産業カウンセラーとして開業し、15年働いた宮本さん。
今まで8,000件ほどの働く人々の悩みを、解決までサポートしてきたといいます。相談内容の9割は、なんと「人間関係」の相談。
本書では『ストレスフリーで簡単に成果が出せる』、ビジネスに於いての対人スキルを紹介しています。
宮本 実果(みやもと みか)
・開業前は会社員として10年間のキャリア 札幌市中央区生まれ。会社員として10 年間 勤め、2007 年に産業カウンセラーとして独立。 経歴は、JR 北海道広報、フリーアナウンサー (STV、NHK など)、人材開発コンサルタント として都内のコンサルティング企業に勤務。 開業後、個人カウンセリング、大学でのキャリア講座、法人における人材教育の現場における、産業カウンセラーとしての実績が認められ、 2016 年にビジネス書を出版(2017年12月、2018 年1月 Amazon kindle 1 位実績)。2018年よりダイヤモンド・オンラインにおいて、女性では珍しい、専門家としての 34 回連載などがある。 |
聞き手:色々なキャリアを経験された中で、こちらの本はどの側面から打ち出しているものなのでしょうか?
宮本さん:誤解を恐れずに申しあげますと私には特段コンプレックスが無く、満たされていました。フリーアナウンサーやJRの広報などとしてマスコミ関係に勤めていましたが、そこを辞めて産業カウンセラーの資格を取得した時に、純粋に『人』という財産に魅力を感じたことがきっかけで出版しました。
会社員時代のキャリアには恵まれていました。もっと遡れば、育った環境にも恵まれていました。とにかく恵まれた人生だったので、「苦労をした」ということがないんです。
そういう順風満帆な人生を送ってきたような人が、弱い立場の人を支えるようなことを書いたこのような本は、過去にはあまり無いと思います。同じようなテーマの本で多いのは、恵まれなかった人やコンプレックスがあった人が書いたものですね。
その人たちが逆境を克服し、成り上がって行くようなシンデレラストーリー。いわば個人の経験に共感させて、読ませるという。でも個人的には、共感で注目を集めるのが嫌いなんです。それには個人のバイアスが掛かっていると思うので。
私はいわゆる団塊ジュニア世代なので、女性が『キャリア』にこだわるような時代ではなかったんです。それがマスコミで働いていた頃ですね。当時の女性は、結婚・出産を期に仕事を辞めるのが普通でした。
私は言いたいことは言うし、やりたいことはなんでもやってしまう。気も強いので、「可愛げがない」と、すごく言われていましたね。男性に可愛がられるタイプではないんです(笑)
でも私も、自分の人生に於いて特別に男性を必要ともしていませんし、どちらかというと自立タイプなんですよね。若くて可愛いことが重要視されがちなアナウンサーや広報といったマスコミ業は、私のようなタイプには先の人生に不安がありました。
だから手に職をつけ、女性一人でも生計を立てられるような仕事をしようと考えました。今後成長が見込める仕事はなんだろう…と考えた結果、経営学と心理学の二つに目を向けた人材ビジネスを選びました。人材ビジネスというとコンサルへ行く方が多いなか、心理に興味を持ったことで産業カウンセラーというものに出会ったのですが、その選択により「ちょっと面白いな」という印象付けができたと思います。異色の経歴が出版社の方の目に留まったのか、直接ご連絡をいただきました。
聞き手:出版社から連絡をいただいた時には既に、本の題材は決まっていたのでしょうか?
宮本さん:出版社の方は、仕事上の人間関係に関連する産業カウンセラーを探していたようです。産業カウンセラーという仕事は、仕事をする人のカウンセリングです。病んでる人をカウンセリングするわけではないんですよね。仕事をする人が抱えている悩みや不満などをヒアリングして解消し、企業の生産性を上げていくのが私たちの仕事です。
そういう人物を探していたところ、カウンセラーとしては珍しいブランディングをしている私を見つけて下さったようで。
その時は外資系企業のコミュニケーションみたいなことを営業の方に教えていたので、リアルな状況として本に書きました。
聞き手:出版することに対するイメージや、感想を聞かせてください。
宮本さん:まず最初にお話をいただいた時は、騙されてる!?と思いました(笑)。詐欺などでないことが確認できたので出版に前向きになったのですが、執筆業というものが全くの初めてだったので…。
何をどうやって書こうかと考えていた時、パッと思いついたのは『ブランディング』。カウンセラーは日の目を浴びる職業ではないんですが、生産性を上げるためにも日本には絶対必要だと思っていたので。産業カウンセラーがもっと増えたら良いなと、ずっと思っていたんです。また、定年退職後に勉強して産業カウンセラーになった話はよく聞くのですが、そうではなく現場に近い若い感覚の人に踏み入れて欲しかったんですね。
そのことについてビジネス書を出版することは、ある意味賭けだったと言えます。でも、『産業カウンセラー』という職業のブランディングをしたかったので、「やります、頑張ります!」と言ってお引き受けしました。
聞き手:オファーを受けたときには、ある程度本の構成などは決められていたのでしょうか?
宮本さん:結果的には私が決めました。最初は出版社の方にハウツーを求められたんです。「こんな時はどうする?」みたいな、ビジネス書を読んだことのない若い人や女性が手に取りやすいように、『あるある話』を書いて欲しいと。
でも書いているうちに、狭い世界になっているなーと感じたので、途中で方向転換を提案したんです。「こうしたいんですが…」という意志を伝えたら、思うように書いていただいて結構ですよと言われました。
聞き手:その時に、『先生』という立場を印象付けるような構成が生まれたのでしょうか?
宮本さん:普段から先生と呼ばれてはいますが、本にしたときに、それがアニメチックだったら面白いんじゃないかな?と思いました。アニメではないですが、表紙にパンダが描かれていますよね。
印象深いパンダ然り、本としては若い女性にすごく刺さりやすいと思います。
聞き手:人間ではないモチーフを出すことで、人間関係を伝えやすい側面もあったのでしょうか?
宮本さん:そうですね。「こうだ」という固定概念にとらわれないで欲しかったんです。だから作成案の段階でパンダのイラストを提出された時には、イメージとしてはぴったりだと思いました。
私の本はそもそも、『売れる』ということを最重要視はしていないんです。物事にバイアスは要らない、持たないで欲しいというのが私の一貫した想いで、それを一番に伝えたかったんです。だから著者である私自身に対するバイアスも、取りさらいたかった。そのためのパンダなんです。パンダを見てほしいんです。
それこそが『私は裏方であり、他人を輝かせる仕事をしている人間なんだ』という意志の表現なので。
聞き手:読み物として入りやすいのに、『共感』という形で読者に媚びていないところが斬新ですし、とても良いなと感じました!
宮本さんのご経験から、本当に感じた仕事の本質がぎゅっとまとまった一冊です。
ぜひ皆様ご一読ください!
『仕事は人間関係が9割』 宮本実果・著
産業カウンセラーとして開業して、10年目。 編集部よりコメント: Amazon URL: |
コンサルタントのみなさんの、理想の1か月の動きはありますか? 例えば、1か月のうち稼働日が22日だとすると、本業のコンサルの仕事が12日間、営業4日間、スキルアップのためのセミナー受講などで5日、のこりの1[…]
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学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。
出版をもっと身近に感じてもらうために、自分の家族や友達にも読んでもらえるような、分かりやすく丁寧な記事づくりを心掛けています。
これからも有益な記事を日々発信できるよう、尽力していきます!
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