コロナ禍以降に入社した若手社員の教育|育成のポイントと研修方法

 

 

コロナ禍以降に入社した若手社員の育成は、多くの企業が直面している重要な課題です。

リモートワークなど変化する労働環境に対応し、若手社員が早く成長できるようにサポートする方法を考える必要があります。

 

この記事では

  • コロナ禍以降に入社した若手社員の特徴
  • 人材教育の方法と実施のポイント
  • 若手社員への接し方で意識すべきこと

社会人になる直前にコロナが日本に到来し、新卒時に大きな影響を受けた筆者の経験や意見も含めてまとめました。

新卒社員はもちろん、中途の若手社員に対しても効果のある教育方法についてもまとめています。

人材育成に悩む企業の経営者、管理職の方は必見です!

 

【監修者】
 梶田 洋平
 ラーニングス株式会社 代表取締役
大学卒業後は証券会社に入社し、5年弱勤めて退社した後、出版事業を手掛ける会社を起ち上げる。
大学時代からこれまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書・実用書は3,000冊以上。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象に、出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。

 

 

 

コロナ禍以降に入社した若手社員

コロナ禍以降に入社した社員は新卒~中途であろうと、世界の日常が大きく変わった時に社会へと出ました。

これまでも「新入社員とのギャップ」に悩む管理職、経営者が多く話題となってきましたが、コロナ禍以降に入社した若手社員とはそれ以上にギャップが大きいそうです。

 

入社してある程度月日が経てば職場や相手への理解が進み順応する部分も多いかと思いますが、最初はお互い驚く部分もあるでしょう。

これまで普通にできていたことが、コロナによって経験できていないこと、また常識だったものが非常識となり価値観が大きく変わった中で過ごしてきたからこその社会への違和感もお互いが抱えています。

 

時代だから、とそれだけを理由にしませんが、少なくとも相手のバックグラウンドを尊重し理解する接し方を心掛ける必要があります。

コロナの影響で、大人数での飲み会や授業を始めとした対面で人とコミュニケーションをとる機会が大きく減りました。

 

また、海外への留学や長距離の移動などが制限されたため、学習の機会を奪われた方もいらっしゃいます。

リモートでの授業やリモートワークが主流となったことで、自分のペースで勉強、仕事をすることができる一方、対面での叱責などには強い抵抗、不安を覚える人もいます。

 

これらをまとめて「近頃の若者は」「根性が足りない」と言うことは簡単ですが、少しでもバックグラウンドを知っていただけますと嬉しいです。

 

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コロナ禍以降に入社した若手社員の特徴と理由

ここでは、コロナ禍以降に入社した若手社員の特徴についてまとめます。

 

筆者自身がコロナ禍以降に社会人となっていることから、筆者自身の実体験、またそれ以外にも同世代や現役の学生、2023年に新社会人となった人物へのヒアリングをもとに書いています。

全員に一致することではありませんが、要素として当てはまるものも多いと思います。

 

「こういう考えを持っている人もいる」という1つの参考として見て頂けると幸いです。

 

【若手社員の特徴一覧】

  1. 対面でのコミュニケーションが苦手
  2. わからないことはすぐにネットで調べる
  3. プライベート重視 時間内で終わらせる
  4. 相手の迷惑を考える(自分のミスで迷惑をかけることを恐れ、受け身と思われる)
  5. 言われたことはできるけれど、それ以上のことはできない人が多い

 

①対面でのコミュニケーションが苦手

学生時代や新卒での入社ではすでにリモートが主流であったため、長い期間対面で人とコミュニケーションをとる機会がありませんでした

友人同士で会うこともままならず、家族以外の人との話し方、接し方を忘れてしまった、という人も少なくなりません。

少しずつ対面で人と会う機会は増えてきていますが、それでもブランクがある人もいるでしょう。

 

そのため、普通に話すときも

「目線はどうすればいいだろう」
「なんて返そう」
「威圧的に話されるとどう話せばいいかわからない」

といった対人間でのコミュニケーションで不安を覚える人が多い傾向があります。

 

しかしながら、コロナが落ち着いてきた頃に自分からスポーツ系の社会人サークルに参加したりと、積極的に活動をする人もいます。

若手でなくても人付き合いが苦手な方は一定数いらっしゃいますし、忘れていただきたくないのは、誰でも最初の職場、初めて会う人には緊張するものです。

対面でのコミュニケーションに慣れれば解決することでもあるので、若手の人への緊張を「若いから~」と決めつけずに、見守ってあげることを忘れないでいただけると嬉しいです。

