人を補充したいと考えていても、なかなか理想の人材と巡り合うことができずに四苦八苦することも多いと思います。
特に中小企業にとって、良い人材を自社に呼び込むことは会社の将来を左右するとても重要なものです。
また、中小企業であれば人材募集に大手ほどのコストも人員も割くことが難しいと思います。
今回は
- 人材募集の具体的な方法9つ
- 人材募集を効率的に行う方法
- 弊社の人材採用に関する成功事例
ベンチャー出版社である弊社「ラーニングス」で行っている成功例についても取り上げていきますので、ぜひご覧ください!
大学時代からこれまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書・実用書は3,000冊以上。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象に、出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。
人材募集を行う方法の代表例
まず、人材募集を行う方法について、それぞれのメリット・デメリットを合わせてまとめていきます。
- 求人サイトへの登録
- 人材紹介企業へ委託
- 信頼できる人物からの紹介
- ヘッドハンティング
- 自社の採用HPからの応募
- 説明会等の人材募集イベントへの参加
- ハローワークの利用
- 教育機関での募集
- 書籍を使った人材募集
求人サイトへの登録
インディードやエンゲージ、ビズリーチなどの求人サイトへ自社の求人を出す方法があります。
基本的な機能は無料で使うことができますが、掲載数をあげたり、載せる情報を増やしたりする場合は費用負担が発生します。
CMなどで各求人サイトが広告を出しており、求職者も複数の求人サイトに登録しているケースも多いです。
自社が求める人材と求職者が登録している媒体を適切に選ぶことが何よりも重要です。
また、自社情報や社内の雰囲気、仕事内容を文章だけでなく写真つきで載せるとより効果的です。
メリット | 多くの求職者が利用しているため、多数の応募が期待できる。 求人広告を出稿する費用も比較的低い。 |
デメリット | 応募者の質がばらつき、中には求める条件に合わない応募もある。 多くの求人が掲載されているため、自社の求人が埋もれてしまうことがある。 |
人材紹介企業へ委託
人材紹介や人材派遣の会社に任せるケースもあります。
ただ、採用が決まると、紹介会社に紹介手数料を支払う必要があります。
※成功報酬として採用人材の年収の約30%を支払うなど、会社や人材によって変動。
それが担当者の営業ノルマとなっているので、無理に自社に合わない人材をおすすめと紹介され、人材側にもいい会社だからと伝えることでミスマッチがおこり、人材紹介経由での採用は離職率が高い、ということも言われています。
また、このような理由から、なかなか依頼することをためらう方もいらっしゃると思います。
もちろん、ノルマ関係なく本気で良い人材を紹介してくれる企業も担当も多いでしょう。
人材紹介会社と上手に付き合っていくために大事なことは、自社でどのような人材が欲しいのかを明確にし、全てをまかせっきりにするのではなく、最終的な判断に責任を持つことです。
どれだけ担当者が親身になって自社に理解を示していたとしても、条件面で良い人材がいるといわれても、一緒に働くのは採用する側の企業です。
それを忘れずに上手に利用をしてください。
メリット | 人材紹介企業がスクリーニングを行うため、応募者の質が高くなりやすい。 選考プロセスも企業側の手間が軽減される。 |
デメリット | 手数料が高い場合がある。 自社のイメージやカルチャーが反映されない場合がある。 |
信頼できる人物からの紹介
横のつながりがある経営者や担当者のまわりだと、紹介での人材獲得も多いと思います。
紹介をする側は自社の社員の場合が多く、企業理念や企業の方向性、仕事内容、雰囲気などもわかっている人物が、そこにマッチする人材を会社に紹介をします。
履歴書の情報以外の人柄や性格、これまでの人生などを知っていて、なおかつ自社に合うか、といった部分をクリアしている人材が入ってくるため、定着率が良い採用方法と言われています。
ただ、社員と候補者の関係性、今後会社を辞める場合の配慮などが必要です。
メリット | 信頼性が高く、自社に適した人材である可能性が高い。 |
