『いる接客、いらない接客』(齋藤孝太・著)

今回は書籍、『いる接客、いらない接客』を出版されました、株式会社SIS 代表取締役の齋藤孝太氏にお話をお聞きしました。

近年、パソコン、スマホやタブレットでインターネットを介して、情報がいつでも、どこでも、手に入る時代になりました。

でも自分が、ある商品を購入するにあたって、本当に必要な情報は、検索エンジンでキーワードを入れても、出てきません。

自分が欲しい情報(=自分にとって最適な商品と出会うために必要な情報)を、ピンポイントで細かく手に入れるためには、お客様一人ひとりにあった接客による情報提供が有益です。

接客であれば、「痒い所に手が届く」といったような、お客様自身から詳細情報をヒアリングして、それに合致した情報提供をすることができるからです。

一方、AI/ロボットはそれが苦手です。機械的にしか答えが出せないのです。

コロナ禍で接客が少なくなっている今、本当に必要な接客とは何なのでしょうか?

逆にいらない接客とは何なのでしょうか?

もう一度、接客の価値や重要性について、改めて考えさせてくれる1冊です。

 

齋藤孝太(さいとう こうた)

(株)SIS 代表取締役 顧客育成コンサルタント/ファンを育てる専門家

大手メーカーの小売支援の企画立案・店頭活動マニュアルの作成、販売現場の売上アップ支援の経験を活かし、2004年独立。企業の持続的な成長のために、「ファンを育てること」が肝になるという考えから、人を中心とした、ファン育成戦略の立案、仕組み/組織づくり、接客/営業の改善提案、人材教育(講演、研修など)を行い、ブランド・企業、販売員・営業社員のファンづくりを支える。「ファン=何年も通って(買って)くれる顧客」と捉え、企業の現場に馴染み、日々の実践が進化し続けることを大切にしている。

主なクライアントには、化粧品ブランド、バイクメーカー、プライベートスポーツジム、ハイジュエリーブランド、メガネチェーン、釣具メーカー、居酒屋チェーン。さらに、アパレル、エステサロン、美容外科、携帯ショップ、SC、エクステリア/園芸、クリーニング、訪問販売がある。

 

 

聞き手:こんにちは。まずは齋藤さんのご経歴と、現在のお仕事について教えてもらえますか?

 

齋藤さん:元々、私は広告代理店の営業をしていました。

それから企画会社に転職し、大手化粧品メーカーのブランドの接客マニュアルの作成を行っていました。

マニュアルは季節単位で出しており、そのために実際に成功した店舗を回らせてもらい、インタビューを行うことも多かったです。
メーカーのブランドのマネージャーと一緒に、約5年ほどそういう仕事に携わらせていただきました。

その後、コンサルティング会社に転職し、売り上げアップをするために、具体的に何をしなくてはならないのかなど、現場改善策を考えて、バックアップを行ってきました。

そして、30歳で独立して、今年で17年目になります。
父親が自営業だったので、独立することに特に抵抗はありませんでした。

 

聞き手:元々、お家が自営業で独立する時期を探っていたということですね。

30歳は齋藤さんにとって、色々な経験を積まれてからの独立で、とてもタイミングが良かったのですね。なるほど! わかりました。

さて、今回、書籍を出版しようと思ったきっかけは、どんなことだったのでしょうか?

 

齋藤さん:コロナ禍で「接客はいらないのではないか?」という素朴な疑問が、かなり深刻な形で浮き彫りになってきたからです。

たしかにコンビニなどでも、最近はセルフレジがあったりして、コロナ禍であるないに関わらず、接客なしでも、かまわない業種や業態もあるのは事実です。

その一方で、プライベートジム、化粧品店、釣具店、バイクショップなど、人が接客することで、付加価値が生まれる業種や業態もあります。

これらのお店は、接客があることで、お客さん自身が自分に合った最適な商品と出会える可能性が高まって、購入判断がしやすくなるのです。

値段が高額の買い物をする場合はなおさらですよね?

ですから、今回は接客にスポットを当てて、どんな業種業態に接客は必要とされるのか、そこでどんな接客が必要になるのか、を明らかにしてみたいと思い、この本を執筆してみることにしました。

 

聞き手:コロナ禍がきっかけにはなりましたが、接客を見直すいいきっかけになったというわけだったんですね。

実際に、この本を出版するにあたり、工夫した点や苦労した点はありますか?

 

齋藤さん: 接客に関する他の本を見ると、接客の基本やプロセスや、テクニックを習得する本が多いのですが、本書はそれとは違います。接客する人の心とお客様の心を通い合わせて、共にする部分を増やしていこうという、これからの接客の在り方を書きました。

そのキーワードが『共感・共信・共有』の3つです。この3つは人が得意な所です。

ここを起点に、接客を改めて考えていこうという本です。

人が届ける接客の本質に迫ることで、「接客にはどんな価値があるのか?」を再確認できるはずです!

