ブックライティングに必要なインタビュー取材のコツを大公開!ライター、著者それぞれに必要な準備とは?

ブックライティングに必要なインタビュー取材のコツを大公開!ライター、著者それぞれに必要な準備とは⁉

 

 

出版をする際、原稿の作成はプロのブックライターに任せるケースが増えてきました。

小説などの創作物はAIが台頭してきましたが、ビジネス書などネット上には情報があまり載っていないノウハウ、創業者のストーリーに関しては、著者が話し、ライターがまとめて本を作っていきます。

 

ただ、本づくりのためのインタビュー取材を行う際、著者とブックライター双方からさまざまな質問をいただきます。

その本質は「どうやればいいのか?」というものです。

 

著者からは「どう話せばいいのか?

ライターからは「どこまで踏み込んで大丈夫か?

という声をよく聞きます。

 

なぜなら、良い本を作るためには、いかに書籍をつくるうえで必要な情報(著者様の頭の中にしかない情報)を話してもらえるかが重要になってくるからです。

 

 

そこで、今回は本を作る際のインタビュー取材に関するコツや準備方法などを広く皆様にお伝えすることで、より多くの方に出版にトライしていただくきっかけがつくれればと思い、この記事を書きました。

 

普段インタビュー取材をして本を作っている出版社だからこそお伝えできるノウハウが満載です。

 

ぜひ最後までご覧ください!

 

 

【この記事でわかること】

  • インタビュー取材がうまくいかない理由
  • 著者がするべきインタビュー取材の準備
  • ライターがするべきインタビュー取材の準備
  • インタビューをする際のノウハウ

 

【監修者】
 梶田 洋平
 ラーニングス株式会社 代表取締役
大学卒業後は証券会社に入社し、5年弱勤めて退社した後、出版事業を手掛ける会社を起ち上げる。
大学時代からこれまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書・実用書は3,000冊以上。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象に、出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。

 

 

 

 

本づくりの流れ

 

まずは簡単に本づくりの流れをご紹介しようと思います。

(※出版社によって多少の違いはありますが、今回はラーニングス株式会社の本づくりの流れで話を進めていきます。)

 

最初に著者様とラーニングスで企画を練って目次を作り、ボリュームを決めてから2~3時間の取材を3~4回行います。

編集者またはライターがインタビュアーとなって問いかけ、著者は本の中に入れたい内容や想いを話し、それをもとにブックライターが原稿を仕上げていくという流れです。

 

取材はラーニングスの編集が行っており、内容やスケジュールによってライターの同席があるもの、ないものがあります。

取材慣れしているライターさんであれば、インタビュアーをお任せすることもありますが、必ずすべての取材に編集が立ち会います

 

 

ブックライター、著者様それぞれのお悩みとは?

 

企業出版を行っているラーニングスでは、ブックライティングサービス『ひよどり』の運営も行っているので、日々ルーキーからベテランまでさまざまなライターさんのお声を耳にしています。

 

『ひよどり』の仕事について詳しく知りたい方はこちら

 

弊社以外でも活躍している方が多いのでさまざまなご経験を共有いただきますが、やはり著者様がどれだけお話ししてくださるか、という部分が一番の関心どころとなっています。

 

本に必要な情報を引き出すのが編集とライターの仕事ですし、取材に入る前の準備も怠りませんが、そのうえで著者様のお話の仕方というのは良い取材のためには大切な要素なのです。

 

ブックライターからは

著者様はお話し好きな方ですか?

内容はどこまで決まっていますか?

取材中はどこまで踏み込んでいいですか?

などと聞かれることがあります。

 

完成イメージはもちろんのこと、何のために本を作るのか、著者様が何を求めているのか、編集と著者様間で築いた信頼関係はどのレベルかといった情報は、ライターが著者様と仕事をするうえでは欠かせません

 

お話し好きな方だと、自分の伝えたい想いがあふれ出て話が飛んでしまったり、事前に決めていた内容と話している内容がずれてしまうこともあります。

反対に、1聞いたら1だけ回答があり、話を膨らませることに苦労する場合もあります。

打ち合わせとインタビュー取材で印象が大きく変わる著者様も中にはいらっしゃるので、事前に編集とライター間で取材中の役割を決めておくケースも多々あります。

 