デメリット | 自社のビジネスネットワークが十分でない場合、採用が難しいことがある。 |
ヘッドハンティング
とびぬけて優秀な人材や事業運営にかかせない人材、経営幹部、専門職などを自社に採用したい場合、多くがヘッドハンティングで採用を行います。
ヘッドハンティング専門の会社に依頼しますが、この採用方法は企業が人材から選ばれる立場となるため、企業側の努力が必要不可欠です。
自社に入ってもらうための交渉も必要になります。
メリット | 自社に必要な経験やスキルを持った人材を直接アプローチできるため、採用成功率が高い。 |
デメリット | 専任の担当者を置かない場合、企業側の手間が多く、失敗のリスクが高い。 直接アプローチすることで、応募者に誤解を与える場合がある。 |
自社の採用HPからの応募
最近は自社で採用ページを作成する企業も増えてきました。
アニメや動画を作ったり、社員インタビューやキャリアアップのイメージなどを公開し、求職者へ自社で働くイメージを持ってもらい、応募に繋げていきます。
自社で採用ページをする分には成果報酬等も必要なく、最低限のコストでの採用が可能です。
ただ、それなりに知名度がある会社や導線がしっかりと確立されている企業でないと、採用ページをつくったからといって応募がくるわけではありません。
採用ページを作成したら、WEB広告を出したりと施策が必要です。
メリット | 自社の採用ポリシーや企業文化をアピールできる。 自社の採用ニーズにマッチする応募者が集まりやすい。 |
デメリット | 知名度が低い場合、応募者が集まらない可能性がある。 |
説明会等の人材募集イベントへの参加
ビックサイトなどで行われる就職説明会などのイベントへの参加は、自社をしらない求職者に対してのアピールができるため、広く自社を知ってほしい、興味をもってもらうきっかけを作りたい!と考える企業にとってはとても効果的です。
最近はオンライン限定、現場とオンラインのハイブリッド開催など、様々なかたちで開催されています。
また、説明会に出ているだけでも求職者からは「信頼できる会社」「採用に力をいれている会社」と良いイメージを持ってもらえます。
ただ、開催が土日の場合が多く、担当する社員の負担などを考慮する必要があります。
メリット | 直接交流できる機会があるため、応募者のニーズや企業に対する印象を把握しやすい。 |
デメリット | 参加費や人件費がかかる場合がある。 イベントに参加するためのスケジュール調整が必要。 |
ハローワークの利用
求人媒体と違い無料で利用できるため、ハードルを低く挑戦することができます。
最近はハローワークでは求人をWEB上で閲覧できるようにもなりました。
ただ、掲載の制限があったりと厳しい部分もあります。
求人広告だけでなくより多くの募集を目指す場合はハローワークの利用も検討してみてください
メリット | 無料で求人情報を掲載できる。 求職者からの問い合わせが来やすい。 |
デメリット | 求職者のスキルや経験を正確に把握することができない場合がある。 一般的に応募者数が多く、選考に時間がかかる場合がある。 |
教育機関での募集
大学や専門学校の就職支援課やキャリアセンターで、求人を掲載してもらうこともできます。
その学校によって方法が違う場合があるので、リサーチが必要です。
中途採用よりも新卒採用や特定の技術を持った人材の採用、インターンの募集ではとても有効です。
ただ、学生がどの程度求人を見るかは分からないので、どれだけ応募がくるのかといった予測は立てづらい部分もあります。
教育機関での募集だけに頼らずに、他の募集手段との併用がおすすめです。
メリット | 自社の求めるスキルや知識を身につけている可能性が高い |
デメリット | 卒業までに時間がかかる場合があり、急いで人材を確保したい場合には不向き。 |
書籍を使った人材募集
企業が自社の経営課題の解決のために出版する本である「企業出版」も、採用活動に役立てることができます。
昨今若者の本離れが叫ばれていますが、だからこそ企業が出した本を読んで応募をしてくれる学生は入社意欲が高く、また定着率も高くなります。
就職説明会や面談時に渡して、そこから面接に繋げることもできます。
書籍の中にQRコードを設置することで、メルマガの登録や応募サイトへの誘導も可能です。
人材募集に書籍を使う場合、企業の理念の発信はもちろんですが、その会社独自の仕事術や取り組みの発信なども効果的です。
