クラウドファンディング出版プロジェクト【成功事例】

クラウドファンディング 出版 成功事例

仕事で使う本を出版するとなると、著者自身で費用を負担する自費出版のケースが一般的です。

ただ、出版の費用は高額となることが多く、結局出版そのものを諦めてしまう人も少なくありません。
でも、費用の問題だけで出版を諦めるのは少しもったいない気もしますね。

読者にとって役立つ本、生徒さんやファンなど、出版したら買ってくれる人がいる場合にはクラウドファンディングサイトで先に出版にかかる費用を集めて出版するという方法を考えてみても良いかもしれません。

そこで今回は、出版にかかる費用の一部をクラウドファンディングで集めた船津明生さん(以下、船津さん)にインタビューをしました。

  • 生徒さんや受講生、取引先の方々など、本を出版したら買ってくれる人がいる
  • 自身でレッスンやセミナー、ワークショップを開催している
  • 全額自費出版できるだけのお金はない

上記に当てはまる人の参考になれば幸いです。

 

※クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとはインターネット上に自分のアイデアや実現したいことを公開し、共感した人や応援したい人など不特定多数の人から資金を集めることができる仕組みです。
出版のプロジェクトは完成した本をリターンとするなどクラウドファンディングサイトとの相性がよく、クラウドファンディングによってこれまでに沢山の本が出版されています。

 

 

著者情報

 

【船津明生プロフィール】

大学・専門学校で英語・金融論などを教える傍ら、コンサルティング、企業のビジネス研修講師として活躍。分かりやすい講義には定評がある。
また、「日本語音声学」の学術的理論と、ヨガなどの身体的技法をベースとした、実践的な「発声トレーニング」、ワークショップ/セミナーを各地で開催している。
趣味はライブ活動その他ステージで歌うこと。
名古屋大学大学院博士後期課程修了、学術博士。

 

 

クラウドファンディングを利用して出版した理由

 

聞き手:まず、今回クラウドファンディングサイトでどんな出版プロジェクトを成功させたのか、教えてください。

船津さん:はい。

今回は私にとって2冊目の本の出版になります。
1冊目の本の時ははじめてだったこともあり、とにかく「出版したい」という気持ちが先走っていたことを覚えています。

内容にも力は入れましたが、それ以上に出版そのものが目的だったような感じで…。

だからこそ、2冊目は内容にこだわりを持って本づくりをしたいと考えました。

 

聞き手:なるほど。確かに1冊目を出版すると、2冊目も出版したくなる人は多いかもしれません。

船津さん:そうなんです。

出版した時には満足できていたのですが、時間が経つと少し内容が薄かったかなと色々反省が出てきたのです。
だから、2冊目はこれまでの集大成の意味もあって、私の持っている知識や経験を全て注ぎ込もうと考えて取り組みました。

その声を変えなければ結果は出ない 船津明生

聞き手:クラウドファンディングサイトを利用されたのはどういう理由でしょうか?

船津さん:はい。
出版には費用がかかりますが、それを全て負担するとなると少し難しいと考え、ある程度あらかじめ費用回収ができればと考えたのがきっかけです。

でも、単純にお金集めとしてクラウドファンディングサイトを利用したわけではありません
私の場合、3,000円払ってくれた人へのリターンを本1冊(2,200円相当)とワークショップ(3,000円)という設定にしました。

3,000円のリターンが5,200円ということですね。

普段、レッスンを受けている人からすれば
「え?いいの?」
と思ってもらえるぐらいのリターンを用意したわけです。

 

聞き手:クラウドファンディングはお金を集めるというイメージが強いですが、それとは少し異なる考え方かもしれませんね。

船津さん:はい。

いつものサービスの前売り販売という考え方で取り組みました
また、リターンはもう一つのパターンも用意しました。

 

