今回は書籍『RPAで成功する会社、失敗する会社 ――「人が本来やるべき仕事」にシフトする考え方と実践手順』を出版されました、ヴェールコンサルティング株式会社 代表取締役の大西 亜希(おおにし・あき)氏にお話を聞いてきました。
RPAが会社の業務においてどのように役立つのか、また本書を読むことでどんなメリットがあるのかなどについて見ていきましょう。
大西 亜希(おおにし・あき) ヴェールコンサルティング株式会社 代表取締役。 中小企業診断士、高度情報処理技術者。 みずほ情報総研株式会社、アビームコンサルティング株式会社を経て、現職。 これまでに大企業から中堅・中小企業まで、100社以上のITコンサルティング・業務改革コンサルティングに従事。 施策の提言に加え、組織の個性に合わせた仕組みの具現化、経営層や現場の自主性を最大限に引き出すプロジェクト推進を得意としている。 デジタル庁 非常勤職員(ITストラテジスト)、一般社団法人 IT顧問化協会 副理事、学校法人 産業能率大学 総合研究所 兼任講師なども務める。 著書に『新IT組織論 中堅・中小企業のためのCIOハンドブック』(ギャラクシーブックス)がある。プライベートでは2児の母。 |
聞き手:こんにちは。まずは大西さんの経歴と現在のお仕事について教えてもらえますか?
大西氏:はい。
新卒で銀行のシンクタンク(ITコンサルティング会社)に入社し、その後外資系のITコンサルティング会社に転職しました。
いずれも5000人前後のコンサルティング会社で、金融機関や上場企業の基幹システムについて、企画構想から設計開発、構築まで一通りの経験をさせてもらいました。
また在職中に中小企業診断士の資格を取り、その後ヴェールコンサルティング株式会社を設立しました。
起業したヴェールコンサルティング株式会社では会社員時代の経験を活かして事業を展開しています。
会社員として勤めていた時には金融機関や上場企業がメイン顧客だったのですが、現在は社員50~500人ぐらいの中堅/中小企業様の基幹システムの導入を支援しています。
中堅/中小企業が基幹システムを入れる際、ベンダー選定が非常に難しいんです。
自分たちの会社でどんな要求があり、どんな機能を付けてもらうのかを選定するのはなかなか難しく、さらに相見積もりを取るのも大変です。
そこで私が要求をまとめて、見積もりをもらって評価をするというところまでお手伝いしています。
要求や機能をまとめた要望書を業界用語としてRFPというのですが、従来入っているシステムでは何が足りないのかなどをヒアリングして私がRFPを制作していきます。
どんな会社でもそうですが、システムを導入してから5~10年ぐらいも時間が経てば業務内容や事業ドメインは変更しているのが普通になります。
そうなるとシステムは古くて使いづらいものになってしまっているので、それを私が手助けしながらシステムを刷新していくというお手伝いをしております。
聞き手:今回は、本を出版されました。これはどのような方に読んでもらいたいとお考えですか?
大西氏:基本はやはり中堅/中小企業の経営者や担当者の方になると思います。
特にRPAのことを勉強しようと考えている方や、会社からRPAについて学習するように指示された方等が主な対象になると思います。
実際、RPAは技術としては素晴らしいものであると考えているのですが実は現場の声を聴いてみると費用対効果が合わないとか、うまく使いこなせていないという声が少なくありません。
そのようにRPAに少し懐疑的な考えを持っている方にこの本を読んでもらって考え方のシフトチェンジ等につながっていくとよいなと考えています。
聞き手:大西さんの本以外にも結構RPAの本は出版されていますよね。
大西氏:そうなんですよ、実は出版はもっと前にする予定だったんです。
それが妊娠・出産等があって予定より出版が少し遅れてしまい、その間にRPAの本が結構出版されました。
でも、だからこそ他のRPA関連の本を読んで、少し難しくてわからなかった方などにも手に取っていただけるようになったのではないかなと考えています。
聞き手:本当に読みやすくてRPA導入の考え方がすごく腑に落ちました。
大西氏:ありがとうございます。
大企業はどこでもRPAを導入しているものなのですが、実は中堅/中小企業は必ずしもそうなっていない現状があります。
さらに言えば、せっかく他社に先駆けてRPAを導入してもそれが単純な費用対効果という面においては満足できていないと感じる人は多いのです。
でも、RPAだけで費用対効果を考えるというのは必ずしも正解ではないとも言えます。
例えば、RPAを導入することによって営業社員の時間が1日30分節約できたと考えたらどうでしょうか?