メリット | 長期的な視点で採用活動を行える。 企業独自の取り組みや強みを深くアピールできるので、採用後のミスマッチを減らせる。 ブランディング効果が期待できる。 |
デメリット | 出版には時間や費用がかかるため、効果がすぐに出るわけではない。 一般的な求人媒体に比べて、閲覧者数が限定される。 |
弊社「ラーニングス」は、企業出版を専門とする出版社です。
企業出版は採用活動だけでなく、
- 人材育成
- 売上アップ
- ブランディング効果
- マーケティング効果
- エンゲージメント強化
というようにビジネスを加速させる多くの効果を持っています。
企業出版についてより深く知りたいという方は、以下の記事をご覧ください↓
企業出版とは法人が出版社に対して書籍の流通を依頼し、出版費用を法人側が負担するスタイルです。 書籍を通じて商品・サービスのPRやブランドイメージの発信を行えば、ほかの媒体を使うよりもはるかに長期的な集客効果[…]
人材募集をするなかでよくある悩み3選
人材募集をする中で、多くの方が経験したことのある悩みとして、下記3つが挙げられます。
- 応募が来ない
- 応募は来るが、自社が求めている人材からの応募がこない
- 優秀だが自社の理念や社風に合わない人材が集まる
応募が来ない
求人を出しても、そもそも応募自体が来ないというケースがあります。
もし、写真がなかったり文言が不足していたりするならば、そこから改善をしていきましょう。
写真や文言などを充実させても応募が来ない場合、そもそもどの程度の人たちがページに訪問しているのかが重要です。
訪問数が多ければ、そこから離れてしまう理由(年収、休日、仕事内容など)を見直します。
訪問数自体が少なければ、求人広告をかけたり、自社のSNS等で告知をしたりと「うちの会社は今人材を募集しています」ということを知ってもらうところから始める必要があります。
また、どのような人材を求めているのかをはっきり示すことができていない場合、求職者に刺さることはありません。
自社がどのような人材を求めていて、その人達が「あ、ここが自分と合う会社だ」と感じることができる求人を目指しましょう。
応募は来るが、自社が求めている人材からの応募がこない
あるあるなのが、応募はそれなりに来ているものの、自社が求めている人物像とはかけ離れた人材からの応募が多いというケースです。
例えば、営業職で募集をかけていても事務志望の方からの応募があったり、若手の採用を狙っていても中間層からの応募が多い、というものです。
求人媒体を見直すことが先決ですが、条件面などしか見ずに応募をする方も中に入るので、仕事内容や条件などはしっかりと書く必要があります。
特に、採用候補者を多くしたいからと、求職者が食いつきそうな条件ばかりを押し出した場合、仕事の本質や会社が欲している人材以外の人から(言い方が少し悪くなってしまいますが、ただその条件だけを甘受したいと考えている人)の応募が多くなってしまいます。
条件ももちろん大事ですが、応募者を多くという路線よりは、自社が求めている人材からの応募を目指すためにも、掲載内容の見直しをしてみてください!
また、掲載する媒体や手法が間違っている場合もあります。
例えば、経験者、中途を採用したいのに、新卒や若手の登録が多い求人サイトで募集をかけていませんか?
サイトごとに特色があるので、それをしっかりと見極めて募集をしてみてください!
優秀だが自社の理念や社風に合わない人材が集まる
優秀な人材からの応募が来ても、自社の理念への共感が薄かったり、社風と合わない場合もあるかと思います。
実際に優秀な人は判断も早く、1つの会社で長く働こうとするのではなく
- 自分がどれだけのスキルアップができるか
- 会社にどれだけ利益を出せるか
という面を重視している場合も多く、理念への共感に対して成果が出る場面以外では関心が薄い場合もあります。
目先の急成長を実現したい場合でも、会社の理念への共感は顧客のためにも重要です。
経営者だけでなく、既存のメンバーとも採用フローの中で1度は話す時間を設け「一緒に働きたいと思えるか」を判断してもらい、意見を聞くことも大切です。
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人材募集を行う際に大切なポイント5つ
ここからは、弊社でも実際に行っている、効率的に人材募集を行う際の大切なポイントを5つに絞って解説していきます!
