自費出版と著作権の関係|どこまで適用!?

文章を書くことが好きな方の中には、本を出してみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

小説やエッセイを書き溜めている方なら尚更です。近年では、素人の方でも「自費出版」という方法で、誰でも本の出版ができるようになりました。

個人が自由に書いた本や、趣味に関する少しマニアックな本は、商業出版とは一味違った魅力があります。

そこで今回は、自費出版と著作権の関係について紹介します。

 

自費出版とは

「自費出版」とは、出版費用を著者が全額負担し出版する方法のことで、費用さえ準備できれば基本的に誰でも出版することができます。

企画出版とは違ってその本が売れる見込みがあってもなくても出版できるため、出版社側から本の制作について基本的に指示を受けることが無く、筆者の自由に思う通りに本を制作できます。

また部数も1冊から作れるため、流通を目的としないプライベート本から、流通を意識した部数まで選択でき、増刷なども著者の要望に沿って対応できます。

そのため、欲しい時や必要な時に増刷するような柔軟さを求めている場合には、自費出版は向いています。

自費出版の場合、出版までのハードルが企画出版に比べてとても低いのですが、宣伝や広告などのプロモーションは著者が行わなければならないので、出版にかかった費用を上回る程の収益を得るのは難しいでしょう。

しかし、SNSなどを積極的に利用して宣伝活動を行ったり、ネット上で本を販売したりすることで、コストをかけずに販売力を高めることが可能です。

 

著作権とは

著作権とは、知的財産権のひとつです。

作者の考えや感情が表現された文芸や音楽、美術などのことを著作物といい、執筆・創作した作家や作者のことを著作者といいます。

文章や音楽、絵などの著作物を執筆・創作したときに、その作品がどう使用されるのかを決められる決定権が著作者に与えられ、その権利のことを「著作権」と言います。

著作権は著作物を執筆・創作したときに自然に発生しますので、権利を得るための手続きなどは必要ありません。この権利はプロや素人に関係がなく、誰もが持つことのできる権利です。

著作物の利用は著作者が独占することになりますので、他の人が書いた本の一部を引用する時などはその著作者の許可を得る必要があります。

収益を目的としない本の場合においても、参考として明記しておくことが著作者としてのマナーだといえます。

また、何ページにもわたって引用する場合には、元著作者に許可をもらうことが必要です。

著作権の「権利」とは

著作者の権利は、人格的な利益を保護する、「著作者人格権」と、財産的な利益を保護する、「著作権(財産権)」に分けられます。

・著作者人格権

著作権法では著作者人格権として、非公表の著作物を公表するのかしないのか、公表する場合はどのようなタイミング、方法を取るのかなどを決定する権利である「公表権」。

著作者名の有無や実名での公表かペンネームを使用するのかを決定できる権利である「氏名表示権」。

内容や題号を勝手に改変されない権利である「同一性保持権」の3つの権利を定めています。

・著作財産権

著作財産権には、著作物を印刷や録画などの方法で再生する権利である「複製権」。

上演したり、演奏したり、上映したりする権利である「上演権・演奏権・上映権」。

放送したり、有線放送したり、公衆送信された著作物を、受診装置を使って伝達する権利である「公衆送信権・伝達権」。

朗読するなどして伝達する権利である「口述権」。

未発表の著作物を、原作品により展示する権利である「展示権」。

映画の著作物を複製物により頒布する権利である「頒布権」。

映画以外の著作物の原作品や複製物を公衆に譲渡する権利である「譲渡権」、複製物の貸与により公衆に提供する権利「貸与権」。

著作物を翻訳、編曲、変形、翻案する(二次的著作物を創作する)権利と利用できる権利「翻訳権・編曲権・変形権・翻案件」・「二次的著作物の利用権」があります。

著作権の対象となるもの

著作権は以下のものに発生します。

・言語 : 論文・小説・脚本・俳句・講演など

・音楽 : 楽曲・歌詞

・舞踊 : 日本舞踊・バレエ・ダンスなどの振り付け

・美術 : 彫刻・マンガ・絵画・美術工芸品など

・建築 : 独創的な建築物(設計図は図形の著作物)