 

聞き手:接客の大切さや価値を知れば、ますます接客が良くなりそうですね!

接客業の人には、特に精神的に行き詰った時、心のバイブルになり得る本かもしれませんね!

実際に、この本はどんな人に読んでもらいたいと思いますか?

 

齋藤さん:元々、この本に書いた内容は、5年ほど前からセミナーで話していて、ベテランの接客スタッフさんを中心に、成果も出ていました。

今回コロナ禍で売上や利益が上がらなくて困っている人に自信を持ってお届けできる本です。そして、『人と人とのつながり』の大切さや価値について、多くの人に再度見つめ直してもらえたらと思っています。

店舗内チームワーク、人事の評価制度なども取り上げました。
多くの人に共感してもらえる内容になっていますので、是非お手にとってご覧ください!

 

聞き手:接客スタッフの方はもちろんですが、本部スタッフ、経営層の方にも役に立つ内容になっているというわけですね!

最後に、今後書きたい本の内容や、発信していきたいことはありますか?

 

齋藤さん:本は目に見えないものを形としてダイレクトに魅せてくれるものですよね。私が得たり、経験したことを形にして、それに対して共感してくれる人達がいる・・・。

本が、普通に営業に行ったら門前払いをされてしまいそうな大企業の方々とお話ができる機会を作ってくれます。

これからももっと本を書いていきたいと思っています。「私の自己PR=本を出すこと」にもなっています。

具体的な内容はまだ分かりませんが、今まで11冊本を書いてきたので、今までに本にしていないジャンルや、今までの内容を深堀りしたものを書いても、面白いと考えています。

 

聞き手:の本のキーワードである接客をきっかけにして、多くの人が、人と人との関係を見直すきっかけにも繋がるといいですね!

今回は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

 

 

『いる接客、いらない接客』齋藤孝太・著

2030年、80%の接客は消滅する! ?

顧客育成コンサルタント/ファンを育てる専門家が、これからなくなる接客、これからもずっと残る接客をお伝えします。

ネット通販を使うことで、私たちは無駄な時間を減らし、生活は便利になりました。
今、私たちの買い物は、「買い物にまつわる面倒なことをできる限りなくしたい。できるだけ短い時間で、商品購入のための情報収集・購入判断・決済をすませたい=時短」の方向で進んでいます。ネット通販はそれを実現してくれます。
しかし、時短によって生み出された時間を、面倒なことを削って生み出した時間を、私たちは何に使うのでしょうか?

それは、「幸せを感じる時間を増やす」ことです。これには2つの方向性があります。

1つ目は、自分一人で幸せを感じる時間を増やすこと。「休息・睡眠にあてる」「テレビ・ユーチューブ・Amazonプライムビデオ・ネットフリックスなどの配信サービスで、動画コンテンツを楽しむ」などがあります。

2つ目は、誰かと接して幸せを感じる時間を増やすこと。「親子で食事をする」「子どもと遊ぶ」「友達と会う」「同じ趣味の仲間と過ごす」「みんなで旅行に行く」などがあります。

そして「店舗でスタッフと接して幸せを感じる時間」を増やすことも、これにあたります。
この「店舗でスタッフと接して幸せを感じるとき」に行われている接客が、「ずっと残る接客」です。
では、ずっと残る接客とは、具体的に、どのような接客を指すのでしょうか?

ポイントは、共感・共振・共有の3つです。

本書では、これからの接客に必要な力を、脳科学・仏教・カウンセリング・物理・これからの働き方など、異分野に視野を広げて、お伝えしています。さらに、トーク例を使いながら、実務レベルにまで落とし込んでいます。

本書を読んでほしい人――
・現場で接客の実務に携わる皆さん
・本部スタッフの皆さん
・経営者(事業の責任者)の皆さん

人は生きている限り、幸せを求め続けます。
だから「人を幸せにする接客」は未来永劫必要であり続けます。

もくじ

序 章 未来永劫、ずっと残る接客
第1章 接客の歴史、接客のこれから
第2章 拡大するネット通販、死角はあるのか
第3章 お客様に近づく、共感接客
第4章 お客様を導く、共振接客
第5章 お客様とつながる、共有接客
第6章 人を幸せにする接客を広げる仕組み

 

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投稿者プロフィール

マーケティング出版プラス編集部
学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。

出版をもっと身近に感じてもらうために、自分の家族や友達にも読んでもらえるような、分かりやすく丁寧な記事づくりを心掛けています。

これからも有益な記事を日々発信できるよう、尽力していきます!