 

②わからないことはすぐにネットで調べる

幼い頃からネットが身近にあったため、気になることや知らないことはすぐにネットで調べることがある意味癖になっています。

何もネットですぐに調べることが悪いわけではありませんし、様々な情報に揉まれてきていることは、ネットリテラシーの高い人物であれば、優れた情報、正しい情報を迅速に収集できます。

これはとても素晴らしい能力です。

 

しかしながら、見方によっては

「すぐに答えを求めたがる」
「自分で考えない」

と、すぐ調べる、分からないことはすぐに聞くというこの癖が業務上ではマイナスに捉えられているケースがあります。

 

本人たちにとっては、答えがあるのならそれをすぐに学び、実行に移すことが大事だという認識を持っている場合があります。

もし対応力を覚えて欲しい、自分で考えて答えを出してほしい場合は、その旨を伝える必要があるでしょう。

 

また、「ネットを使ってすぐ調べる」という行為に対して、ネットという便利なものを使っているからか楽をしているとみる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、答えを知ったことをうのみにせず、その得た知識をどう使っているかでその若手社員を判断すると、より相手のことを理解するきっかけに繋がると考えてみてはいかがでしょうか?

 

ネットが全て正しいとするのはいささか危険ですが、ようは使い方次第です。

情報や知識はより良い判断をするための素材です。

 

しっかりとした判断基準を持ち、考え、実行することができていれば、ネットで調べることは悪いことではないでしょう。

 

 

③プライベート重視・時間内で終わらせる

人生120年と言われる時代、人生を仕事だけに捧げる人ばかりではなくなりました

様々な選択ができる時代なので、プライベートを充実させたい、と思うのは普通のことです。

 

「仕事が第一優先」
「24時間働けます」

という時代を生き抜いてきた人たちからすると、なかなか驚く価値観かと思います。

 

しかしながら、今の若手社員はそういう時代を支えてきたお母さんや働くお父さんの背中を見てきました。

 

そして、一向によくならない景気にコロナときて、

「本当に自分の人生に必要なものはなにか」
「自分の人生をどのように生きるか」

について真剣に考えています。

 

働けば働くほどお給料が出る時代は終わりました。

税金が増えるばかり、サービス残業も多く、年金が貰えるかも不安な世界でこれから何十年と働くなら、せめて健康で長く働き続けることを目指そうと思うのは自然なことではないでしょうか?

仕事とプライベートのバランスを整えて、長く健康に生きられることが最大の贅沢なのです。

 

また、時間内に仕事を終わらせるためにも、仕事術や効率化、生産性のアップにはとても興味を持っています。

プライベート重視は決して仕事では楽をしたいのではなく、時間内に仕事をしっかりと終えることが前提であることは理解していただきたいものです。

 

もちろん、この考え方を全ての若手社員が持っているわけではありません。

人生を仕事に捧げてビジネスマンとして、経営者として生きていく決意を持つ人も大勢います。

若手社員の多くは自己実現、自分の人生をどのように生きるかを真剣に考え、そのうえでどう動くかを決めています。

定時であがっていて仕事が終わっていないならいけませんが、全ての仕事を終わらせているなら、それは評価すべきものです。

 

➃相手の迷惑を考える(自分のミスで迷惑をかけることを恐れ、受け身と思われる)

よく「新入社員が電話をとらない」「失敗を恐れてチャレンジしない」と言われています。

あなたは、新入社員はなぜ電話を取らないのか、失敗を恐れているのかを考えたことがありますか?

 

別に仕事をする気がないわけではありません。

全てのケースには当てはまらないかもしれませんが、その理由の多くは「相手へ迷惑をかけてしまう」ことを恐れているのです。

 

例えば、会社のこと、担当者のことを何も知らずに電話を取ったとします。

「●●の件なんだけど」
「○○さんいらっしゃいますか?」

ならいざしらず

「○○について知りたいので説明してほしい」

といったお客様からの電話だとどうでしょう?

 

そんなの、電話をかけてきた人に「確認しますので、少々お待ちください」と答えて担当者に確認すればいいとあなたは思うかもしれません。

 

ですが、この対応は電話をかけてきた人にどのようにうつるでしょうか?

