コロナ禍において、持続化給付金や家賃支援給付金などの国の支援策が軒並み終了する中、今回中小企業に向けて、新たな大規模な補助金制度ができました。
その最終的な情報が開示されてから、約1週間というスピードで本を出版した税理士の都氏。プリントオンデマンドだからこそ実現した今回のスピード出版ですが、初めての出版で不安もあったといいます。
プリントオンデマンド出版を選んだ経緯、またその費用対効果や、実際に出版してからの反響など、余すところなく伺いました!
書籍タイトル: 「事業再構築補助金」完全攻略マニュアル
著者: 都 鍾洵(みやこ しょうじゅん)
関西大学大学院法学研究科卒業
明和マネジメント税理士法人代表社員・税理士
1981年11月3日大阪生まれ
ものづくり補助金や事業再構築補助金など大型補助金申請支援を得意とする。中小企業者向け最小の負担で最大の成果が上がるように独自の採択方程式を作成、多数の補助金獲得に貢献している。
事業再構築補助金ではそのノウハウを活かして攻略マニュアルを出版。アマゾン中小企業経営カテゴリーでギフト部門1位も獲得した。
またスモールM&Aも積極的に支援しており、これまでに介護、印刷、音楽教室、広告、飲食店、税理士事務所など、多数の中小企業M&Aの成約に貢献し続けている。
「事業再構築補助金」ー中小企業1事業者当たり最大6,000万、予算規模1兆円を超える大規模補助金制度
・今年度に初めて実施される補助金 ・2020年12月に簡単な概要がでる ・2021年1月中旬に補正予算案が成立 ・3月に公募が開始された |
聞き手(梶田):本日はどうぞよろしくお願いします。まず都さんのご職業について簡単にご説明いただけますでしょうか。
都さん:大阪の北区で税理士事務所を運営しています。
主にスモールM&Aという領域に力を入れています。廃業されるお客様や事業を撤退されるお客様から問い合わせを頂き、我々が間に入って成約実現に向けてサポートさせて頂いています。
また今回出版した本のテーマにもなっている補助金申請支援も、普段より力を入れている分野です。
聞き手:大規模な補助金制度が開始され、今回かなり早いスピードで出版されましたが、狙いとしては“長期間売っていく”というより、“スピードを重視し、販売期間を絞った” 戦略があったのでしょうか。
都さん:その通りです。実は御社の担当のNさんにも「1ヶ月に100冊でもいいのでコンスタントに売れる本が理想。」と言われていました。
元々M&Aに関する本を出版する予定で進めていた所、たまたまそのタイミングで「事業再構築補助金」の簡単な概要が経済産業省より発表されました。もしかしたら、こちらをトピックにして出版した方が時流に乗っているのではないかと思い、内容を急遽変更する事にしました。
聞き手:スピーディーさで言えば、Web広告など他にも選択肢はあったと思いますが、本という媒体を選んだ理由はなんだったのでしょうか?
都さん:私は今回の補助金と同じ経済産業省が主体となっている「ものづくり補助金」の案件を多く取り扱っていますので、ノウハウの蓄積があります。
最初は小さなリリースでしたが、それを見た時に「ものづくり補助金」に似ているのではないか、とピンときました。
また今回の「事業再構築補助金」は最大6,000万という大規模な補助金です。比例して、依頼費用も高くなるので、依頼者が簡単に決断できる話ではないわけです。そこで1つの飛び道具と言いますか、説得力を持たせる意味でも、本出版にチャレンジしてみたいなと思いました。
聞き手:実際かなり短い期間で原稿を作られたと思いますが、どうやって書き進めていかれたのか、また作ってみてどうだったか、感想をお聞かせ願えますか?
都さん:私自身、本を書くことが初めてだったので、今回のスケジュールが短かったのか分からないのですが、短い方でしたか(笑)?
聞き手:はい、内容にもよりますが通常出版されるまで半年から1年かかるので早いですね(笑)。都さんは、恐らく今まで見てきた中で最短のペースです。
都さん:担当のNさんにもスピーディーに対応して頂き、実現した部分もあると思います。スケジュールで言うと、年末に御社に依頼し、年始のお休みのうちに内容固め、5〜6割を書き終えました。
ただ1つ問題があって、その時点ではまだ小さなリリースしか出ていなかったので、補助金内容の詳細や全容が分かりませんでした。
今まで培ってきた経験と基礎をもとに書き進めていたものの、詳細部分は予想して書いていたのでそこが一番大変でしたね。
今までの経験からある程度の確信はあったものの、予想していた内容と全く違うという可能性もゼロでは無かったので、実際の公募要項が出るまでは不安でした。
あとNさんから「最初に目次と章をしっかり作ってから書き出した方が良い」とアドバイスを頂いたのが良かったと思います。おかげで、「最初に形を作りそれを膨らましていく」というように効率よく作業ができたと思います。
利き手:お褒めの言葉を頂きありがとうございます。今回の「事業再構築補助金」の最終的な情報が出たのはいつでしたか?
