マーケティングやブランディング、営業など、あらゆる企業活動を成功に導くためには、顧客解像度を高くしなければなりません。
なぜなら、誰に何を届けるのかをしっかりと決めなければビジネスは成り立たないからです。
しかしながら、顧客像というのは、営業を行う前線と比べ、支援策を実行するマーケターや運用・管理側はなかなかつかみづらいのが現状です。
今回は、なぜ顧客解像度が重要なのか、どのように解像度を高くするか、についてまとめました。
ぜひ最後までご覧ください!
大学時代からこれまで自身が著者で出版した本は16冊、読んできたビジネス書・実用書は3,000冊以上。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象に、出版でビジネスを加速させるお手伝いに力を入れる。
顧客解像度とはなにか
今回の記事のテーマである「顧客解像度」とは、ターゲットとする顧客が属する業種業態や企業規模だけでなく、企業としての課題、置かれている環境、決裁者、担当者などの情報の解像度を指します。
ビジネスが上手くいく秘訣とは、この顧客が誰で、何を課題にしていてどのような解決を望んでいるのかを正しく理解し、それを解決できるサービスを提供することです。
そのためにも、自社がどのような顧客の課題解決ができて、それを求めている顧客はどこにいるのかを把握する必要があります。
BtoBビジネスではどのように顧客解像度を上げるか
BtoCと違い、BtoBの顧客は企業ではありますが、実際には現場担当者が使ったり、社内でも特定の人たちが使う商品やサービスの場合もあります。
その場合、商材によってはどこに焦点を当てて解像度を上げるか、という部分で悩むこともあるでしょう。
また、実際に顧客が自社商品、サービスを使っている状態を生で見ることはなかなかできませんし、普段の業務進行や社内目標なども、ヒアリングベースでしか分からない部分もあります。
そして、最初の担当者が実際に商品やサービスを使うのではなく、複数の関係者を通して決裁者に繋がる、といった場合、立場によって、社内での情報共有や課題に対する温度感によっても違ったアプローチが必要になることもあります。
例えば、ラーニングスはお客様の売上アップを実現するために本を作り、活用する支援を行っていますが、営業時に名刺代わりやノウハウの説明などで使う場合もあれば、セミナーやコンテンツ発信の軸として本を作り活用される方、集客のツールとして使う方と様々いらっしゃいます。
そのため、ラーニングスでお役に立ちやすい業種業態、企業規模を明確にすること、サービスの特性上幅広く柔軟な課題解決が可能なことから、お客様のお悩み別に解決への勝ちパターンの作成を細かく行っています。
具体的にどのように顧客解像度を上げるか
それではここからは、具体的にどのような方法で顧客解像度を上げるかを説明していきます。
実績がすでにある場合は、既存顧客の事例をまずはしっかりと頭に入れましょう。
特に把握しておきたい内容は下記の4つです。
- どのように商談に繋がったか
- 何が成約の決め手になったのか
- 実際に導入してからどのように使われているのか
- 導入後に使ってからのご不満やご要望
「どのように商談が繋がったか」を知ることで、成約に繋がりやすい導線を見つけることができますし、「成約の決め手」を知ることで、顧客が自社の商材に対してどのような価値を見出しているかを知ることができるので、新たなマーケティング戦略の立案にも繋がります。
また、「実際に導入してからどのように使われているのか」を知ることで、自社が想定していない活用方法を知ることができるので、新しい切り口でのサービス展開が可能になります。
最後に、「導入後に使ってからの不満や要望」を知ることで、商材の改善やアフターフォローの充実なども図ることが可能になります。
これらの理由から、営業担当者へのヒアリング、SFAの分析、顧客へのインタビューなど、できることはすべて行うと良いでしょう。
また、問い合わせの流入経路、競合と自社のどの部分を比較検討しているのか、現在商談中のものや新規アポの顧客の情報も常に把握しておきたいものです。
商談内容の把握はもちろんですが、どのような宿題をもらっているか、どのような提案をしているか、お客様の温度感なども知ることができると、なお良いでしょう。
そこから新しいサービスアイデアが生まれたり、コンテンツ発信のてこ入れを行うことができます。
顧客解像度を上げる手法5選
マーケティングを行う上では、顧客が「いつ」「どこで」「どのように動き」「何を求めていて」「どんなことに課題を感じ」「何を欲しくて」「今何がしたいのか」を把握できる状態を作ることが理想です。
