そろそろ4月が近づき、これから新しいキャリアを進める方も多いでしょう。
そんななか、部下を持つことになり、マネジメントを学び始める方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、今回は、マネジメントの理論について、わかりやすく解説しました。
この記事では
- マネジメントとは
- なぜマネジメント理論を学ぶ必要があるのか
- 知っておきたいマネジメント理論【4選】
- マネジメント理論の応用
について解説しています。
ぜひ最後までご覧ください!
大学時代からこれまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書・実用書は3,000冊以上。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象に、出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。
マネジメントとは
まず、マネジメントとはどのようなものを指すかについて、解説していきます。
「マネジメント(management)」の言葉の意味としては「経営」や「管理」を指しますが、ビジネスにおいては「経営管理」や「組織運営」という意味合いで使われます。
企業や組織としての目標を達成するために業務とその進行を管理するのがマネジメントです。
マネジメント理論とは
マネジメントは「経営管理」や「組織運営」という意味があるとお伝えしましたが、では「マネジメント理論」とはどのようなものでしょうか?
マネジメント理論とは、企業や組織の目標を管理する際に成功へと導くのに必要な原理原則、考えをまとめたものです。
マネジメント理論を学ぶことで、目標達成のためにどのように経営資源を動かし、何をすれば従業員が能力を高く発揮できるか、といった方法を知ることができます。
もちろん、理論を学んでその通りに実行すれば絶対に成功する! とは言い切れませんが、物事を考えるうえで知っておくべき情報の一つです。
マネジメントを行うならば、自社の企業理念や企業文化を把握し、チームの特性に合わせて理論を応用しながら試行錯誤が必要です。
マネジメント理論を学ぶメリット
理論の説明に入る前に、もう少しマネジメント理論を学ぶ必要性についてお伝えしたいと思います。
まず、マネジメントをする側には基本となる5つの能力が求められます。
- リーダーシップ
- 現状分析の能力
- 問題解決力
- コミュニケーションスキル
- テクニカルスキル
マネジメントに求められるのは、組織やチームとしての目標の達成です。
特に大事なのは組織やチームとして目標を達成することなので、例えばできる社員1人に任せて目標を達成したとしても、それは適切なマネジメント能力とはいえません。
もちろん、その人1人だけに目標を与えて達成させることを指示しているのなら別ですが、チームとして取り組もう! という場合はメンバーの成長や特性に合わせて適切な業務の振り分けを行うことが大切です。
マネジメント理論を学ぶことのメリットは、チームで目標を達成するための方法を知ることができることです。
例えば、チームのまとめ方や指示の出し方、適切な業務の振り分けを知ることで生産性の向上を実現することができます。
他にも、マネジメント側に決定権のある意思決定や戦略、目標の設定のプロセスを学ぶことで、迅速なチーム運営が可能になります。
そして、時には厳しい判断を下さなければならない場面も出てきますが、その時は自身の直観や独断だけでなく、そしてチームでの多数決などでもなく、根拠のある考えのもと判断するべきです。
マネジメントとは、ただ自分が与えられた仕事をこなすのではなく、チームとしての目標に対して、メンバーと達成しなければならないので、人をまとめる方法、客観的に物事を観察する方法、適切に判断を下す方法など、学ばなければならないことが多いのです。
知っておきたいマネジメント理論【4選】
それでは、ここからは知っておきたいマネジメント理論を4つご紹介します!
1.ピーター・ドラッガーマネジメント理論
まず、多くの方がご存じなのは、ピーター・ドラッガーのマネジメント理論ではないでしょうか?
ドラッガーはマネジメントの父と呼ばれ、数多くの著書があります。
ドラッガーはマネジメントを「組織をして成果を上げさせるための道具、機能、機関」であると定義づけています。
つまり、何よりもマネジメントは成果を上げることが重要なのです。
そして、マネジメントを行うマネージャーを「組織の成果に責任を持ちマネジメントを実行する人」と定義づけています。
仕事を管理しながら部下の指導や育成を行い、それを正しく評価して組織(チーム)を同じ方向へまとめて目標達成、事業の成功へと導かなければなりません。
ちなみに、日本ではとても有名なピーター・ドラッガーのマネジメント理論ですが、アメリカでは経営学を学ぶ人たちの間ではあまり読まれていません。
なぜかというと、現在の経営学の主流が「経営を科学として分析する」ことなので、ドラッガーの実践的な理論が主流ではないからです。
また、ドラッガーの理論はすでに現代のビジネス文化の中に溶け込んでいるため、ビジネス教養としての立ち位置になっています。
2.ハーズバーグ二要因理論
これは、フレデリック・ハーズバーグが提唱した、業務を行ううえでの満足、そして不満足を引き起こす要因について言及した理論です。
普通、人が不満足になっていることを解決すれば満足すると考えがちですが、実はそうではありません。
人が不満足を感じるものと、満足を感じるものは全くの別なのです。
不満足になる要因を「衛生要因」、満足になる要因を「動機付け要因」と呼びます。
- 動機付け要因 …… 成果・承認・昇進・責任
- 衛生要因 …… 人間関係・給与・労働条件・安全