- ターゲット設定
- 社員の意見を聞く
- 素材を集める
- 採用フローを作り、PDCAをどう回すかを決める
- 採用のケツを決める
ターゲット設定
自社が求めている人材がどのような人物なのかを想像し、決めていきます。
パートさんの募集でも正社員の募集でもこれを行うことはとても大切です。
弊社では多くの応募が来ることも大事ですが、それ以上に自社に合った人材を集めることを大切にしています。
例えば、ただ「書籍のデザイナーが必要」と単純なワードだけで求人のターゲットを設定するのではなく、「BtoBのビジネス書の表紙や挿絵などを作成するデザイナー募集」と細かく具体的に設定をしています。
その上で、スキルや雇用条件、人柄を付け加えていきます。
そして、どの募集の求人を出す際にも絶対にブレない軸として、「変化に対してストレスを感じない、逆に面白いと感じてくれる人材」を設定しています。
弊社はベンチャー企業でもありますし、経営者相手の仕事なので、スピーディーで柔軟な対応が必要になります。
こだわりが強いことも素敵ですが、それ以上に著者様の要望を実現するために一緒に力を尽くしてくれる人を募集していました。
社員の意見を聞く
社員数に限らず、採用をする際は、実際にその人と一緒に働く社員の意見をしっかりと聞くことでお互いのミスマッチを防ぐことができます。
働いた後の定着を見据えるためにも、社員の意見を早い段階できくことはとても大切です。
やはり現場のやりとりを知っているのは現場の社員です。経営層がいいと感じたとしても、一緒に働く社員がどう思うか、逆に求職者側にも社員と話してみてどうだったかを聞いてみるのも大事です。
弊社では、面接で実際に教える側になる社員にも同席してもらって面接を行うこともあります。
社員の「一緒に働くうえできいておきたいこと」は以外と経営層から目から鱗の質問も飛び出すことがあります。
実際に人を雇うのは経営者なので最終的には弊社でも代表の梶田の判断になりますが、それでも社員の意見も重視されています。
例えば、営業が欲しいと考えた場合経験者であればこれまでの実績、未経験であっても合理的に物事を判断できるかを見極める質問をなげかけるかと思います。
しかし、社員側は
- 多種多様なお客様に対応ができるか
- お客様と実際に話すときこの人はどのような態度をとるのか
といった「お客様が求職者を見た際にどのように感じるか」という点を重視して見ることがあります。
話している内容だけでなく、身振り手振り、視線の動かし方、面接する側へどう話を振るのかという部分も見ています。
また、社員と社長とで態度が変わらないか、フラットなのか、答えが変わるのかという部分も見ています。
意外と社員のほうがシビアに求職者を見る面もあるので、経営者の方はぜひ社員の意見も参考に選考をすすめてみてください!
素材を集める
人材を募集するために、いろいろと必要な材料を集めておく必要があります。
経営者や社員の写真を掲載しようと考えた場合、経営者の写真が古かったり、そもそも社員が顔出しNGの場合もあります。
その場合イラストなどでの対応も検討してください。
また、写真がOKでもどのレベルでのOKなのかは確認が必要です。
- 個人が判別できない形で働いている風景に映るのはOKなのか
- 個別での顔写真の掲載も大丈夫なのか
といった線引きはしっかりと確認してください。
また、この時に業務だからと社員に顔出しを無理強いするのは、絶対にNGです。
デジタル化が進み、そもそもネットに自信の情報や写真をアップすることは以前よりも慎重に考える必要が出てきました。
業務だからと会社として指示できる部分もありますが、社員が納得する形での掲載がベストです。
また、社員インタビューや働いている人からのコメントなどをもらうにしても、本名がOKかイニシャルにするかも社員には確認をとりましょう。
様々な事情を抱えている場合もありますし、個人特定をされるリスクは思った以上に潜んでいます。
その他にも、実際の1日のスケジュールや業務内容なども洗い出して視覚的にもわかりやすくする必要があります。
自分が自社に入るときにどういう情報があれば安心か、どんな情報を知りたいかを考えて情報をまとめましょう。
弊社では顔出しをしたくない社員は、イラストで対応をしています。
情報を出す部分も、メールの署名欄に書く内容に留める社員も、自身で考えた内容で発信をする社員もいます。