聞き手:リターンを複数用意したんですね。

船津さん:そうなんです。
これは本当によかったと思います。
人によっては2種類のリターン、それぞれを複数ずつ申し込んでくれたなんて方もいらっしゃったので。

今回のプロジェクトでは2パターンのリターンを用意しましたが、さらに上のリターンを用意しても良かったかもしれないとは思いました。
プレミアムリターンプラン、みたいな。笑

 

聞き手:確かにそういうニーズはあったかもしれませんね。

船津さん:自分がクラウドファンディングサイトでプロジェクトをやったのをきっかけに、他の方のクラウドファンディングを支援することにも俄然興味がわいたのですが、色々なリターンがあったほうが、選択肢が多くて選ぶ楽しさもありますね。

実際この前、コロナの影響で演奏の場がなくなってしまった音楽家の方によるライブハウスのクラウドファンディングを支援したのですが、色々なリターンの中で少し高額な「そのライブハウスで演奏できる権利」というリターンに申し込んじゃいました。
高額であっても魅力的なリターンを用意することができれば申し込んでくれる人はいると思います。

ただ、一つ注意点としてはホームページやフェイスブックで情報を流すだけではうまくいかないということです。
実際にお会いした際にお願いすると
「頑張っているし、3000円ぐらいなら出してあげようか」
という人がたくさんいました。その一方で、一生懸命こちらが情報発信をしていたのにも関わらず、
「やっていたことを知らなかったよ」
と後から本を買ってくれた人もいました。
ただ情報を流しているだけでは、なかなか目に止まらないみたいです。

また、ここは反省すべきところなのですが、どうしても「押し売りと思われたら嫌だな」と考えて声をかけられずにいたのもよくなかったと思います。

私も、信頼している人から無理のない範囲でのお願いをされたら協力したいって思いますし、そこは恐れずにお願いしても良かったなとは思っています。

きっと満足してもらえるサービスという自信があったわけですから、少し疎遠になっていた知り合いや会社関係の方に声をかけるチャンスでもあったのかなと。

 

クラウドファンディングをやってみて感じたこと

 

聞き手:結局、クラウドファンディングではどんな人が協力してくれましたか?

船津さん:ふたを開けてみるとはじめてレッスンを受ける人は少なく、ほとんどが過去にレッスンを受けるなどしてくれていて僕のことを信頼してくれている人でした。

ありがたいことに
「船津先生からのお願いなら聞いてあげたい」
と言う人が沢山いたのがうまくいった一番の要因なのではないかなと思います。

そういう意味では、クラウドファンディングは日頃しっかりとしたサービスを提供できているのかどうかが試される場と言えるかもしれません。
少し怖い言い方になってしまいますが・・・。

 

聞き手:クラウドファンディングをやってよかったところって他に何がありますか?

船津さんクラウドファンディングで申し込みをしてくれた人がいるからこそ、いい本を作ろうと頑張ることができたのはメリットだったと思います。

眠い時にも
「寝てもいいかな。いや、クラウドファンディングで支援してくれた人のために頑張ろう」
と執筆に励んでいました。(笑)

クラウドファンディングのプロジェクトは本の完成前に取り組んでいるため、中身を確認しないままに前売り販売でお金を出してくれた人がいることになります。
そう考えると、やっつけの仕事はできないというプレッシャーがありました。

「期待を超えたい!」と、1冊目の何倍もの力をかけて2冊目の原稿を書いたのは今ではいい思い出ですね。

 

その声を変えなければ結果は出ない 船津明生氏 インタビュー

 

出版後の本の活用方法

聞き手:そうなんですね。一生懸命に想いを込めて書かれたこの2冊目の本ですが、今後はどのように使っていく予定ですか?