満たされなければ不満足になるものと、満たされなくてもすぐに不満足にいくわけではないが、満たされると意欲が湧くもので分けることができること、そして両方のバランスをとることが重要です。
3.ブルーム期待理論
これは、ビクター・ブルームが提唱したモチベーションに関する理論の一つです。
どのようなものかというと、人間は何か頑張らなければならないことや達成しなければならない目標に対して、その先にある「期待」に対して行動することを説明しています。
努力をした先に成果がありますが、それに対して自分への見返りが大きければ大きいほど、人は頑張って物事に取り組みます。
もし、チーム内で「どうせやったって意味ない」「いくら頑張ったって報酬はもらえない」という声が多い場合はブルームの期待理論を学び、成果とそれに紐づく報酬について再考しなければなりません。
4.マクレガーX理論・Y理論
これはダグラス・マクレガーによって提唱された理論です。
マズローの欲求5段階説をもとに考えられ、「人は本来仕事をすることが嫌いで、何かに強制されたり命令されなければ仕事をしない」とするX理論と、「仕事をすることは苦ではなく、条件によっては自分から責任を持ち仕事をする」とするY理論があります。
X理論を軸にしたマネジメントを行うと、強制的にやるように指示を出したり、徹底的に管理をしたり、厳格な処罰を与えたりと、加減を間違えれば部下の人間性にも影響を与えるようなマネジメントになります。
逆にY理論を軸にしたマネジメントを行うと、個人での目標設定やコーチングなどを行うので、一見して良さそうですが、どちらかというと性善説の強い考えなので、そもそも仕事に対して意欲的な姿勢が見られない場合や自主的に動かない部下がいた場合、だらけたり、仕事をしても適当にやったりする恐れもあるので、X軸・Y軸どちらかに振り切るのではなく、チームの状況を見てどのようにマネジメントを行えばいいかを検討しましょう。
補足:4つの心理効果
最後に4つの心理効果についてお伝えしようと思います。
①ピグマリオン効果
ピグマリオン効果とは、相手に期待をすると、その期待通りになるという心理効果のことです。
アメリカの教育心理学者であるローゼンタール氏が発表をした心理学用語です。
②ゴーレム効果
ピグマリオン効果の反対にゴーレム効果というものがあります。
これは相手に対して期待せずに、ダメだな、見込みがないな、といったネガティブなことを思っていると、本当にその通りになってしまう、というものです。
③ホーソン効果
ホーソン効果とは注目を浴びることで、その期待に応えたい! という心理が働き、それが結果に良い効果をもたらす、というものです。
生産性の向上にも効果があると実験により証明されており、他者からの「注目」「関心」が目標の達成に大きな影響を与えます。
④ハロー効果
ハロー効果とは、特定の一部分に対する評価を総合的な評価であると錯覚してしまい、結果として全体的な評価が歪んでしまう、という心理効果のことです。
例えば、有名大学出身だからなんでもできるんだろう、逆に、学歴が足りないからすぐに戦力にはならないだろう、といった評価をする側の認識が歪む現象のことを指します。
ピグマリオン効果と違うところとして、ピグマリオン効果は評価する側の認識が評価される側の意識や行動、それに伴う結果にまで影響を与えるのに対し、ハロー効果はあくまでも評価する側のみに影響する効果である、というものです。
マネジメント理論をどのように職場で活用するか
ここまで、4つのマネジメント理論と4つの心理効果について解説してきました。
これを読んでいるあなたがマネジメントする側であっても、される側であっても、「理論だけを知るのではなく、これを実際の現場でどのように活用できるか、自分自身で正解を見つけていかないといけないんだな」と感じたかと思います。
また、目標設定や業務の振り分け、達成するまでの評価チェックなどは調べれば参考になるものも多いかと思いますが、コミュニケーションの部分は正直会社ごと、働く人ごとに様々です。
たとえ同じ業種業態、同じ従業員数だとしても、成功事例を真似して上手くいくことはほぼないでしょう。
これは「人間力」と呼ばれる部分にも関わるかもしれませんが、大事なのは相手としっかりと向き合い、誠実に対応をすることです。
会社は利益を生み出すことが大前提にあるので、仲良し集団になればいいわけではありませんし、時には厳しい判断が必要になることもあります。
これからマネージャーになる方は、まずマネジメントとはどのような仕事をしなければいけないのか、自分自身はどのようなマネジメントを行うことができるのか、ということから考えて、実際にメンバーと関わる中で試行錯誤してみてください!
1人で仕事をするよりもチームで仕事をしたほうが大きな仕事を達成することができて、そしてより見える世界が広がります。
大変なことも多いかと思いますが、ご自身を信じて突き進んでいきましょう!!
さいごに
今回はマネジメントの理論について解説しました!
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投稿者プロフィール
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ラーニングス株式会社
アドバイザー/ブックライティングサービス『ひよどり』サービス運営統括責任者
大学時代は近世文学を専攻。 日本語教師の資格を持つ。
200名以上の経営者、士業の専門家へのインタビュー経験があり、Webメディアを中心に記事を執筆。
書籍の企画~出版を行うだけでなく、出版記念のウェビナー等、イベントの企画運営も行う。
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