今回は書籍『[図解]実家の相続、今からトラブルなく準備する方法を不動産相続のプロがやさしく解説します!』を出版されました、株式会社中央プロパティー(かぶしきがいしゃちゅうおうぷろぱてぃー) 代表取締役の松原昌洙(まつばらまさあき)氏にお話をお聞きしました。
実家の相続トラブルの原因、トラブルにならないようにどんな準備ができるか、図解で解説されるこの著書のメリットなどを見ていきましょう。
松原昌洙(まつばら まさあき) 株式会社中央プロパティー 代表取締役 1970年生まれ、静岡県出身。 現在までに2500件以上のトラブル解決をサポート。 著書は『不動産相続のプロが解決! 危ない実家の相続』(毎日新聞出版)、『あぶない!! 共有名義不動産』(幻冬舎メディアコンサルティング)、『相続の落とし穴! 共有名義不動産』(合同フォレスト)、『頑固な寿司屋の大将も納得する!? よくある借地権問題』(ギャラクシーブックス)など。 |
聞き手:こんにちは。まずは松原さんの経歴と現在のお仕事について教えてもらえますか?
松原氏:中央プロパティーの設立は2011年ですから、ちょうど丸10年は経っております。設立と同時にフランチャイズのセンチュリー21に加盟をして、今日に至っております。
私の経歴はずっと不動産畑でして、不動産に携わる不動産担保ローンの業務から始まって、不動産はデベロッパー、そして今の相続に伴う不動産の整理であったり、売買を主にやっております。
聞き手:この本をクロスメディアさんから出版されたきっかけを教えてもらえますか?
松原氏:本の出版はこれが4冊目なんです。
初めて出版したのが5、6年前ですけど、幻冬舎さんから営業があって1冊目を出して、そこから年に1冊ずつ出している感じです。3冊目のときに、一度オンデマンドでも出させていただいております。
相続というと、基本的に相続人が複数いるからこそ揉めたり、問題が出てきたりするんです。
仮に相続人が一人であれば、トラブル対策等もする必要がないと思うんですけども、やはり複数人いるときは必ずそれぞれの事情が異なるわけです。
生活水準・住んでいるエリア・家族構成が違う中で、どうしても不動産をきれいに均等・平等に分ける難しさがあります。そこの部分に特化した不動産業者としてサポートできればということで、相続不動産に着目して本を出版することにしました。
今まで出した3冊は全てテキストベースなんですけども、今回の4冊目は図解があったほうが分かりやすいということで、出版社側に提案をしました。
兄弟が複数いたり、一人っ子でもご両親が遺言書を残したことによって複数相続人が出てきた場合の対応であったり、その時の状況を図で落とし込んだほうが分かりやすいかなと思ったからです。
聞き手:松原さんの中で本の位置づけとは何ですか?
松原氏:大きくはブランディングを引き続き高めていくことと、今やっている主軸の業務自体が、この立ち位置・ポジションで果たして正解なのか否か、及びお客さんをサポートする立場としてオペレーション的にも、これで合っているのかを再確認できるというのが強いかなと思います。
当初、ブランディングで宣伝・広告的なイメージがやはり強かったんですけども、回を重ねるにつれて見えていなかった背景の部分であったり、揉めてしまうメカニズムであったり、そこの部分を活字として書くことによって、しっかりと自分の頭の中でも縦割りと横割りの整理がきれいにできていったなというのがあります。
それにちなんだ伝えたい内容がたくさんあるので、本については継続して出していきたいなという希望はあります。
聞き手:本の出版にあたって意識したことはありますか?
松原氏:やはり本を読まれる方は一般の方々なので、不動産業界では当たり前のように使っている業界用語ではなく、一般の人たちが普段使っている言葉を意識するというのが神経を使ったところです。
例えば、普通の人は「一軒家」と言うんですけど業界では「戸建て」と言ったり、「共有持分」と言うよりは「共有名義」と言ったりします。
あと、図の部分でも、弊社はいつも自分たちが使って見慣れているので当たり前ですけど、もしかしたら一般の人がこの図を見ると、すぐズバッと形を認識できないんじゃないのかなということで何度も修正はしました。
聞き手:こちらの本の特徴を教えてもらえますか?
