趣味の本は売れない? ロングセラーとなった出版事例紹介

今回はこれまでにもたくさんの本を出版されているファイナンシャル・プランナーの伊藤亮太氏にインタビューをさせていただきました。

ファイナンシャル・プランナーの資格試験についての本をはじめとして多数の著作がある伊藤氏。

今回は仕事に関係している本ではなく、趣味である砂金採りについての本を出版されました。

趣味の本を出版してみたいと考える人は少なくありませんが、伊藤氏がどういった考えで出版に至ったのか、また出版してみてどうだったのかについて聞いていきます。

 

伊藤亮太(いとうりょうた)
伊藤亮太の黄金大国ZIPANNING代表。
普段はファイナンシャル・プランナーとして家計の資産形成、見直し支援などのアドバイスや講演、講師、執筆を行うかたわら、例話の砂金堀り師として砂金に関する啓蒙活動を行う。歴史的な産金地域を中心に砂金により地域活性化を図るため、砂金採り入門の本を書くことを決意する。また、金貨や小判などの貨幣収集、自然金・砂金の収集家、金投資の専門家の顔を持つ。

 

聞き手:よろしくお願いいたします。

伊藤さん:よろしくお願いいたします。

 

聞き手:はじめに伊藤さんの仕事について簡単にお知らせいただけますでしょうか?

伊藤さん:私は2004年に大学を卒業後に大学院に進学しました。

その後、会社員を経て、2007年にファイナンシャルプランナー(以後FP)として開業しました。

 

聞き手:開業してすぐに本を出版されてますよね?

伊藤さん:ファイナンシャル・プランナーとしてFPのテキストや問題集の依頼が来ました。

本当にたまたまなのですが、FP3級、2級、一時は1級のテキストまで執筆させていただきました。

 

聞き手:FPとして最初から華々しい活躍をされていますね。すごいです!

伊藤さん:FP業はそもそも執筆・相談・講演が3つの柱とされています。

本当に運がよかったと思うのですが、3つの柱の一つである執筆を最初にクリアできたのは本当に恵まれていたと思います。

 

聞き手:素晴らしいですね。

伊藤さん:今年も監修する本が決まっていますし、ライフワークとして取り組んでいく予定です。

 

聞き手:本を書くのって大変ではないですか?
伊藤さん:う~ん、どうでしょう。

すでに本の書き方がわかっているところもあるので、最近はそこまで苦労はしていないかなと思います。

FPや外務員の本はテキスト、参考書はこれまでにもたくさん書いてきたので。

ただ、だからこそ今回のような、言ってみれば「趣味の本」を出版したくなったというのも本音としてはあります。

 

聞き手:なるほど、実は趣味の本を出したいと考えている人の相談は結構多いんですよ。

伊藤さん:そうですよね。それは多いと思います。

趣味だからこそ、それを本としてまとめられるのは楽しくて幸せなことだと思います。

 

聞き手:なるほど。

ただ、本の売上(印税)で利益を得るのは難しいということは理解しておかなければいけませんね。

伊藤さん:もちろんです。

趣味ですから、正直印税は全く期待していません(笑)。

 

聞き手:ところでなぜ「砂金」なんですか?

伊藤さん:私はFPなのでお金に関することには常に意識を向けています。

特にアベノミクスで相場が大きく動いているときには株はもちろん、不動産の価格等にも注意をしていました。

それも大きな動きが出始めていたので「これは貴金属にも動きがある」と感じました。

 

聞き手:貴金属ですか。

伊藤さん:そうです、だから貴金属の現物を買い、買ってみると投資対象としてではなく、貴金属そのものにも興味がでてきました。

 

聞き手:え? 貴金属そのもの・・・ですか??

伊藤さん:はい(笑)。

最初は金を作ってみたいという欲が出てきて、型枠とかで金製品を作りたいなと考えたのです。

その後、そもそも原料の砂金を手に入れてみようという考えに発展しました。

 

聞き手:ここで砂金が出てきましたね!!

伊藤さん:そうなんです。実は大学生の時に砂金の博物館に行ったことがあって、そこで砂金採りをやった記憶を思い出したのです。

ひょっとしたら砂金って採れるのではないかなということで目覚めてしまったのです。

 

聞き手:面白いですね。最初は投資対象だったんですね。

伊藤さん:そうなんです。それこそ貴金属投資のセミナーなんかも最初はやっていたのですが、いつの間にか採取して自分で加工したいという欲求が出てきてしまったんです。

 

聞き手:いや~面白いですね。

伊藤さん:思い出したら行動、ということで山梨県の博物館に行って

「この辺りで金って採れますか」と相談に行きました。

 

聞き手:すごいですね。

伊藤さん:そこでやり方等聞いて、早速チャレンジしたのですが当然採れない。

まったく採れないんです。

呆然としていると、たまたま砂金採りのうまいおじさん、言ってみればプロの方がいて色々教えてくれました。

言われたとおりにやってみると、採れるんです。

「ここ掘れ」って言われて、その通りにやってみると採れるんですよ。

砂金はやり方次第で採れるんだということがわかると、どんどんとその世界にのめり込んでいってしまいました。

 

聞き手:なるほど。奥深そうですね。

伊藤さん:そうなんです。ただ、砂金採りは2000人ぐらいしか取り組んでいる人がいないと言われています。

 

聞き手:そんなに少ないんですね。

伊藤さん:そうなんですよ。私があったおじさんは2000人のうちの1人で、たまたま会えてしまったから私もはまってしまいました。

 

聞き手:面白そうですね。

伊藤さん:ただ、おじさんの言う通りやっているだけではつまらないので、自分で採れるようになりたいという欲が強くなっていきました。

おじさんにも採れる場所などを自分でわかるようにならないと意味がないと言われていたので、それがわかるようになるまで試行錯誤を続けていました。

半年、1年と経つとだんだんと自分の思い通りに採れるようになってくるんです。

 

聞き手:すごいですね、砂金の世界!面白そうです!

