富裕層マーケティングの基本を徹底解説!富裕層へ効果の高いマーケティング手法や事例をご紹介

 

 

今回は富裕層をターゲットとしたマーケティングについて解説していきます。

 

利益を上げるには、単価の高い商材を作りそれを購入できる人へ売ることが何よりも大事です。

 

しかしながら、富裕層をターゲットとする商材は多くあるため、富裕層側も自分がターゲットとして狙われていることを自覚しているので警戒心が強く、こちらからセールスをしたりアプローチを仕掛けると確実と言っていいほどに見向きもしてくれません。

 

そのため、相手から興味を持ってもらい、問い合わせへと繋げることのできる導線づくりが大切になってきます。

 

この記事では富裕層マーケティングで大切な

  • 信頼の獲得
  • 商材の価値の説得

を中心に解説をしていますので、ぜひ最後までご覧ください!

 

 

【監修者】
 梶田 洋平
 ラーニングス株式会社 代表取締役
大学卒業後は証券会社に入社し、5年弱勤めて退社した後、出版事業を手掛ける会社を起ち上げる。
大学時代からこれまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書・実用書は3,000冊以上。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象に、出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。

 

 

 

 

 

富裕層マーケティングとは

 

富裕層マーケティングとは、名前の通り富裕層をターゲットにして商品やサービスの販促活動を行うことです。

 

富裕層マーケティングはターゲットがそもそも富裕層であると決まっていることから、富裕層の特徴をしっかりと把握し、興味を持ってもらえる施策、信頼を得られる関係性づくりが重要です。

 

また、富裕層相手のビジネスの場合、プッシュ型の施策をとると警戒心を持たれやすいため、プル型の施策で向こうからの問い合わせを待つ必要があることが難しい点です。

 

この記事では、プル型施策を中心に、富裕層に刺さるマーケティング施策をご紹介していきます。

 

 

マーケティングの基本について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

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富裕層とはどのような人々か

 

今回の記事のテーマでもある「富裕層」とはまずどのような人々でしょうか?

 

株式会社野村総合研究所によると、日本の富裕層は149万世帯あり、その純金融資産総額は364兆円と推計されるとのことです。

(参照→https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2023/cc/0301_1

 

 

【図:純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数】

 

 

 

図を見ると、純金融資産保有額が5億円以上の「超富裕層」が9万世帯。

1億円以上5億円未満の「富裕層」が139.5万世帯となっています。

 

※「純金融資産保有額」とは預貯金をはじめ、株式、債券、投資信託、保険などの世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた額です。

 

これは2021年の統計結果ですが、推計開始した2005年以降、富裕層・超富裕層の世帯数は増加し続けています

 

 

 

 

日本の富裕層の多くは事業オーナーである場合が多く、金融資産1~5億円の富裕層の1/3ほどがそれにあたります。

最近はスタートアップ経営者が金融機関から重要な顧客と考えられているそうです。

 

富裕層をターゲットとしたビジネスを行う際は、今後富裕層・超富裕層の世帯数が増えるにしても、本当に限られた枠の中で競合他社と闘っていかなくてはなりません。

 

 

富裕層向けのビジネスにはどのようなものがあるのか

 

では、富裕層や超富裕層をターゲットとしたビジネスにはどのようなものがあるのでしょうか?

 

消費活動や資産形成に関するサービスが代表的なもので、例えば

  • 消費活動:自動車や会員制のリゾートホテル、外商サービスなど
  • 資産形成:プライベートバンクやプライベートコンシェルジュなど

があります。

 

また、富裕層のお子様へ向けた教育支援サービスなどもあります。

 

他にも富裕層向けのメディアなどもあり、富裕層をターゲットとしたビジネスでは、それらのメディアへの広告出稿が一つのマーケティング施策となることも多いです。

 

特に、単に富裕層という枠ではなく、例えば会員制雑誌の中でも医師向け、経営者や投資家の男性向け、ウェブメディアでは富裕層の美意識の高い女性向けなど、富裕層の中でもより細かくターゲティングすることが可能です。

 

富裕層向けのビジネスを行う場合は、富裕層が普段どこから情報収集をしているのか、競合他社への理解なども必要になってきます

 

 

富裕層マーケティングで何が重要なのか

 