また、実際に募集する業務内容については、その業務を担当している社員が情報の作成、確認を行います。
また、採用を行うたびに内容をブラッシュアップして、より自社の魅力が伝わる情報の発信に努めています。
ベンチャー出版社「ラーニングス」の採用ページはこちらです↓
採用フローを作り、PDCAをどう回すかを決める
多くの場合、
告知→書類審査→適正検査→面接→2次面接→合否
という流れかと思いますが、募集内容や募集対象によって、このフローは変化するでしょう。
また、業務の内容や求める人材のレベルだけでなく、社内の負担なども考慮して決定していく必要があります。
採用担当者が効率よく成果を出す、勝ちパターンを見出しましょう。
鉄則として応募から15分以内のレスポンスが大事になってきますが、そもそも業務時間外であれば対応をさせるわけにもいきません。
そのために自動返信の設定やテンプレートの設定が必要です。
また、多くの応募が来た時、履歴書や職務経歴書での判断基準についても明確にしておく必要があります。
また、面接の時間でも応募者の良い面を引き出し、また見極めたい部分を知るためにはどのように質問をなげかけ、話し方、言葉の選び方、しぐさなどのどこで判断をするか、判断基準を事前に考えておく必要があります。
弊社では既存社員と応募者の性格や適性がどの程度似ているか、言語化できない部分を数値化できるテストを導入していました。
また、面接時にどのような質問をすればいいかもテストの結果から導き出されているので、ピンポイントで絶対に確認をしたほうがいい部分を見抜けるようにしていました。
それを行うことで自社に合う人材の傾向を掴むことができたので、より良い人材の獲得に労力を割くことができました。
採用をするごとに担当者がうまくいかない部分、うまくいった部分をまとめ、次の担当者へと渡すことで年々良い採用が可能になっています。
また、採用フローや担当者は毎年変えています。
常に採用担当を専任で置くのではなく、その都度担当者を指名することで、新たな採用方法の発見やトライが可能になります。
最初は広告なしの求人→広告をかけた求人(媒体も変更)→採用フローで新テストを導入→ダイレクトリクルーティングを実施と、弊社も採用時期によって手法を変えています。
その時々で必要な人材は変わるので、ずっと同じ方法ではなかなか人材の開拓は難しい部分があります。
また、社員が採用される側からする側へと変わることで、自社についてまたあらためて知り理解して仕事に活かすきっかけになります。
社員の定着をうながすためにも、一部分は社員の持ち回りをすることも効果的です。
採用のケツを決める
採用がなかなかうまくいかないと、どうしてもズルズルと期限が伸びてしまい、いつも求人を出している会社のような印象を与えてしまいます。
そのためにも、●月●日までに決まらなかったら募集を止める、その代わりの施策を事前に考えておく必要があります。
採用を行うのもタダではなく、少なからずコストのかかるものです。
改善もせず、募集がくるまで、理想の人材がくるまで掲載を続けるのはかえって非効率です。
ケツを決めて、そこまで成果を出すためにはどうすればいいかを真剣に考える必要があります。
また、行き詰ったときは、とにかく状況の整理と見直しが大切です。
そして、欲しい人材がどこにいるかのリサーチも重要になってきます。
何か上手くいかないと感じた瞬間にすぐに再調整をしてしっかりと採用が進めることが出来るよう、締め日は決めておきましょう。
また、どういった人材を集めるにせよ、今は人手不足で優秀な人材の確保となればこれまで以上に困難を極めます。
採用ができなかった場合は必ず、より仕事を効率的に回すためにはどうすればいいかを事前に検討しておきましょう。
筆者も実際に採用担当をしましたが、正社員、インターンはどちらも何月何日までと期限が決まっていました。
それで決まらなければ見送りという決断になります。
最終的に雇うかどうかは代表判断ですが、それでも弊社に合う人材、求める人材とコンタクトをとるために期日から逆算することで、採用活動をしっかりとすすめることができました。
SNSでの人材募集の手法について
インターネットが発達していない頃の求人は求人雑誌や張り紙、新聞での告知が主流でした、そこから求人媒体が出てきて、最近ではSNSを活用して人材を募集する企業もあります。