伊藤さん:採れるようになってくると今度は砂金の歴史とかにも興味が出てきてしまいました。

それで調べてみると数十年前の本とかにはいろいろと掲載されていて、それがとても興味深くて。

 

聞き手:そういう本も出版されているんですね。

伊藤さん:でもやはり本は少ないです。

考えてみたら2000人しか市場規模がないような本って出版社はなかなか出版しようとはしてくれないですよね。

 

聞き手:それはそうですね。

出版不況の昨今、どうしても売上が見込める本が優先となってしまいますからね。

伊藤さん:そうなんです。

実際、私も砂金の本の企画書を何社かの出版社に提出したこともありました。ただ、無理ですよね。

何しろ2000人しか市場規模がありませんし、営利企業である以上、こちらが言うのもなんですが、当然の判断かと思います(笑)。

ただ、ラーニングスさんのプリントオンデマンド出版であれば気軽に出版できそうだったのでチャレンジしてみることにしました。

 

聞き手:ありがとうございます。

2000円以上という本の価格と2000人以下という市場規模なのでどれぐらい売れるのかは未知数でしたが、正直予想以上に売れています!

伊藤さん:正直、売れなくてもいいと思っていました。

実際、砂金の世界でこんな本を出している人がいる、この事実だけですごく喜びは大きいんですよ。

もともと売れなくてもいいって人は珍しいかもしれませんね。

でも、砂金採りの周りの人はみんな買ってくれてますし、その世界ではちょっとした有名人になった気分です(笑)。

先日も、他の砂金に関係している方から「読みました、すごくいい本ですね」といった連絡を急にいただきました。

 

聞き手:それはすごい!砂金採り界隈では有名人ですね!

伊藤さん:手に取ってくれている人が今後もじわじわと少しずつ増えていってくれたらうれしいですし、それこそ、時が経っても内容が古くならない内容になっているので、10年単位、20年単位で考えて面白い経験ができたと思います。

でも、出版してみて思いますけど、やっぱりこうした趣味の本は商業的には難しいから出版社から出すのは難しかったなとわかりました(笑)。

 

聞き手:なるほど。他の周りの方からの反応はいかがでしたか?

伊藤さん:FP業界の方からはきっと「何を始めたんだ?」と思われていると思いますし、一方砂金採りの関係の方からは「よく書いてくれた」という反応をいただきました。

どうしても類書がないですからね。

 

聞き手:そうですね。ちなみに今後の出版の計画はおありですか?

伊藤さん:はい。実はまた趣味の本を考えています。

コインについての本なんですよ。記念コインとかモダンコインについての本です。

 

聞き手:コインですか?

伊藤さん:はい、貴金属が好きなのかなと思います(笑)。

アンティークコインの本は結構出版されているのですが、現代のコインの本は少ないと思うんです。

これについてはアイディアがまとまったらまた連絡させてください。

 

聞き手:ありがとうございます。その際は是非またお声がけくださいませ。

最後に趣味の本を出したいと考えている人に向けてメッセージをお願いします。

伊藤さん:はい。

趣味の本を出版したいと考えている人は結構多いと思いますが、正直出版したいと思ったら出版したほうがいいですよ、絶対(笑)。

元は取れませんが、趣味の世界で自分のことを知ってもらえるというのはすごい価値があることだと思います。

それこそ、自分の本を読んで砂金採りを始めてみたなんて言う人に会えたら、それは本当にお金には代えられない価値があるのではないでしょうか。

ただ、そういった本は商業系の出版社では出版してくれないので、ラーニングスさんみたいなところにお願いするのが良いと思います。

 

聞き手:ありがとうございます!この度はお時間を頂戴しましてありがとうございました。

これからもますますの活躍を期待しています!

伊藤さん:こちらこそ、ありがとうございました。

 

聞き手プロフィール:梶田洋平
出版ベンチャー企業「ラーニングス株式会社」の代表取締役。大学卒業後は証券会社に入社し、2つの支店で法人、リテールの営業活動に尽力。5年弱勤めて退社した後、出版事業を手掛ける会社を起ち上げる。これまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書は3000冊以上。『出版を変える、出版で変える』を合言葉に、はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象とした事業を展開。出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。好きな本の分野は経営者の自叙伝やマーケティング、経営に関する実用書。愛知県名古屋市出身。趣味は読書とスポーツ観戦。

 

 

 

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投稿者プロフィール

梶田洋平
梶田洋平
出版ベンチャー企業「ラーニングス株式会社」の代表取締役。

大学卒業後は証券会社に入社し、2つの支店で法人、リテールの営業活動に尽力。
5年弱勤めて退社した後、出版事業を手掛ける会社を起ち上げる。

これまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書は3000冊以上。

『出版を変える、出版で変える』を合言葉に、はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象とした事業を展開。
出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。

好きな本の分野は経営者の自叙伝やマーケティング、経営に関する実用書。
愛知県名古屋市出身。趣味は読書とスポーツ観戦。

近著:
「7日でマスター 株チャートがおもしろいくらいわかる本」(2017年ソーテック社)
「7日でマスター 投資信託がおもしろいくらいわかる本」(2018年ソーテック社)
「いちばんわかりやすい 60歳で2000万もらうiDeCo年金のはじめ方」(2019年ソーテック社)
「世界一やさしい 株・FX・投資信託の教科書」(2020年ソーテック社)
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