船津さん:僕の仕事は何といっても「声」に関することで、これは今後もず~っと取り組み続けていきたいと考えています。
だから、そのテキストとしても今回の本は使っていこうと

ボイスセラピーやボイストレーニングの基本をしっかりと書いておいたのでレジュメを作る必要がなくなったのはよかったと思います。
「ここを読んでおいてくれるとわかるよ」
と復習に使ってもらうことができるわけです。

また、本を買ってくれた人は初回に限り特別価格にもしています。

本をあらかじめ買ってからレッスンに来てくれる人もいれば、レッスンに来て最初に本を買ってくれる人もいます。
おかげさまでこの本がビジネスのベースのようになっている感じがしています。

自分の書いた本で授業やレッスンができる、これってすごいことだと思います。
使い勝手がいいのはもちろん、授業へのモチベーションが全く違いますし、受ける生徒さんの満足度も大きく向上できていると感じます。

 

クラウドファンディングでの出版を検討している方へのメッセージ

 

聞き手:最後に、これからクラウドファンディングサイトで出版プロジェクトをスタートしようか迷っている方に向けてメッセージをお願いします。

船津さん:まず、今すぐではなく、将来的に出版をしようと考えているのであれば、その時に必要になる資料やメモを残しておくことをおすすめしたいです。

そうしたものがあると、実際に出版のプロジェクトを進める時にはすごく楽になります。

また、出版できるだけのノウハウやコンテンツがあって迷っているのであれば、まずは一歩を踏み出してみることを強くおすすめします

というのも、クラウドファンディングではプロジェクトが成功しなければみなさんからお金はもらわない、またはもらっていたら返金する、などの処置をして、出版しなければよいだけで、大きなリスクなどありません。
だめだったとしても学ぶことはものすごくたくさんありますし、力をつけてまたチャレンジすればいいだけの話です。

 

聞き手:失うものは少なく、得るものはたくさんあるはずということですね。

船津さん:さらに、僕もそうでしたが、全額の費用をクラウドファンディングで集めようとするのではなく、多少の費用は自分で負担することをおすすめしたいです。

僕も総費用の3分の1を自分で用意して、残りの金額をクラウドファンディングで集めました。

 

聞き手:なるほど、自分でもお金を出して、それに加えて満足してもらえる自信のあるサービスを前売り販売していく、これがプロジェクト成功のための王道パターンということですね。

船津さん:そうですね、そう思います。

 

聞き手:よくわかりました。今回は時間をいただきありがとうございました。

船津さん:ありがとうございました。

 

まとめと情報提供

 

以上、今回はクラウドファンディングサイトで出版にかかる費用を集めた船津さんに話をお聞きしました。

  • すべての費用をクラウドファンディングで集めるのではなく、できる限り自分で集められるよう努力する
  • クラウドファンディングを実行していることをダイレクトに伝えて支援を募る
  • お金を集めることよりもサービスを提供することに努める

といった点が参考になったのではないでしょうか。

是非、参考にしてみて頂ければ幸いです。

 

船津さんがクラウドファンディングで実現した書籍は以下からお買い求めいただけますので、ぜひ読んでみてください。

 

その声を変えなければ結果は出ない 船津明生著

その声を変えなければ結果は出ない(船津明生)

 

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投稿者プロフィール

梶田洋平
梶田洋平
出版ベンチャー企業「ラーニングス株式会社」の代表取締役。

大学卒業後は証券会社に入社し、2つの支店で法人、リテールの営業活動に尽力。
5年弱勤めて退社した後、出版事業を手掛ける会社を起ち上げる。

これまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書は3000冊以上。

『出版を変える、出版で変える』を合言葉に、はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象とした事業を展開。
出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。

好きな本の分野は経営者の自叙伝やマーケティング、経営に関する実用書。
愛知県名古屋市出身。趣味は読書とスポーツ観戦。

近著:
「7日でマスター 株チャートがおもしろいくらいわかる本」(2017年ソーテック社)
「7日でマスター 投資信託がおもしろいくらいわかる本」(2018年ソーテック社)
「いちばんわかりやすい 60歳で2000万もらうiDeCo年金のはじめ方」(2019年ソーテック社)
「世界一やさしい 株・FX・投資信託の教科書」(2020年ソーテック社)
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