若い人材であればあるほどSNSで情報収集をすることも多く、また働き方やキャリアの展望などを明確に持った人材は自身のキャリアをビジネスアカウントに公開し、企業側から声がかかりやすいように工夫をしています。
それでなくても、自己アピールにSNSのフォロワー数を伝えたり、企業側も危ない人材を省くために応募者のSNSアカウント、裏アカ(親しい人にしか公開していないアカウント)まで調べるケースもあります。
それほどまでに現在はSNSの活用に関して、企業側も求職者側も重視しています。
企業の場合、ナカノヒト(投稿・管理をしているSNS担当者)を押し出した企業アカウントや広報担当や経営者がSNSでの発信に力を入れて、DMから応募ができるようにする場合もあります。
また、広告で実現できることも増えてきました。
年齢や性別だけでなく、サイトの閲覧履歴から関心度・興味を判断し、自社の求人を見せることも可能です。
実際にSNSが入社の決め手になるのか
SNSで求人広告をかける企業も多いですが、多くの場合、TwitterやTikTok,Instagramを見ながら出てきた企業に就職をしようと決めるのは成功率としては低いです。
なぜなら娯楽のためのSNSを見ながら真剣に就職先を探すケースが少ないからです。
情報収集にとどまる場合が多く、そこから直接の応募にまでは繋がることは少ないです。
ただ、自社を知ってもらうためにはやはりSNSの運用は1つの手段です。
また、普段から採用専門でSNSを活用しているならいざしらず、日常の発信を行っているアカウントであれば求人広告をかけるのはなかなか効果を実感することが難しいと思います。
採用候補者がSNSだけで入社を決意するというよりは、SNSへの力の入れ方や企業としての魅せ方をポジティブに受け止めて、より興味関心度を高めることには役立ちます。
そしてもしターゲットに合った人材を見つけたい場合は、ビジネス専用のSNS(LinkdinやWantedlly、Eightなど)を活用するほうが効果的です。
弊社ではSNSで求人広告はまだかける段階でないと判断しています。
すでに効果があったと実感しているのはnoteや広報のアカウント、また代表のアカウントで社内の見える化を意識的に行ったことで、採用候補者に対して安心感や企業としての信頼を獲得することに繋がりました。
弊社で実際に行って成果が出た人材募集の効率的な方法
今回は、弊社の中途採用の採用とインターンの採用の成功事例をご紹介します。
また、インターンの実施で現役の大学生にヒアリングした就活事情についてもまとめました。
中途採用を行う際の弊社で実施した方法
現在はまた採用活動を行っている最中(2023年4月時点)ですが、これまでの実績も合わせてどのように人材募集を行ってきたかをまとめていきます。
出版社というだけで、他の業種よりは応募者は比較的多くなってきます。
これまで、弊社はただ編集だけの人材というよりは、法人営業~編集~販促、人事、事務など様々な仕事をこなす必要があるので、まずそこでのミスマッチを避けるためにも仕事内容はしっかりと記載してきました。
ベンチャーの出版社なのでなにぶんやることが多いですが、それだけだと働きづらさを感じさせてしまうため、弊社が取り組んでいる
「短時間で結果を出す」
「効率的な仕事をする」
「オンとオフをしっかり分ける」
部分を代表の実体験とともに発信をしてきました。
ただ勤務時間が短いのではなく、8時間分の仕事を6時間でこなす能力を磨くから実現できること、長時間労働を実際に社会人時代に代表が経験したからこそ自社ではやらないと決めた背景など、エピソードを添えることで、共感を得られるようにしてきました。
そうすることで、本当に自社と会う人材の採用へと繋げることができました。
特に大事だったのは、理想の人材、納得できる人材に会うまでは決断を急がないことです。
期日を設定するとどうしても成果を出そうと早く決断しがちになりますが、人の採用は慎重に行わなければ企業にとっての損失も大きいものとなります。
100人以上の応募があった中で1人の採用に半年以上の選考期間をかけたこともありました。
また、採用サイトの充実や若手社員による社内の情報発信に力を入れることで、弊社「ラーニングス」の名前を知ってくれる人を増やしてきました。
ラーニングスを知っている→仕事内容や社員の仕事や休日の見える化、発信と、そもそも応募者が集まりやすい状況をつくることに力をいれています。