これらのことが分かれば、必要な施策はおのずとわかってくるので、あとは行動するのみです。
では、それらを把握するための手法を5つ紹介していきたいと思います。
- 顧客へのインタビュー
- 営業マンへのインタビュー
- 営業担当部署との連携強化
- 社内に蓄積された情報の分析
- 営業同行
1.顧客へのインタビュー
まず、顧客へのインタビューですが、既存顧客にも新規顧客にも行うと良いでしょう。
既存顧客と新規顧客ではニーズや課題が違う場合もあるので、それまでの商品、サービスでいいのか、コンテンツ発信で軌道修正をしなければならないところはないか、ということが分かってきます。
例えば、2~3年前からお付き合いのある顧客と新規の顧客がそもそも自社を見つけたところが、検索エンジンとメディアで違い、ジャンルも違うもの(例えば、メディアが製品よりも社長重視のもの)であれば、ファーストインプレッションに大きな差があることは分かると思います。
どのように顧客が変化しているか、課題に感じていること、ニーズの変化に対応するためにも、顧客の生の声はとても貴重です。
2.営業マンへのインタビュー
顧客に実際にインタビューをすることが難しい場合もあるでしょう。
もちろん、顧客にインタビューを実施した上でも行ってもらいたいのが、営業マンへのインタビューです。
SFAなどの記録で商談状況のメモが残されていて、成約や失注、検討までのルートを辿ることが可能かと思いますが、それでも実際に話を聞くと、持っていた印象とまた違ったインパクトがある場合が多いです。
例えば、「社内に持ち帰ります」と顧客が言っていたとしても、それは前向きなのか、断るためのワンクッションなのか、なかなか判断がつきづらいです。
また、特定の業種業態からの問い合わせは多いのに成約数が少なかったり、商談化率が悪い場合、何かしらのニーズを満たせていない、足りていない部分が見えてきます。
これらを営業マンに直接聞くことで、記録に書いてあること以外の肌感も教えてもらうことができますし、「その時にこういう提案や情報が伝えられていたらまた違う答えをもらえる可能性はあったか」などの仮説ベースで質問をすることでいいヒントをもらえることでしょう。
3.営業担当部署との連携強化
少人数の規模感やワンフロアの企業であれば営業マンとのコミュニケーションはとりやすいかと思いますが、在宅勤務や対面で会う機会が少ない、という状況であれば意識的に接触をしなければなりません。
特に、テレアポやDMなど、自社側でリストを用意してコンタクトをとっている場合、今どの業種業態を狙っているのか、最新の顧客の生の声、情報などがリアルタイムで共有できるので、発信までの時間短縮も可能になります。
4.社内に蓄積された情報の分析
社内に蓄積された情報がまばらであった場合は整理する必要がありますし、すでに蓄積されている情報がある場合は、成約数が多い案件の傾向や失注理由の傾向などを把握することができます。
新たな施策やコンテンツ制作など、何か施策を実行する前には必ず情報の分析を行いましょう。
5.営業同行
社内で許可が下りたら、ぜひ営業同行を行うことをおすすめします。
営業マンがどのようにセールスをしているか、お客様の反応はどうか、などなど実際の反応を体験できるので、マーケティングにとても役立ちます。
最後に
今回は顧客満足度を高める方法について解説しました。
特に大事なのは下記2点です。
- 実際の顧客の声、反応を知る
- 現場の営業マンにヒアリングする
マーケティングは机上の空論になりがちですが、まずは目の前にいる顧客の意見を大事にしていきましょう。
また、ラーニングスでは、書籍づくりを通して、著者様の顧客の方々にしっかりと本を届けるためにも特にこの顧客解像度を高めるためのヒアリングを大事にしています。
出版企画を立てる際に、誰をターゲットにするか、ターゲットはどのような情報を求めているかを追求しなければ、事業へ繋がる書籍を作ることはできません。
顧客解像度をしっかりと高めた上で費用対効果を実感できる出版がしたい方はぜひラーニングスまでお問い合わせください!
投稿者プロフィール
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ラーニングス株式会社
アドバイザー/ブックライティングサービス『ひよどり』サービス運営統括責任者
大学時代は近世文学を専攻。 日本語教師の資格を持つ。
200名以上の経営者、士業の専門家へのインタビュー経験があり、Webメディアを中心に記事を執筆。
書籍の企画~出版を行うだけでなく、出版記念のウェビナー等、イベントの企画運営も行う。
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