「待たされた」
「電話したのに何も知らない奴が出た」

という印象を持たれる可能性があります。

 

保留で待たせてしまう時間が長ければ、お客様の大切なお時間を奪ってしまいます。

便利になった時代では顧客は待つこと、答えが出ないことにストレスをより感じるようになりましたし、今の若者は情報が多く溢れている中で育っているので、そういう反応が返ってくることが手に取るようにわかります。

 

「そのくらいで」
「顧客側も新人だとわかるだろう」
「変な客だった。ただそれだけのことだし1つ学んだと思えばいい」

と思われるかもしれませんが、「新人ってことはお客様には通用しない」ということはとてもよくわかっています。

 

特に、新人にとって「お客様を怒らせる」「お客様に迷惑をかける」ことは絶対にいけないことと思っているのです。

新人のうちから図太い神経を持てる人材はそう多くありません。失敗に関しても同様です。

自分が失敗をすることは、他者に迷惑をかけることに繋がることをよく理解しているからこそ、「失敗をしないように」「迷惑をかけないように」と慎重に行動するのです。

 

それは「なにかあったら私が責任をとるから」という言葉だけでは解決することではありません。

そのため、ある程度状況を理解し、知識が分かった時点でしか動けないのです。

こういう考え方を持つ若手社員もいることをご理解いただけると嬉しいです。

 

⑤言われたことはできるけれど、それ以上のことはできない人が多い

「応用力がない」「指示待ち人間」など言われることがありますが、入社して3年経ってこれができないならいざしらず、入社当初、あるいはその仕事を始めてすぐの段階でこのように判断してしまうのはいかがなものでしょう?

 

特に日本の教育の中では、例えば「習っていない解法を使ったら減点」という形で指示以外のものを独断で行うと怒られてしまう背景などがあります。

怒られることを気にせずに動いてほしいという思いもあるかもしれませんが、職場での動き方もまだわからない段階では難しいと感じるのも理解できないでしょうか?

 

例えば、3か月やってきたことで、その間このタイミングで一度確認をとる、というプロセスが続いていて、教育担当の判断で、

「どうすればいいと思う?」
「自分の思った通りに自由にやってみな」

という形で自主的に動けるように促すこともできるはずです。

 

もしくは最初から裁量と作業プロセスと求める結果を明示して自分で考えて動いてほしい、と指示をすれば問題ない場合もあります。

 

最初のうちは言われたことをできるだけで100点です。

中にはそれすらも難しい場合も多々あります。

言われたことができるなら、その若手社員はとても優秀な社員です。

 

応用力は経験とともについてくるものでし、もしあなたが早い段階から若手社員に自分で動いてほしいと考えるなら、そう指示してみましょう。

もしくは、どの程度までは自分で判断して進めていいかをわかりやすく伝えておけばいいかもしれません。

 

最初から「できない奴」と決めつけるのではなく、なぜ指示以上のことをしてくれないのかまでを考えてみてください。

 

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若手社員に対する教育の現状

若手社員の特徴について解説してきましたが、ここからは若手社員への教育の現状についてお話していきます。

下記3つが若手社員に対して行われている教育の中で、特に実施されていることが多いものです。

 

  • 研修
  • OJT
  • アプリ

 

研修

オーソドックスなのは研修です。

社内研修、社外研修など様々なものがあります。

 

研修会社が新入社員研修を提供する場合もあります。

その場合高い料金を提示してくることもあるので、慎重な判断が必要です。

 

最初は新入社員研修で社会人マナーや会社のルールなどを学び、キャリアにそって、その都度身につけてほしい内容の研修を実施することが多いでしょう。

講師の力量に左右されることが多く、定着率もバラバラになる側面もありますが、大人数に一定の情報を的確に伝えることができるメリットも大きいです。

日本の教育を受けてきた社員が多ければ、慣れている形式でもあるので受ける側の抵抗がないのも特徴です。

 

研修を効果的に行うためには、研修講師まかせにするのではなく、しっかりと育成に関する方針や計画をたてることが大事です。

 

OJT

OJTとはOn the Job Trainingの略で、上司や先輩が後輩に対して実際の仕事を通じて教育を行うことです。

 