時給換算で例えば営業社員1人の時給を仮に3000円とすると30分なので1500円、月に直すと3万円しか節約できていないと考えてしまうケースがあります。
もしRPAに10万円かけていたら費用対効果が合わないと判断してしまうのも無理はありませんね。
でも、営業社員の顧客対応や新規顧客開拓に使える時間が1日30分増えたらどうでしょうか?
10万円どころか100万円、1000万円の効果を実現することだって起こりえますよね。
これがRPAで大切にしていただきたい考え方になります。
業務改善だけで考えるのではなく、業務全体を俯瞰的に捉えることでこそ、正しい判断をしていただけるのではないかなと考えて、今回は本にそのような内容を盛り込みました。
聞き手:ありがとうございます。今後大西さんはRPAがどのようになっていくとお考えですか?
大西氏:RPAに限った話ではありませんが、システムは導入すれば終わりではありませんし、RPAの理想を言えばシナリオを社員の方たちが自分で書き換えるなどしてカスタマイズしながら使うようになっていく可能性があると考えています。
私は中堅中小企業相手にRPAを導入する際はそこまで考えて提案させていただいておりますし、シナリオ書き換えのサポートもさせていただいております。
でも、問題がないわけではありません。
特に中堅/中小企業はただでさえ忙しく、さらにはデジタルリテラシーの高い社員は多くないのです。
デジタルリテラシーの高い社員はIT企業に行ってしまい、おかげでITに関係のない会社はITに関することを全て外注することになり、結果として費用ばかりかかってしまうという構図になってしまっています。
とはいえ、中堅/中小企業でなかなかデジタルリテラシーの高い社員を採用するのは難しく、そうした社員がいても常にIT関連の仕事が多いわけではありませんので、双方にメリットのないカタチになってしまうわけです。
聞き手:だからこそ、大西さんのような人をスポットで使ってもらうということですね?
大西氏:そうなんです。笑
システムをどんっと導入してそれで終わりでは、RPAは使いこなせないばかりか使い勝手のいいものにはなりませんし、費用対効果の合わない結果になってしまう可能性が高くなります。
基幹システムの導入等、DX化を進める際にはスポット、例えば週1日・1年間出社してもらう契約などで外部委託するようなカタチを活用していくことがおすすめですね。
聞き手:なるほど、この記事を読んでRPAの導入を検討している方、あるいは導入しているけどうまくいっていない方は是非ヴェールコンサルティング株式会社に連絡してくださいということですね。
大西氏:はい、是非!
共にDXを進め、企業の更なる成長のご支援ができましたらこの上ない喜びです。
聞き手:それでは、インタビュー取材は以上になります。本日はありがとうございました。
大西氏:ありがとうございました。
投稿者プロフィール
- 出版ベンチャー企業「ラーニングス株式会社」の代表取締役。
大学卒業後は証券会社に入社し、2つの支店で法人、リテールの営業活動に尽力。
5年弱勤めて退社した後、出版事業を手掛ける会社を起ち上げる。
これまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書は3000冊以上。
『出版を変える、出版で変える』を合言葉に、はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象とした事業を展開。
出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。
好きな本の分野は経営者の自叙伝やマーケティング、経営に関する実用書。
愛知県名古屋市出身。趣味は読書とスポーツ観戦。
近著:
「7日でマスター 株チャートがおもしろいくらいわかる本」(2017年ソーテック社)
「7日でマスター 投資信託がおもしろいくらいわかる本」(2018年ソーテック社)
「いちばんわかりやすい 60歳で2000万もらうiDeCo年金のはじめ方」(2019年ソーテック社)
「世界一やさしい 株・FX・投資信託の教科書」(2020年ソーテック社)
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