富裕層マーケティングでは、まず顧客解像度を高める必要があります。

 

ターゲットとする富裕層は普段どんなことに興味を持ち、どのように情報収集をして、購入に至るまでに誰の意見を参考にするのか、購入の決め手は何かを知らなければなりません。

 

また、ひとくちに富裕層と言ってもさまざまなタイプの方がいらっしゃいます。

 

例えば、先祖代々の資産を保有している、一族として資産が豊富にある方、社会的に地位のあるお仕事をされていたり、起業したりと、ご自身のお力で資産を築かれた方、その他一芸に秀でてご自身の才能で資産を築かれている方、と資産をどのように保有したかは人それぞれです。

 

また、お金を使うよりも守り増やすほうに注力する方もいれば、最新の商品や技術など、限定品をいち早く手に入れることがお好きな方、物よりも体験にお金を使うことを重視される方など、どのようにお金を使うかも人によって違います。

 

そのため、富裕層をターゲットとする商品、サービスだとしても、どのような富裕層に刺さるかというのはひとくくりにはできません

だからこそ、自社商品、サービスの顧客解像度を高める必要があるのです。

 

とはいっても、富裕層の消費傾向はある程度定まっていると言えます。

 

先祖代々資産を受け継いでいるタイプの資産家の方は、消費には保守的で資産をどう守るかを重要視します。

しかしながらお子様への教育には熱心であるため、習い事や留学、成長のために必要な経験(長期旅行やコンクールなど)には積極的にお金を使うことが多いです。

 

また、社会的地位の高い職業についていたり、起業されている方は好奇心旺盛で新しいものに対してお金を使う傾向があります。

価値を実感できる物やチャンスだと感じる商品、サービスに対してはリスクをとっても購入することがあります。

 

そしてご自身の才能で資産を築かれた方は車や時計、お洋服などご自身のブランディングも考えたうえで、他者が見たときにステータスを感じるものを購入します。

資産運用も行いつつ、ご自身のための消費活動が多いのが特徴と言えるでしょう。

 

まとめると、富裕層とひとくちにまとめず、富裕層の中でもどのような人物をターゲットにするかはしっかりと考え、習性や特徴などを掴む必要があるのです。

 

 

もっと消費者の特徴をつかみたいとお考えの方は下記記事もぜひご覧ください!

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富裕層マーケティングを行う手順

 

それでは、ここからは実際に富裕層をターゲットにどのようにマーケティングをしていくか、その手順を解説していきます。

 

1.富裕層の特徴を掴む

 

まず、富裕層相手には「安さ」を売りにしても何のアピールにもなりません。

大事なことは、なぜその値段なのか価値を示すことです。

 

富裕層は商材の購入にあたり、費用対効果があるか、自分にとって価値のある買い物なのかを重視します。

 

そして、資産があるというだけで、それに集まってくる黒い商売を行っている人たちが普段からいるので、企業からアプローチがある=自分の財布を狙っている、と判断されてしまいます。

 

そのため、広告や書籍を使ったアプローチが有効です

 

また、富裕層は富裕層同士でコミュニティを形成します。

そのため、富裕層間での話題に商材があたることが、富裕層マーケティングを行ううえではとても大切なことです。

 

また、相手から「この人なら安心」という信頼を得ることもキーポイントとなります。

目先の利益ではなく、長期的なお付き合いを前提に関係を深めていくことが重要です。

 

2.どんな施策を行うか取捨選択をする

 

富裕層へのアプローチ方法として

  • チラシの配布
  • 富裕層向け雑誌への広告出稿
  • 書籍の出版
  • 富裕層向けや信頼度の高い媒体への露出

などが有効です。

 

これらは商材の価値の説得を行うことにも有効な方法です。

 

一つずつ解説していきます。

 

チラシの配布

ただ単にチラシを配るのではなく、富裕層が多く住むエリアや高級マンションなどに限定して配布を行うことが可能です。

通常、それらの地域や住居はポスティング自体がブロックされていることもありますが、富裕層向けのポスティングを行っている会社へ依頼することで解消できます。

 

家事代行や不動産などのサービスに効果が高いです。

配るチラシは洗練されたデザインに加えて、商材の強みやどのような費用対効果を得ることができるのか、といったことを明記することをおすすめします。

 

