BtoB事業者のためのマーケティングにおけるKPI設定の方法と4つのポイント

BtoB事業者のためのマーケティングにおけるKPI設定の方法と4つのポイント

BtoB事業者のためのマーケティングにおけるKPI設定の方法と4つのポイント

 

今回はBtoB事業者に向けて、マーケティングの適切なKPIの設定方法について解説していきます。

 

BtoBでのマーケティングは、営業目標や会社の事業目標から軸をそらさずに、施策の選定、実行、改善を行い、そして長期的に安定した運用を行う必要があります。

 

また、そもそものBtoBの営業についても熟知していなければ、成果の出るマーケティングプランは出てきません。

 

この記事では

  • BtoBでの必要なマーケティングはなにか
  • どのようにKPIを設定するといいのか
  • 施策ごとのKPI設定の事例

についてまとめています。

 

ぜひご覧ください!

 

【監修者】
 梶田 洋平
 ラーニングス株式会社 代表取締役
大学卒業後は証券会社に入社し、5年弱勤めて退社した後、出版事業を手掛ける会社を起ち上げる。
大学時代からこれまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書・実用書は3,000冊以上。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象に、出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。

 

 

 

 

マーケティングとはなにか

 

ビジネスを行っていると、よく「マーケティング」という言葉を聞きますよね。
実際に貴社でもマーケティングをされているかと思いますが、「マーケティングとはなにか?」と聞かれた際、どのように答えますか?

 

マーケティングとは、そもそも商品やサービスが売れるための仕組みをつくることを指します。

 

従来のこちらから「買ってください!」と言う押し売りの姿勢ではなく、商品、サービスを市場に出して情報発信を行い、顧客が買いたいタイミングでの購入、本当にこの商品、サービスが必要だと納得して購入するところが、マーケティング活動を通した購入までの特徴です。

 

市場調査やサービス、商品の開発、宣伝、販促、広告、営業、購買後フォローなど、必要な顧客発掘から成約までの全てのプロセスをマーケティングと呼ぶのです。

 

 

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BtoB事業者がマーケティングを行ううえで大切なこと

 

では、BtoB事業者がマーケティングを行ううえで大切なことはなにかご存じですか?

 

それは、法人が法人へと商品、サービスを売る際のネックを理解し、それに対してしっかりと対策を練ることです。

 

BtoBの営業におけるネックは、

  • そもそもの顧客となりうるターゲットが限られている場合があること
  • 成約までのリードタイムが長いこと

の2点があげられます。

 

これらは、ターゲットを広げる&商品、サービスに合致するターゲットを発掘することと、リードタイムの長さを考慮して、顧客が買おう! と考えたタイミングでのアプローチをする、つまり、タイミングを逃さない仕組みを作ることで対策できるのです。

 

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下記の図をご覧ください。

 

顧客の状態と顧客数の推移

 

こちらは顧客の状態と顧客数の推移をわかりやすくしたものです。

 

どんな商品、サービスを売る場合でも、「商品やサービスを知らない」という人が全てにおいて一番大きい顧客数となります。

そして、購入度合が高くなればなるほど、顧客数は絞られていきます。

 

 

これは、どんなサービス、商品を売るにしても念頭においておきたい事実です。

「こんなこと当たり前じゃん」と思われるかもしれませんが、意外と抜け落ちていることが多いのです。

 

 

さて、この図を使って伝えたいことはこれだけではありません。

 

この「商品、サービスを知らない顧客」から段々と「購入することを決めている顧客」になるにつれて数が少なるということが変わらない事実に対してどのように対策を練るか、ということです。

 

これに対しては、主に2つの対策をとることができます。

 

 

下記の図をご覧ください。

 

購入決定顧客数を増やす2つの方法

 

オレンジの点線には「分母を増やす」、緑の点線には「確度を上げる」と書いてあります。

この解決策①と②は解決ができる順番を指しています。

 

まず、①ですが、商品やサービスを知らない人、営業時にまだアタックしていないところを増やす新規顧客の開拓を行うことが必要です。

 

例えば、現状月1,000社の新規顧客へテレアポやDMを行っているとしたら、単純にその数を増やすことで購入を検討する見込み客の数も増やすことができます。

 

他にも広告宣伝を行って、商品やサービス自体を多くの人に知ってもらうことも必要になってきます。

右肩下がりになることが分かっているなら、スタートの数値を高くすることが大切なのです。

 

次に②の「確度を上げる」についてですが、例えば月1,000件の新規顧客の成約が月5件である場合、その月5件の成約を月7件、月10件へと増やしていきます。

難しいと感じるかもしれませんが、適切な情報発信や提案、営業の質を高めることでこれを実現することができます。

 

 

また、①分母を増やすという部分で、商品やサービスを知らない人と商品やサービスを知っている人の差を埋めることも大切です。

 

知らない人1,000人のうち、知っている人700人になるよりも、知らない人1000人のうち、知っている人900人になるほうが、アタックできる母数も増えます。

そのためにも、商品やサービスの認知度を上げることが大切です。

 

 

認知度アップについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらの資料をご覧ください!