最初から教育係をつけてOJTを行うケース、基礎研修を行い配属後にOJTというケースもあります。

実践で覚えることができるため、成長速度は速いですが、教育担当の力量に委ねられるところも大きいです。

教育をする社員へのフォローもしっかりと行うことで、上手くトレーニングが進んでいくでしょう。

 

ただ、教える人と教わる人によって同じ作業であっても習熟度やプロセスに差が生まれてしまう部分もあります。

現場レベルで統一するべき内容、教育担当者に任せる部分などは明確にし、経営陣との連携もとることが望ましいです。

 

アプリ

昨今、オンライン化が進み、アプリでの学習も一般的になりました。

ビジネス用の学習アプリも多くあり、ExcelやWord、企画書の作りかたなどを動画や記事にまとめられています。

それ以外にも、仕事術や営業のトークスキル、経営者のインタビュー、対談動画など豊富なコンテンツが容易されています。

 

アプリには無料のもの、有料のものとあるので、自社が求めている内容に合わせて選ぶことができます。

アプリでは多くの人が知る企画を考えた方や一般に広く利用されているサービスの開発者など、社内にいるだけでは話をきくことができない人の経験談を聞けたり、生配信のコメントで質問をすることができます。

特に一人ひとりのペースに合わせて学べるところが人気です。

 

ただ、ノルマなどではなく、あくまでも社員の自主性によって学ぶものなので、学習意欲や興味度合いによって差がでてきますし、勤務時間外の学習まで会社の指示に従うことに抵抗を覚える人もいます。

社員に対して義務とするのか、福利厚生の一貫とするのかは慎重に判断する必要があります。

 

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若手社員教育のポイント

はっきりいうと、これらをただ行うだけでは望む成果はあまり得られないでしょう。

 

会社としてまず行わなければならないのは、

  • なぜこのことを知ってほしいのか
  • スキルを身に着けて欲しいのか
  • その先にどのような仕事が待っているか

をイメージできるよう、具体的な目的を若手社員に伝えることです。

 

とてもシンプルなことで、これは何のために学び、どう活かすことを望まれているのかが理解できれば問題ありません。

 

若手社員は右も左もわからない状態で入社してきて、研修と言われて真面目に行い、OJTで学び、アプリで自己研鑽をしたとしても、それを実際の自分の仕事でどう活かすかまで考えることができていない場合があります。

 

マニュアル通りの仕事ならまだ学習の内容の活かし方をイメージしやすいですが、担当者の属人性の強い仕事は特に実際の仕事と結び付けにくいでしょう。

ただ知識を得るだけ、仕事について見識を深めるだけなら、書籍やYoutube、SNSでいくらでも情報収集できますので、あえて会社で時間をとって給料を払ってまでやる必要はないでしょう。

 

「会社がなんのために研修やOJTを実施し、アプリ学習を推奨するのかやっていくうちに気づくだろう」
「やりながら自分なりに答えを見つけてくれればいい」

と思われるかもしれませんが、これは自分で気づかせるには長い時間がかかり、もしかしたらずっと気づかないまま仕事をしてしまうかもしれません。

 

この考えも「すぐに答えを求めたがる」と思われているかもしれないですが、この時代うかうかしていては会社は一気に利益を作り出すことはできなくなります。

最初から能力の高い人間を採用しているから自分で考えてやってくだろうし大丈夫、と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、それでは自己的に働く意識が強くなってしまい、会社への帰属意識が弱く、すぐに転職ということになりえません。

これではいくら優秀な人材を採用したとしても、結果として会社の利益はマイナスになってしまいます。

 

また、中長期的に個々の能力に合わせて着実に育てるとしても、より効果のある育て方を選択するのは間違いではないはずです。

大事なのは、実践で対応できる社員を早い段階で育てることです。そのために入社後の教育はあります。

 

経験がなければ太刀打ちできないこと、知らなければ間違った選択をしてしまうこともあるかもしれませんが、

最低限ここだけは抑えておけば、あとは個人の力量と先輩上司のフォローでなんとかなる状態にまで持って行きたいものです。

 

そのためには、仕事をする上での判断基準を持ち、どこまでが自分の裁量なのかを明確になっている状態か把握しており、仕事をする上でのビジネスマナーと自分の仕事に対する必要な知識を得ている状態であれば、まずはスタートラインに立てるでしょう。

 

これが実現できるように人材育成を行うことをおすすめします。

優れた講師やツールを使うことだけが教育ではありません。

 