また、弊社が持っているネットワークを使って、最新の採用方法などは常にキャッチできるよう、また採用担当以外でも情報が入ったら、その時の採用担当に情報が渡る用に周知をしています。
同時に、企業理念に合った人材がどこにいるか、何に興味があるかといった部分は会社全体でアンテナを張って意見交換をしています。
採用担当者や経営者に任せきりにするのではなく、担当者以外も採用に関して関心を持つことで、より良いアイデアも生まれて、十分な人材募集、本当に採用したい候補者だけの採用へとつながりました。
代表梶田のnoteが採用を意識した内容の発信をおこなっていますので、ぜひご覧ください↓
ラーニングスはミッションとして「出版の明日を創る」を、ビジョンとして「出版の新しいカタチを世界に提案し続けるベンチャー企…
インターン募集で弊社で実施した方法
先ほどは中途採用でしたが、次はインターンの人材募集方法についてまとめていきます。
正直、弊社ではインターンを実施すると決める前までは中途採用、すでに社会人の人をターゲットに採用を行っていたので、全くの未開ゾーンでした。
新卒採用に繋げるためにも、自社に合った学生の発掘はとても重要でした。
インターンを実施すると決まったのが1月、インターンの開始は8月からを予定していました。
まずはインターンをどう実施するのか、他の企業がどのようにインターンを実施しているのか、また社内や知り合いに実際に大学時代にインターンに参加した人を探してヒアリングを重ねました。
そもそもインターンの担当を含み社内でインターンを体験したことがある人材が少なく、「インターンとはなにか?」から始まりました。
インターン生にお願いする仕事内容は自社のWEBメディア「シュウカツ部」の運営と決まっていましたが、それを実行するターゲットを決定するまで3か月ほどかかりました。
実際にメディアを運営している社員から求められる能力についてピックアップし、とびぬけて優秀な学生というよりは、経営者相手に物怖じしないタイプ、もしくは大人との会話に慣れている学生の獲得を目指すことになりました。
そこからインターンの募集方法、採用方法についての検討に3か月かかり、実際に募集をかけはじめたのは6月からです。
とにかく準備や下調べ、求人情報に必要な素材づくりに時間をかけました。
インターンの募集サイトは様々ありますが、使ったのはJEEKというサイトです。
長期インターンに特化しており、企業が参加できる説明会も定期的に開催されており、まだ学生と接する機会がほぼゼロの弊社にとってはPDCAがかなり早く回せると感じました。
企業説明会に参加し一度に数十名の学生と話し、良い人材と個別面接を行います。
中途採用と違うのは、学生がインターンの中で成長をする姿まで想像しなければいけないということです。
1回目に会った印象と2回目に会った印象、成長具合は全く違います。
最初はできなくてもすぐに吸収し改善しより良くなる姿を目の当たりにしたことによって、将来性を加味することになりました。
インターンは2022年8月から実施し、2名の学生を迎えることができました。
さいごに
ここまで人材募集の効率的な方法についてまとめてきましたが、一番大事なことは、求職者の目線に立って自社のどんな情報を知りたいか、どんなことを知れたらもっと興味を持って応募してみようと感じるかを考えることです。
採用活動において、企業が有利の時代は終わりました。
これからはより採用活動は困難を極めますし、特に中小企業を志望する人材の獲得はもっと難しくなります。
企業としても採用ばかりにリソースを割いていては本来の企業活動に注力できずに利益が止まってしまうので、外注できる部分は外注し、大事なところだけ自社でできるような人材募集の手段、採用の方法を検討してみてください!!
【参考書籍】
投稿者プロフィール
- ラーニングス株式会社
アドバイザー/ブックライティングサービス『ひよどり』サービス運営統括責任者
大学時代は近世文学を専攻。 日本語教師の資格を持つ。
200名以上の経営者、士業の専門家へのインタビュー経験があり、Webメディアを中心に記事を執筆。
書籍の企画~出版を行うだけでなく、出版記念のウェビナー等、イベントの企画運営も行う。
プロフィール詳細はこちら
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