他の施策に比べるとコストもあまりかからず、数万円~数十万円の予算で実施が可能です。

 

富裕層向け雑誌への広告出稿

前にも少し触れましたが、富裕層向けの雑誌への広告出稿も効果があります。

特に、消費活動に関わる商品、サービスを提供している場合におすすめです。

 

富裕層向けの雑誌は、雑誌そのものが富裕層からの信頼度も高いことから、問い合わせへと繋がりやすいと言われています。

どんな雑誌でもいいわけではなく、必ず商材と読者層の相性を考えた出稿が大切です。

また、掲載料金の相場が100万円前後~となっているので、しっかりと予算を確保してから望むと良いでしょう。

 

書籍の出版

商材がノウハウや信頼度が必要なものの場合、書籍の中でノウハウや自社の説明などを行うと効果が高いです。

書籍という媒体そのものの社会的信頼度の高さだけでなく、1冊分の内容の充実さや書店に並んでいることなど、顧客が信頼できる要素が多いことが特徴です。

 

資産形成や不動産など、顧客との信頼関係が大切なものや、もっと言うと、同業他社の中で富裕層を騙そうとしている会社が多い場合、大きな差別化を図ることができます。

 

「本を出している会社だから安心だろう」という印象は長く続くので、商材だけでなく自社のブランディングにも繋がります。

 

そして、富裕層の手に届いてその本が好印象であれば口コミで富裕層の中で広まることも多く、認知度拡大も期待できます。

書籍の制作・出版にかかる費用は100~600万円と内容や制作工程、販路によって大きく差があります。

 

書籍を作る際は、高額商材の売上に繋がる本づくりが得意であったり、企画や販促支援がしっかりした出版社を吟味して依頼することをおすすめします。

 

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富裕層向けや信頼度の高い媒体への露出

こちらは、広告というよりも、商材に関して担当者や社長が媒体への露出を増やす戦略です。

まず、顔出しで取材に応じること、自社について、商品の価値についてしっかりと記事にしてもらうこと、1社だけでなく複数社から取材を受けることで検索順位を上げ、認知度を高めることに繋がります。

 

富裕層の方々は1つの買い物に対して情報収集量が特に多いです。

ネットで「商品名」を検索した際、コーポレートサイトだけでなく、いくつかの信頼度の高い媒体に取り上げられている、という事実だけでも印象はだいぶ違ってきます。

 

ただ、信頼度の高い媒体は毎日多くの取材依頼が来ていますし、担当者とのコネクションがないとなかなか難しいケース、そして取材をしてもらうために別途費用が必要なこともあります。

新聞はもちろんのこと、ウェブメディアや情報番組など媒体によってやり方はさまざまなので、広報専任の社員を採用するか、PR会社へ依頼するのも一つの手です。

 

ある程度費用はかかってきますので、100~300万円ほどは予算を用意しておくことをおすすめします。

 

3.必ず定期的に実施結果の評価と改善を行う

 

マーケティングで特に大切なのが、実施した結果を適切に評価し改善を行うことです。

やりっぱなしや、問い合わせや成約があったから大丈夫だろう、という考えは捨てて、しっかりと数値を確認してください。

 

そのためにも実施する際にKPIをしっかりと設定しましょう。

 

マーケティング施策にかけた予算をしっかりと回収できているか、いくつか施策を実施した場合はどの施策が一番効果が高いか、施策を実施している時でも、最低月1回は数値を確認して方向性の修正などを行うことをおすすめします。

 

 

KPIの設定について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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富裕層へのアプローチでおすすめしない方法

 

富裕層の多くは普段からさまざまな営業を受けているため、テレアポやしつこい営業を行われることを特に嫌います。

 

自身で必要だと感じることがあれば自分で調べて学ぶ力を持っている人たちですし、コミュニティの中にも専門家は多くいるので、自身が興味を持っていないものに対してとやかく言われることがストレスになりやすく、商材の購入までいくことは難しいでしょう。

 

テレアポや飛び込み営業などのプッシュ型営業は避け、ウェブメディアの運営で専門的な情報の発信を行ったり、富裕層を対象としたセミナーなどを行うプル型の営業を徹底することが富裕層へのアプローチのポイントです。

 