 

 

そして②確度を上げるの部分では、顧客を育成し、見込み顧客の数を増やすことで数字が落ちることを防ぐことができます。

 

商品やサービスを知っている全員が購入することは難しいですが、その確度を上げることはできるのです。

これは地道な情報発信、積極的かつ顧客の負担にならないラインでのコミュニケーションの創出、顧客に商談へと誘うタイミングの見極め、商談時の質など、改善する部分が大きく負担のかかる作業です。

 

しかしながら、この分母を増やし、確度を上げることができれば、会社としても利益をあげやすくなります。

そして、これらを行うことがマーケティングなのです。

 

購入決定顧客数を増やす2つの方法のポイント

 

 

話を冒頭に戻しますと、

  • そもそもの顧客となりうるターゲットが限られている場合があること
  • 成約までのリードタイムが長いこと

 

この2点がBtoBの営業のネックでしたが、

  • 分母を増やす→ターゲットを広げる&商品、サービスに合致するターゲットを発掘すること
  • 確度を上げる→リードタイムの長さを考慮して、顧客が買おう! と考えたタイミングでのアプローチをする、タイミングを逃さない仕組みを作ること

これらの対策を行うことで解決することが可能です。

 

 

 

KPIとはなにか

 

ここまで、マーケティングとはなにか、BtoBマーケティングで気を付けるべきことについて解説しました。

ここからは、マーケティングを行ううえで大切なKPIについて解説していきます。

KGI、KSF、KPIについての説明

 

KPIとはKey Performance Indicatorの略称で、日本語では「重要業績評価指標」と呼ばれています。

ゴール達成のために必要なプロセスごとの評価を行うのがKPIです。

 

また、KPIを設定する際にはKGIとKSFも設定されます。

 

KGIとはKey Goal Indicatorの略称であり、日本語では「重要目標達成指標」と呼ばれています。

KGIはマーケティングやビジネスの最終目標を数値で表したもので、それを達成するためのプロセスをもとに設定した中間目標がKPIです。

 

また、KSFとはKey Success Factorの略称であり、日本語では「重要成功要因」と呼ばれています。

これは、行う施策において重要なキーとなるものを明確にするものです。

中にはKFSといってKey Factor for Successと表記される場合もありますが、KSFと同じ意味を指します。

 

 

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BtoBマーケティングのKPI設定に必要な4つの手順

 

それでは、ここから実際にKPI設定の手順を説明していきます。

必要な手順は以下の4つです。

 

  • 現状の把握
  • 理想のフローを考えてみる
  • 足りない部分を踏まえて現実的な目標(KGI)を設定する
  • 必要なKPIを考える

 

一つずつみていきましょう。

 

現状の把握

 

まずは、現状の把握をすることが大事です。

月5件しか売れていないのに、もっと売れていると思って月20件売っている! となると全ての計画は上手くいきません。

まずはしっかりと現実と向き合っていきましょう。

 

商材や企業規模、営業フローによっても違ってくるかと思いますが、下記の図のように月ごと、もしくは日数ごとの件数を出していきましょう。

 

月間・年間営業件数の把握

                                         ※年間でも月間でも使えます

 

現状、営業活動のみの場合は水色、マーケティングを行っている場合は紺色部分の件数を出してみてください。

 

より精度を上げたい場合は、平均の商談件数、商談から成約までの最短、最長期間なども把握するといいでしょう。

月間平均商談件数、成約までの最短最長期間

                                         ※月間把握が可能です

 

 

理想のフローを考えてみる

 

さて、現実を直視したあとは明るい未来を考えていきましょう。

下記図は先ほど使った図を使って作ったものです。

 

営業フローの比較

 

水色部分が現状の件数とネックを書いたもので、従来の営業活動の状態を書いています。

 

そして紺色の部分が理想の営業活動で、マーケティングを活用した場合です。

1件の成約にかかる負担の差がわかる状態となっています。

 

この例では、従来の営業活動からマーケティングを通した営業の負担の差や件数の差を知ることができます。

 

 

現状を見てみると、1,000件のリストをあたっても、商談が実施できるのが20件、そして成約が1件という状態で、営業マンにかかる負担が大きいことがわかります。

 

一方、理想の営業ですが、1件の成約を獲得することは同じですが、見込み度の高いリスト20件にアプローチして5件の商談を行って1件の成約をとる、というものになっています。

 

つまり、マーケティングを行うことで、例えば月80件にアプローチして20件の商談を行ったとしても、成約数は1件から4件と増やすことができるのです。

 

この時点ではあくまでも理想ですが、これが実現できたら営業マンの負担が減るだけでなく、成果を実感することができるのでモチベーションも高いまま仕事ができるようになります。

そして雇用が定着し、売上アップを実現することができるのです。

 

 

足りない部分を踏まえて現実的な目標(KGI)を設定する

 

では、現状と理想を比較して足りない部分はどこか、そして現実的な目標(KGI)を設定していきましょう。

 

先ほどの例を使って説明します。

現状と理想はそのままに、例を使って説明するために必要な前提条件を追加しました。

 

【前提条件】

営業マンは5人、1商材500万円、現状月5件契約、2,500万円の売上

 

