本でも何度も目の当たりにしてきた光景です。

 

しかし、ブランディングで生まれ変われるのは巨大な資本を持つ大企業だけの特権なのでしょうか。

実は、ブランディングは中小企業でも可能なのです。むしろ、中小企業こそもっと意識する必要があります。

 

今回は、中小企業にこそブランディングが必要な理由と、実際に行う際の効果的な進め方について解説します。

合わせて成功事例もご紹介しますので、自社のブランディングに活用してみてください。

 

 

なぜ中小企業にもブランディングが必要なのか?

日本国内の中小企業・小規模事業者の数をご存じでしょうか。

中小企業庁が発表した2016年のデータによると、日本国内の中小企業・小規模事業者の数は357.8万人、実に99.7%を占めています。

 

そのうち、小規模事業者の数は圧倒的に多い304.8万人、84.9%です。実は大企業と呼べる企業は1万1157人、全体の0.3%しか存在しません。

つまり、実際に競合する業界や地域は限定されるとしても、中小企業は熾烈な競争にさらされ続けているのです。

 

そこで役立つのがブランディング。

ブランド力をつけて競合他社との違いを見せることで、埋もれるどころか一歩抜きん出ることさえ可能になります。

 

なにも業界No.1になったり、大規模な広告キャンペーンを打ったりする必要はありません。

今や発想の転換やインターネットの活用により、予算をかけなくてもブランディングが可能な時代です。

 

つまり、中小企業こそブランディングによって競合他社との違いを見せていくべきだと言えるでしょう。

 

 

中小企業のブランディングの重要性

では、なぜ中小企業のブランディングが重要なのか? それは、中小企業は大企業ほどの資本力や商品の幅がないためです。

 

たとえば類似商品を大企業と中小企業で扱っている場合、大企業は圧倒的多数の営業マンを抱え、大がかりな広告展開ができます。

全国どころか、企業によっては海外にも販路を確保して大量販売できるため、価格競争をしたところで追いつくことができません。

 

競合相手は同じ中小企業にもいるため、よくある商品やサービスだけでは差を縮めることができないのです。

 

だからこそ、ブランディングによって競合とは違う魅力を顧客に伝える必要があります。

自社にしかない製品、自分の店にしかないサービスを作り出すことで、プラスアルファの価値を生み出すのです。

 

また、ブランディングにおいて、中小企業が大企業に勝る部分もあります。それは、事業規模、社員規模が小さいことです。

 

たとえば、大企業が新たにブランディングを打ち出す場合、事業規模が大きいだけに予算も大幅にかかります。

そのうえ、ブランディングに失敗した場合は巨額の損失を生み出す可能性もあるのです。

 

一方、中小企業は資本力はないものの、全体的な変更の範囲は少なくて済みます。

社員教育の観点から見ても、小規模であるほど意思統一を図りやすいため、一丸となって挑めます。

人数が少ないぶん浸透しやすく、スピード感を持って取り組めるのです。

 

 

企業ブランディングで得られる効果

企業ブランディングの重要性を説明しましたが、実際の効果はどうなのでしょうか。

考えられる効果を以下に挙げていきます。

 

企業のブランドイメージの定着

ブランドイメージが定着することで、特にイメージのない競合他社と比較して顧客から好印象を持ってもらえます。

反対にブランドイメージを失墜させるような不祥事があると悪影響になってしまいますが、それでも好印象が定着したときの効果は計り知れません。

 

取引先からの信頼感の確立

ブランドイメージが確立できると、一般の顧客だけでなく取引先からの信頼も得やすくなります。

株式公開していればお金が集めやすくなり、銀行からの融資は通りやすくなるのです。

また、新卒採用でもより有望な学生が入社を希望し、人材の確保も容易になります。

 

収益の安定性の向上

イメージが定着するとリピーターが増えるため、安定した収益を得続けることができます。

収益が安定すると新商品の開発や新規事業の展開に資金を回す余裕ができるため、さらに事業を発展できるでしょう。

 

社内の雰囲気の改善

新しいデザインやコンセプトが浸透することで、社内の雰囲気も改善します。

ブランドイメージは少なからず社員のセルフイメージの向上にも影響するため、職場に活気が生まれるからです。

 

 

企業ブランディングの効果的な進め方

ここからは、実際に企業ブランディングをする場合の取り組み方を見ていきましょう。

4つのステップに分けて、効果的な進め方を解説します。

 

自社の状況把握

現状を把握せずに企業ブランディングを始めることはできません。

まずは自社のこれまでの強みや実績、社風や競合他社と比較した場合の立ち位置などを冷静に分析します。

主力商品や主力分野はブランド化の軸になる可能性がありますし、企業によっては接客力などマンパワーが強みかもしれません。

 