松原氏:今は相続税法が改正されて、相続税の課税対象が数年前からぐんと上がって対象者が増えました。
相続財産の多い方々は相続税対策をあらかじめ事前にやられていることが多くて、相続が発生したときにこういう形で分けるというのが基本的には決まっていることが多いです。
しかしながら、相続財産はご両親の住んでいる実家の不動産しかないというケースが非常に多いんです。現金はすぐ分けられますが、実家は分けにくいんです。
でも、ご両親が亡くなった後、兄弟3人、4人で住んでいると、その相続人の数だけ権利の主張が出てきます。
また、各事情は皆さんバラバラで、バツ2の相続人もいれば、ずっと独り身の相続人もいる。そして、今一番お金がかかる子どもを5人も抱えているという相続人もいるんです。そういう実情が異なる中で、きれいに整理する心掛けって何だろうという、その心掛けの部分も意識して入れています。
弊社は事前の相続税対策ではなくて、相続で揉めないための対策をサポートしています。ですから、著書では遺言書であったり、相続発生後の譲り合う思いやりであったり、心掛けという部分を散りばめた内容になっています。
図解では、仲が良かった相続人同士が揉めてしまうという一番ありがちな事例からスタートしています。それはやはり事情が皆さん違うので、そこは仲が良かったからといってきれいに話がまとまることではないのですが、その時に対立のまま終わってしまうと良い結果にならないので、こういう対策・準備を心掛けましょう、ということで締めくくっています。
聞き手:新たな書籍に対する展望はありますか?
松原氏:来年中には、また違った角度からの不動産相続問題についての5冊目をぜひ出したいと思っています。
最初はブランディングが書籍出版の目的だったんですけど、今ではそれは半分くらいで、残りの半分は、今やっているオペレーション的な部分や私自身の考え方です。
現場での相談や事例であったり、解決件数はどんどん増えていっていますし、最近、特に目立つ新たな不動産相続問題であったり、そういったところにフォーカスした内容で5冊目が出せればなと思っています。
聞き手:書籍や会社のPRなどをお願いいたします。
松原氏:帯にも「トラブルは相続財産の少ない家こそ多い」と書いてあるんですけど、「親に財産なんかなくて、実家の古い田舎の家しかないんだから」と思っている方々こそ読んでいただきたいです。
見ていただくとすぐ分かるように、本当に相続あるあるなので、書いた私が読んでも「それはそうだよ。揉めるよね」と思います。
ですから、そこで「揉めるよね」で終わるのではなくて、なぜ揉めるのか、その原因を考えます。そして、原因があるからには、それを予防する対策が必要です。
揉めないために何を伝えておくのか、しておくのか。相続発生後に何を伝えて、何を基準にどういう譲り合う気持ちで問題を捉えるのか。読んだ時間は無駄にはならない内容になっています。
センチュリー21は今、日本全国で996店舗(2021年9月末時点)ある中で、弊社は相続不動産のみに特化しているフランチャイズ加盟店です。
相続特有の不動産問題に絡むと相続人は複数になります。複数の場合にどういう順序で不動産を整理するのか、買い替えるのか、売却してしまうのか、遺産分割協議の中でどなたの名義にして、どういう合意を基準にして整理をするのか、そういったところまで対応させていただきます。
常に弁護士や司法書士など士業の方々と連携してご相談を受ける体制が整っています。
不動産のトータルパートナーとして相続に絡むことは全て対応しています。何なりとご相談があれば承りますので、センチュリー21中央プロパティーをよろしくお願いします。
聞き手:それでは、インタビュー取材は以上になります。本日はありがとうございました。
『[図解]実家の相続、今からトラブルなく準備する方法を不動産相続のプロがやさしく解説します!』の詳細はこちら 相続財産が多くなくても、家族仲が良くても、「実家の相続」によるトラブルは身近に起こり得ます。 本書の目次 アマゾンURL |
投稿者プロフィール
- 大学卒業後に出版社に就職して漫画の編集に携わる。
その後、さらに別の出版社を経てラーニングス株式会社に入社。
編集業務に従事している。
社内では『むーさん』の愛称で親しまれ、お父さん的なポジションを務めている。
プライベートでは野球観戦が趣味(広島ファン)で二児の父。