『きまじめでやさしい 弱者のための「独立・起業」読本』 (阿部浩一・著)

今回は書籍『きまじめでやさしい 弱者のための「独立・起業」読本』を出版されました、合同会社うんすい宅建代表社員の阿部浩一氏にお話をお聞きしました。

生きづらく感じている方に対して、どうすれば自分らしく生きることができるか、ご自身の経験から一つの解決策として「独立・起業」をこの本ではお勧めしています。

不動産仲介業の代表である阿部氏が、なぜ「起業読本」を出版することになったのでしょうか。ぜひご覧ください!

阿部浩一(あべ こういち)

1976年1月、山口県生まれ。LGBTs と社会的マイノリティのための不動産会社、合同会社うんすい宅建 代表、宅地建物取引士。

定時制高校を卒業後、保育士を志し、専門 学校へ進学(中退)。書店員、保険代理店経営、NGO 団体職員、フリーランスのイベンター、社会福祉法人の職員、NPO に特化したコンサルティング事務所の経営といった職種を経 験し、現在に至る。

市民運動やボランティア活動にも数多く参加。首都圏の NPO 活動を紹介するラジオ番組『東京ラブレター』(FM わぃわぃ・神戸市)では、パーソナリティ と番組の制作企画を担当した。30 年来、シンガーソングライターとしても活動。楽曲制 作や東京・下北沢を中心に演奏活動も行っている。

 

聞き手:こんにちは。まずは阿部さんのご経歴を教えていただけますか?

 

阿部さん:私は定時制高校を卒業しまして、一時専門学校に行っていたんですけども、中退しました。その後、10年ほど書店に勤めて、NPO業界に飛び込みました。そこで何度か転職をして、昨年「合同会社うんすい宅建」を創業したという流れになります。

 

聞き手:「合同会社うんすい宅建」の主な事業は何ですか?

 

阿部さん:不動産の売買および賃貸の仲介業です。

 

聞き手:「きまじめでやさしい 弱者のための『独立・起業』読本」を出版されたきっかけは何でしょうか?

 

阿部さん:率直に言いますと、他の不動産会社さんと差別化すること、そして自分の夢を実現することが主な理由でした。

不動産仲介業は多くの競合会社がひしめき合う業界なので、私みたいな未経験者が一人で始めたようなところですと、何かしらの強みが必要だと考えたんです。

また、私は本が好きなものですから、以前から自分の著書を持ちたいという憧れがあったんです。それで、会社の設立を機に、その夢を実現しようと行動に移しました。

幾つかの出版社さんと接触する中、クロスメディア・パブリッシングさんとご縁があって出版に至ったという経緯になります。

 

聞き手:著書の内容についてはもともと決めておられたのでしょうか?

 

阿部さん:私自身、書きたいことや興味のあることがたくさんあって、自分の中でしっかり整理できていない状態でした。

ですが、編集者の方が私の話を根気強く聞いてくださって、「『弱者の起業』というテーマに収斂して、阿部さんの考えていることをまとめたらどうですか?」と提案してくださったんです。

道しるべを作ってくださったので、私の中で混沌としていたものが、「あ、この方向で書いていけばいいんだ」と、書くべきものの方向性がはっきりしました。

 

聞き手:編集者さんと話すことによって「弱者のための起業本」という一つのテーマに絞れたのは大きいですよね。

 

阿部さん:そうなんです。不動産会社のブランディングなら不動産の専門知識を書くのが王道だと思います。ですが、私は未経験で始めたのでそういったものは乏しいですし、あまり説得力がありません。

私が書ける内容は、自分が今までやってきたこと、それからここに至った道のりというものでした。自分の体験を活かせる「弱者のための起業本」というテーマに絞った後は、3カ月で二百何ページの原稿を書き上げました。

 

聞き手:すごいスピードですね。以前から書くことはお好きだったんですか?

 

阿部さん:そうなんです。長年、私は趣味でずっとブログも書いていますし、書くことに関しては抵抗がなかったというか、好きだったんです。

 

聞き手:「きまじめでやさしい 弱者のため」というタイトルは阿部さんが考案されたんですか?

 

阿部さん:最初は「ひとり起業」というタイトルを考えていたんですが、「ひとり起業」という言葉は商標登録してあるから、自分なりの何かをもっと考えたほうがいいと言われました。そういうやりとりを繰り返す中で、ヒントになるタイトル候補を編集者さんが幾つか出してくれて、それを基にして今のタイトルを私が考えました。

「きまじめでやさしい」で検索すると、私の本ばかりが出てくるので、そういう面ではこのタイトルにしてよかったと思っています。

 

聞き手:出版されてから何か反響はありましたか?