一方、インタビュー取材で原稿を作ることは、著者の負担を減らすこと出版のハードルを下げることにつながってはいるものの、取材が初めての方にとっては最初は緊張されることも少なくありません。

 

著者様からよく聞くお声の中で多いのは、

取材されたことがないからどの程度話せばいいかわからない

自分のイメージ通りの原稿を作ってもらうために、どのように話せばいいか悩む

というものです。

 

普段から取材をよく受ける著者様であっても、本1冊分(5~10万字)のボリュームになる内容を話す経験はされたことがない場合も多く、ただ話すだけといっても「どうやれば…」と悩まれる方も少なくありません。

 

目次に沿って話すことが決まっていても、話す中で自分でも気づかなかった矛盾があったり、答えを出し切れていない内容があったりすることもあり、取材期間中は自問自答の日々となります。

 

そのため、「ライターに想いが正しく伝わる話し方のコツ」は多くの著者様からご質問をいただきます。

 

イメージと違うものができあがってしまうワケ

 

ネット上には「ライターに記事の作成を依頼し取材を受けたが、イメージと違うものができあがってきてしまった」という書き込みが多々あります。

 

本を作る際にブックライターを使うことに不安を覚える方の多くは、

作りたいものができないのではないか

お金が無駄になってしまうのではないか

という気持ちがあるのではないでしょうか?

 

 

良い原稿を作るためには、

  • 何のために作るのか、目的を明確に共有すること
  • 完成イメージを双方が同じレベルで共有すること
  • そのために何が必要なのかを把握し、情報を集めること

が重要です。

それをしなければ、イメージと違う原稿ができあがってしまいます。

 

 

また、いくら話すだけといっても、支離滅裂であったり、話している内容があっちこっちいってしまっていたら、聞いている側から

今、この人は何を伝えたいんだ?

さっき話していたことと違うことを言っているけど、何が正解なんだ?

と頭の中がハテナで埋め尽くされてしまいます。

 

そして、そのことに対して質問をしたとき、

とりあえずできあがってから考えます

まずは書いてもらって、そこからこちらで修正していきます

という回答をされる方も少なくありません。

 

もちろん、ライター側の準備不足で必要な情報がとりきれない場合もありますし、会話のテンポを合わせることができずに段々と話す内容が薄くなってきてしまって良い質問ができなくなってしまう、ということもあります。

話している内容をまとめるスキルが弱く、文章に反映されないケースもあるでしょう。

 

イメージ通りのものを作るためには、何よりも情報を正しく伝えること、それを正しく受け取り文章に反映させることが必要なのです。

 

著者はただ話せばいいと考えるのではなく、必要な情報を正確にしっかりと伝える必要がありますし、ライターはただ著者が話している内容をそのまままとめるのではなく、正確に情報を受け取り、そのうえで読者にとって読みやすい内容に仕上げなければなりません。

 

双方の協力があってこそ、良い原稿へと近づきます。

 

 

インタビュー取材の準備 ①著者編

 

それでは、ここからはインタビュー取材の準備について著者とライターそれぞれに必要な情報をまとめていきます。

 

まずは、著者編です。

 

著者の準備はとてもシンプルです。

それは、本にしたい内容を話す前に順序立ててまとめておくことです。

 

インタビュー取材に入る前に出版社と目次について話をしているかと思います。

第●章ではどんな内容を話し、その説明にどんな情報をまとめなければいけないのかなど、骨子が共有されていることでしょう。

 

何よりも大事なのは、当日話す内容を事前にしっかりとおさらいすることです。

イメージトレーニングでも構いません。

とにかく、ぶっつけ本番で取材には望まないことをおすすめします。

 

例えば、「マーケティングとは」「インサイドセールスとは」といった一般的な説明で足りる部分ならまだしも、著者しか持っていない「会社独自の価値観の話」「創業ストーリー」などは順序立てて話せるようにトピックをまとめておきましょう

 

 

ちなみに、「1つの質問に対してどの程度話をすればいいのか」という質問に対しての答えは、

それを説明するにあたって必要だと思う情報を順序立ててすべてお話しください

となります。

 

ポイントは自分の気持ちと出来事を分けて話すことです。

例えば、「会社が合併されることになった」は出来事で、「この先この会社にいてもいい仕事ができないと思った」は自分の気持ちにあたります。

 