会社が社員に対してどのような成長を期待しているかをしっかりと伝えることが何よりも重要です。

 

 

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若手社員への接し方

若手社員に対して、どのように接することがベストか頭を悩ませている方も少なくないと思います。

あくまでも人対人なので相性もあるでしょうし、はじめましての状態からであればお互いにリスペクトを持って接するほうが、今後の関係性を考えたときも良いでしょう。

 

若手社員と括って接するのはやや早計です。

世代ごとの特徴などはあるにも、性格も能力も得意なこともバラバラです。

 

最初は緊張から、若手社員もなかなか自分の本領を発揮できないかもしれません。

不安の大きい状況では、人間誰しも100%の力は出せないものです。

なので、まずは相手がどういう人物なのかを知るところから始めてみませんか?

 

仲良くする必要も優しくしすぎる必要もありません。あなたの立場や仕事によって若手社員と接する機会や場面は様々だと思います。

ただ、どのような立場であっても若手社員と信頼関係を築けるように心がけることはとても大事なことです。

 

信頼関係を築くというと、億劫に感じる人もいるかもしれませんが、普通のことをすればいいだけです。

笑顔で明るく挨拶をする、おつかれさまを言う、小さな変化に気づくことなど最低限のことで十分です。

 

注意すべき点として、小さな変化に気づくというのは、髪型や服装、個人の身体的特徴についての言及、プライベートの追求などではありません。

 

例えば、重たいものを持っていたら「手伝おうか?大丈夫?」と声をかけたり、何か成果を出したなら、すれ違ったときや挨拶した際に「○○よかったよ!」「1位おめでとう!」「頑張ってるね!」という励ましも効果的です。

 

もし暗い顔をしていたり、何か辛そうだったら

「何かあった? 話して楽になることであれば話聞くし、カウンセラーの相談が社内の福利厚生(もしくは制度など)であるから案内できるよ」
「何か先輩や上司にいいづらいことがあるなら、間にはいるよ。言えるときでいいから気にせず話してね」

というサポートもできるかもしれません。

 

早い段階で適切な支援ができれば、早期離職を防げるかもしれませんし、組織の課題も新たに見えてくることもあるでしょう。

 

もちろん関係性にもよりますが、何度か挨拶を重ねていれば、さして不審に思われることもないでしょう。

社内に見てくれている人がいる、応援してくれている人がいる、気にかけてくれている人がいる、頑張りを認めてくれている人がいる、それだけでも大きなパワーになります。

 

気軽に悩みを相談できる先輩社員がいることが、心の支えになることもあります。

よくベンチャーなどでは入って早々挨拶もそこそこに「じゃあこれやっといて」と仕事を渡すケースもあります。

「まあ、ベンチャーだし」と若手社員ももしかしたら思うかもませんが、それでも気にかけることは大切です。

 

教育担当の社員はどのような人物がいいのか

若手社員の教育を担当する社員は、どのような人物がいいのでしょうか?

OJTをするならば、できれば慎重に選びたいところです。

 

1つ理解しておいていただきたいことは、「優れたプレイヤー = 優れた教育者ではない」ということです。

 

中にはどちらもできる人物もいるでしょうが、そのようなケースはごくごく稀です。

 

また中小企業の場合、

  • 1人が受け持つ仕事量が多く教育にまで時間が避けない
  • 新人の教育は面倒だからやりたくない

という意見も出てくるでしょう。

 

そういう人物に無理に教育を任せることはせず、教育担当になることが負担ではない、むしろやってみたい、という社員を教育担当に選ぶことをおすすめします。

部下を初めて持つ社員であっても問題ありません。

 

もちろん、仕事が出来なさすぎる社員や、若手社員がやる仕事と別の仕事をすることが多い社員でないことが前提です。

人と接することが得意で相手の素質に合わせた対応ができ、かつそれが苦ではない人材を選ぶといいでしょう。

 

また、会社が考えている「若手社員にどのように育って欲しいか、どんな活躍を期待しているか」をよく理解し、若手社員のやる気や興味のあること、自信を持っていることと上手く合わせながら導ける人材。

簡単に言えば、自社での就労意欲を高め、モチベーションを向上させ、マネジメントできる人材です。

人当たりが厳しい人、おおらかな人ということで選ぶのではなく、あくあまでも会社の求めることと若手社員の成長をコミュニケーションや仕事で実現させることができるかどうかで判断してみてください。