都さん:HPが開設されたのは3/26でした。今回の助成金は前例がない支援事業だったからなのか、政府からの情報も小出しで煩雑さもあり、都度情報をキャッチアップしていくのが大変でした。
聞き手:本を出版される事自体は、これまでに検討されたことはありましたか?
都さん:はい。仕事柄、今までも大手の出版社からお声がけをもらうことは多々あり、都度検討していました。ただ他社は毎回担当者が変わって、その度に提示される金額も大きく変わるんですよね。「本当にしっかりやってくれるのか」という不安もあり、決めきれない所がありました。
そのような中、御社からDMが届き初めての出版という事もあったので、金額面でもとても試しやすかったです。Nさんには当初かなりタイトな出版スケジールを申し出たところ、「なんとか間に合わせます。」「しっかりバックアップします。」と言って頂き、信頼できると思いお願いする事にしました。
聞き手:ありがとうございます!
今回プリントオンデマンドというあまり馴染みのない出版方法だったと思いますが出版されてみてどうでしたか?
都さん:注文してから印刷するので在庫を持たないとか、早ければその日中に発送されるとか、アマゾンのシステムに正直びっくりしました。
その反面、本を出すのはハードルが高いと感じていたので、本当に書きあげられるのか、どのようなものが出来上がるのか等、実物が手に届くまで不安はありました。実は、プリントオンデマンドという言葉を知ってから失礼ながら他社とも比較させてもらいました。でも御社は安価でありながら、校正もして頂けたので頼んで良かったと思っています。
聞き手:ありがとうございます。出版した後、仕事上で何か反響はありましたか?
都さん:本を見てお問い合わせを頂く事もありますよ。あとは逆に、私がやっているセミナーやYouTubeの宣伝を本に書いた事もあってか、「本見ました。」と言ってセミナーに来てくださる方が増えました。セミナーで話している時も、本の話をすると説得力があると感じています。
聞き手:元々M&Aの本を出版するつもりだったという事でしたが、今後出版される予定はありますか?
都さん:まだ構想を考えている最中ですが、書いていこうと思っています。
聞き手:最後に、これから出版に取り組む人や企業の方に向けて、反省点もあればそれを踏まえてメッセージを頂けますでしょうか。
都さん:今回スピードを優先して出版し、短期間のわりによく出来た本だと思っています。ただ、私のような例は少ないかもしれませんが、日々情報が変わっていく中での出版だったので、そこの部分をもっとフォローしておくべきだったと思いました。
と言うのも「どの時点の情報の本なのか」というコメントを頂いた事があったんです。本の冒頭で触れてはいるのですが、「何月何日時点の情報なので、最新情報をご確認ください」等、もう少しこまめに書いた方が、読者の方にとって丁寧だったと反省しています。
お客様にご迷惑をおかけしたり、クレームにつながったりする可能性もあるので、スピード出版かつ、今回のように首尾一貫しない状況の場合は、出版後のフォロー(情報が変わった後に本を手にした方へのフォロー)をもっとしっかり出来たら良いと思いました。
あと私の場合、全部ひとりで書いた訳ではなく、社内のスタッフにも不備や間違いがないかチェックしてもらいました。できれば、周りの人にも見てもらって客観的な意見をもらいつつ進められると、よりブラッシュアップされたものになると思います。
私が想像していたより、御社には校正をしっかりやって頂いたり、挿し絵も入れて下さったりと、しっかり伴走して頂いたので心強かったです。
出版はハードル高くて中々踏み出せない気持ちも分かりますが、プリントオンデマンドの様に簡単に出版できる時代になっているので、ぜひチャレンジしてもらいたいと思いますね。
聞き手:仰るとおりプリントオンデマンドは従来の出版形式より簡単に出版出来る事が大きなメリットです。この度は、これから出版を考えている方に大いに役立つ情報をお聞かせいただき、ありがとうございました!
聞き手プロフィール:梶田洋平
出版ベンチャー企業「ラーニングス株式会社」の代表取締役。大学卒業後は証券会社に入社し、2つの支店で法人、リテールの営業活動に尽力。5年弱勤めて退社した後、出版事業を手掛ける会社を起ち上げる。これまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書は3000冊以上。『出版を変える、出版で変える』を合言葉に、はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象とした事業を展開。出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。好きな本の分野は経営者の自叙伝やマーケティング、経営に関する実用書。愛知県名古屋市出身。趣味は読書とスポーツ観戦。
知識0から本を出版する方法7step
これから出版に取り組むかどうかを検討している方に向けて、出版までの手順を解説します!
- 『出版の力』を知ろう
- どのような目的で出版するかを決めよう
- 出版方法を決めよう etc.
投稿者プロフィール
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新卒で大手旅行会社に入社し企画部に4年従事。
地方にはまだ知られていない観光資源がある現状を知り、地域活性化に興味を持つ。退職後、長野の乗鞍高原の宿にて宿泊業、東京に戻りインバウンド業界に転職し経験を積む。
現在、兼業ライターとして日々勉強中。
将来の夢は、日本全国を飛び回り、地方の魅力を発信するライターになる事:)
趣味は旅行と読書、犬の画像集め。
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