  • 現状…リスト1,000件→商談20件→成約1件 1人/月
  • 理想…リスト20件→商談5件→成約1件 1人/月

 

それではここから、KGIを設定していきましょう。

現状の状態では月2,500万円の売上があり、営業マン5人がそれぞれ月1件の成約をしている状態です。

 

しかしながらリスト整理や商談の質などで負担がかかり、また、月20件の商談が負担にもなっています。

 

そこで、理想は5件の商談で1成約をとることです。

営業マンの負担などを考慮した結果、下記を目指すことになりました。

 

【理想を整理した結果】

↪リスト60件→商談15件→成約3件 1人/月

↪リスト300件→商談75件→成約15件 5人/月

 

月売上2,500万円→7,500万円

 

営業マンの月の商談数を15件に、そして成約は月3件とることが理想です。

そうすることで、営業マンの負担が減りつつも、現状から3倍の売上を出すことが可能になります。

 

 

しかし、そのためにはやらなければならないことが山ほどあります。

 

まず、KSFとして、情報発信をするメディアをつくる自社サービスの広告宣伝を行う必要があります。

 

そしてそれぞれを細分化すると、KPIに月10件の新規記事投稿、4か月以内に5つのキーワードで検索1位獲得…といったものを設定することができます。

 

自社サービスの広告宣伝のKPIであればWeb広告で月10件の資料請求を目指す、雑誌や番組などのメディアに月1本以上広告を掲載する、といったものが設定されます。

 

必ず、大きいところから細分化して必要な目標を考えてみてください!

 

KGI、KSF、KPIの相関図

 

必要なKPIを考える

 

先ほど、KGIの設定の話の流れでKPIの設定についても少し触れました。

ここでは、必要なKPIとは何かについて考えていきたいと思います。

 

おさらいで、KPIを設定する際の大まかな流れは下記の図の通りです。

 

 

そして、このKPIの設定で大事なのは、無理な設定をしない、かといって楽すぎる設定にもしない、ということです。

 

わかりやすく言うと、例えば現状月10件、新しいコンテンツキーワードを出しており、作業時間も1時間程度であまり負担はないものとします。

それを、無理な設定にすると月100件、楽すぎる設定は月15件というところでしょうか。

 

なんのために新しいコンテンツキーワードを出しているかという部分も影響してきますが、作業時間から考えると、月30件の新しいコンテンツキーワードを出す、ということが適切といえる設定でしょう。

 

 

また、忘れてはいけないのは他の作業との兼ね合いを考慮することです。

 

何も1つのKPI達成に1か月かかりきることはなく、他の作業も並行して行っている場合がほとんどです。

優先順位や重要度の高いKPIがこなせ、かつ必要なKPIを設定することが、マーケティングを行い続けるためにも必要なのです。

 

 

BtoBマーケティングで行うそれぞれの施策のKPI例

 

施策ごとにそれぞれのKPIの例をあげていきます。

  1. 営業
  2. インサイドセールス
  3. カスタマーサクセス
  4. オウンドメディア運営
  5. Web広告運営

 

1.営業のKPI

 

  • アポイント数
  • 新規顧客数
  • 新規リード数
  • 架電数
  • 商談数
  • 受注率
  • 受注数
  • 顧客単価
  • 売上

 

 

2.インサイドセールスのKPI

 

  • アクション数
  • コネクト数・コネクト率
  • 通話時間
  • アポイント数・アポイント率
  • 案件化数・案件化率
  • 受注数・受注率
  • メール送付率・開封率

 

3.カスタマーサクセスのKPI

 

  • 解約率
  • オンボーディング完了率
  • リピート率
  • 売上継続率
  • LTV(顧客生涯価値)
  • アップセル・クロスセルの受注金額/受注率

 

4.オウンドメディア運営のKPI

 

  • 記事コンテンツ作成数/公開数
  • リライト数
  • PV数(ページビュー数)
  • UU数(ユニークユーザー数)
  • CV数/CVR(コンバージョン率)
  • 検索順位/検索エンジンからの流入数
  • SNSからの流入数

 

5.Web広告運営のKPI

 

  • インプレッション数(広告や表示された回数)
  • クリック数/クリック率
  • クリック単価
  • CV数/CVR
  • ROI(広告費に対する利益)

 

 

さいごに

 

さて、今回はBtoB事業者へ向けて、マーケティングのKPIの設定について解説してきました。

 

  • KPIの設定で考える必要のある4つの手順
  • おさえたい、施策ごとのKPI例

 

マーケティングは地道にやり続けることが大切です。

なので、目標設定も無理なく続けられるものを設定してくださいね!

 

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投稿者プロフィール

南川 佳世
ラーニングス株式会社
アドバイザー/ブックライティングサービス『ひよどり』サービス運営統括責任者

大学時代は近世文学を専攻。 日本語教師の資格を持つ。

200名以上の経営者、士業の専門家へのインタビュー経験があり、Webメディアを中心に記事を執筆。
書籍の企画~出版を行うだけでなく、出版記念のウェビナー等、イベントの企画運営も行う。

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