これらは、他の社員への接し方や仕事への向き合い方などからでも判断ができます。

 

例えば、業務が複雑かついくつもある状態でもすぐに「できない」というのではなく、まずは「どうやったらできるか」を考えて、成果を上げることができていたり、1年、2年のスパンで人物を評価したときにしっかりと自身の工夫や努力もあいまって成長が感じられる社員であれば、若手社員も学ぶことが多いでしょう。

中にはコーチング※1 やティーチング※2 を学んでいたり、大学なので人に物事を教えるスキルを勉強していた人もいるかもしれません。人に何かを教えるノウハウを持っている人も適任です。

 

若手社員は何かしらの希望や野望を持って入ってきます。

その意気込みをなくさずに最大にできる人が良い教育担当となるでしょう。

 

※1 コーチング…指導する相手に対し、答えを引き出す問いかけをしたり、共感や傾聴を第一に気づきを与える方法のこと

※2 ティーチング…指導する相手に答えをまず与え、持っている知識や技術を伝えること。

 

若手社員を育成して何を得るか

人口の少子高齢化により、日本人の若手社員の採用は困難を極めています。

誰でもいいという人材ではなく、自社の理念を理解し共感し、長く働いてくれる社員を求めるならば、下準備はとても大切です。

 

  • 自社の理念の発信、社内への周知
  • 働きやすい環境づくり
  • 既存社員へのフォロー
  • 社内で新入社員、若手社員をどのように育てるかの認識を合わせること
  • 欲しい人材を獲得するための採用戦略
  • 人材の育成フローの確立
  • 社員の採用~長期雇用に向けたキャッシュフローの安定化

 

おおまかにまとめましたが、それでもこれだけのことをやらなければなりません。

常に状況が変化し、目先の売り上げや既存社員のフォローもする中だと、経営者自らの手で、もしくは社内リソースだけで解決しようとするのは難しい話です。

人事に任せることもできるかと思いますが、何かの施策をうつためにも会社が協力的な姿勢を見せることは大切なことです。

 

こういった問題を解決するために、「ビジョンブック」を起点とした人に関する問題解決が多くの企業の中で導入されています。

「ビジョンブック」とは、会社の理念や創業ストーリーだけでなく、会社が社員に求めることや、社員が会社をどういう風にしていきたいか、などをまとめ、それを1on1や会議などでも活用できる仕様になっている書籍のことです。

 

弊社ラーニングスでは、現状の会社の問題点の洗い出し~戦略プランの立案~ビジョンブックの制作~活用のアドバイスまで一気通貫で行っております。

また、ラーニングスでも実際にビジョンブックを活用し、失敗も成功も経験してきました。

社員教育だけでなく、採用活動での活用方法、入社後の社員への教育など様々なノウハウが蓄積されてきましたので、貴社のお役立ちができると考えております。

 

少しでもご興味のある方はぜひ1度弊社、他者での導入事例のご紹介、ビジョンブックの効果についてご説明する機会をいただけますと嬉しいです。

 

ビジョンブックに関してはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください↓

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さいごに

  • コロナ禍以降に入社した若手社員は対面でのコミュニケーションが苦手であったり、相手の迷惑を考えて受け身に見えてしまうことがあるということを理解することが大切
  • 人材教育の方法にはおもに「研修」「OJT」「アプリ」があるが、会社としてまず行わなければならないのは、何のために学び、どう活かすことを望まれているのかを新人に伝えること
  • 若手社員への接する際は、お互いが相手を理解し尊重しようとすることが大切。

 

特にコロナ禍で社会に出てきた若手社員においては、個人の考えを理解し、コミュニケーションや教育において新たなアプローチを取り入れる努力が必要と言えます。

 

若手社員の成長に力を注ぐことで、企業全体の活力と競争力の向上につながることを忘れず、若手社員の教育の際はこの記事の内容を参考にしていただければ幸いです!

 

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投稿者プロフィール

南川 佳世
ラーニングス株式会社
アドバイザー/ブックライティングサービス『ひよどり』サービス運営統括責任者

大学時代は近世文学を専攻。 日本語教師の資格を持つ。

200名以上の経営者、士業の専門家へのインタビュー経験があり、Webメディアを中心に記事を執筆。
書籍の企画~出版を行うだけでなく、出版記念のウェビナー等、イベントの企画運営も行う。

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