話すときはまず、どのタイミングでどんな出来事があったかを簡潔に伝え、その後に自身がどう思ってどんな決断をしたかを話すといいでしょう。

 

 

ここまでいろいろとお伝えして難しく感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、取材中はインタビュアーの役割をする編集またはライターが話の誘導をしますので、安心してそれに沿ってお話しいただければ問題ありません。

 

 

また、取材をしていてよくあるのが、話しているうちに

この話題もあったほうがいいかも

これについても説明があったほうがいいかも

こんなこともあった

とアイデアが浮かんできて、そこから内容がぐちゃぐちゃになるケースです。

 

話はしっかりと聞きますので、まずは大事なところを話し切ってから、補足として「こんな話もある」と切り出していただけると助かります。

 

もしできなくても、インタビュアーが適宜方向性の確認と要約をしながら話を進めていきますので、著者様がご負担に思うことは一切ありません!

 

著者のインタビュー取材前の準備は、とにかくしっかりと当日話す内容をまとめておくことに尽きます。

 

 

インタビュー取材の準備 ②ライター編

 

次は、ライター編です。

 

ラーニングスでは、基本的に取材は編集者主導で行いますが、中にはライター主導でやることもあるでしょう。

ここでは念のため、インタビュアーとして必要な準備も併せてまとめました。

 

執筆するために必要な準備

 

まずは、取材内容をもとに原稿を書くために必要な準備について解説していきます。

必要なのは下記の4ステップです。

 

  1. 企画内容を理解する
  2. 著者と書籍内容の情報を下調べする
  3. 目次を見て、取材前に事前に知りたいことを編集者に確認する
  4. 書籍の完成イメージを明確に持って取材に臨む

 

まずは企画内容を理解しましょう

なぜ本を作るのか、本を作ることでどんなことがしたいのか、著者はどんな想いで本を作ろうと思ったのか、誰に向けた本なのかを把握してください。

 

次に、著者と書籍内容の情報を下調べしましょう

SNSや会社のHP、過去の取材記事やプレスリリースからさまざまな情報を得ることができます。

また、書籍内容で事前に理解しておくべき内容、あらかじめ知識を持ったうえで著者に質問したほうがいい内容があれば勉強しましょう。

 

そして何よりも大事なことは、もらっている情報以外に知りたい情報があれば、事前に聞いておくことです。

当日聞けばいい内容もあるかと思いますが、顔を合わせる前、話を聞く前に知っておきたい情報はいくつかあると思います。

 

  • 著者が話し好きかそうでないか
  • 目次を見た段階で○○と■■は調べて書いたほうが良さそうだが、取材当日著者が資料を用いた説明などはあるのか
  • 想定ボリュームと話してもらった内容が足りない場合の対策について

 

などなど、気になったらできるだけしっかりと確認をしましょう。

 

そして最後は、書籍の完成イメージを明確に持つことです。

取材をする中で多少の変更は出てくるものですが、最終的な原稿完成のイメージを持っておかなければ、企画通りの本はできあがりません。

 

後から必要な情報が抜けていた、著者の想いと違うことを書いていた、ということにならないよう、原稿完成イメージは強く持って取材に臨むことをおすすめします。

 

編集がインタビュアーとして話のリードを握りますが、聞いている中で足りない情報や追加で聞きたいことなどはしっかりとその場で解決し、都度イメージをすり合わせることで、完成度の高い原稿を作ることができます

 

 

インタビュアーとして必要な準備

 

では次にインタビュアーとして必要な準備についてお伝えしていきます。

普段ラーニングスの編集が行っていることをまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

  1. インタビュー取材をする前に最終的な仕上がりを具体的にイメージする
  2. 必要な情報をピックアップする
  3. 取材時は相手と会話をすることに重きをおく
  4. 取材時間を守る

 

取材をする前は、何よりも完成後の仕上がりを具体的にイメージするところから始めます。

 

すでに企画書、目次に必要なことは落とし込んでいる状態ではあるのでゼロからのスタートではありませんが、とにかく「完成イメージを実現させるために、どんな情報が必要なのか」を考えます。

そして、必要な情報をまとめて、当日プラスαで聞くこと、どのようにテーマへと誘導するのか、イメージを固めます。

 