 

阿部さん:ネットで全国の図書館に所蔵している本を調べられるんですけども、現在100を超える図書館に所蔵され、今も増えています。

そういう図書館のホームページを訪ねてみると、貸し出し中で何人も予約で待っている方がいらっしゃいます。自分で図書館に売り込んだわけではないので、これは想定していなかった反応です。あくまでも印象ですが、図書館というところはまさに「きまじめでやさしい」人たちが多く集う場所である気がします。私自身、失業中に心の拠り所としていましたし。

 

聞き手:書籍を出版したことによって感じたメリットはありますか?

 

阿部さん:自信につながっている。これに尽きますね。

 

聞き手:ゼロから一つのものを作るというのは、自分自身の大きな財産になりますよね。

執筆するにあたって注意した点はありますか?

 

阿部さん:とにかく編集者さんの言うことは基本的に何でも聞こうと思っていました。自分の我を通すのではなくて、これがいいと言われたことは極力受け入れようというつもりでいたんです。

ただ、編集者さんは私をやる気にさせるために言ってくれたのかもしれないんですけど、原稿をお送りするたびに細かいところをいろいろ褒めてくれるんです。だから、あまり難しいとは感じませんでした。

それでも筆が乗ってくると、どうしても言葉が強くなったりするんですけど、そういうのは編集者さんが逐一直してくれました。それは狙いとは異なるものなので、あまりきつい言葉にならないように自分の感情をコントロールするのは難しかったかもしれないです。

 

聞き手:何か反省点はありますか?

 

阿部さん:もっとここは深く書きたかったと思うところがあります。

それから、人様の文章に接しているときに、自分の言いたかったことをもっと端的で適切に伝えている方がいると、「そうそう、あそこではこのことが言いたかったんだよ!」と感じることはけっこうあります。

あとは、タイトルが「起業読本」なので、書店では起業本のコーナーに置かれています。ですが、中身的には、起業したい人に向けてというよりは、生きづらさを感じているような方に、そんな自分の延長線上に起業という選択肢もありますよ、という趣旨で書いたつもりです。

だから、もう少しどちらの読者にも届くようなタイトルの付け方があったのではないかという思いはあります。

 

聞き手:今後の展望はありますか?

 

阿部さん:本業にしっかり取り組むことは当たり前のこととして、書きたいことがいっぱいあるので、第二弾も出版できればと思っています。

 

聞き手:書きたいテーマはありますか?

 

阿部さん:子どもに「自分はミュージシャンとか、アイドルとか、YouTuberになりたい」と言われた親のための本を書きたいと思っています。

「そんな夢みたいなことを言うんじゃない!」っていうのも間違いだし、無責任に「夢をかなえるために頑張れ!」とただ言うのも間違いだと思うんです。

自分自身が10代の頃からずっと音楽をやっていて、20歳前後の頃はプロのミュージシャンになりたいなと思っていたので、そういった経験も踏まえて執筆したいと思っています。

 

聞き手:書籍のPRをお願いします。

 

阿部さん:この本は、自らが弱い立場で生きざるを得ない状況から不動産会社を起業した経緯を軸にまとめています。

今や起業は、いくつかの選択肢の一つに過ぎません。難しく考える過ぎることもないし、あまり大上段に構えることはないけども甘く見てもいけないよという、その辺の温度感が伝わるといいなと思っています。

 

聞き手:それでは、インタビュー取材は以上になります。本日はありがとうございました。

 

『きまじめでやさしい 弱者のための「独立・起業」読本』 合同会社うんすい宅建代表 阿部浩一(著)

///弱者だからこそ、独立・起業の可能性がいっぱい///

自らが弱者として弱い立場で生きざるを得ない状況に追い込まれた経験のなかで、不動産会社を起業した経緯を軸に本書はまとめている。

俗に言う弱者とは「LGBT」や「外国人」「障がい者」などであろう。しかし、そういった人々だけではなく、今は「発達障害」「HSP」などもそれに該当するだろう。

タイトルどおり「きまじめてやさしい弱者」であるがゆえに、組織で長年働くことが難しく、もう少し楽な生き方、いや、その人らしい生き方の提唱として、本書では「独立・起業」をすすめている。

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投稿者プロフィール

マーケティング出版プラス編集部
学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。

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