また、よくある「無料で資料をプレゼント!」という見せ方よりも、「この先は会員限定コンテンツです(有料会員の方限定)」としたほうが、富裕層へのアプローチには刺さる傾向があります。

 

そして、コーポレートサイトや情報発信の質ももちろんのこと、どの媒体を使うか、どのような広告を出すかも重要です。

あまりにも安っぽいデザインは論外ですし、富裕層が好む洗練されたデザインにもこだわる必要があります。

 

 

まとめると、

  • 押し売り営業
  • 安っぽいデザインのHPやチラシでの宣伝
  • 無料やお得を打ち出す情報提供

を富裕層向けのマーケティングで行うことはおすすめしません。

 

 

富裕層マーケティングの事例

 

それでは、ここで富裕層マーケティングの事例を2つご紹介します。

 

1.レクサス

 

レクサス(https://lexus.jp/)はトヨタ自動車のブランドで1989年からスタートしました。

高級車というのは、希少価値が高いメーカー(フェラーリやベントレーなど)が優位で、大衆性が高かったトヨタは高級車を生み出すことに苦戦していました。

 

通常、高級車は乗り心地や燃費の良さが大事な大衆向けの車と比べて、とにかく見た目のデザイン性を追求します。

そのため、派手な車や速いスピードの出る車が高級車には多かったですが、大衆向けの車のスペックを備えている高級車はありませんでした。

 

そこでトヨタは乗り心地の良さ、燃費の良さなど質を重視した高級車を発売したところ、自動車に対して質を重視する富裕層に好まれ、レクサスは人気のブランドとなりました。

 

現在も「ラグジュアリーライフスタイルブランド」としてレクサスを打ち出しており、車に乗るという体験の向上を重視して、広告を展開し成功を収めました。

 

2.ヒルトン・グランドバケーションズ

 

ヒルトン・グランドバケーションズ(https://www.hgvc.co.jp/)とは、タイムシェアと呼ばれる富裕層向けのサービスの名称です。

会員権を持つことで、世界中のホテルに好きなタイミングで宿泊ができる、まさに「暮らすような」旅を楽しめる会員権を販売しています。

 

ヒルトングランドバケーションズクラブは、クラブが直営している150か所のタイムシェアリゾートだけでなく、世界各国にある7,400以上のヒルトン系列のホテル、11,500以上の提携リゾートの宿泊以外にも、クルージングなども利用することが可能です。

 

この会員権は相続が可能であることや、法人での契約もできるため、さまざまなタイプの富裕層のニーズを満足させるサービスと言えます。

ヒルトンホテルというブランドを上手に使った、富裕層向けのマーケティングです。

 

 

さいごに

 

今回は富裕層マーケティングについて解説をしてきました。

そして、特に富裕層に効果的なマーケティング手法として下記4つを解説しました。

 

  • チラシの配布
  • 富裕層向け雑誌への広告出稿
  • 書籍の出版
  • 富裕層向けや信頼度の高い媒体への露出

 

富裕層ビジネスはBtoCではありますが、BtoB的な側面も多い事業です。

新規参入のハードルが高いものの、信頼を得ることができれば、利益拡大に拍車をかけることのできるビジネスの一つでもあります。

 

富裕層へのアプローチや信頼度の獲得でお困りの方の中で、もし「信頼度獲得」でお悩みの方がいらっしゃいましたら、ぜひラーニングスまでお問い合わせください!

 

ラーニングスではBtoBだけでなく高額商材を扱っているBtoCビジネスの方々の費用対効果を重視した本づくりが得意な出版社です。

 

富裕層へ刺さる内容、本の使い方に関して独自のノウハウや柔軟なご提案も可能です。

 

出版に関して興味をお持ちの方、企画書を一度作ってみてほしいとお考えの方は、ぜひ下記よりお問い合わせください!

 

 

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投稿者プロフィール

南川 佳世
ラーニングス株式会社
アドバイザー/ブックライティングサービス『ひよどり』サービス運営統括責任者

大学時代は近世文学を専攻。 日本語教師の資格を持つ。

200名以上の経営者、士業の専門家へのインタビュー経験があり、Webメディアを中心に記事を執筆。
書籍の企画~出版を行うだけでなく、出版記念のウェビナー等、イベントの企画運営も行う。

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