取材中は2~3時間、常に会話のリードをしなければなりませんし、インタビュー取材はおしゃべりをする場ではないので、無駄な時間にはできません。

著者に本の内容に必要なことを話し切ってもらうためにも、完成イメージとそれに対してどのように話をひっぱるか、いかに話をそらさずにするかは、事前に作戦を練る必要があります。

 

そして、特に大事なのは、取材中は相手と会話をすることに重きをおくことです。

 

いくらインタビュー取材だからといって、一方的に質問をし続けると相手は疲れてしまいます。

インタビュー取材が尋問のようになってしまってはいけません。

 

ちなみに、取材中はメモを見る回数は極力少なくしましょう

数字や名称はメモをしっかりと見ながら間違いのないように話すことが大事ですが、質問の流れや基礎情報はすべて頭に入れてください。

相手の話を聞きながら、これまで話してもらった内容を整理しつつ次の質問内容を考えて話を振るのがインタビュアーの仕事です。

 

 

取材中にメモをとることもあると思いますが、必ず「この人は話を聞いてくれている」という安心感を相手に与えられている状態を保ってください。

ずっと下を向いてパソコンをカタカタし続けたり、ノートに文字を書くことばかりに集中してはいけません。

優先するべきは、メモをとることではなく、相手に話をしてもらうことです。

 

インタビュアーはいかに相手に気持ちよく話してもらうか、そして、いかに必要な情報を引き出せるかが大事なのです。

 

あくまでも自然に会話をしながら、そして集中してしっかりと話してほしいタイミングに合わせて緩急をつけて質問を投げかけていきましょう。

正確な答えが返ってきてほしい場合は「◎◎ですか?」とはっきりと質問し、相手の考えや感情に触れる場面では、相手の答えを踏まえて自身が持った印象、感想を添えて話してみてください。

また、相手の努力や厳しい判断、挑戦をしたエピソードが出たら、必ず心から尊敬し、共感し、相手を称賛してください。

 

自分の辛いことや泥臭いことを他人に話すのはとても勇気がいることです。

本にしたいという気持ちがあるにしろ、話しづらいことを語り、世に出す決断をしてくださったのは他でもない著者様です。

 

編集もライターも著者がいなければ成り立たない仕事ですので、リスペクトを持ち相手に伝えることは欠かせません。

ちなみに、取材が終わった後のお礼メールであらためて著者に感想を伝えると、良い印象を残せてリピートをもらいやすくなりますのでトライしてみてください。

 

 

そして最後に大事なことは、取材時間を守ることです。

取材開始時間だけでなく、取材終了時間もしっかりと守りましょう。

 

例えば、2時間のインタビューで1章分撮り終える必要がある場合、どの内容にどれくらい時間をかけるかを考えて取材を始めてください。

 

もし時間が押している場合、どのように誘導して時間内で終えるのか、それとも次回に持ち越すのか、取材時間を延長するのか、どのタイミングで著者に時間が押している旨を伝えるのか、イレギュラーへの対応までしっかりと考えておきましょう

 

時間配分を考えたうえで、例えば  “1時間半を過ぎても△△の部分までいかなかったらその日は最後まで取り終えることができないだろうから、その時点で著者に相談しよう”  など、見通しを立てておくことも重要です。

 

 

最後に

 

今回は、本づくりの工程の中のインタビュー取材のノウハウについてお伝えしました。

 

  • 著者は話す内容をあらかじめ整理してから取材に臨む
  • ライターは完成図をイメージしたうえで必要な情報を整理する
  • インタビュアーは時間を守りながら、いかに相手にストレスなく話してもらうかが大事

 

ラーニングスでは、著者様はもちろん、ブックライターさんにとっても仕事のしやすい環境を整えて本づくりを行っています。

 

インタビュー取材が初めての著者様のサポートも常日頃行っておりますので、ぜひ安心してお任せいただけると嬉しいです!

 

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投稿者プロフィール

南川 佳世
ラーニングス株式会社
アドバイザー/ブックライティングサービス『ひよどり』サービス運営統括責任者

大学時代は近世文学を専攻。 日本語教師の資格を持つ。

200名以上の経営者、士業の専門家へのインタビュー経験があり、Webメディアを中心に記事を執筆。
書籍の企画~出版を行うだけでなく、出版記念のウェビナー等、イベントの企画運営も行う。

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>知識0から本を出版する方法7Step

知識0から本を出版する方法7Step


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