社内調査だけでは客観性を保てない場合は、ブランディング会社に調査を依頼したり、ユーザーアンケートを募るなどしてみましょう。

外部の目も活用することで、多角的な視点から自社の状況を見つめ直すことができます。

 

他にも、SWOT〔強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)〕分析4P〔製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、販促(Promotion)〕分析も活用することで、視覚的に自社の立ち位置や強み・弱みを知ることが可能です。

こうして理解を深めることで、理想や願望にとらわれず進むべき方向を向いたブランディングが可能になります。

 

ブランドコンセプトと戦略の決定

自社の強みがはっきりしてきたら、ブランドコンセプトとしてまとめます。

まとめる際に重要なのは、担当者の主観で判断しないことです。

 

顧客のニーズを踏まえ、喜ばれ、長く愛されるブランドコンセプトにしましょう。

心機一転で新商品や新しい面を見せたい場合でも、顧客のニーズを無視すると既存顧客を失うだけです。

 

ブランドコンセプトが決まったら、ブランドをどのように顧客に伝えるかを計画します。

通常の営業と並行して行う場合は、時間調整をしながらスケジュールを組んでいきましょう。

 

ブランディングツールの作成

ブランドを周知するためのWebサイトやロゴなどの制作物を、ブランディングツールと呼びます。

ロゴやパッケージデザイン、制服、外装・内装などが変わるだけで企業イメージはガラッと変わりますので、慎重に選ぶようにしましょう。

デザイン性も、顧客からの印象が第一です。

 

ブランドの運用

ブランディングツールが完成したら、実際に現場で使用していきます。

特にブランド名・ブランドロゴは、Webサイトをはじめ、名刺、パンフレット、資料、看板など広範囲で使用が可能です。

 

ブランディングはキャンペーンとは違い、長期的な取り組みが不可欠です。

経営者や営業、広報はもちろん、社員一人ひとりがブランドを育てる意識を持てるよう徹底的に認識を共有しましょう。

 

ただし、時代の流れによって顧客のニーズの変化、不祥事などによるブランドイメージの低下が起こる可能性もあります。

その場合は、あらためてブランディングをし直す「リブランディング」を検討しましょう。

 

中小企業におけるブランディングの成功事例

中小企業がブランディングに成功した例は世界中にあるため、探せばたくさんの事例が出てきます。

しかし、多すぎてどの事例を参考にすれば良いのかがわかりにくいのが難点です。

また、大企業のブランディングの成功事例は中小企業では参考にならない部分が多いもの。

そこで下記に、中小企業に絞ったブランディングの成功事例をいくつかご紹介します。

 

カフェショップのブランディング

コーヒーも食事も美味しいのに、少し奥まった場所にあり、外装が民家と勘違いされやすかったカフェショップ。

入口とドア前の看板のデザインを変更することで、道路を往来する人々にも立ち寄ってもらいやすくなりました。

 

店舗名と日替わりメニューで埋め尽くされていた見た目を、シンプルで高級感のある装飾に変更。

常連客から美味しいと評判だったチーズケーキの画像をメインに据えました。

 

今では知る人ぞ知る穴場カフェから、噂を聞きつけた市外の人も集まる人気店に成長を遂げています。

 

老舗の洋菓子店のブランディング

外国人観光客も多く集まる老舗の洋菓子店では、パンフレット内の説明文に英語表記をつけ加えました。

また、創業当時から現在までの店舗の外装や商品画像を掲載し、老舗のブランド力を感じられるようにしました。

 

同時に持ち帰り用の袋と箱も一新。デザイン性を高めることで、顧客が持ち帰る際にも街中での宣伝効果が生まれました。

 

家具店のブランディング

自社で製造・販売を一手に行う家具店。

Webサイトにトップページに画像のスライドショーを設置し、店舗内の雰囲気や主力商品を紹介するようにしました。

店舗にまだ来たことのない見込み顧客に訴求することで、新規の集客に成功しています。

 

他にも営業用の名刺や資料をはじめ、店舗紹介用のポストカードやDMにも新デザインのロゴを配置してアピール。

他社とのコラボレーションや雑誌でも特集されたことで、販売層の拡大にもつながっています。

 

 

まとめ

中小企業にはハードルが高く感じられるブランディングですが、実現は十分可能です。

ただし、資本力や時間的な制限もあるため、一度推し進めると変えづらい面もあるのがブランディングの現実。

まずは社内でコミュニケーションをとって、自社をどのように変えていきたいか話し合ってみるところから始めてはいかがでしょうか。

 

投稿者プロフィール

マーケティング出版プラス編集部
マーケティング出版プラス編集部
学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。

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