・図形 : 図面・地図・模型など

・映画 : 映画・ドラマ・ネット配信動画・ゲーム・CMなど

・写真 : 各種写真

・プログラム:コンピュータ・プログラム

その他にも百科事典や翻訳論文、二次的著作物なども著作物には入りますが、憲法や法律、裁判判決などに関して著作権は発生しません。

出版権とは

著作物を出版することができる権利のことを出版権といい、出版権を設定できる者は第21条に定める複製権を有する者となります。

著作権者が有する著作物を複製する権利に基づき,その著作物を出版することを引受ける者に設定する準物権的権利です。

出版権の設定を受けた者は、著作物を出版する権利を独占できますが、出版権の設定を受けてから6ヶ月以内に出版しなければならないという義務があります。

出版する権利を受けた者は著作物を出版・複製する権利のみを有し、著作物そのものの権利を有するものではありません。

 

 自費出版の場合どこまで著作権は許される?

自費出版では、基本時に筆者の好きなことを自由に書いて出版できるのですが、それがオリジナルならばなんら問題はありません。

しかし、同人誌などを出版する場合、気付かないうちに著作権を侵害してしまうことがあります。

そういった出版物の場合、どこまで著作権は許されるのでしょうか。

自身や家族など身内に公開する場合

プライベート本など、個人や身内のみに公開して楽しむだけならば、他の著作物から文章やイラスト、写真などを無断で取り入れたとしても著作権侵害には当たりません。

例えば、家族写真や子供の成長などを記念して出版する場合、そこに好きなキャラクターのイラストなどを入れて身内で楽しむ数冊だけを出版した場合です。

友人に譲渡・販売する場合

自費出版した著作物を友人に利益を得る目的のために販売することはもちろん、無償での譲渡も著作権の侵害に当たります。

例えば、個人で楽しもうと数冊自費出版しただけでは著作権の侵害にはあたりませんが、その本を友人に販売したり、無償譲渡したりしたとき、著作権の侵害に当たるのです。

挿絵程度なら大丈夫、目立たないから大丈夫といったルールはありませんので、著作物の取り扱いは注意する必要があります。

出版社を通した場合

出版社を通して流通させる契約の自費出版であれば、商業出版と同様に出版契約書を交わすことで、著作権者と出版権者が設定されます。

その場合の多くは、その作品を創作した作者が著作権者となり、印税を受け取る権利を有します。

出版権は出版社に設定され、出版契約中は他の出版社から出版することはできません。

しかし、たとえ出版権を有する出版社であっても、著作権者や作者に無断で増刷や作品内容の改ざん、定価の変更を行うことは出来ません。

著作権フリーの素材

著作権フリーを謳っているイラストや写真を見つけて利用するのも良いのですが、自費出版して販売すると商用利用となりますので、著作権フリーの素材であっても使用してはいけない場合があります。

トラブルを避ける為には、使用しない方が確実で安全です。

 

本を出版する前に「著作権」には十分に気をつける

自分のアイデアや好きなことを、自由に表現して出版できる自費出版ですが、せっかく良い本が完成したとしても、著作権の侵害になっていると流通させることは出来ません。

初めからプライベート本として出版しているのでなければ、他の著作物から好きなイラストや写真を取り入れていたとしても著作権の侵害にはなりません。

本を出版する前に、どのような目的の本であるのか、販売が目的の場合には、著作物が入っていないか、同人誌の場合特に注意し、確認してから出版してください。

投稿者プロフィール

マーケティング出版プラス編集部
マーケティング出版プラス編集部
学生や子育て中のママなど、様々なバックグラウンドを持つメンバーが所属。

出版をもっと身近に感じてもらうために、自分の家族や友達にも読んでもらえるような、分かりやすく丁寧な記事づくりを心掛けています。

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